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じっとりとした恐ろしさが癖になる!ロマン・ポランスキー監督の映画7選!

ひとっとび編集長

『ローズマリーの赤ちゃん』や『戦場のピアニスト』などで知られているロマン・ポランスキー監督。

ロマン・ポランスキー監督の映画は、どれもじっとりとした不穏な雰囲気が漂っていて、その独特の世界観が世界中の映画ファンを魅了しています!

ロマン・ポランスキー監督は、1933年8月18日にフランスのパリで生まれました。子供時代に第二次世界大戦を経験し、終戦後にウッチ映画大学に進学します。

俳優として活動した後、1962年に『水の中のナイフ』で監督デビューを果たしました。

今回は、そんなロマン・ポランスキーが監督を務めた「じっとりとした恐ろしさが癖になる」おすすめ映画を7作品紹介していきます!

ロマン・ポランスキー監督のおすすめ映画7選

ロマン・ポランスキー監督は、不穏な雰囲気が漂うサスペンス映画やスリラー映画を多く手掛けていますが、幼少期にユダヤ人として迫害された経験が、彼の作品に深く影響していると言われています。

そんなロマン・ポランスキー監督の映画を、公開年順に紹介していきます!

1.ローズマリーの赤ちゃん

ローズマリーの赤ちゃん
出典:映画『ローズマリーの赤ちゃん』公式Facebook

あらすじ

ローズマリー・ウッドハウス(ミア・ファロー)は、夫のガイ(ジョン・カサヴェテス)と共に、ニューヨークのアパートに引っ越した。

ある日、ウッドハウス夫妻は隣人のローマン・カスタベット(シドニー・ブラックマー)と、その妻のミニー(ルース・ゴードン)と仲良くなり、ローズマリーはミニーからペンダントをプレゼントされる。

その直後にローズマリーは子供を授かり、妊婦特有の情緒不安定に陥っていく。同時に、彼女は自分が住んでいるアパートで何か不穏なことが起きているという幻想に取り憑かれてしまう。

ロマン・ポランスキー監督『ローズマリーの赤ちゃん』のトリビア!

・ウッドハウス夫妻が引っ越したアパートの外観は、ジョン・レノンとオノ・ヨーコ夫妻が住んでいたことで知られているダコタ・ハウスというアパートです。

・『ローズマリーの赤ちゃん』のオファーを受けた当時、俳優のフランク・シナトラと結婚したばかりだったミア・ファロー。妻に仕事を辞めて欲しいと思っていたシナトラは、映画の撮影現場に離婚届を送りつけていました。

オファーを受けるか迷っていたミア・ファローでしたが、オスカー入りは確実だという言葉を聞いて、ヒロインのローズマリーを演じることになりました。ミア・ファローが人気女優となるきっかけになった作品です。

ロマン・ポランスキー監督の『ローズマリーの赤ちゃん』みどころ!

映画を観終わった後でも頭に住み着いてくるような、じっとりとした恐ろしさが『ローズマリーの赤ちゃん』のみどころです。悪魔という得体の知れないものをテーマにしている作品ですが、キャスト陣の不気味で大袈裟な演技が映画全体の怪しげなムードを増幅させています。

ローズマリーの目線で描かれているので、映画を観ている自分も奇妙な状況に陥っているかのように錯覚してしまいます。

ロマン・ポランスキー監督のハリウッドデビュー作にして、映画史に残り続ける名作です。

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2.チャイナタウン

チャイナタウン
出典:映画『チャイナタウン』公式Facebook

あらすじ

私立探偵のジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)は、モーレイ夫人(フェイ・ダナウェイ)からの依頼を受け、ロサンゼルスの水道局幹部である夫ボリス・モーレイ(ダレル・ツワーリング)の浮気調査を開始する。

しかし、調査で盗撮した写真がなぜか新聞に掲載され、それを見た本物のモーレイ夫人が現れる。浮気調査を依頼した女性は偽物のモーレイ夫人だったことが判明したのだった。

ジェイクは、ボリスがダム建設を巡る疑惑に関与しているのではないかと考えて調査を再開したが、何者かに襲われ暴行を受けてしまう。

そして時を同じくして、本物のモーレイ夫人が溺死体で発見された。

ロマン・ポランスキー監督『チャイナタウン』のトリビア!

・『チャイナタウン』は、脚本のロバート・タウンと主演のジャック・ニコルソンが、ロマン・ポランスキー監督に話を持ち込み、映画化が実現しました。

・『チャイナタウン』でフェイ・ダナウェイが演じているモーレイ夫人のファッションやメイクは、ロマン・ポランスキー監督の母親が第二次世界大戦前にしていたものをイメージしていたそうです。

・ロマン・ポランスキー監督は、主人公のジェイクを切りつけて脅す、ナイフを持ったチンピラ役としてゲスト出演しています。

ロマン・ポランスキー監督の『チャイナタウン』みどころ!

