映画『耳をすませば』のじんわり胸に残る名言集

「好きなひとが、できました」ー。
率直なキャッチコピーに惹かれる『耳をすませば』は、柊あおいが『りぼん』で連載していた漫画を、スタジオジブリがアニメ映画化した作品です。
主人公が劇中で歌う「カントリーロード」の日本語カバーは、誰もが一度は耳にしたことがあるほど有名です。人気俳優の高橋一生が当時14歳で声優に参加していることでも話題になりました!

20年以上たった今でもテレビでは毎年再放送されるほど愛されています。その秘密は誰もが一度は体験する「甘酸っぱい青春」が詰まっていることです。
今を生きる少年少女も、昔をなつかしむ大人たちも、初めて夢中になったこと、初めて好きになった人にいつでも出会うことができるこの作品。みずみずしくまっすぐな「耳すま」に登場するセリフたちをご紹介します。

あらすじ

本が大好きな中学1年生の少女、月島雫(本名陽子)は、学校の図書室の本を読み尽くす勢いで読書にふけっていた。本棚の隅にある誰も読まないような本を開くと、図書貸出カードには先客の名前がいつもある。天沢聖司(高橋一生)という名前だ。会ったこともない彼のことが気になり、いつのまにか頭がいっぱいに。

そんなある日、電車に猫がそっと乗り込んできて、導かれるままに歩いて行くと、地球屋という不思議な店にたどり着いた。そこには、宝石のように輝く眼をした精巧なつくりの猫の人形が佇んでいて、あまりの美しさにしばらく見つめていると…。

『耳をすませば』のジーンとする名言・名台詞

「耳をすませば」では、聖司やその祖父である西司朗との出会いをきっかけに、雫がかねてからやってみたかった物語作品の執筆に全力でまっすぐにぶつかっていきます。
好きなことや何かを成し遂げることについて登場人物たちが想いを語る、数ある名言の中から抜粋したものを、解説と共にご紹介していきます!

【名言①】「本当に才能があるかどうかやってみなきゃわからないもんな。」

耳をすませば
出典:金曜ロードshow!公式Twitter

聖司が、地球屋から家に帰る雫を送りながら、「中学卒業と同時にイタリアに渡ってバイオリン職人になるための修行をしたい」という夢を語った時の言葉です。親からの反対を受けても、自分の才能を確かめたく、いてもたってもいられない彼の本気と好奇心、野心にあふれた言葉には清々しさを感じます

【名言②】「自分よりずっとがんばってるやつにがんばれなんて言えないもん…。」

耳をすませば
出典:金曜ロードshow!公式Twitter

聖司のイタリア修行の話を聞いた雫が、自分の想像もつかないような考え方に戸惑い、親友の夕子にその心情を吐露したときのセリフです。決めた進路に向かって頑張っている聖司と、頑張ることができていない自分を比べて嘆いています。

また、聖司の決意や努力を目の当たりにしたからこそ、応援したい気持ちを「頑張れ」などという簡単な一言で片付けられるものではないほど壮大なことだと思ってしまうのです。雫の聖司への真剣な想いが伝わってきますね。

【名言③】「そうかぁ、簡単なことなんだ。私もやればいいんだ。」

耳をすませば
出典:金曜ロードshow!公式Twitter

雫は、好きなことに向かって頑張っている聖司にも、頑張れていない自分の気持ちにもどう接していいかいいかわからなくなってしまいます。そんなときに、自分も頑張ってみればいいんだと、とりあえず行動してみればいいんだ、そうすれば答えは自ずとでてくるのではないかと思いついたときの言葉です。「悩んでいる時間がもったいない、とにかく行動あるのみ」ということに気づかせてくれる言葉ですね。

【名言④】「恐れることはない。遠いものは大きく、近いものは小さく見えるだけのこと。」

耳をすませば

出典:金曜ロードshow!公式Twitter

雫が見た夢の中に出てきた猫のバロンが、一歩踏み出すことに恐れる雫を勇気付けるために掛けた言葉です。
遠いものとは、経験したことがなく全体像がわからないもので、とてもハードルが高く見え、不安に感じてしまいます。
近いものとは、身の周りにある慣れ親しんだもので、当たり前で自分にとってはちっぽけなものに見えます。ただ、そんなちっぽけなものも他の人から見たら遠くて大きなものに見えるかもしれません。それにも気づかないこともあります。
先入観に惑わされて一歩踏み出せないだけだから、さあ進めと、背中を押してくれる勇気の出るセリフです。

