映画『ジョーカー』のあらすじネタバレ解説 | バットマンとの繋がりを考察

2019年10月4日に公開した映画『ジョーカー』。ヴェネチア国際映画祭で最優秀作品賞である金獅子賞を受賞するなど公開前から注目されていた作品でした。本作はDCコミックスのヒーロー、バットマンの宿敵ジョーカーが主人公です。人気の悪役のオリジン(起源)が語られるということでも期待が集まっていました。

そんな注目作『ジョーカー』を考察とともにご紹介します。

本記事で解説する内容

☑『ジョーカー』ネタバレ有のあらすじ詳細
☑『キング・オブ・コメディ』との繋がり
☑現実と妄想の境界線
☑ジョーカーは他に存在する説とバットマンとの繋がり
☑ヒースレジャーのジョーカーとの繋がり
☑ラストでジョーカーが呟いた「ジョーク」の意味

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映画『ジョーカー』について

ジョーカー
出典:映画『ジョーカー』公式Facebook

本作は金獅子賞を受賞するなど評価された作品ですが、その一方で警戒されている作品でもあります。アメリカでは2012年に『ダークナイト ライジング』(クリストファー・ノーラン監督のバットマン作品)上映中、銃が乱射された事件がありました。死傷者が出たこの事件の犯人は、ジョーカーに影響されたといわれています。本作『ジョーカー』のプレビュー上映でも、脅迫文が映画館に届き上映中止となりました。また、持ち物検査を実施する映画館もあります。

映画好きであれば、この現象を聞いて『時計じかけのオレンジ』事件を思い出した方もいらっしゃるでしょう。1971年、映画の公開と同時にイギリスで相次いだ殺人事件の犯人たちが、こぞって「『時計じかけのオレンジ』に影響を受けた」と証言した事で、イギリスでは上映禁止令が出されました。

また、ドイツの詩人・ゲーテ著作の『若きウェルテルの悩み』の作中で主人公が自殺をした事で、これに影響された若者が次々と自殺していった事件が「ウェルテル効果」と呼ばれ社会に影響を与えたように、本作『ジョーカー』を始めとするフィクションは、時として現実社会の倫理観をも浸食してしまう恐ろしさを持っているのです。

本作では、ジョーカーがなぜジョーカーにならなければいけなかったのかというオリジン(起源)が描かれます。さらに、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』のように、ジョーカーを否定してくれるヒーローが一切出てきません。…となると、『ジョーカー』における善悪の倫理観は一体どのように展開されて行くのでしょうか。

下記では、さっそくネタバレ有であらすじを解説していきます。

映画『ジョーカー』のネタバレあらすじ

映画『ジョーカー』予告編

脳に疾患があり、何でもない時にも笑ってしまう発作のある男性アーサー(ホアキン・フェニックス)。彼はここゴッサム・シティでコメディアンとして働いています。しかし、ハンデのある彼に都会はとても冷たいです。一緒に暮らしている母(フランセス・コンロイ)の介護、少ない給料、誰も手を差し伸べてはくれません。そんなある時、彼は若者たちに暴力を振るわれます。そして思わず銃で彼らを撃ってしまったのです。

友人もおらず、政府からの福祉も切られ、殺人が起こり……少しずつ、少しずつアーサーがジョーカーに変貌していきます。アメコミファンはもちろん、アメコミに馴染みのない人も入りやすいストーリーです。ただ、他のアメコミ映画のような派手なアクションを求めている人にはオススメできません。本作はごく普通の優しい男性が、静かに狂気に飲み込まれていく物語なのです。

ここからは、更にネタバレ有で『ジョーカー』のあらすじを解説していきます!

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【あらすじ①】貧しい生活

ゴッサム・シティの治安は最悪になっていた。ゴミ清掃職員たちのストライキで街中はゴミだらけ、政府機関は機能していない状態だ。そんなゴッサム・シティで「ピエロ」として働いているアーサー。コメディアンになりたいアーサーは、『HAHAプロダクション』に所属し、ピエロとしていろんなお店や施設に派遣されている。

ある時、アーサーは閉店セールの看板持ちをしていた。いつものようにピエロの衣装を着て、おどけながら客寄せを行う。ところが、ストリートギャングの若者たちに面白半分に看板を奪われ、路地裏でリンチされてしまった。

