コメディ×SF映画『メン・イン・ブラック』あらすじ&キャスト解説 | 驚きのトリビアもご紹介!
映画『メン・イン・ブラック』は1997年12月に日本で上映された、大ヒットSF映画です。監督は映画『アダムスファミリー』を手がけたバリー・ソネンフェルド、プロデューサーはスティーヴン・スピルバーグで、コメディとSFが融合された豪快で痛快な映画です。
シリーズ化もされており、『メン・イン・ブラック2』『メン・イン・・ブラック3』『メン・イン・ブラック・インターナショナル』も大ヒットとなっています。
今回はそんな誰もが引き込まれる、楽しくて不思議な映画『メン・イン・ブラック』のキャストやあらすじ、そしてメン・イン・ブラックのトリビアを紹介していきます。これからシリーズを観ようと思っている方、まずはシリーズ第一弾の『メン・イン・ブラック(1997)』の魅力をご覧ください!
目次
20年経った今でも人気が衰えない映画『メン・イン・ブラック』について
『メン・イン・ブラック』とはアメリカの都市伝説の1つであり、もとの物語は、ローウェル・カニンガムのコミック「The Men in Black」(1990年)が元になっています。原作はとてもシリアスで不気味さや奇妙さを感じさせる絵ですが、映画『メン・イン・ブラック』はこのコミックのパロディとして作られました。
出典:Wikipedia
表紙の厳つい男性も映画同様、黒いスーツに黒いネクタイ、そして黒いサングラスを身に着けています。こちらのコミックは、UFOや宇宙人に遭遇した人のもとに「メン・イン・ブラック」が現れて、「今見たことは、けして口外しないように」と警告をし、去っていく内容です。
映画が大ヒットした後、アメリカではアニメの『メン・イン・ブラック』が1997年から2001年までKids’ WBで放送されており、日本ではアニマックス、ミステリチャンネルで2シーズン放送され、こちらも大人気となりました。
10秒でわかる『メン・イン・ブラック』の簡単なあらすじ
ざっくりあらすじニューヨーク市警察のジェームズ(ウィル・スミス)は、ある容疑者を追っていました。街を縦横無尽に、そして身軽に逃げる男にようやく追いつき銃を向けると、男は奇妙な瞬きをしてから、ビルから飛び降りてしまい死亡します。ジェームスは署に戻ると黒いスーツの男K(トミー・リー・ジョーンズ)が現れてジェームスを外に連れ出しました。
地球上のエイリアンを監視する組織「MIB」に所属するというKは、ジェームスに一緒に働かないかとスカウトします。テストに合格したジェームスは今までの身分を一切消してMIBの一員となり、「J」というコードネームを与えられます。
ある日2人がパトロールをしていると、宝石商の男性が殺される事件が起きました。殺された男性はアルキリアン帝国の王族で「銀河系」を守る重要な人物。そして彼を殺した犯人は宇宙一卑屈で極悪なエイリアンのバグ(ヴィンセント・ドノフリオ)で、KとJは銀河系を取り戻すためにバグの後を追いかけていくのでした。
映画『メン・イン・ブラック』はSF+アクション+コメディの3要素が含まれている、痛快エンタテイメント映画です。何も考えずスカっとした気分になりたい人や色んなタイプのSFを観たい人におすすめです。
映画『メン・イン・ブラック』のネタバレあらすじ
映画『メン・イン・ブラック』は、派手なアクションが多く、テンポの速い映画です。先にあらすじを読んで、話に着いていけるようにしておきましょう。一度観たことがある人は、ラストがどうなるか再確認のために読んでみてください。
【あらすじ①】同僚との別れ
アメリカの国境付近では、不法移民を取り締まる警備が行われていた。警察は検問で不審なバスを止めると中にいる人間を下ろして事情を聞いてみることに。その時後ろから「移民局6課」だと名乗る男2人が現われる。彼らはお互いをKとDと呼び合い、バスの中にいた移民らと親しげに話し始めた。
K(トミー・リー・ジョーンズ)は突然、目の前にいた移民のコートをはぎ取ってしまう。すると中から宇宙人が現われて、見ていた警察は思わず声をあげてしまい、正体を見られた宇宙人は警察に襲い掛かった。D(リチャード・ハミルトン)は阻止しようと銃を出そうとするが、もたついてしまい上手くいかない。結局、Kが宇宙人を撃ち事なきを得た。
Kは警察官を集め前に立つと、「ニューラライザー」を取り出しスイッチを押して光を放った。この装置は、宇宙人やUFOを見た者の記憶を消す機械(通称:記憶でっち上げ装置)で、その場にいた者たちは何事もなかったように現場を離れていった。
