元気になるフランス映画『最強のふたり』のネタバレ紹介 ! オリジナルからリメイク版まで魅力満載 !

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頚椎損傷により車椅子での生活を余儀なくされた大富豪と、移民で貧困層の黒人青年。本来交わるはずがなかったふたりが出会い、強い絆で結ばれる姿を描いたフランス発のノンフィクション映画です。本作は、本国フランスで公開当時、歴代観客動員数3位の記録を達成し、日本ではそれまでに公開されたフランス映画No.1のヒット作となりました。観れば思わず笑顔になれるフランス映画『最強のふたり』のネタバレとその魅力をご紹介していきます!

最強のふたり ネタバレ
出典:映画『最強のふたり』公式Facebook

『最強のふたり』ネタバレあらすじ紹介

ふたりの出会い

最強のふたり ネタバレ
出典:映画『最強のふたり』公式Facebook

夜のパリを一台の高級車が他の車をよけながら猛スピードで走行していた。運転しているのは若い黒人青年で、助手席には白人の中年男性が座っている。やがてふたりの乗る車は、パトカーに捉まり、警官が黒人青年を取り押さえた。しかし、青年は助手席の男性が障がい者であり、体調が悪いので病院へ急いでいたと訴え、警察は彼らの車を先導して病院に連れて行く。パトカーが去るとふたりは笑い出し、病院を後にした。

しばらく前、パリに豪邸を構える白人男性フィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、自分の介護人を募集していた。そこに、スラム出身の黒人男性ドリス(オマール・シー)がやってくる。彼は失業保険を受けるために、不採用になる前提でフィリップの介護人の面接を受けに来たのだ。しかしフィリップは、障がい者である自分を平気でおちょっくたり、他人に容赦ないドリスの人柄に興味を抱き、彼を介護人として雇うことに決める。

面接が終わり、団地にある実家に帰ってくるドリス。養母の帰宅を待っていたが、彼女はドリスの顔を見るなり、過去に悪事を働き何の連絡もなく帰ってきた彼を、家から追い出すのだった。

心を許せる相棒

最強のふたり ネタバレ
出典:映画『最強のふたり』公式Facebook

不採用の証明をもらいに再びフィリップの邸宅を訪れたドリスは、自分が彼の介護人として採用されたことを知る。住み込みで介護するために、バス・ルーム付きの豪華な部屋を与えられドリスは喜ぶが、すぐに介護人の仕事の大変さを実感することになる。字を読むのが苦手なため、フィリップの髪を洗うシャンプーを間違えたり、血行促進用のストッキングを男に履かせることにドリスは悪戦苦闘する。

ある朝、ドリスはフィリップを車で外出させることになった。「荷物を載せるように人を載せたくない」といって車いすに対応したバンでなく、フィリップが所有する高級車の助手席に彼を座らせて画廊へ連れて行く。

フィリップの周りの人間は初めのうち、素性のしれないドリスを快く思っていなかった。そのため、フィリップの友人は法務省の友人のつてでドリスが半年前まで宝石強盗の罪で服役していたことを彼に明かす。しかし、フィリップ自身は自分を特別扱いしないドリスを信用すると言ったのだった。

秘書のマガリー(オドレイ・フルーロ)に文通相手への手紙を代筆してもらうフィリップ。隣でその様子を見ていたドリスは回りくどく感じ、相手の手紙に描かれていた連絡先へ勝手に電話をかけてしまった。しぶしぶ文通相手と電話することになったフィリップだったが、その女性エレノア(ドロテ・ブリエール・メリット)と初めて言葉を交わすや否や、嘘のように彼女との電話に夢中になった。

やがてフィリップは彼女とお互いの写真を交換することになり、ドリスはフィリップのために写真を選ぶ。しかし、障がい者であることがバレてエレノアから拒絶されることを恐れたフィリップは、助手のイヴォンヌ(アンヌ・ル・ニ)に命じて、事故に遭う前の自分の写真と差し替えさせてしまった。

