映画『プーと大人になった僕』ネタバレあらすじ | 日常に疲れてしまった大人に見て欲しい
誰もが知っている、A・A・ミルンの児童文学とウォルト・ディズニーの「くまのプーさん」。年代問わず多くの人に愛されてきた原作の、その後の物語として2018年に公開されたのが『プーと大人になった僕』です。
家族愛や忘れてしまった子供心、そんな大切な感覚を思い出させてくれる、じんわりと心にしみる映画になっています。
今回は、作品のあらすじを追いながら、各キャラクターの魅力や見どころを存分に見ていきます。さらに、大人になった今だからこそ心に響く、新しい「くまのプーさん」の楽しみ方を紹介していきます。
あなたにとってのお気に入りのキャラクターや、気になるシーンを見つけるきっかけになったら幸いです!!
目次
世界中の人々を魅了した映画『プーと大人になった僕』について
それではまず、「プーさん」の誕生秘話をご紹介しましょう!制作のきっかけは、ウォルト・ディズニーの娘ダイアンに妻が『クマのプーさん』を読み聞かせていたところです。美しい絵のある本を好んでいたウォルトはプーとその仲間たちをとても気に入りました。そして、この本をアニメーション化して映画を制作したいと考えたのでした。
1938年、ウォルトが原作者のミルンに連絡すると、彼もまたディズニー映画のファンだったのです!しかし、映画製作をすぐに取り掛かることにはなりませんでした。なぜなら、その時『ピノキオ』や『ファンタジア』の制作に手をつけていたのです。
そして20年の月日を経て、ようやく制作が始まったのでした。その後、ウォルトは”100エーカーの森”に再び足を運びます。そうして完成した『プーさんとはちみつ』は1966年に公開されました。その人気は現在まで続き、2015年『プーと大人になった僕』が完成するに至ったのです!
そんな本作は、2018年に全米3602館で公開され、公開初週末に26億を稼ぎ出し、週末興行収入ランキングは初登場にもかかわらず2位となりました!
主だった受賞歴はないものの、原作ファンはもちろんのこと批評家からも好意的な評価を得たりと、多くの人々の心を掴んだようです。その評判は海外だけに留まらず、国内でも多くのファンの心を動かしたようです。
キャラクターの愛らしさはもちろんのこと、時間や仕事に疲れている現代の大人たちに深く共感するストーリーになっています。家族や自分の生活をゆっくりと振り返るきっかけにもなったようですね。
大人も思わずほろっと涙がこぼれる心温まる感動作になっています。また、2Dだったキャラクターたちが3Dとなって動き、肌ざわりまで分かるような緻密な描写やファンタジーを思わせる美しい色彩の風景も魅力の一つでしょう!
10秒でわかる『プーと大人になった僕』あらすじ【微ネタバレ】
大人になったクリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)は、少年時代をプー(ジム・カミングス)たちと過ごした”100エーカーの森”を離れ、家族と暮らしていました。
しかし、その生活は順調ではありません。仕事では難題を請け負うことになり、さらに妻のイヴリン・ロビン(ヘイリー・アトウェル)や娘のマデリン・ロビン(ブロンテ・カーマイケル)とも時間のすれ違いによって心のすれ違いが生まれていました。そんなクリストファーの前に、ある日突然プーが現れます。大人になって「考えるべきこと」が増えてしまったクリストファーロビンは、頭の中がお花畑のようなプーに嫌悪感を示しますが、プーの発言や過去の思い出を振り返る事で、次第に窮屈だった心が少しずつ解されていくのでした――。
アニメーション映画「くまのプーさん」シリーズに登場する少年・クリストファーロビンが大人になった後を描いた作品で、プーさん好きはもちろん、アニメも観たことが無い!といった方でも楽しめる内容となっています。
特に、大人になって仕事に追われ、「純粋で何事も楽しめていた子供のころの幸せな気持ち」をすっかり忘れてなんだか生きるのに疲れてしまった…「最近家族のことを慮れていない・・・」そんな方には是非見て頂きたい作品です!
