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名匠【アルフレッド・ヒッチコック】監督おすすめ映画7選!

ひつじ

映画界においてその名を燦然と残す名匠アルフレッド・ヒッチコック。映画を見たことはなくても、その名前だけは必ず聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。数々の名作を世に生み出し、今なおファンが多いカリスマ的映画監督です。後世の映画界に多大な影響を及ぼしたヒッチコックの名作の中から、おすすめの7編をご紹介します!

アルフレッド・ヒッチコックは、1899年イギリスのロンドンに生まれます。10代で父親を亡くしたことから、働きながら大学へ通い美術の勉強に取り組みました。始めはタイトルデザインなどを手掛けて、映画に関わっていました。その頃、まだ映画はサイレントの時代でした。イギリスで映画製作を開始し、その名を知られていったヒッチコックはハリウッドに進出します。

彼の作品はそれまでにない独特な世界観を持ち、次々とヒット作を世におくりだすことになりました。映画だけでなく、テレビドラマでも名作を生み出しています。
また、ヒッチコックはエキストラのように、自らの映画にゲストとして1シーンだけ出演するカメオ出演でも有名で、「ヒッチコックを見つけること」が彼の映画のもう一つの楽しい鑑賞の仕方です。

アルフレッド・ヒッチコック監督のおすすめ映画7選

1 レベッカ


出典: Wikipedia

あらすじ

付き人として訪れた旅先モンテカルロで、私(ジョーン・フォンティン)は、イギリスの大金持ちマキシム(ローレンス・オリヴィエ)と出会い恋に落ちる。私は結婚を決意し、イギリスの屋敷にそのまま向かうことになる。マキシムにとって私との結婚は二度目で、前妻は一年前にヨットの事故で亡くなっていた。彼女の名はレベッカ。

死んだはずのレベッカだが、その存在はまだ屋敷そのものを支配していた。残されたままの部屋や自分を受け入れてくれない使用人たち。異様な雰囲気の屋敷の中で、私は次第に精神的に追い詰められていく。
そんな折、行方不明だったレベッカの死体が湖から発見される。嵐に巻き込まれて亡くなったレベッカの死因が改めて調査されることになり、それによって私は様々な疑惑と思惑の渦中に巻き込まれていくことに…。

ヒッチコック監督「レベッカ」撮影裏話

主人公のジョーン・フォンティンはほぼ無名に近い存在だったため、抜擢に反対意見も多く、相手役のローレンス・オリヴィエでさえ冷たかったという話です。しかしそれが逆に不安で恐怖に怯える女性の心理を演じるのに役立ったという見方もされているようです。ジョーン・フォンティンには気の毒ですが、追い詰められる心理描写が核になるヒッチコックの作品故に、結果として良しという事になるのでしょう。

ヒッチコック監督のここがすごい!

1940年公開の「レベッカ」は、ヒッチコックのその後のハリウッドでの活躍の幕開けになるデビュー作になります。加えて、アカデミー賞作品賞も受賞。意外なことに、巨匠と言われているヒッチコックですが、ノミネートはされるもののアカデミー賞の受賞はこの一作だけ。しかし元々SFやサスペンスなどのエンターテインメント系の映画は、アカデミー賞を受賞しにくいという説を考えれば、快挙といえるかもしれません。

基本情報

上映時間:130分
出演者:ローレンス・オリヴィエ ジョーン・フォンティン
受賞歴:アカデミー作品賞
公開日:1951年4月7日
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2 白い恐怖


出典: Wikipedia

あらすじ

真面目で堅物な女医であるコンスタンス(イングリッド・バーグマン)は、新しく就任してきたエドワーズ博士(グレゴリー・ペック)と恋に落ちる。しかし彼は奇妙な病癖を持っていた。白地に縞のある模様を見ると発作を起こしてしまうというもの。

やがて、ふとしたことから彼がエドワーズ博士とは別人であるということが発覚するが、彼自身はすべての記憶を喪失していた。本物のエドワーズ博士を殺してしまったかもしれないという疑惑に襲われる男をコンスタンスは信じ、協力して奇妙な発作の謎と真実の解明に乗り出していく。

ヒッチコック監督「白い恐怖」撮影裏話

1945年公開のサスペンススリラー。当時人気絶頂期にあったイングリッド・バーグマンがヒロインとして登場しています。彼女はヒッチコックの映画に3本出演していて、「白い恐怖」はその1作目です。当時イングリッド・バーグマンは女優全盛期の大スター。反して約10年後「ローマの休日」で渋い男性を演じていたグレゴリー・ペックは、この時点でまだ新人。大スターとの共演だったわけです。

幻想シーンはあの有名画家の作品が登場!