家族のような存在

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出典:映画『最強のふたり』公式Facebook

介護人の仕事に慣れてきたドリスだったが、フィリップの養女エリザ(アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ )の事が気に入らなかった。彼女は、何かとドリスを見下した態度を取るので、彼はフィリップに娘を注意するよう文句を言いに行く。後日フィリップは無線でドリスのアドバイスを受けながらエリザにお灸をすえる。「言うこと聞かないと、車椅子で轢くぞ!」というドリス受け売りの文句を添えて。

毎年知人からの堅苦しい出し物が退屈だったフィリップの誕生日会も、ドリスがダンスミュージックを掛けて、皆がたのしく踊っていた。その様子を見られて、フィリップもこれまでになく楽しく過ごすことが出来たのだった。誕生会の夜、フィリップ宛てにエレノアから手紙が届く。彼女は来週パリに行くので会いたいというのだ。

ドリスとイヴォンヌはフィリップのために、デートのコーディネートを考えた。約束の店でエレノアを待つフィリップだったが、やはり自分が障がい者だと知られることを怖れてデートをドタキャンしまった。気晴らしがしたいフィリップはドリスに空港まで車を運転させ、彼と飛行機でパリを離れた。遠出先でハンググライダーを楽しむフィリップと、最初は怖がりながらも徐々に空中散歩を楽しんだドリス。

満足してパリへ帰ったふたりを、わけあり顔のイヴォンヌが出迎える。実は、トラブルを抱えたドリスの弟が兄を頼ってフィリップの邸宅を訪ねてきていたのだ。

前向きに歩く人生

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出典:映画『最強のふたり』公式Facebook

フィリップは、ドリスが自分の介護のことで時間を追われず、家族の問題に向き合えるよう彼を解雇する。介護人を辞めたドリスはちゃんと働いてお金を稼ぐために、運送会社で面接を受けた。面接官は最初こそ彼の採用を渋っていたが、フィリップの下で芸術の素養を身に付けたドリスは好印象を与え採用される。

一方フィリップは、ドリスの代わりの介護人を雇うが、彼のように心を開くことが出来ない。ある夜、フィリップは幻覚痛の発作を起こす。新しい介護人は彼が言葉で追い返すとあっさり自室に引っ込んでしまい、仕方なくイヴォンヌが緊急でドリスに連絡した。再会したフィリップとドリスは発作を落ち着けるために夜のドライブに出かける。

冒頭のカーチェイスを繰り広げ、久々に心おきなくドライブを楽しむふたり。海沿いの別荘で、ドリスはフィリップの伸びきった髭を剃ってあげ、レストランに連れて行った。しかし、ドリスは「俺はランチに残らない」と告げ、フィリップをひとり残し外へ出ていく。困惑するフィリップの前に現れる一人の女性。実はドリスは、フィリップが一度は会うことを諦めたエレノアと出会えるようセッティングしていたのだ。

2人が出会う様子をドリスはとびきりの笑顔で見送りつつ、海辺を歩いて行くのだった。

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『最強のふたり』の見どころ紹介

最強のふたり ネタバレ
出典:映画『最強のふたり』公式Facebook

主演2人の自然で心温まる演技

本作は障害や差別・貧困というシビアな背景をもちつつも、どこか暖かいコメディ調のドラマとして描かれています。主演のふたりもベタではっきりとしたコメディ演技でも、シリアスに重くなりがちな演技でもなく、実に自然体に役を演じています

ふたりが心の距離を縮めていく様子は、瞬時に仲良くなるような何か大きなイベントが起こることによって描かれているわけではありません。他愛もないおしゃべりや、いたずらなどささやかなやりとりの中で描かれています。確かに、就寝中に発作を起こしたフィリップをドリスが看病してあげる場面がひとつのきっかけだと解釈する事も出来ます。しかし、実際にふたりが親密になるのは、発作を起こした夜に散歩へ出かけ、深夜のカフェで雑談をする場面です。

このように、ふたりが打ち解けるきっかけはベタで分かりやすいイベントで印象付けられているのではありません。むしろ、ふたりがリラックスしてただ会話する姿を映すことによって、互いに居心地の良い関係が築かれていく様子が分かりやすく描写されているのです。