『チャイナタウン』のみどころは、ジャック・ニコルソンやフェイ・ダナウェイなど、キャスト陣の秀逸な演技です。特に主人公の探偵ジェイクを演じたジャック・ニコルソンはかなりのはまり役で、彼が感じている緊張感が見ている側にまで伝わってきます。

先が読めないストーリー展開なので、中だるみなく全編を通して楽しむことができる映画です。

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3.テス


映画 テス
出典:Amazon.com

あらすじ

貧しい農家の娘であるテス・ダービフィールド(ナスターシャ・キンスキー)は、遠縁のダーバビル家に奉公に出される。ダーバビル家の息子であるアレック・ダーバビル(リー・ローソン)に孕まされ、テスは実家で子供を産んだが、新生児はわずか数週間で死んでしまった。

次にテスが奉公に行った農場で、牧師の息子であるエンジェル・クレア(ピーター・ファース)と恋に落ちて結婚するが、テスの過去を知ったエンジェルは彼女を受け入れられず国外へと去ってしまう。

絶望したテスが故郷に帰ると、父親が死んだことによって一家は経済的に困窮していた。

そんな時、かつて自分を犯したアレックが現れ、ダービフィールド一家への援助を申し出る。

ロマン・ポランスキー監督『テス』のトリビア!

・『テス』は、トーマス・ハーディの「ダーバヴィル家のテス」という小説が原作となっています。

・ロマン・ポランスキー監督の当時の妻であり、カルト集団によって惨殺された女優のシャロン・テートが、『テス』の映画化を打診しました。そのため、映画の冒頭ではシャロンへの献辞が流れます。

・ロマン・ポランスキー監督は、1977年に少女への淫行容疑で逮捕され、国外へ逃亡します。その直後に、『テス』がヨーロッパで撮影されました。

ロマン・ポランスキー監督の『テス』みどころ!

『テス』のみどころは、ヒロインのテスを演じたナスターシャ・キンスキーの艶やかな美しさです。荒々しくて汚い農家が舞台となっているので、キンスキーの美しさがより一層際立っています。また、ロマン・ポランスキー監督による壮大な大自然の描き方もみどころです。本当の愛を見つけても報われないテスの悲しい運命に、心が痛みます。

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4.戦場のピアニスト

戦場のピアニスト
出典:映画『戦場のピアニスト』公式Facebook

あらすじ

ナチス・ドイツがポーランドに侵攻した1939年9月、ウワディスワフ・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は、ワルシャワのラジオ局でショパンの曲を演奏していた。

街ではドイツ軍によるユダヤ人の迫害が始まり、シュピルマン家も住んでいた家を追われてしまう。

ユダヤ人が強制移送されていたゲットーというユダヤ人居住地区では、ユダヤ人たちが飢餓や暴力などの恐怖に晒されていた。

やがて、シュピルマン家は絶滅収容所行きの家畜用列車に乗せられるが、シュピルマンだけは知り合いの警察署長イーツァク・ヘラー(ロイ・スマイルズ)によって助けられる。

ロマン・ポランスキー監督『戦場のピアニスト』のトリビア!

・『戦場のピアニスト』は、実在したユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンが実際に体験したことを脚色し、映画化しています。

・ロマン・ポランスキー監督は、幼い頃にナチス・ドイツから迫害を受けていたことから、『戦場のピアニスト』には監督自身がその目で見たものや、感じたことが反映されています。ロマン・ポランスキー監督は、インタビューで墓まで持っていきたい作品を尋ねられた際に、本作だと答えました。

ロマン・ポランスキー監督の『戦場のピアニスト』みどころ!

『戦場のピアニスト』のみどころは、主人公のシュピルマンの目線で描かれている演出です。そのため、自分もその場にいるかのような臨場感を味わうことができ、シュピルマンを演じたエイドリアン・ブロディの演技力も相まって映画の世界観に引き込まれます。

特に、シュピルマンの命がけのピアノ演奏は、映画史に残る名シーンとなっています。実際に起こっていた悲惨な過去知ることができる、歴史的な名作映画です。

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5.ゴーストライター

ゴーッストライター
出典:映画『ゴーストライター』公式Facebook

あらすじ

ゴーストライター(ユアン・マクレガー)は、元英国首相であるアダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆を依頼される。

政治に興味がないゴーストライターは、渋りながらもラングが暮らしているアメリカの孤島を訪れた。

島に到着すると、フェリーから落ちて死んだ前任者の仕事を引き継ぎ、原稿を書いていくことに――。

ラングへの取材を進めていく中で、ラングの過去について疑問に思い始めたゴーストライターは、真相に迫ろうと深くのめり込んでいった。

そして、謎の死を遂げた前任者についても調べていくと、国家を揺るがす巨大な陰謀に巻き込まれてしまう。

ロマン・ポランスキー監督『ゴーストライター』のトリビア!

・『ゴーストライター』は、ロバート・ハリスの同名小説が原作となっていますが、原作者のハリスは映画の脚本にも携わっています。

・ロマン・ポランスキー監督は『ゴーストライター』の撮影が90%ほど終わった時、少女への淫行容疑でスイス当局に拘束されました。拘束されているロマン・ポランスキー監督に、弁護士を通して映画スタッフが連絡し、なんとか映画を最後まで完成させました。

ロマン・ポランスキー監督の『ゴーストライター』みどころ!