【名言⑤】「しかし、バイオリンをつくったり、物語を描くというのは違うんだ。自分の中に原石を見つけて時間をかけて磨くことなんだよ。」

西司朗が雫に語った言葉です。ものをつくるということは、時間がかかることです。自分が心からつくりたいと思うものを見つけ、噛み砕き、思い描いた通りにかたちにすることは、一朝一夕ではかなわないことです。
長い人生を生きて、たくさんの経験を積んだ彼が言うからこそ、その時間の重さが伝わってきますね。

【名言⑥】「はじめから完璧なんて期待してはいけない」

耳をすませば
出典:金曜ロードshow!公式Twitter

聖司の目標に向かって突き進む姿勢に触発され、物語を書くと決意した雫。物語の題材を、西司朗が所有する猫の人形のバロンにしたいと許可をとりに彼の元を訪れます。
完成したら読ませてほしいという西司朗に対し、「はじめてでうまくかけない」からと、見せることを躊躇する雫。その恐れや不安を優しく包み込み、うまくやろうとするよりも楽しんで、挑んでほしいという西司朗からのアドバイスの言葉です。失敗してもまた頑張ればいいや、と、前向きにさせてくれる言葉ですね。         

【名言⑦】「 よし、雫。自分の信じる通り、やってごらん。でもな、人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。何が起きても誰のせいにもできないからね。」

雫が、自分の進路について両親に初めてしっかりと伝える場面で、心配する母を傍に、父が言った言葉。物書きになりたいという雫を受け入れ、心から応援しつつも、物書きの道に待ち受けるであろう現実の厳しさを静かに教えさとす父親の姿勢には、愛情があふれています。
自分自身も若い頃に司書を本気で目指したという共通の経験があるからこそ伝えられる名言ですね。

【名言⑧】「雫さんの切り出したばかりの原石をしっかり見せてもらいました。よく頑張りましたね。あなたは素敵です。」

雫が初めて書いた物語を読んだ、西司朗の感想。自分の中に見つけた原石、すなわち、好きなものだったり、心を打つものだったりするもの、理想のもの、形にしたいと思うものを瑞々しい感性によって表現することのできる雫。
そんな雫に対して伝える「素敵だ」という言葉にはストレートな響きがある、単純な愛の告白よりもずっと切ないものがありました。
そう、原石はその人の一部であり、その人自身です。西司朗は作品を通して雫自身をみたのです。素敵だと思ったのです。どんなときも、彼は彼女自身の人柄や感性、そこから生まれる作品の可能性を信じているのです。

【名言⑨】「わかったんです。書きたいだけじゃダメなんだってこと。」

耳をすませば
出典:金曜ロードshow!公式Twitter

両親を説得し、物語を書き上げ、急いで西司朗に見せに行く雫。うまく書けたか不安で仕方ない雫は、彼が読み終わるまで待っています。読み終わると、つたなくも一生懸命に書き上げた小説をよかった、そして雫のことを素敵だと受け入れてくれた西司朗の優しさに、泣き崩れながら絞り出した精一杯の雫の言葉です。

良いものを書きたいという気持ちが強いあまり、能力がついてこない自分の小ささを思い知った悔しさが込み上げてしまいます。健気な雫に思わずほろりときてしまうシーンです。

【名言⑩】「私、背伸びしてよかった。自分のこと前より少しわかったから。」

耳をすませば
出典:金曜ロードshow!公式Twitter

雫は、やる気になって小説を書き始めるも、書いてみて自分の思うようにいかないところや未熟な部分を突きつけられました。その苦しさに耐えながらも小説を完成させたのです。

そして、書きたいという気持ちだけでは自分の納得するものは作れず、もっと勉強や経験が必要だという新たな目標を見出しました。自分の好きなものも苦手なものもわかった上でまた進んでいけばいい、という迷いのない雫の言葉には、自信があふれていますね。
こんな気持ちを味わってみたい、と思わせてくれるシーンです。

まとめ

「耳をすませば」に登場する名言をご紹介しました。人生は一歩を踏み出すことの繰り返しであり、そうして積み重なった歩みが、かけがえのない自分を作り上げていくということを、痛感させられるセリフが心にしみる作品ですね。見終わったら、走り出したくなる何回目かの青春が待っていることでしょう。