身も心もボロボロになりながらも家に帰ったアーサー。彼の帰りを待っていたのは介護が必要な母だった。母は精神も病んでおり、毎日のように大富豪トーマス・ウェイン(ブレット・カレン)に手紙を書いている。30年前、トーマスの家で働いていたのだ。貧困で苦しんでいることを知ればきっと助けてくれる……母はそう信じていた。

母に夕飯を食べさせていると、アーサーはある番組にくぎ付けになる。人気コメディアン、マレー(ロバート・デ・ニーロ)によるトーク番組『マレー・フランクリン・ショー』だ。いつかこの番組出られたら……温かく迎えてもらえて、みんなに自分のジョークを笑ってもらえたら……。アーサーはそんな妄想をしながら微笑む。

【あらすじ②】追い詰められるアーサー

ジョーカー
出典:映画『ジョーカー』公式Twitter

翌日、アーサーは事務所に行くと同僚のランドル(グレン・フレシュラー)にこっそり銃を渡される。先日アーサーが襲われたことを知り、護身用にくれたのだ。その直後、今度は上司に呼び出される。上司は「早く看板を店に返せ。返さないならお前の給料から引くからな。」と言うのだ。アーサーが襲われたことは真に受けず、看板を盗んだと思っているのだ。ただでさえ貧困に苦しんでいるアーサーにとっては痛いことだ。

家に戻るとエレベーターで、同じフロアに住むシングルマザーのソフィー(ザジー・ビーツ)と一緒になった。別れ際、ソフィーはアーサーのしたジョークを笑った。アーサーはそれが嬉しく、幸せな気持ちになる。

アーサーの脳には損傷があり、緊張すると笑う発作に襲われる。その影響もあり、政府の福祉サービスを受けている。アーサーは「薬を増やしてほしい。」と担当者に相談したが、断られてしまった。政府が福祉サービスの予算をカットしたのだ。もうカウンセリングも薬も貰うことができない

ある日、アーサーは病院の小児科でピエロのショーをしていた。そこで、子どもたちの目の前で本物の銃を落としてしまった。仕事が終わった後、上司から「クビだ!」と連絡がある。ランドルが銃のことを上司に知らせたようで、アーサーの言い分は聞いてもらえなかった

さらに運のないことに電車の中で、女性が酔っ払った3人組の男に絡まれている場面に出くわしてしまう。どうすることも出来ない状況に、アーサーは発作の笑いが止まらなくなってしまった。3人組はターゲットをアーサーに変え、アーサーに暴力を振るう。するとアーサーはとっさに彼らを撃ってしまった

【あらすじ③】変化

人を撃ち殺したアーサーは動揺を隠せないが、それ以上に高揚感を覚えた。アーサーはその気持ちのまま、ソフィーの元に向かう。彼女にキスをし、彼女もそれを拒まなかった。

アーサーはコメディショーの舞台にソフィーを招待した。大きくない舞台だったが、アーサーは緊張し、発作の笑いでまともにトークもできなかった。そのショーの帰り、アーサーはある新聞の一面に目を止める。エリート社員3人がピエロに銃殺された、アーサーの起こした事件だ。だが、この事件は「金持ちへの私刑」、市民のヒーローとして受け取られた。この事件をきっかけに賛同する者はピエロの仮面をかぶるようになる。今まで無視されていた存在の自分を、周りが認識しているのだ。

家に戻ると、また母がトーマス・ウェインに手紙を書いている。どんなことを書いているのだろう、とアーサーは内容を読んでしまった。中には「私とあなたの息子は貧困で苦しんでいる。頼れるのはあなただけ。」と書かれている。なんと自分はその大富豪トーマス・ウェインの息子だというのだ。

次の日、アーサーはトーマスの豪邸の前にいた。一目父に会えたら……。庭を覗くとトーマスの息子ブルース(ダンテ・ペレイラ=オルソン)がいる。彼は自分の弟にあたるのだろうか。ブルースに声をかけるとウェイン家の執事アルフレッド(ダグラス・ホッジ)に止められてしまった。ついにトーマスに会うことは叶わなかった。それどころかアルフレッドに罵られてしまう。落ち込みながら家に帰ると、ちょうど母が脳卒中を起こし救急車で運ばれるところであった。