『ゴーストライター』のみどころは、手に汗握るスリリングなストーリー展開です。政治家の闇について描いている作品ですが、主人公のゴーストライターが巻き込まれる陰謀が恐ろしく、ハラハラドキドキしてしまいます。拘束された状態であっても自分の作品に妥協せず、カメラワークや演出の細かい部分までこだわり抜くロマン・ポランスキー監督の凄みを感じることができる作品です。

6.おとなのけんか

大人のけんか
出典:映画『おとなのけんか』公式Facebook

出典:映画『おとなのけんか』予告編

あらすじ

ブルックリンの公園で11歳の子供が喧嘩をし、片方が前歯を折る怪我をしてしまう。

怪我を負わせてしまった子供の親であるナンシー・カウワン(ケイト・ウィンスレット)と、アラン・カウワン(クリストフ・ヴァルツ)は、被害を受けた子供の親であるペネロピ・ロングストリート(ジョディ・フォスター)と、マイケル・ロングストリート(ジョン・C・ライリー)から自宅に招かれ、和解の話し合いが行われた。

初めは友好的に子供たちの喧嘩を解決しようと解決しようとしていたが、話し合いが進むにつれて険悪なムードになっていく。

そして、それぞれの夫婦間にも亀裂が生じてしまう。

ロマン・ポランスキー監督『おとなのけんか』のトリビア!

・『おとなのけんか』は、ヤスミナ・レザの戯曲「大人は、かく戦えり」が原作となっています。原作者のレザとロマン・ポランスキー監督が、共同で映画の脚本を執筆しました。

・映画はブルックリンが舞台となっていますが、ロマン・ポランスキー監督が過去の逮捕歴によってアメリカに入国することができなかったため、フランスのパリで撮影が行われました。

ロマン・ポランスキー監督の『おとなのけんか』みどころ!

ロマン・ポランスキー監督がコメディ映画を手掛けるのは珍しいことですが、監督らしい秀逸なストーリー展開や演出がみどころで、かなり面白い映画になっています。全編ほぼ会話劇ですが、どんどん新たな問題が浮上してくるので、観る側を飽きさせません。

ケイト・ウィンスレットやクリストフ・ヴァルツなど役者陣の演技力も相まって、思わず笑いがこみ上げてくるようなコメディ作品です。

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7.告白小説、その結末

映画 告白小説、その結末

出典:映画『告白小説、その結末』公式サイト

出典:映画『告白小説、その結末』予告編

あらすじ

心の病を患って自殺してしまった母親について綴った小説がベストセラーとなり、華々しい作家デビューを飾ったデルフィーヌ(エマニュエル・セニエ)は、次回作の構想が浮かばずに悩んでいた。

さらに、「自分の家族を晒している。」という誹謗中傷の手紙が送られてくる。

うつ病とスランプに苦しむデルフィーヌは、ある日サイン会で自分の大ファンだというエル(エヴァ・グリーン)と出会い、親しくなる。

そして一緒に暮らすようになったデルフィーヌとエルだったが、それと同時にデルフィーヌの周りで奇妙な出来事が立て続けに起こり始めた。

ロマン・ポランスキー監督『告白小説、その結末』のトリビア!

・『告白小説、その結末』は、ロマン・ポランスキー監督の妻であるエマニュエル・セニエが原作小説を勧め、監督に「映画化すべき。」と話したことがきっかけで映画化されました。

・企画当初ロマン・ポランスキー監督は、妻のエマニュエル・セニエに、デルフィーヌとエルのどちらを演じさせるか迷っていました。しかし、脚本を書き進める段階で、エマニュエル・セニエは作家役にぴったりだと思い、デルフィーヌ役に抜擢しました。

・リハーサルの時間を取ることができず、シーンを撮影しながら演出や台詞を変えなければならなかったため、撮影が全て終わるまでに12週間かかりました。

ロマン・ポランスキー監督の『告白小説、その結末』みどころ!

『告白小説、その結末』のみどころは、デルフィーヌがいつの間にか陥ってしまう状況の奇妙さです。観ていると、先が読めないので思わずハラハラドキドキしてしまいます。

ロマン・ポランスキー監督は女性同士の対立を描くのが初めてだったそうですが、どちらの女性も魅力的で繊細に描かれている所もこの映画の魅力です。劇中で起こっていることは現実か非現実か、曖昧な描き方にも惹かれます。

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まとめ

ロマン・ポランスキー監督の映画を公開年順に紹介しました。

ロマン・ポランスキー監督の作品は、幼い頃に経験した戦争の悲惨な記憶が深く影響しています。

どこか不穏な雰囲気が漂う唯一無二の映画なので、じっとりとした恐ろしさを味わうことができます。

『告白小説、その結末』の公開後も、精力的に映画を撮り続けているロマン・ポランスキー監督の今後の活躍にも注目です。

この記事を書いた人
ひとっとび編集長
ひとっとび編集長

映画の情報サイト『映画ひとっとび』の編集長。 映画を「なんとな〜く」探している方から、「この映画の考察が知りたい!」というマニアな方まで楽しめるサイトを目指しています! 皆さんの映画ライフがもっと充実するお手伝いができますように。