この作品の大きな見どころは、主人公が見る奇妙な幻想シーンに「サルバドール・ダリ」が関わり、計5枚の絵を描いています。巨大な目玉や歪んだ車輪など、ダリっぽい特徴がたっぷり出ている光景は、狂気な幻想世界を際立たせています。

基本情報

上映時間:118分
出演者:グレゴリー・ペック イングリッド・バーグマン
受賞歴:なし
公開日:1951年11月2日
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3 裏窓


出典:Wikipedia

あらすじ

カメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュアート)は、事故で骨折し車いす生活の退屈な日々。唯一の楽しみは、望遠レンズを使っての窓から見える裏のアパートの住民たちの観察だった。退屈しのぎの興味本位が次第に面白くなり、すっかりのぞき見にはまってしまう。

そんな住民の中に、ケンカの絶えない中年夫婦がいた。しかしある時から妻の姿が突然消える。夫の怪しい行動に不審を覚えたジェフは、部屋に居ながらにしての観察と推理で、殺人事件を確信する。
協力し、自分の代わりに手足となって動いてくれたのは恋人のリザ(グレース・ケリー)。彼女の働きによって核心にせまっていくが、ジェフの目の前でリザに危険が迫る !

ヒッチコック監督「裏窓」撮影裏話

裏窓は、車いすの主人公の視点から描かれた物語であるので、ほぼ全シーンが部屋の中と窓から見えるアパートだけというめずらしい映画です。スタジオの中に作られたセットでの撮影で、どこか舞台を見ているような不思議さを感じます。

ヒロインの圧倒的な美しさを鑑賞

「裏窓」といえばグレース・ケリーというほど、彼女の美しさと魅力が存分に発揮された映画です。なんといっても鮮明に目に焼き付けられるのが、大富豪の令嬢リザの衣装の素敵さ!
ハリウッド女優バージョンのバービー人形で、グレース・ケリー人形が着ているのは「裏窓」の衣装です。後にモナコのプリンセスとなった彼女の美しさをめいいっぱい鑑賞できる映画の一つとしても人気のある映画であると言えますね。

基本情報

上映時間:112分
出演者:ジェームズ・スチュアート グレース・ケリー
受賞歴:なし
公開日:1955年1月14日
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4 知りすぎていた男


出典:Wikipedia

あらすじ

医者のベン(ジェームズ・スチュアート)と元ブロードウェイスターのジョー夫人(ドリス・デイ)は、7才の息子を連れてモロッコに旅をした。困っていた時に助けてもらったベルナール(D・ジェラン)という男と知り合いになる。一方ジョー夫人を見かけて声をかけてきたドレイトン夫妻(バーナード・マイルズ、ブレンダ・デ・バンシー)とも親しくなる。

ドレイトン夫妻と市場見物に出かけていたベン夫妻は、殺人事件に遭遇する。殺されたのは、なんとアラビア人に変装したベルナールだった。謎の言葉をベンにつぶやいて事切れたベルナール。混乱の中、息子が誘拐されてしまう。そして一本の電話が…。それはベルナールが残した言葉を他にもらすと息子の命はないというものだった。
息子を助けるため、警察に内緒で謎の言葉を頼りに捜索を始めるベンは、国際的な規模のスパイや暗殺計画に巻き込まれていく。

ヒッチコック監督「知りすぎていた男」の撮影裏話

1956年公開。ヒッチコックが英国時代に撮った「暗殺者の家」という映画を自らリメイクした作品です。知らず知らずのうちに事件に巻き込まれ、追い詰められていくヒッチコックサスペンスの一つの形ともいうべき、巻き込まれ型のサスペンスです。
自分の作品をリメイクするということは、完成度が納得のいくものでなかったのかもしれませんが、気に入っていたからこそだからでしょうね。どの辺をどんな感じにしたかったのか、違いを見比べてみるのも楽しいかも。