皆が居なくなった後Dは、自分はもう年だからそろそろ引退だと言う。それ聞き、KはニューラライザーをDに向けてスイッチを押すのだった。
【あらすじ②】ジェームスとの出会い
NY市警察のジェームス(ウィル・スミス)は、ある容疑者を追っていた。その男は並外れた身体能力でビルの壁を駆け上がり、縦横無尽に逃げ回った。ようやく男を追い詰めたが、横に瞬きした後「世界の終わりだ」と言いビルから飛び降りて死んでしまう。見たこともない形態の目にジェームスは、人間ではないと思い始めるのだった。
署に戻り容疑者の、目などの特徴について上司に話すが誰も信じてくれず、唯一検視官のローレル(リンダ・フィオレンティーノ)が信じてくれた。その時、黒いスーツの男Kが現れ、ジェームスが追った容疑者は宇宙人だったと語り始め、この男なら信じてくれると思いKに全て話すのだった。
Kはジェームスのタフな体力を見込み、「MIB」の試験を受けて見ないかと名刺を渡した。試験当日、会場には現役の海軍・空軍・ネイビーシールズがいて、テストは難関中の難関と思われたが、Jは、あっさりとテストに合格してしまう。しかし、MIBになることは、今までの身分を一切捨て、存在を隠して生きることだとKに言われ、ジェームスは悩んだが一晩考えてMIBになることを決意するのだった。
【あらすじ③】新しい職場と宝石商殺人事件
MIBの捜査官「J」となったジェームスは、早速Kと宇宙船の無断侵入事件の捜査に入り、NY郊外に落ちた円盤の調査に向かった。事件現場に着くと家の女性が、夫エドガーの皮を着た何者かの様子を話し始めた。砂糖水を何杯も欲しがるという妻の話に、Kはすぐに正体は、宇宙でも凶悪なエイリアン「バグ」の仕業だと察しが付く。
そしてサングラスをかけてニューラライザーで女性の記憶を消してその場を去った。
一方、ニューヨークでは、エドガーの皮を着たバグが宝石商のローゼンバーグ(マイク・ナスバウム)を殺害していた。ローゼンバーグの死体は検死官ローレルの下に運ばれ、調べると頭部が開き、中からアルキリアン帝国の王族が出てきた。彼は「銀河系の戦争を阻止しなければならない、銀河系はオリオンのベルトに…」と言い残し、息絶えてしまう。
「オリオン・ベルト・銀河系」これは何を意味するのか、KとJは捜査を進めて行くがその間にも、自分たちの危険を察知したエイリアンたちは、地球を離れようとしていた。
【あらすじ④】アルキリン帝国からの警告
KとJが本部に戻ると、アルキリン帝国からMIBに、銀河系を戻さないと地球を破壊するとのメッセージが届けられていた。
2人は「オリオンのベルト」の手掛かりを探しに、宝石商のローゼンバーグの店を訪れると、壁に彼が可愛がっていた猫の写真が掛けられていた。猫の名前はオリオンと書いてあった。
しかし、「ベルト」の意味が分からず、宇宙外交に詳しい鍵屋にいるパグ犬に変装したエイリアンに事情を聞くてみると、「銀河系」とは原子エネルギーを意味しており、それはオリオンのは首輪(ベルト)に付いてあることがわかった。
謎が解けたJとKは死体安置所にもどり、猫のオリオンを探すが、先にバグが首輪を盗み検死官のローレルを誘拐して地球を離れようとしていた。バグは宇宙船を持っていないので、どうやって逃げるのか分からずにいたが、JはMIB本部の壁に描かれている万博跡地にある、UFO型ツインタワーのオブジェを見て、バグはそこにいるのではないかと思い、JとKは万博跡地に向かう。
【あらすじ⑤】バグと対決
万博会場跡地に行くと、ローレルはバグに捨てられ木にしがみついていた。宇宙船は既に飛び立っていたがJとKは銃で撃ち落とした。バグは邪魔されたことに怒り狂い、皮を脱ぎ捨て正体を表すと2人に襲い掛かってきた。
Kはバグに飲み込まれ、そのままバグに連れていかれてしまう。Jはバグの足元に這うゴキブリに気づき、踏みつぶしてみると、バグは自分の親戚を殺されたことに怒り、Jにも襲い掛かってくるが、銃で殺してしまう。
無事に銀河系を取り戻せた2人だったが、Kは引退したいと言い出す。突然の引退宣言にJはためらうが、ニューラライザーを出してKの記憶を消し、彼を一般市民として送り出した。その後JはローレルとMIBのエージェントとして捜査を続けていくのだった。
『メン・イン・ブラック』のキャスト
K/トミー・リー・ジョーンズ