【あらすじ④】アーサーの事実

ジョーカー ネタバレ
出典:映画『ジョーカー』公式Instagram

アーサーはソフィーと共に母の病室にいた。病室のテレビでは『マレー・フランクリン・ショー』でマレーがあるコメディアンを紹介している。それはコメディショーの舞台に立つアーサーだった。先日の舞台のビデオがテレビで流れているのだ。そこでマレーにコケにされ、笑いものにされてしまう。だがこの放送をきっかけに『マレー・フランクリン・ショー』のスタッフから連絡があり、本当に番組に出演することとなった。

アーサーはトーマスの参加するイベント会場に忍び込み、声をかけた。「自分の母はペニーで、自分はあなたの子どもだ。」と、しかしトーマスからは「ペニーは精神を病んでいた。養子をもらって、その子を自分とトーマスとの子どもだと言い出した。」と言われてしまう。

アーサーは母が入院していた精神病院で、当時のカルテを見ることができた。そこには、トーマスの言う通りアーサーが養子であること、母の恋人が幼いアーサーに虐待を繰り返したこと、そして虐待によって脳に損傷ができたことが書かれていた。ショックを受けたアーサーはソフィーの部屋に向かう。しかし、ソフィーはアーサーの名前を覚えているかさえ怪しい。今まで、アーサーがしゃべっていたソフィーは全てアーサーの妄想だったのだ。もうアーサーには何もなかった。

【あらすじ⑥】「ジョーカー」の誕生

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アーサーは母のいる病室に向かい、母を殺した。家に戻ると前の同僚ランドルが様子を見に来てくれたが、アーサーは彼を殺すことも躊躇しなかった。街中ではアーサーのようなピエロのお面を被った人々で溢れている。

『マレー・フランクリン・ショー』でアーサーは「ジョーカー」と紹介され登場した。アーサー……ジョーカーは、ピエロの殺人事件は自分だと告白した。そしてマレーを撃ち殺す。この放送をきっかけにゴッサム・シティは、ピエロのお面を被った暴徒たちであふれかえった。ジョーカーは警察に連行されるが、暴徒たちによって救出され祭り上げられる。

この暴徒たちから逃れようとトーマス・ウェインと妻、子どもは路地裏に入るが、ピエロのお面を被った男に撃ち殺される。子どものブルースだけ見逃され、路地裏で立ち尽くした……。

真っ白な部屋、拘束具を身に着けたアーサーが笑っている。ジョークが思い浮かんだのだと言う。カウンセラーがどんなジョークなのか問うが、ジョーカーは「お前には理解できない」と返した。

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映画『ジョーカー』のキャスト

アーサー・フレック/ホアキン・フェニックス

アーサー(ジョーカー)
出典:映画『ジョーカー』公式サイト

本作の主人公・ジョーカーことアーサーフレックは、ただ人を笑わせたい、という普通の男性でした。脳の損傷によって、自分の意志とは関係なく笑ってしまうことがあります。また、過去には精神病院に入院していた過去がありました。

この新しい「ジョーカー」を演じたのはホアキン・フェニックスです。『グラディエイター』でサンディエゴ映画批評家協会賞助演男優賞受賞したり『her/世界でひとつの彼女』 でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞するなど多くの作品で受賞歴がある実力派俳優です。

ペニー・フレックス/ フランセス・コンロイ

ジョーカー
出典:映画『ジョーカー』公式サイト

アーサーの母。精神と心臓に問題があり、アーサーの介護なしには生活できません。トーマス・ウェインの家で仕事をしていた過去があり、頻繁にトーマスに手紙を出しています。

複雑な母ペニー役はフランセス・コンロイです。『めぐり逢えたら』、『キャットウーマン』などの名作に出演しており、映画だけでなくブロードウェイなどの舞台でもその演技は評価されています。

ソフィー・デュモンド/ザジー・ビーツ


出典:映画『ジョーカー』公式サイト

アーサーと同じ階に住むシングルマザー。アーサーは彼女に片想いしています。

美しく優しいソフィーを演じたザジー・ビーツ。2013年に女優としてデビューしました。初映画作品の『ジオストーム』では主人公を助ける重要な役割を演じ、翌年にはデッドプール2』で強くて運の良いヒーローを演じて話題となりました。2019年は本作を含めて4本の映画に出演しており、今注目の女優です!

