『グランド・イリュージョン』の名言集 | マジシャンから学ぶ信頼とトリックと愛
『グランド・イリュージョン』は、2013年に公開されたアメリカの犯罪映画です。マジックを題材としたケイパームービーである本作品は、公開当時奇抜な作風が評判の作品となりました。本作品の魅力は、FBI捜査官ディラン(マーク・ラファロ)が、マジシャンたちの仕掛けるさまざまなトリックに翻弄される部分にあります。
また劇中には人気のマジック集団「フォー・ホースメン」たちの、トリッキーで刺激的な名言や名台詞がたくさん用意されています。この記事ではそんな『グランド・イリュージョン』の登場人物らの、奇をてらった名言をご紹介していきます!!
目次
- あらすじ
- グランド・イリュージョンのトリッキーな名言・名台詞
- 【名言①】「よく見えていると思う人ほどだましやすくなる」
- 【名言②】「しっかり見張ることだね。僕らはいつも3歩先7歩先を行く、絶対に追いつけない。君は僕らの思うままさ、近づけば近づくほど、逆に見えなくなる。」
- 【名言③】「マジックの鉄則その1、相手より利口になれ!」
- 【名言④】「“これがマジック”と彼らが言う時――それは目くらまし“ミスディレクション”マジックの基本だ」
- 【名言⑤】「いつもそんなに上から目線?」
- 【名言⑥】「彼らは巧みなマジックで王の食べ物を奪い、奴隷に分け与えた。その目的は?マジックで正義の天秤を守ることだ。」
- 【名言⑦】「こんな経験ある?見えなくてもはっきりと感じる、そこに何かあると。」
- 【名言⑧】「信じてくれてありがとう」
- 【名言⑨】「開かないカギなんてないよ」
- 【名言⑩】「理論や解決が全てじゃない、それに秘密にしておいた方がいいこともある」
- まとめ
あらすじ
ダニエル(ジェシー・アイゼンバーグ)、メリット(ウディ・ハレルソン)、ヘンリー(アイラ・フィッシャー)、ジャック(デイヴ・フランコ)はストリート・マジシャンをして生計を立てている。ある日彼らは、謎の人物からタロットカードの招待状を受け取り、ニューヨークの薄汚れたアパートに集められた。そこには、綿密に練られた計画書が置いてあったのだ。
1年後この4人はグループ名を「フォー・ホースメン」と名乗り、売れっ子のマジシャンとして活躍していた。スポンサーは、保険業界の大富豪アーサー(マイケル・ケイン)である。更に「フォー・ホースメン」は、ネバダ州ラスベガスのマジックショーでパリの銀行の金庫の大金を奪い、会場にばらまくという豪快なマジックをやってのけた。観客は大興奮であったが、その後彼らはFBIの取り調べを受けることとなる――。
グランド・イリュージョンのトリッキーな名言・名台詞
劇中4人のマジシャンは「グランド・イリュージョン」と称して、3つ場所でマジックショーを行います。1つ目はラスベガス、2つ目ニューオリンズ、そしてラストはニューヨークです。華やかなステージで、多くのお客の歓声を浴びる「フォー・ホースメン」!物語の中の彼らのセリフには、マジシャンの視点から見た世の中や、トリックを意識した彼らの独特の考え方が表れていると言えるでしょう。
ここでは、そんなマジシャンやその周囲の人々の名言や名台詞を集めてみました。何か新しいアイデアが欲しい時や、これまでとは違った視点で物事を観察したい時などにはぜひ参考にしてみて下さい。また本作品のラストでは、物語を根底から覆すようなどんでん返しが待ち受けています。それらも意識しながら鑑賞すると、本作品がより味わい深いものになるかも知れません。
【名言①】「よく見えていると思う人ほどだましやすくなる」
物語が始まってすぐのJ・ダニエル・アトラスのセリフです。彼は、フリーのマジシャンとして活躍していた頃から、トランプのマジックが評判でした。ダニエルは女性が選んだカードを見事に言い当てますが、実はこのマジックにはゴージャスな仕掛けが用意されています!ダニエルは、「騙されまいとより近くで見る人」の方が騙しやすいと言うのでした。
ちなみにこのシーンで多くの観客は、劇中の女性が心の中で決めるカードと同じカードを自分も選んでしまっていて、ハッとさせられます。即ち私達観客は、自分がダニエルを観ていたつもりなのに、逆に心を覗き見されたような気分にさせられるのでした。心理を読み取られたような錯覚!これぞ映像表現のマジックとも言えるでしょう。
【名言②】「しっかり見張ることだね。僕らはいつも3歩先7歩先を行く、絶対に追いつけない。君は僕らの思うままさ、近づけば近づくほど、逆に見えなくなる。」
FBIで捜査官のディランから取り調べを受けた時、ダニエルが吐いたセリフです。これは非常に強気で、勢いのある発言と言えるでしょう。ダニエルはこの言葉を言い放った直後、自分に掛けられていた手錠を一瞬でディランに掛け返します。
彼のマジックは見事でディランや私達観客の意識はそこに集中しますが、実はもうこの時点で名言通りダニエルの思うツボにはまってしまっているのです。ダニエルは、この時こぼれたコーラを避けるためごく自然に携帯を拾い、そのタイミングでディランと自分の携帯を差し替えるのでした。これこそが、3歩先7歩先を行く巧みな計算であると解釈できます。
【名言③】「マジックの鉄則その1、相手より利口になれ!」
