衝撃の社会派映画『ズートピア』のあらすじネタバレ | 何度も見たくなる名作!
2016年に公開された動物たちが人間と同じような生活する様子が描かれた可愛らしいアニメーションが魅力的である、映画『ズートピア』!
2017年にはアニー賞、アカデミー賞を受賞した名作です。動物が社会生活を送る不思議な世界を描いています。ディズニーとしては55作目につづく作品であり、人種差別などの社会問題について考えさせられる作品として話題となりました。
映画『ズートピア』の可愛いだけじゃない、作品の魅力についてあらすじをネタバレとともに紹介していきます!
映画『ズートピア』とは
人間のいない、動物だけで築いてきた社会。肉食動物と草食動物がともに生活をするという、想像を超えるような設定です。
「なりたい自分になれる」誰もが理想の世界として憧れる「ズートピア」という都市を中心に巻き起こる事件に主人公は立ち向かう。
【10秒でわかる! ズートピア】
出典:映画『ズートピア』予告編
草食動物を餌とし、獰猛的な肉食動物という動物社会の基本と呼ばれる姿は消え去り、草食動物と肉食動物が仲良く暮らすように進化を遂げた世界_。
可愛いらしいウサギの主人公・ジュディは幼いころからの警察官になるという夢を叶えるためズートピアへと踏み出した。
しかしズートピアでは謎の失踪事件が発生しており、ジュディは持ち前の正義感で自らの首をかけ捜査に乗り出す。張り切って乗り出すも捜査は難航し挫折を味わってしまう。
ひょんなことから出会ったキツネ・ニックを相棒としてこの難事件に立ち向かうも、考え方が正反対な2人は衝突してばかり。しかし共に行動する中でお互いを補うように強い絆が生まれていく。
そしてこの事件にはズートピアの社会を揺るがす凄まじい陰謀が隠されていた!
くじけそうになりながらも何度も立ち向かうジュディとニックの姿に励まされる、諦めそうな日常を送る方には必見の素敵な作品です!
『ズートピア』のあらすじネタバレ
【あらすじ① 夢への一歩】
肉食動物と草食動物が共存する世界。
幼稚園のお遊戯会でウサギのジュディは「私は警察官になる!」と宣言するも、観客席の両親は不安げな表情。そして遂に両親の思いは届くことなくジュディは夢に近づくため警察学校に入学する。
警察学校では体の大きな者が訓練を有利に進めていた。体の小さなジュディはその事を痛感するも、寝る間も惜しんで特訓を繰り返し、ウサギという特徴を武器に、その場にある全てのものを使って見事訓練を突破する。
そんなジュディの努力は実り、首席という形で警察学校を卒業した。
夢に向かって夢の実現はもうすぐそこ。晴れ晴れとした表情のジュディはのジュディは、子供の頃からどんな夢でも叶えられるという憧れのズートピアへ向かう。
初めての仕事に期待を膨らませるも与えられた役職は交通課の駐車違反のみ。「駐車違反も立派な仕事」とボゴ署長は言い放ち、ジュディを相手にしなかった。ボゴ所長を見返してやろうと闘志を燃やすジュディ。
順調に目標達成の様子を見せた時、2人のキツネの親子ニックとフィニックが目に映る子供時代にいじめっ子のキツネに出会った経験もあり、世間からもずる賢いと言われるキツネに対して、つい疑いの気持ちであとを追うことに。
ゾウのアイス店に入った2人のキツネは大きなアイスを買いに来ていたが、ニックは店員から客として扱ってすらもらえていなかった。
あまりの店員の態度にジュディは、持ち前の正義感から店に注意し、さらにフィニックにアイスを買ってあげる。アイスを大事に握るフィニックに対し「ゾウになる夢は叶う、だってここはズートピアだもの」と声をかけて別れた。
ところがその後、またキツネの親子を見かけ違和感を抱いたジュディ。その正体を知るべく彼らを追跡すると、そもそも2人が親子ではなく、買い与えたアイスを小さく加工し、ネズミに転売していたと判明する。
一杯食わされたジュディは彼らを咎めるも、まったく聞く耳を持たずするりとかわされてしまうのであった。
もんもんとしたまま次の日も駐車違反を取り締まっていると、花屋で窃盗事件が発生する。目の前で起こった事件を解決すべく持ち場を離れて犯人のイタチを追うジュディ。