本来出会うはずのないふたりがお互いの何気ない行動や言動に興味を惹かれて仲良くなる様子には嘘臭さがなく、観ている側も自然と温かい気持ちになれるでしょう。

フィリップを取り巻く豪華な世界

フィリップは広大な敷地と豪華な家具で彩られた邸宅、玄関にズラリと並ぶ高級車を所有し、趣味の良いコーディネートを身に着け、絵画やクラシック音楽を嗜みます。遠出したければ気軽にプライベートジェットをチャーターし、ハンググライダーを楽しむフィリップは見るからに大富豪です。

実はフィリップはフランス貴族階級の出身の様です。今では法律上貴族といった階級は廃止されましたが、いずれにしてもフィリップは生まれた時から経済的に恵まれて育ちました。そして高等な教育を受ける、フランス国民のごく一部でしかありえない上流階級の人間であることに間違いありません。

彼は金さえあれば何でもできる支配者側の人間でしたが、事故により自分より経済的に低い立場の人々に頼らざるを得なくなりました。しかし、上流階級であることに加え、障がい者という属性が周囲の人々に彼を腫物のように扱わせます。

妻を失い精神的支えを失った彼は人とのつながりを望んでいるのに、人々は障がい者の彼の日常生活を助けることに終始して心の声にまでは気づいてあげられないのです。フィリップ自身もそれがあけすけに言葉にできるほど、朗らかな人物ではないようですし。

だからこそ、彼には階級の差も障がい者であることにも躊躇のない、彼の常識を踏み越えた人物の登場が必要だったのです。

ドリスの生活にみる現代フランス

介護人の面接を終えて帰ってきたドリスの住まいは、フランス郊外の団地の一室です。仕事から帰ってきた養母は、ドリスを叱りつけますが、時々フランス語とは違う国の言葉が紛れます。この事から彼らは、フランス国外にルーツを持つ移民であることが分かります。

こうした人々は差別を受け、あまり良い職に就けないのでお金がありません。フランスでは、移民などの低所得者は、賃貸の安い公共住宅で暮らすことがあるようで、ドリスの家族もこうした環境の中で暮らしていると考えられます。また移民など貧困層の人々は十分な教育が受けられず、教育を受けていても実用的な資格を取ることが難しいので、就職することも困難です。

仕事にありつけなければ貧困に陥ります。実際劇中では、ドリスがフィリップの髪を洗うのに、文字がうまく読めなくてシャンプーと足に塗るクリームを間違えてしまう場面があります。また、彼はフィリップの車を乗り回していますが、当初は免許も持っていない様子でした。

ドリスが強盗で服役し、その弟が悪い仲間と付き合うようになるのも、普通に就職しお金を稼ぐこと自体が難しく貧困から抜け出せないのが原因なのではないでしょうか。

カーチェイスで始まる冒頭と演出

服装も年齢も肌の色も違うふたりが、旧知の間柄のように仲良く話し、夜のパリを背景にパトカーに追われる冒頭のカーチェイス。この一見接点のなさそうなふたりがどのようにして一緒に過ごすことになったのか、観客の興味を一気に惹き付けた上でゆるやかに物語が始まります。

物語を追っていくと、中盤までの展開は冒頭のシーンへ続く回想だと分かりますが、なんと後半、ふたりは雇用関係を絶ってしまいます。それまで二人の信頼関係が築かれていく様子を見守ってきた観客は、ここでもう一度、別々になったふたりがどのように再び出会うのかと必死で画面を追いかけることになります。

冒頭の回想が伏線として繋がり、彼らの関係性を確信した直後に観客を絶望へ突き落す…このように、起承転結の「転」の部分もしっかりと生きているからこそ、中だるみせず映画を楽しむ事が出来るのです。

また、ドリスが介護人を辞めてしまった後のフィリップのすっかり荒れた姿は、ドリスが現れる前の孤独なフィリップの姿を想像させます。最初からフィリップを誰にも心を開けず荒んだ人物と描くことも出来たでしょう。しかし、敢えてこの姿を中盤で見せることにより、普段は余裕のある様子でいた人物がひっそりと抱えていた孤独がいっそう深く感じられて心が痛くなるのです。