FBIを立ち去る直前のダニエルの名言です。ダニエルが常に早口で、挑発するような話し方をするのは、注意を会話に向けるためのテクニックなのかも知れません。またこれは、彼の頭の回転の速さを表しているとも言えるでしょう。このセリフを吐いた後ダニエルは、監視カメラの方をちらっと覗くのでした。これはダニエルが何か仕掛けたことを、意味しています。後にディランは、この監視映像を再度確認するハメになりました。
【名言④】「“これがマジック”と彼らが言う時――それは目くらまし“ミスディレクション”マジックの基本だ」
マジシャンのトリックを暴き、ネタばらしをすることを生業としている有名人、サディアス(モーガン・フリーマン)のセリフです。彼はFBI捜査官であるディランに、先日起こったパリの銀行強盗マジックの種明かしをします。
ミスディレクションとはマジシャンが使うトリックの1つで、観客の視線をリードするテクニックのことを言います。これによりマジシャンは、観客の関心を別のところに誘導し気付かせたくない真実を隠すのです。ミスディレクションは、この作品のテーマの1つかも知れません。またこの物語自体が観客に対して、大きなミスディレクションを仕掛けているとも言えるでしょう。
【名言⑤】「いつもそんなに上から目線?」
サディアスは、マジシャンの手口を知らないディランを常に小馬鹿にしており、そのような態度をとります。これは、その時にディランからふっと出たセリフです。高慢なサディアスは、自分が常に全てを見透かしていると思い込んでいるのかも知れません。しかしストーリー終盤には、このサディアスが1番間抜けだったと、本人にも観客にも分かるのでした。
【名言⑥】「彼らは巧みなマジックで王の食べ物を奪い、奴隷に分け与えた。その目的は?マジックで正義の天秤を守ることだ。」
サディアスの、「胡散臭いネタばらし番組」のナレーションのセリフです。しかしこの言葉は、劇中の「フォー・ホースメン」の役目の本質をズバリ言い当てているとも言えます。またこのナレーションが入ることにより「フォー・ホースメン」たちが、庶民の味方的存在であることを示唆しているのかも知れません。彼らは確かに犯罪すれすれのことをしているですが、マジックで悪徳富豪から奪った大金はお客に還元しているのでした。
【名言⑦】「こんな経験ある?見えなくてもはっきりと感じる、そこに何かあると。」
ニューオリンズの宿泊先で、アルマ(メラニー・ロラン)がディランに言った言葉です。フランスの警察から派遣されてきた新米捜査官であるアルマは、ディランのことを愛し始めていました。なのでアルマは他の人よりもさまざまなことに、気付きやすいとも言えます。
彼女は前日にも「大きなことを見落としている」と言い、パリで有名なポンデザールの橋の話をします。彼女は、その橋では秘密にしたいことがある人々が誓いの錠前を橋にかけ、鍵の方はセーヌ川に捨てるのだと言いました。このセリフからもアルマはこの物語の大きなオチに繋がる、重大な事実を感じ取っているとも言えるでしょう。
【名言⑧】「信じてくれてありがとう」
3つ目のニューヨークのショーの時の、ダニエルのセリフです。マジシャンは、観客を上手くだますのが商売とも言えるでしょう。よってダニエルがこのセリフを吐くのは、一見矛盾したことのように感じられるかも知れません。
しかし人々がマジックを観る、それは相手から騙されることを期待する行為でもあるのです。そのためには、このマジシャンが悪人ではないという信頼関係が必要になってきます。また劇中でダニエルは「マジックとは?計算されただましです、楽しませ感動させるもの。信じること、信頼、信用。それなしに芸術としてのマジックは存在しません」とも言うのでした。
【名言⑨】「開かないカギなんてないよ」
スリの達人であるジャックは、劇中で2度この言葉を使います。1度目は、冒頭でニューヨークのアパートにメンバーが集まった時です。そのアパートは鍵が閉まっていたため、鍵開け名人のジャックが活躍しました。2度目は再会の時、観客は「フォー・ホースメン」と共に彼にある種の愛おしさを感じるのでした。また、開けられない鍵など存在しないとはっきり言い切るジャックからは、プロ意識も感じられることでしょう。
【名言⑩】「理論や解決が全てじゃない、それに秘密にしておいた方がいいこともある」
全てを知った時のアルマのセリフです。許すこと、それは最大の愛かも知れません。あるいはこの言葉は、マジックについて語られたこととして捉えることもできます。種を明かせば簡単なことでも、真実が分からないところに神秘が存在する、これがマジックの面白さとも言えるでしょう。
ディランとアルマは、ポンデザールの橋のベンチに腰掛け過去の出来事について話します。アルマは、以前から魔術やマジックなど目に見えないものに深い関心を持っていたのです。その後ディランは、セーヌ川に鍵を投げるのでした。
まとめ
以上『グランド・イリュージョン』に登場するマジシャンらの、名言をまとめてみました。巧みなマジシャンたちの名言には、普段の生活からは思い付かないような奇想天外な発想が詰まっています。鑑賞後は新たな視点で物事を見ることに、ワクワクさせられることでしょう。未見の方はもちろん、既に鑑賞済みの方もこれらの名言を意識して再度見返すと、新しい発見があるかも知れません!