マレー・フランクリン/ロバート・デ・ニーロ


出典:映画『ジョーカー』公式サイト

テレビ番組『マレー・フランクリン・ショー』の人気コメディアン。アーサーは彼に憧れています。

言わずと知れた名優ロバート・デ・ニーロが演じます。1965年に映画デビューしてから数々の映画に出演してきました。『ゴッドファーザーPARTⅡ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したことをきっかけに、賞レースの常連となっています。徹底的な役作りをする人物としても知られており、舞台となる場所に実際に住んだり働いたりもしたとか!

デ・ニーロは『ジョーカー』の元ネタとされている映画『キング・オブ・コメディ』で、主演としてコメディアンを志す青年を演じています。本作でのアーサーとの共演は必見です!

トーマス・ウェイン/ブレット・カレン

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出典:映画『ジョーカー』公式Facebook

ゴッサム・シティに住む大富豪。実業家であり、次期市長選に立候補する予定です。結婚しており、息子が1人います。

トーマス役を演じたブレット・カレンは、映画以外にもテレビ映画やドラマなどに多く出演している俳優です。ドラマ『パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット』では正義感のあるキーパーソンを演じ、『THE BLACKLIST/ブラックリスト』では謎の人物を演じ周囲を圧倒する存在感を放っています。映画では『ゴーストライダー』や『ダークナイト ライジング』などのアメコミ映画にも出演しました。

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映画『ジョーカー』5つの考察

ここからは、映画『ジョーカー』にまつわる5つの考察について解説していきます。

【考察①】映画『キング・オブ・コメディ』との繋がり

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出典:映画『ジョーカー』公式Instagram

悲劇の連続である『ジョーカー』、アーサーはコメディアンを目指すものの彼自身の人生は笑えるものではありません。しかし、アーサーは「人生は悲劇だ。いや、喜劇だ。」と発言しました。本人にとっては悲劇でも、自分のことでなければ笑えてしまいます。コメディとはそういうものなのだと言うのです。本作はアーサーの悲劇を描いていますが、コメディのパロディが多くあります。

分かりやすいのは、ラストのアーサーが精神病院で職員たちに追いかけられている場面でしょう。アーサーが追いかけられながら廊下の左側に消えたと思ったら、また左から右に走って抜けます。その追いかけっこは、子ども向けのコメディによくあるような一幕です。外からなら笑えるような場面ですが、アーサーや職員の気持ちになるとくすりとも笑えません。もしかすると私たちは、コメディを見るとき彼らの悲劇を笑っていたのかもしれません。

本作中にある重要なパロディは映画『キング・オブ・コメディ』です。


出典:『キングオブコメディ』公式Facebook

1983年に公開され、ロバート・デ・ニーロが主演の作品。現実と妄想の境目が曖昧な男性が、自分は才能あるコメディアンだからと言って人気コメディアンのトーク番組に出ようとむちゃくちゃなことをするストーリーです。主人公の明るさは本作のアーサーとは違うものの「現実と妄想が混ざってしまっている」「トーク番組に出ようとする」「主人公が自分の部屋でトーク番組に出る時のリハーサルをする」など共通点が多くあります。

何より重要なのはロバート・デ・ニーロの存在です。『キング・オブ・コメディ』で笑って良いのか迷うほどの狂気を見せたロバート・デ・ニーロが、本作では憧れられる立場にいます。本作で偉そうにアーサーを責めたマレーも一歩違えばアーサーのように立っていたのかもしれません。マレー側になるかアーサー側になるか、紙一重であるかのようです。これは、コミックのジョーカーの「誰でもジョーカーになる可能性がある」という考えにも近く、ゾッとします。

【考察②】アーサーの妄想と現実の境界線

ジョーカー ネタバレ
出典:映画『ジョーカー』公式Twitter

物語はアーサーの精神病院での場面で終わりました。このシーンは謎に包まれており、仮説がいくつかたてられます。時系列順に、あの暴動後の逮捕された後の話かもしれません。または、これまでのストーリー全てが精神病院患者のアーサーが頭の中で考えた物語だったというオチにも見えます。はたまた、時間を遡ってアーサーが昔入院していた頃の場面だったのかもしれません。もし入院していた頃の話なのであれば、あの血のような足跡は「ジョーカー」になるべき運命を暗示しているようです。

しかし、本作は観客に考える余地をたくさん残してあります。主演のホアキン・フェニックス、そしてトッド・フィリップス監督は、インタビューで「普通の映画にはない形で観客を作品に参加させることが、この映画の面白さのひとつだ」と語っています。アーサーがどこから狂ったのか、ジョーカーなのかそうでないのかさえ疑問を残すよう作られているのです。

【考察③】『ジョーカー』は本物なのか?