逃げた先はネズミやハムスターなどの小動物のエリアだった。掻い潜るように逃げまわり、町を壊すイタチから買い物中のトガリネズミを助け、ジュディは犯人を逮捕することに成功する。
しかし勝手な行動をしたとボゴ所長は咎める。警察官として当たり前のことをしたと主張する2人の話は平行線を辿る。そこへカワウソのオッタートン婦人が入ってくる。
数日前から花屋を営む夫のエミットが行方不明で、捜索してもらおうにも人員不足で拒否されていた。ジュディは、素早く自分が事件を担当すると宣言する。
奥さんが感謝を伝えるも、ボゴ所長はまたしても勝手な判断をしたことに怒ろうとしたが偶然にもベルウェザー副市長がその会話を聞いていたために捜査を断れなくなってしまう。
ジュディには2日で事件を解決させること、それができなければ警察官をクビにするという条件が与えられた。
貰った捜査資料は少なく、たった一枚の写真のみ。そこから一つの手がかりを見つける。話を聞くべく、向かったのはあの詐欺師のニックのもとだった。
話を聞き出そうとするも、まったく相手にされなかったが、ジュディはニックの詐欺証拠を録音し、捜査に協力するように脅迫するという荒業でニックの協力を得ることに成功する。
【あらすじ② 立ちはだかる事件の謎】
ニックが何度かオッタートンを見かけたというヨガの教室を訪れる。
このヨガ教室のヤックスに案内されると、中では洋服を着ず、裸で各々が好きなように過ごしている動物たちがいた。
あまりの恥ずかしさにジュディは目を覆いながらヤックスからエミットの乗っていった車のナンバーの情報を得る。
そこでニックの友人のフラッシュがいるという免許センターに向かう。職員は全員ナマケモノでやはり彼の業務速度は遅く、焦るジュディとニックのいたずら心によって時間がかかってしまう。
免許センターを出たころにはもう夜へと差し掛かっていた。しかしジュディは捜査を諦めず、手に入れた情報を元にオッタートンが乗ったリムジンにたどり着く。
車内で痕跡をさがしているとニックが突如怯え始める。話を聞くと、この車の持ち主はマフィアのボスのものだという。慌てて車から飛び降りるも、ボスの手下であるホッキョクグマに囚われそのままボスの屋敷へ連行されてしまった。
怯えるニックから以前、そのボス相手に詐欺を働いた事を聞かされる。
そこへ現れたマフィアのボス、ミスター・ビックというトガリネズミだった。2人を氷漬けの刑にしようとした時、ボスの娘が現れる。なんとその娘は、以前ジュディが小動物のエリアで泥棒イタチを捕まえる際に助けた彼女だった。
命の恩人ということで解放された2人。
オッタートンについての情報を尋ねると、オッタートンは花を届けにこの屋敷へ向かう道中の車内で突然凶暴化し、そのまま闇に消えてしまったという…。
その時に運転手をしていたジャガーのマンチャスに話を聞きに行くと、彼は怯えた表情で「夜の遠吠え」について語る。確かな手がかりへと近づいたのを確信しさらに話をきこうとしたその時、マンチャスが凶暴化し、ジュディとニックに襲いかかってきた!
ジュディは警察へ応援を呼びニックと協力しマンチャスから逃れるも、警官たちが到着した頃にはマンチャスの姿は消えており、2人の話はボゴ署長をはじめ誰にも信じてもらえなかった。さらにボゴ署長は痺れを切らし、即刻ジュディの解雇を決めつける。
自分の言葉を受け入れてもらえず、証拠となるはずの狂暴化したマンチャスも今ここにいないという絶望的な状況。ジュディが解雇を受け入れようとしたその時、ニックがすかさずまだ約束までは数時間残っていると説得し、再び捜査を行えるよう手を貸してくれた。
【あらすじ③ 事件解決?!本当に大切なこととは】
ニックは落ち込んだジュディを慰めるためゴンドラに乗り込む。ウサギというだけで警察の中で厳しい立場にいるジュディの姿を見たニックは幼い頃の自身の話をする。
過去にボーイスカウトに入ったが、「キツネ」というだけで他の動物たちからイジメられてしまい、そこからマジメに生きても仕方がないから今の生き方を選択したと聞かされる。2人は立場は違えど、似たもの同士だったのだ。
ゴンドラからふと見えた交通カメラで閃くジュディ。街中の監視カメラで突如消えたマンチャスの足取りを追える可能性がある!