MIBのベテラン捜査官です。1961年にMIBが初めてエイリアンと接触した際、まだ少年だったKが偶然にその場を通りかかったところ、地球に亡命してきたエイリアンに花束を渡すという大役を任されます。それがきっかけでKはMIBで働くようになりました。
MIB創設期から所属しているので、所長のZ(リップ・トーン)との付き合いは長く、2人しか知らないMIBの秘密も多いようです。寡黙で冷静沈着なKは、新人のJを「坊や」と呼んでいます。
J/ウィル・スミス
かつてはニューヨーク市警察では凄腕の敏腕刑事だったが、KにスカウトされてMIBに入ることになります。MIBに入ることは過去の身分を一切消し、誰にも気づかれることなく、ましてや感謝もされずに任務を遂行しなければならないと言われ、一晩かけて悩みますが、天涯孤独の身ということもあり、過去に未練がないJはMIB入ることに。
寡黙な性格のKとは対照的で破天荒な性格で口も達者でKに疎ましく思われることもありますが、若いJは体力と瞬発力もあり、Kに足りない部分を補っています。最初の頃はMIBで使用するハイテク機器に興味津々でした。
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死体解剖の専門医で検死官。Jが初めてエイリアンに遭遇した時、誰も信じていませんでしたが、LだけがJの話を信じていました。しかしその時はKに秘密がバレないように、ニューラライザーで記憶を消されてしまいます。宝石商人のエーリアン、ローゼンバーグの死体が運ばれてきた時も、Kに再び記憶を消されてしまのでした。
バグに宇宙に戻るまでの「機内食」として誘拐されますが、気転を利かせて難を逃れています。最後はバグにとどめを刺し、KとJの命の恩人となり3回目の記憶は消されずに済みました。そしてKが引退した後、「L」としてMIBでJと4年間コンビを組みます。しかし、しばらくしてからLは検死官に戻りたいと言い出し、三回目のニューラライザーで記憶を消され元の仕事に戻るのでした。
映画『メン・イン・ブラック』の6つのトリビア
誰もが引き込まれる不思議でユニークな映画『メン・イン・ブラック』には様々なトリビアがあります。これを知れば映画を観る時に2倍楽しめること間違いなしです!
【トリビア①】ニューラライザーの正式名称はめちゃくちゃ長い!
「はーい、皆さんこっちを見てくださーい」と言い、エイリアンを見てしまった一般市民を集め、記憶を消してしまう装置、ニューラライザー。西暦と日付、時間をセットして相手に向けてスイッチを押すと、赤い光で見た者の記憶を消してくれます。
このニューラライザー、本当の名称は…『エレクトロバイオメカニカルニュートラルトランスミッティングゼロシナプスレポジショナー』と言い、とても長いです。
映画では、Lが3回、ニューラライザーの光を見せられ、記憶を消されてしまいます。脳に障害が出るのでは?とJはKに訴えますが、Kは「これまでに異常があった報告はない」と言い返します。この光は、人間だけでなく、動物の記憶を消すこともできるようです。
使用上の注意があって、ニューラライザーのスイッチを押すMIBの職員は、サングラスをかけて光を直接見ないようにしなければいけません。そのサングラスも指定のブランドがあり、Ray-Banと決まっています。
ちなみに、形状は1作目・2作目と円筒状でほぼ変らないのですが、ニューラライザーの光の色は、一作目では赤色で、2作目『メン・イン・ブラック2』では青に変わりました。
【トリビア②】エドガーの皮を着たバグ役は、「微笑みデブ」だった
ここで、映画好きなら思わずニヤリとしちゃうトリビアをご紹介しましょう。農夫エドガーの中身を吸い出して、皮を被ってエドガーになりすましたバグ。皮と自分のサイズが合わず、顔はたるみ、口元がだらしなく 垂れ下がっていました。
特殊メイクで作られた不気味な顔でよくわからないかもしれませんが、このバグを演じているの俳優は、ベトナム戦争で戦う若い兵士たちを描いた、映画『フルメタルジャケット』に出演している、ヴィンセント・ドノフリオです。
『フルメタルジャケット』で彼は、ハートマン軍曹に徹底的にしごかれ、「微笑みデブ」とあだ名をつけられていたレナード・ローレンス二等兵役を演じていました。
バグとレナード・ローレンス二等兵を見比べても同一人物だとすぐには分かりませんが、バグの卑屈な笑いは、フルメタルジャケットで見た「微笑みデブ」に少し似ている様にも見えます
【トリビア③】K役、当初の配役はクリント・イーストウッドだった!?