異国情緒の雰囲気たっぷり

2019年97才で亡くなったドリス・デイが婦人役として出演しているのが有名ですね。劇中歌で歌った「ケ・セラ・セラ」がアカデミー賞歌曲賞を受賞しました。スリルと謎を堪能できるストーリーですが、加えて旅先での事件ということで、異国情緒を楽しめる独特の雰囲気を兼ね備えています。
ドリス・デイの歌は、その旅情をパワーアップさせる効果絶大! 映画の中に、通常のヒッチコック映画にはない明るさと柔らかさを送り込んでいるようです。

基本情報

上映時間:120分
出演者:ジェームズ・スチュアート ドリス・デイ
受賞歴:アカデミー歌曲賞
公開日:1956年7月26日

5 めまい


出典:Wikipedia

あらすじ

同僚を死なせてしまったトラウマで警察を辞めたスコティ(ジェームズ・スチュアート)は、高所恐怖症で高い所に行くとめまいに襲われる。ある時、友人から不審な行動をする妻マデリン(キム・ノヴァク)の素行調査を頼まれる。調べているうちに、マデリンの先祖で、不慮の死を遂げているカルロッタの存在を知る。彼女はマデリンに姿形がそっくりだった。
マデリンのおかしな行動は、カルロッタの亡霊にとりつかれているからではないかと疑問を持ちながら、マデリンを尾行していたある日、突然自殺をしようとした彼女を助け、二人は知り合いになり、そのまま恋に落ちる。

カルロッタのことを調べに二人はスペインへ向かうが、狂気にかられたマデリンはカロッタが自殺した教会の鐘楼へと上がっていく。追いかけたスコティだが、めまいに襲われて上ることができない。結果マデリンは転落するが…。その後、スコティに思わぬ事態が待ち受けていた。

ヒッチコック監督「めまい」の撮影裏話

ヒッチコックはこの映画のヒロインに、キム・ノヴァクを予定していなかったそうです。考えていたイメージとまったく違う女優だったために、気に入らなかったとか。そのためかなり彼女に厳しい演技を強要したようですが、それが亡霊にとりつかれている女性の不安と狂気の雰囲気を出すことに役だったとも言われています。

レベッカ同様、追い詰められた心理を描くサスペンス作品には、うちから出てくる本当の気持ちが影響することをわかっていたのかもしれません。そんなことを考慮にいれて故意に厳しくしていたのだとすれば、かなりいじわるではありますけどね。

ここから始まった映画の技術

「めまい」は独特なカメラワークが有名な映画です。めまいという題名そのものを表すような不安をあおる気持ちの悪さが特徴。後にめまいを表現する定番の撮影方法になる「めまいショット」「ドリーズームショット」は、この映画から始まりました。

この映画で使われた撮影法は、後の名作「ET」や「キャリー」など、様々な映画が使われ、監督たちが効果的に使っています。古い映画はありがちな造りと思いがち。でもそれがそこから始まったとわかって見れば、まったく違うものに映るのではないでしょうか。

基本情報

上映時間:129分
出演者:ジェームズ・スチュアート キム・ノヴァク
受賞歴:なし
公開日:1958年10月7日

6 サイコ


出典:Amazon.com

あらすじ

不動産会社に勤めるマリオン(ジャネット・リー)は、客の金の持ち逃げを企て、たまたま目にとまったモーテルに入る。そこはノーマン(アンソニー・パーキンス)という青年が一人で切り盛りしている宿で、離れには母親がいるらしい。
食事を終えたマリオンがシャワーを浴びていると、何者かが刃物を振りかざして襲い掛かってくる。抵抗もむなしくマリオンは命を落とす。後でやってきたノーマンは慌ててマリオンがいた形跡を消す行動にでる。