防犯カメラの記録を見るために、ベルウェザーの協力を仰ぎ、2人は一つの施設に辿り着く。
施設の前には警備のオオカミたちがおり、マンチャスの言っていた「夜の遠吠え」のことと一致したと思われた。中へ潜入するとそこにはオッタートンをはじめ凶暴化した肉食動物達が囚われていた。
なんと事件に関与していたのはライオンハート市長の策略であることを突き止める。事件の真相を公表したジュディによってズートピアは騒然となる。
警察の会見発表を前にジュディはニックに「警察官にならないか」と応募用紙を渡す。ニックはその用紙を受け取ると、インタビューを控えて緊張しているジュディを送り出す。
慣れないインタビューの質問で、「肉食動物だから起きた事件」だとジュディは誤って発言してしまう。それを聞いたニックはジュディを突き放し去っていく。会見での発言は市民に大きな影響を与え、肉食動物の職業や行動は制限され、追いやられる事態も引き起こした。
事件から数日、難事件を解決したヒーローとしてジュディは警察の看板となったが、自分の発言で追いやられた人々見て、警察官を辞任することを決めてしまう。
故郷へと戻り、両親の仕事を手伝うも落ち込んでいた。そこへ、子供の頃のいじめっこだったアカギツネのギオデンと再会する。大人になりすっかり改心した彼から「夜の遠吠え」について話題が上がる。そしてジュディの両親からも、昔畑で育てていた「夜の遠吠え」という植物を親戚のウサギが食べて狂暴化したことがあったと聞く。
肉食動物だけでなく、草食動物も狂暴化することがあると知ったジュディは事件を解決するためニックのもとへ戻る。
【あらすじ④ 結ばれた固い絆】
勇気を振り絞りって自分が酷いことを言ったこと、自分の頼れる相棒は彼しかいないことを伝え、2人は仲直りをする。
改めて強い絆を結んだ2人は「夜の遠吠え」についてのわずかな情報を頼りにとある廃屋の電車へとたどり着く。
そこでは羊の研究員が「夜の遠吠え」の成分を抽出した「毒薬」を肉食動物たちへ打ち込み、この事件を引き起こしていたことを突き止める。
その証拠を持ち出すため電車を動かそうと大胆な行動に出るが、羊たちの必死の抵抗もあり、電車は爆発し証拠ごと消えてしまう。
しかしニックがわずかな証拠を持ち出していた。
2人は警察署へと目指すもその時、副市長のベルウェザーが現れる。
ジュディにここまでの苦労をねぎらい、あとは自分に任せて証拠を差し出せ、とにじり寄ってくる。
実はベルウェザーがこの事件の首謀者であり、自身が草食動物であることで、周囲から認められず肉食動物が優位な世界に納得できないという事を言い本性を表す。
毒薬をベルウェザーに奪われ、ニックは薬を打ち込まれ凶暴化しジュディに襲いかかる。自身の野望のためにジュディを抹殺したと勝ち誇ったベルウェザーだったが、ジュディとニックは実は一芝居打っており、薬をすり替えていたのだった。
さらにベルウェザーの自白を録音しており、応援を呼んだ警察官によってベルウェザーは逮捕された。凶暴化の治療法が判明したため、被害にあった肉食動物たちも無事に元の生活へと帰る事ができ、ズートピアは平穏を取り戻す。
そしてジュディとニックは警察官として、さらに名コンビの働きを見せるのであった。
『ズートピア』のキャスト
ジュディ・ホップス/上戸彩
主人公のアナウサギのジュディ。田舎育ちで夢に向かって一生懸命に取り組む明るい性格ですが、物事を見た目で判断してしまうところがあります。幼いころから正義感が強く、大人になってもその心は忘れてはいません。周りからも信頼され、頼れる存在です。
ニック・ワイルド/森川智之
キツネのニック。「キツネはいたずらで悪い奴」という偏見に嫌気がさし、頑張って信用を得るよりも、楽な生き方を選び詐欺を働く毎日を過ごしていました。
頭の回転は早く意地悪な一面も見えますが、きちんと状況を理解し物事の内側まで見ることができます。
ボゴ署長/三宅健太
バッファローのボゴ署長。ズートピアの警察署長でジュディの上司です。新人で強気な態度のジュディに厳しく当たるも後に警察官として大切な姿勢を貫くジュディを認めていきます。草食動物で体が大きく、一見強面ですが統率力があり慕われています。
実はポップスターのガゼルのファンという一面も。
クロウハウザー/高橋茂雄
警察官の受付を担当しているチーターのクロウハウザーは常に食べることを考えている食いしん坊。愛嬌のある風貌で警察のマスコットのように可愛がられています。
ボゴ署長と同じくガゼルのファンであり、署長がガゼルのことが好きだと知って親近感を覚えます。
ベルウェザー/竹内順子
羊の副市長ベルウェザー。ライオンハート市長が票を集めるためにベルウェザーを副市長にしたとされていることも承知の上、細かなことまでサポートをしている働き者。同じ草食動物で小柄のジュディには親近感を抱いており、なにかと力を貸してくれる存在ですが、実は事件の真の犯人でした…。
ライオンハート市長/玄田哲章
ライオンハートはズートピアの市長で百獣の王ライオンです。少し横暴な態度が見えますが、常に市民のためを考えて行動をしています。少し言葉足らずなところもみられ、誤解されがちな面が。細かな業務は苦手なようで副市長のベルウェザーに支えられています。
ジュディの熱心な想いを受け止めズートピアに配属させた本人です。
『ズートピア』のみどころ
私たちの知っている動物たちが、姿かたちそのままで人間と同じように生活をしています。
どの動物も本来の野生動物だっだら共存できません。現実の世界では違う種族生物でも、もしも同じ世界で暮らしているとしたら…。そんな想像を膨らませたような素敵な世界観を紹介します!