映画『プーと大人になった僕』のネタバレあらすじ
ここからはじっくりと、『プーと大人になった僕』のあらすじを【ネタバレあり】で解説していきます。まだ作品をご覧になっていない方は注意してください。
【あらすじ①】少年時代のクリストファー・ロビン
冒頭は寄宿舎学校に通うため”100エーカーの森”を離れるクリストファー(オートン・オブライエン)のために、お別れ会が開かれているシーン。
そこにはプー、イーヨー(ブラッド・ギャレット)、ピグレット(ニック・モハメッド)、ティガー(ジム・カミングス)、ラビット(ピーター・キャパルディ)、カンガ(ソフィー・オコネドー)、ルー(サラ・シーン)、オウル(トビー・ジョーンズ)が勢ぞろいしていた。
出典:映画『プーと大人になった僕』公式サイト
プーと二人で歩きながら、クリストファーは「一番好きなのは”何もしないこと”」と話す。二人でお気に入りの丸太に座り、眼下の森を眺めながら最後の会話をする。
寄宿舎学校では厳しい教えを受けた。そんな中、父が亡くなったという悲しい知らせが入る。「これからはあなたが家族を支えるのよ」という言葉のもと、勉学に励み、プーたちと会うことなく大人になっていった。
【あらすじ②】ぎくしゃくする家族
バスの中でイヴリンとクリストファーは運命的に出会い、ほどなくして二人は恋に落ちた。しかしその後徴兵があり、妻、イヴリンとお腹の娘をロンドンにおいてクリストファーは戦場へ向かう。
数年後、無事に生きて帰ったクリストファーはウィンズロウ商事で働くことになる。その頃から仕事に打ち込むようになり、家族での時間は目に見えて減っていった。
会社で重要な役職に就いていたクリストファーは、予算削減のために人を切ることも決断しなくてはならなかった。ウィンズロウの息子ジャイルズ・ウィンズロウ(マーク・ゲイティス)は「夢はタダではない。何もしないと何も生まれない」とクリストファーに告げる。
仕事に追われ、クリストファーは妻イヴリンと、一人娘のマデリンと共に休暇を過ごすはずだったコテージにも行けなくなる。
「あなたの仕事に恋したんじゃないわ」とイヴリンはクリストファーを諭すが、彼は変わることのないまま関係だけがぎくしゃくとしていった。
【あらすじ③】プーとの再会、”100エーカーの森”へ
その頃”100エーカーの森”では、プーが仲間たちとはぐれ1人でいた。何とか仲間と合流しようと、プーは「行ったことのない場所へ進む」ことを決め、木のうろをくぐる。するとその向こうはロンドンに繋がっていたのだった。
プーと再会したクリストファーはつかの間の再会を懐かしんだが、プーの行動に仕事が手につかず、プーを”100エーカーの森”へ連れて帰ることを決める。
道中、一刻でも早く仕事を進めなければとクリストファーは焦り、プーに対しても冷たく当たってしまう。ついには大切な書類をばら撒いてしまったプーに「まったくきみはおつむが小さいな。どうしてまた現れた。きみの覚えている僕とは違う」と突き放してしまう。
そしていつの間にか、プーも消えて、森にはクリストファー1人になってしまったのだった。落とし穴に落ち、頭を打って気絶している最中、クリストファーはようやくプーの言っていた「”何もしない”をするのがいい時もある」という言葉を思い出す。
イーヨーやピグレットたちと再会を果たしたクリストファーは、少年時代最後にプーと別れた場所へ向かう。そうしてそこで待っていたプーと仲直りするのだった。「きみはおつむが小さいんじゃない。心がとても大きいんだ」自分は迷子だ、と告白するクリストファーにプーは「でも僕が見つけたでしょ」と言葉をかける。
そうして、無事に仲直りもできたクリストファーは仕事をしにロンドンに戻るのだった。帰り道では電車の窓からを外を眺め、「見えたものを口に出すゲーム」をするほどにクリストファーの心には余裕が生まれていた。
【あらすじ④】マデリンの冒険
ほっとしたのもつかの間、クリストファーのカバンの中の書類は、ティガーが木の実や枝などの大切な思い出と交換してしまっていたのだった。
プーたちはクリストファーに書類を届けるためにロンドンへ向かうことを決めた。
1人でテニスをしていたマデリンは、書類を届ける途中のプーたちに出会う。自分も一緒にロンドンに向かうことを決めたマデリンは、コテージに置き手紙をし、プーたちを乗せて自転車に乗るのだった。汽車に乗り、タクシーに乗り、マデリンとプーたちはウィンズロウ商事へと向かう。