行方不明になったマリオンを探す恋人サム(ジョン・ギャビン)とマリオンの妹ライラ(ヴェラ・マイルズ)は、探偵を雇いマリオンを探すが、その探偵も行方不明に…。

ヒッチコック監督「サイコ」の撮影裏話

ヒッチコックのサスペンスの中で、最も有名な映画となったサイコは、後の監督や作品にも多くの影響を与えました。シャワーで惨殺される場面と、その際に流れていた音楽はあまりにも衝撃的で、今でもサイコといえばこのシーンです。
1分にも満たないこのシーンですが、撮影には約一週間もかかったそうです。ヒッチコックのこだわりと気持ちの入れようがわかりますね。全編モノクロの映画であるため、色よりも質感の方が大事だったのか、シャワールームで水といっしょに流れる血は、チョコレートソースだったそうです。

ぜひ見ておきたい代表作

ヒッチコック自身を映画化した「ヒッチコック」に、サイコ制作に関するエピソードがいろいろと出てきます。ヒッチコックの妻アルマは共に映画製作に関わる有能なスタッフですが、シャワーシーンであの独特な音楽を流す提案をしたのはアルマであったそうです。

サイコを見てからヒッチコックを見るのも、また楽しい鑑賞の仕方かもしれません。
サイコパスな犯人、不気味な雰囲気、息もつかせぬスリル感など、後のサスペンスやホラー映画の定番ともなった要素がたっぷりと盛り込まれているサイコは、いつまでたっても色あせない映画史に残る名作です。

基本情報

上映時間:109分
出演者:アンソニー・パーキンス ジャネット・リー
受賞歴:グローブ賞助演女優賞・エドガー賞脚本部門・全米監督協会賞
公開日:1960年9月4日
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7 鳥


出典:Amazon.com

あらすじ

メラニー(ティッピ・ヘドレン)は、鳥ショップで知り合った男性ミッチ(ロッド・テイラー)のために、彼が探していた妹へのプレゼントのラブ・バードを届けに向かう。感謝されたメラニーはしばらくミッチの家に滞在することになった。

ある日、カモメがドアに激突して死んでしまうという奇妙な出来事に遭遇する。更に妹の誕生日パーティーでは、子供たちがカモメの大群に襲われ、夜には家をスズメの大群に攻撃される。起きつつある異変に気づき始めた町の人々だが、ついに住民が鳥に殺されるという事態に発展してしまう。
エスカレートする鳥の攻撃に、メラニーたちも家をバリケードで装備し立てこもるが、鳥たちの襲撃は容赦なく、すさまじい抵抗と戦いが始まる。

ヒッチコック監督「鳥」撮影裏話

CG技術もなかった時代ですから、鳥たちはほとんどが作り物。本物と作り物を混じえての撮影は、スタッフもかなり突かれたり、逆に懐かれたり大変だったようです。特殊撮影は編集による合成でしたが、当時はとても革新的なものとして話題を呼びました。

静けさの恐怖効果

「鳥」の特徴として、音楽をまったく使っていないということがあげられます。ちょっとした効果音以外は、まったくの静寂。その中で鳥の鳴き声だけが響く映画は、かなり異様な雰囲気をかもし出しています。音楽を効果的に使うことで、恐怖を表現した「サイコ」とは異質の怖さと迫力を体験できるのではないでしょうか。

パニック映画の元祖とも言える「鳥」は、今なお色あせない輝きを放っているように感じます。音の無い、モノクロの世界で起こる、異常で迫力ある世界を体験した後は、しばらく鳥を見るのが怖いですよ。

基本情報

上映時間:119分
出演者:ティッピ・ヘドレン ロッド・テイラー
受賞歴:ゴールデングローブ賞新人女優賞・ベンガル映画ジャーナリスト協会賞監督賞
公開日:1963年7月20日
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まとめ

アルフレッド・ヒッチコックは、独特な風貌、カメオ出演などで、映画監督の中では比較的一般に知られている方だと思います。そのユーモアな言動とは裏腹に、恐怖とスリルに満ちた世界を作り出してきました。独特な世界観や撮影技術などを駆使し作られた、人間が遭遇する様々な形の「恐怖」を堪能してはいかがでしょうか!

この記事を書いた人
ひつじ
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