【みどころ①】大小様々な体に合わせた日常風景
体の大きさが違う動物。ハムスターとキリンが同じ社会で生活をするというのはどういうことか?そんな部分も作中では描かれています。
よく見ると動物たちが朝会社へと向かうシーンではそれぞれの生活スタイルに合わせて出勤をしています。また、背の高いキリンのために専用のドリンクの受け取り口があったり、ネズミは地域で区切られ小動物用の住宅街の設備が整っているなど、たくさんのアイディアが満載で、何度も見ると新たな発見があり楽しめます!
【みどころ②】動物達の個性や仕草の徹底表現!
動物たちの特徴に合わせて思わず納得してしまうような見せ方に笑みがこぼれてしまった方もいるのでは?動物を飼っている方は気づいた方もいるでしょう。出てくる動物たちの小さなしぐさは、どれも動物それぞれの特徴をよく捉えていて細かく表現されています。
特にウサギのジュデイは怒った時に足で床を叩いたり、落ち込んで耳がたれたりときちんと感情表現がわかりますよね。動物に詳しくない方も感情がしっかりと伝わってくるのでそれぞれのキャラクターの行動から勉強になるのではないでしょうか。
【みどころ③】現実とリンクする偏見や差別
勇敢でまじめなジュディでも、先入観や見た目で判断してしまうところがあります。
自分は「ウサギだから可愛いだけではない、見た目で決めつけないで」と言うものの、マフィアのボスの部屋では大きなホッキョクグマをみてボスだと決めつけていたりと、やはり先入観を持っています。無意識の先入観について考えさせられますね。
さらにゾウのアイスのお店ではキツネに対して販売を断るシーン。日本だと違和感を感じる部分かと思いますが、現代の社会ではまだこのような差別が存在します。まさに本作は多くの差別問題、社会問題をうまく投影しています。
【みどころ④】実は「ズートピア」でも叶わない望み…
ジュディは夢を叶えるため、「ズートピア」へやってきました。他の動物たちは果たしてどうだったのでしょうか?
ヨガ教室では裸の姿で生活を望む者たちがいましたね。本来の動物としての姿を認め、「服を着ることは当たり前」という考えではなく、自分に正直でいられる場所でした。
また、案内役のヤックスは自分に素晴らしい記憶力を持っていることに気づかず、憧れの存在のように話していました。自分の良さは自分で気づくことが難しいということも本作の隠れたメッセージなのでしょう。
なりたい自分になれる理想のズートピアでさえも叶えられない現実が垣間見えました。
余談ですが、本作は当初ニックが主人公でした。ただ、希望を与える作品としてウサギのジュディを主人公にした方が良かったため本作の形になったそうです。こちらの話を詳しく知りたい方はディスクコンテンツをご視聴ください!
『ズートピア』のヒットの魅力
主人公のジュディが目指すのは勇敢な警察官。
小さなウサギが警察官を目指すのはとても危険で誰もが否定するのにジュディは諦めませんでした。夢に憧れ、真っ直ぐに立ち向かう姿、そして挫けそうになるジュディの気持ちに共感する人も多かったでしょう。
そして正反対にずる賢くて少し意地悪なキツネのニック。
彼にも過去夢を目指した時期がありました。ボーイスカウトになりたいと一団に入ったもののキツネだからと理由でイジメられ、その夢は簡単に壊れてしまったのです。幼いころのトラウマを抱え、彼なりに前に進むための決断があったのです。
2人は出会い、ジュデイは自分も偏見を通して周りを見てしまっていることをニックに気づかされ、ニックはひたむきなジュデイの姿に前に踏み出す勇気をもらいました。今からでもまた歩き出せることを。
「ずるいウサギ!」
「まぬけなキツネ!」
そんな会話をしてぶつかり合いながらも逆境を乗り越え、お互いを補い強い絆で結ばれていく最強バディがヒットに影響したのではないでしょうか!
まとめ
かわいらしい動物達に癒されながらも、励まされたり、思わず笑ってしまったり、見ていてとても豊かな気持ちになれる作品です。
可愛らしいアニメーションで子供向けかと思われるかも知れませんが、大人だからこそ伝えたい大切なことが詰まってる作品のようにも感じます。
この物語の本当のメッセージを感じ取れた方が高評価を出しているでしょう!今よりも更に前に進みたいと感じてる方にはオススメの作品です!
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