マデリンがいなくなったことに気が付いたイヴリンも、大慌てでロンドンへと足を向けた。ウィンズロウ商事へ乗り込み、クリストファーと共にマデリンを探しに出かけた。
ウィンズロウ商事の目の前までたどり着いたマデリンだったが、最後に転んで書類を空へ飛ばしてしまう。悲しみにしゃがみこんでいるマデリンのもとに、クリストファーとイヴリンがたどり着く。肩を落として落ち込むマデリンに、クリストファーは「大事なのは書類よりお前の無事だ」と断言する。
父に喜んでもらえたら寄宿舎学校に行かなくても良くなるのではないか、家族と離れなくても良くなるのではないかと思ったというマデリンの言葉を聞き、「大切な娘まで失うところだった。もうどこにも行かなくていい。ずっと一緒にいよう。」とクリストファーはきつくマデリンを抱きしめて約束するのだった。
【あらすじ⑤】最後に見つけた解決策
マデリンが最後に握りしめていた書類の切れ端から、クリストファーは画期的なアイデアを思い浮かぶ。予算削減会議に乗り込み、「”何もしない”は最高の何かに繋がる」と削減案を提案し、見事案を通した。
そうしてクリストファーは、家族とプーたちと”100エーカーの森”で”何もしない”をするのだった。
映画『プーと大人になった僕』のキャスト紹介
クリストファー・ロビン/ユアン・マクレガー
クリストファー・ロビンを演じたのは、『スター・ウォーズ』シリーズや『ビッグ・フィッシュ』、『美女と野獣』など数々の作品に出演している名優のユアン・マクレガーさんです!過去、数々の作品で最優秀男優賞を受賞するなど、その高い演技力で今作もリアルな現代の男性を演じています。
そんなユアン・マクレガーさんが演じるクリストファー・ロビンは、少年時代はプーのような自由な心の持ち主のようです。しかし、父を亡くしたことで一家の大黒柱として自分が家族を支えなくてはいけないという思いが強くなり、周囲の人間関係もぎくしゃくしてしまう不器用なキャラクターです。
仕事と家庭、ご近所付き合いなど、上手くいかない不器用さに共感する人は多いのではないでしょうか!
ユアン・マクレガー出演のおすすめ映画ランキングTOP5!主演から脇役まで演じこなす名役者イヴリン・ロビン/ヘイリー・アトウェル
クリストファー・ロビンの妻、イヴリン・ロビンを演じたのはヘイリー・アトウェルさんです。2011年公開の『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』でヒロインを演じたほか、ゴールデングローブ賞女優賞を受賞するなど、実力派の女優さんです!
イヴリンは作中ではあまり強く主張するキャラクターではありません。その一方、仕事ばかりですれ違っていくクリストファーに言葉をかけたり、母として娘に向き合うなど、まっすぐで誠実な女性として描かれています。女性として、そして母としての強さと包容力を持ち合わせた魅力的なキャラクターです!
マデリン・ロビン/ブロンテ・カーマイケル
クリストファーとイヴリンの娘を演じたのはブロンテ・カーマイケルさんです。出演作品はまだ少ないながらも、今作で娘役に大抜擢され、家族の間で揺れる複雑な心境を見事に演じました。今後の活躍にも注目していきたい女優さんですね。
そんなマデリンは、父クリストファーの無器用さをとても受け継いでいるキャラクターです。自分の気持ちを口に出して表現することが苦手で、勉強や読書など、家にこもりがちな少女でした。しかしプーと出会うことで、自分の力で行動する大きな一歩を踏み出します。その純粋さと真っすぐさ、思わず応援したくなるキャラクターとなっています!
プー/ジム・カミングス
ゆるい話し方の中に、本質をつくような数々の名言を生み出してきたプーを演じたのは、ジム・カミングスさん!これまで様々なテレビアニメや映画、ゲームに出演してきており、アニー賞の声優賞を受賞するなど、ベテランの声優さんです。
ジム・カミングスさんが演じるプーは、頭の中はいつもはちみつでいっぱい。自分の心や感覚にとても素直なその姿から、人生の在り方を考えさせられるきっかけになった人も多いのではないでしょうか。
どんな時も自分の大切なことを忘れずに大切にできる、不思議な魅力のあるキャラクターになっています!