ハリウッドリメイク版『人生の動かし方』もおすすめ

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出典:映画『最強のふたり』公式Facebook

豪華キャストが登場

2019年に本作のハリウッドリメイク版が公開されました。障害を抱える大富豪フィリップ役には、ドラマ『ブレイキング・バッド』など数々の作品で活躍するブライアン・クランストン。本作のドリスに該当する黒人の介護人デルを演じるのは、コメディアンとして活躍するケヴィン・ハート。秘書のイヴォンヌには、ニコール・キッドマンが起用されるなど、豪華キャストで映画化されました。

リメイク版ではストーリーにも数々のアレンジが加えられています。リメイク版ならではのシーンが挿入されており、思わぬ人物同士が恋仲になったり他にもオリジナリティー溢れるエピソードが盛り込まれています。ハリウッド版の役者陣の演技を楽しみつつ、オリジナル版との違いを発見してみるのも楽しいでしょう。

尚、『人生の動かし方』はAmazonプライムビデオで独占配信させていましたが、2019年12月20日より『THE UPSIDE 最強のふたり』のタイトルで全国劇場公開予定です。

主人公と息子の心の交流

リメイク版のデルは、オリジナル版のドリスとは異なった背景を持つキャラクターです。オリジナル版のドリスは養母と血の繋がっていない弟との関係に悩みますが、リメイク版のデルは既に別れた奥さんと、その間に生まれた息子との関係に悩みます。息子は勉強ができる子ですが、刑務所から帰ってきた父親を冷たく突き放します。

またデルは刑務所に入った自分と同じような人生を息子には送ってほしくないと望むほど彼を愛していますが、そんな愛する息子にプレゼントした本も、結局は人から盗んでしまったものです。自分とは違う人生を送ってほしいけれど、ろくでなしだった自分とそんな自分に失望した息子との関係も何とか修復したい。葛藤を抱えた父と子が最終的に和解することが出来るのかもこのリメイク版の気になるところです。

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実話にもとづく感動のストーリー

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出典:映画『最強のふたり』公式Facebook

本作は実在の大富豪・フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴの著書『Le second souffle(第二の呼吸)』に描かれた筆者とその介護人アブデル・ヤスミン・セローとの実話を元に映画化されました。この筆者こそ本作におけるフィリップその人であり、アブデルこそが映画のドリスのモデルとなった人物です。

映画のドリスはアフリカ系ですが、実際のアブデルはアルジェリアの出身です。著者であるフィリップが自身の過去とアブデルとの共同生活をつづった著書は話題となり、ふたりはテレビにも出演し一躍時の人となりました。

映画ではフィリップの奥さんは既に亡くなっていますが、実際にはアブデルが雇われた4年後に亡くなりました。また映画ではふたりが雇用関係を結んでいたのはほんの短い間の様ですが、実際には10年ほどふたりの雇用関係は続きました。契約解消の理由も、ふたりが移住したモロッコで、アブデルが現地の女性と恋仲になり、彼のその後の生活を考えたフィリップの方から契約を解除した様です。

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まとめ

本来出会うがなかったふたりが、偶然出会い、お互いが影響し合って、互いに疎外感を感じていた社会に乗り込んでいく様子は実に爽快です。そして、立場も忘れて素直におしゃべりを楽しむふたりの姿や、ドリスの図々しさ、陽気さに巻き込まれてフィリップに関わっていく人々の様子も観ていて心が温かくなります。

物語の背景には、障がいや格差、移民問題など深刻なテーマが転がっていますが、時にきわどいジョークを交えてコミュニケーションをとるふたりの姿からはそんな暗さを感じさせません。多くの人間を雇う立場にある支配階級であり、障がいを持っているという理由で、深く心の交流を持てないフィリップ。そして、貧しさから犯罪を犯し、家族や社会から風当りの強さを感じていた移民のドリス。

立場も価値観もまるで違う二人が、結果的に「障がい」と「貧しさ」をきっかけに偶然出会います。そして、共に人生を好転させることが出来たふたりの姿は、我々にも良き人との出会いが自分を大きく変えるのだと勇気づけてくれるのです。

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