寡黙で冷静、どんなトラブルにも対処できるMIBのエージェントK役に、トミー・リー・ジョーンズが抜擢されましたが、実はK役にクリント・イーストウッドとの声も上がっていたようです。彼も寡黙で冷静な役がとても似合いそうですが、やはりトミー・リー・ジョーンズの方が合っています。
また、監督もはクエンティン・タランティーノと打診があったようです。もし監督が彼だったら、もっとバイオレンスなシーンが多くてシュールな感じの映画となったかもしれませんね。
【トリビア④】動物虐待は断じてしていない
映画『メン・イン・ブラック』では、動物が何種類か出てきます。宝石商ローゼンバーグの愛猫、宇宙外交に詳しい鍵屋のパグ犬、そして最も注目してもらいたい動物が、バグの親戚であるゴキブリたちです。
映像ではJがバグの気を引くために、建物の壁を蹴りゴキブリを引き出し、足で潰してしまうシーンがありました。リアルに「ぐちゃ」「ぶちゅ」という音が聞えてきて、ゾッとした人も多かったことでしょう。
しかし実際にはゴキブリは踏み潰してはいません。ではどうしていたかと言うと、マスタードが入ったパックを踏んでいたのです。足元で這っていたゴキブリたちも一匹残らず回収し、丁重に保護していました。
動物が出てくるハリウッドの映画では、動物愛護団体の要求に沿って撮影しているので、例えゴキブリ一匹たりとも粗末に扱うことは許されないのです。
【トリビア⑤】死体安置所の男性は不死身だった!
バグがオリオンの首輪を取りに死体安置所に行くのですが、その時に受付の男性が、バグの目の前で虫を殺してしまいます。バグは自分の仲間である虫を殺され怒り、男性を殺し、天井に繭のような粘着したもので彼を括り付けます。
この男性ですが、『メン・イン・ブラック2』にもビデオショップのUFOマニアとして登場します。2を見たことがある人は、あれ?彼は前に殺されてなかった?と思うかもしれません。キャラの雰囲気的には1も2もそれほど変っていませんが、2ではUFOマニアなのでMIBの噂などを知っていたため、ニューラライザーで恋人も一緒に記憶を消されてしまうのでした。
【トリビア⑥】カップラーメン・メン・イン・ブラックがあった
出典:Wikipedia
映画『メン・イン・ブラック』が大ヒット上映された1997年、映画名にちなんだカップラーメンが発売されました。その名も「麺・イン・ブラック」東洋水産で作られた商品で、なんと麺の色は黒。
『メン・イン・ブラック2』でもカップラーメンが発売されますが、麺の色は黒ではなく、スープに黒マー油を入れたとんこつ味でした。
2019年に上映された『メン・イン・ブラック・インターナショナル』では、あの有名ラーメン店「一風堂」でMIB:インターナショナル公開記念コラボラーメンが期間限定で発売されました。スープの表面が香油で黒く、ブラックペッパーの風味が利いた大人気の商品だったようです。
まとめ
1997年に上映されて、今もなお皆に愛される映画『メン・イン・ブラック』の魅力は個性豊かなエイリアンたちよりも、地球の為に日夜働いている黒づくめの男たち『メン・イン・ブラック』だと言えるでしょう。大胆でユニークな彼らは、きっとこれからもスクリーンに皆を笑わせてくれるはずです!
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