ジョーカー
出典:映画『ジョーカー』公式Twitter

「そもそも、この映画に登場するジョーカー(アーサー)は、本物のジョーカーではないのではないか」こんな衝撃的な仮説がファンの間で立てられ、議論を呼んでいます。

というのも、本作に登場する少年・ブルース(バットマンの幼少時代)は、ジョーカーたるアーサーとあまりに年齢がかけ離れているからです。のちにバットマンとなるブルースは10代の子どもです。しかし、アーサーは40代に見えます。コミックなどで語られるバットマンは大体30代後半です。ということは、ブルースが活躍するころにはアーサーは60~70歳のおじいさんになっているでしょう。その年齢でバットマンと戦うというのは少し無理に感じます。

その為「アーサーは本物のジョーカーではないのではないか」「それこそ、最後にブルースの両親を殺害した人物こそが本物のジョーカーなのではないか」といった仮説が生まれています。

本作の監督トッド・フィリップスはこれらの仮説に対して「いずれ全てお話するつもりですが、今はまだその時ではない。これから生み出される新たな仮説の邪魔をしたくない」と語っています。果たしてどの仮説が正しいのか…情報を集めて自分自身で判断する楽しみこそが映画の醍醐味でもありますよね。

監督から真実が明かされるまでは、大いに仮説を膨らませておきましょう。

【考察④】ヒース・レジャーのジョーカーへのラブコール

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出典:『ダークナイト トリロジー』公式Facebook

2008年に公開されたクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』は、ジョーカーの狂気を表現した素晴らしい映画でした。特にヒース・レジャー演じるジョーカーの衝撃は印象的です。人の善悪さえもひっくり返しかねないジョーカーの行動はまさに狂気でした。人の善を信じるバットマンと、人の悪を信じるジョーカーの構図で対立しています。物語のラストでジョーカーは「どんな人間も悪に手を染めるだろう」と市民に選択を迫りました。ところが、ジョーカーの思惑は外れてしまいます。人々はバットマンのように人の善を信じる行動を取ったのです。

本作の人々の反応は『ダークナイト』の人々とは全く反対の反応をしています。人々は狂ったように暴徒と化しました。ピエロのお面を被り、車も街も人もめちゃくちゃにするこの光景は『ダークナイト』のジョーカーが望んだ世界ではないでしょうか。そして人々がジョーカーを崇めるシーンはまるで、ヒース・レジャーの演じたジョーカーへのアンサーのようです。

【考察⑤】ラストで呟いた「ジョーク」の意味

ジョーカー ネタバレ
出典:映画『ジョーカー』公式Facebook

最後のアーサーが精神病院で思いついた「ジョーク」とはなんだったのでしょう?これについてはいくつか可能性が考えられます。

①計画を思いついた

このシーンが過去の入院時のシーンであったなら、「ピエロになって街の中をひっくり返す」計画を思いついたのかもしれません。だとするなら、やはり彼の中には「ジョーカー」になり得る狂気があったのでしょう。彼の真っ赤な足跡がそれを物語っています。

②この映画そのもの

この物語がすべてアーサーの妄想だったら、「自分が街全体を狂気に陥れる」というジョークを思い浮かべたのかもしれません。「本来なら周りから無視され、病院内でも厄介者である自分が誰から無視できないような存在になる」まさに社会への皮肉です。

③自分の行いでヒーローが誕生すること

これが時系列順に、街の混乱の後に逮捕されて入院したアーサーのシーンだったらどうでしょう。街のピエロたちのヒーローになったジョーカーに対し、「ジョーカーのせいで本当のヒーローが誕生する」という皮肉を思いついたのかもしれません。

狂気にむしばまれ殺人を繰り返したアーサーですが、以前の彼なら殺人を肯定しなかったでしょう。もしかすると自分を止めてくれるヒーローを求めたのかもしれません。

まとめ

バットマンの悪役ジョーカーにスポットライトを当てた『ジョーカー』について考察してきました。本作は考える余地が多く残されており、ここで挙げた考察はその考えのひとつでしかありません。何が正しく、何が間違っていたのか……観終わった後は誰かと自分の中の「ジョーカー」について語り合ってみてくださいね。

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