ジャイルズ・ウィンズロウ/マーク・ゲイティス
ウィンズロウ商事の息子ジャイルズ・ウィンズロウを演じたのは、俳優であり脚本家であり、小説家でもあるマーク・ゲイティスさんです。テレビドラマや映画、舞台など幅広いジャンルで活躍するマークさんは、最優秀舞台助演男優賞や最優秀助演男優賞等にも受賞されています。
今作では、社長の権力をバックに部下に仕事を押し付けてゴルフへ行ったりと、現実でも出会うような憎まれ上司のキャラクターです。
登場シーンは多くないものの、その存在感で強く印象に残る人物になっています!
映画『プーと大人になった僕』の見どころ
今作ではたくさんのみどころがありますが、その中でも【より作品を楽しめる】きっかけとなる部分をご紹介していきます!
【みどころ①】監督やキャストのプーへの思い
『プーと大人になった僕』がMovieNEXで発売されることになり、監督とキャストたちがコメントを残しました。
監督マーク・フォースターさんは「プーさんにはみんな思い出がある」と語っています。ユアン・マクレガーさんも同様にプーが好きで、子供のころはプーさんに似たクマを持っていたようです。また、イヴリン役のヘイリー・アトウェルさんも「おばが持っていた本を読んで、自分の人形やクマも話せたらと思った」と語っています。
子供の頃ぬいぐるみを持っていた皆さんの中には、同様の感覚になった人が多いのではないでしょうか。
そんなプーさんの最初のモデルは、当時の子供部屋にあるようなテディベアだったようです。かわいくて、素朴で、心が和むもの。そんな初期のモデルに、ミルンの原作やシェパードの挿絵、そしてディズニー初期の絵を参考にして『プーと大人になった僕』のキャラクターたちは誕生したのでした。
【みどころ②】舞台裏でもキャラが実際に存在しているかのように対等に向き合う姿勢
さらにYouTubeではユアン・マクレガーさんがプー、ピグレット、イーヨー、ティガー、に撮影の裏話を聞くという企画で、それぞれにインタビューをしています。
キャラクターならではの魅力が溢れていて、映画を鑑賞する前でも鑑賞後でも楽しむことができるでしょう。
ここでの各キャラクターは俳優たちと同じ立場でユアンのインタビューに答えているため、「映画のきみは実際のきみと比べてどう?」という質問があったりするのです。プーたちが実際の世界に存在しているような気持になることができてとても楽しませてくれる演出ですね!
それぞれのキャラクターは、映画を飛び出ても何も変わらずとても個性的です!ユアンの質問に斜め上の返答をしていて思わず肩の力が抜けてしまう部分もお楽しみです。
【みどころ③】プーたちに命を宿らせる映像技術
ぬいぐるみがまるで生きているように動く、その魔法のような仕組みはどのようなものなのでしょうか?
YouTubeでは撮影スタッフの仕事や役者がセリフに声を当てるシーン、さらに、アニメーターが各キャラの個性に合わせて動きをCGにしていく様子などが公開されています。
本物のぬいぐるみとCGの違いが分からないほど、リアルで自然な質感が表現されていて、風に揺れるぬいぐるみの毛や雨に濡れている様子が緻密に制作されており、その技術の高さにも驚かされます。
さて、 『プーと大人になった僕』がどうやって映画になっていったのか、その流れをご紹介します!
まず、監督が各部門の責任者と話し合いをします。その後、美術部門がぬいぐるみを制作し、登場するキャラクターたちの外見や手触りを形にしていきます。このぬいぐるみは実際の撮影シーンでも使用され、「人形遣い」と呼ばれるスタッフが動かしていきます。人形遣いがぬいぐるみを動かしながらセリフも同時に話すことで、役者たちは自然な演技をすることができたようです。
「プーの声は草むらを吹き抜けるそよ風。歩道を転がる落ち葉の音のようでもある」
プーの声を演じているジム・カミングスさんは87年から演じており、人生の半分を当てているそうです。プーを知り尽くしている彼の愛とこだわりのある演技にも注目したいですね。
まとめ
今回は映画『プーと大人になった僕』をネタばれありで詳しくご紹介しました!
みどころやキャスト情報はもちろんのこと、キャストのプーへの思いや制作現場の裏側など、本作をより楽しめるきかっけになったかと思います。本物と間違えるほどリアルなぬいぐるみの表現など、細かい部分まで魅力が詰まっています。何度も観ることで新しい発見が生まれる…そんな映画になっています。
ぜひ、あなたのお気に入りのシーンと共に、プーさんの世界を存分に楽しんでください!
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