【最新版】映画『スパイダーマン』に登場する敵(ヴィラン)を一覧でおさらい!
2002年に公開されたサム・ライミ監督による『スパイダーマン』は、現在も続いているアメリカン・コミックスブームの火付け役となりました!
スパイダーマンというヒーローが持つ等身大の魅力もさることながら、同時に敵であるキャラクター(ヴィラン)を魅力的に描くことに成功したのが、映画の大ヒットにつながったと言えるでしょう。
本記事では、3つのスパイダーマンシリーズに登場したヴィランを、原作と映画の違いを交えながら、ネタバレありで紹介していきます。
目次
スパイダーマンシリーズについて
マーベルコミックスでも屈指の人気キャラクターであるスパイダーマンは、実写映画としてはこれまでに3つのシリーズが製作されてきました。
まず記念すべきひとつ目は、アメコミブームの火付け役となったサム・ライミ監督によるシリーズです。
「ライミ版」として親しまれているこちらのシリーズは興行的にも大成功し、製作元であるソニー・ピクチャーズが続編としての新たなスパイダーマン映画を企画しました。
しかし続投を予定されていたサム・ライミが降板したことにより、続編ではなく、世界観を一新したリブート作品が製作されることとなりました。
これが『アメイジング・スパイダーマン』シリーズです。
こちらはマーク・ウェブ監督により2作目まで作成されましたが、こちらも監督や主演の降板などにより、続編の企画は白紙となってしまいます。
そして第3のシリーズとして、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)への満を持しての参加となった『スパイダーマン』が製作され、マーベルファンを歓喜させました。
常に権利問題がついて回るスパイダーマン映画なだけに、今後どのようにな展開がされていくのか、目が離せません。
スパイダーマンの敵(ヴィラン)
アメコミを含むヒーローものには、敵役が不可欠です。
アメコミは長い歴史を持つ作品が多く、魅力的な敵役が多数存在しています。
アメコミにおいての敵役は英語でヴィランと呼ばれ、ヒーローに負けない人気を誇っているキャラクターも少なくありません。現在ではMCUを始めとしたアメコミ映画のヒットなどにより、日本でも馴染みのある呼称となってきました。
サム・ライミ監督による『スパイダーマン』シリーズでは、初の劇場版シリーズということもあり、原作でも初期から登場し、人気を博しているヴィランが数多く登場しています。
グリーンゴブリン
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スパイダーマンに登場するヴィランの代表格とも言えるグリーンゴブリンは、実写映画における最初のメインヴィランを務めました。
原作では特徴的なフードをかぶった緑色の子鬼の姿をしており、グライダー型の飛行装置に乗って空を自由に飛び回ります。
その正体は、巨大軍事企業オズコープ社の社長、ノーマン・オズボーン。
自身が開発したゴブリン・フォーミュラの効果によって超人的なパワーを発揮し、さまざまなハイテク兵器を駆使してスパイダーマンを長年にわたって苦しめてきました。
スパイダーマンの正体がピーター・パーカーであることを知ったグリーンゴブリンは、ピーターの最愛の恋人であるグウェン・ステイシーを誘拐し、結果的に死に至らしめます。
グリーンゴブリンはノーマン・オズボーンの邪悪な人格が発露した姿であり、ノーマンは自身の影との戦いに苦しんでいます。
親友であるハリー・オズボーンの父親でもあるノーマンは、ピーターにとっても父親のような存在であり、他のヴィランとは一線を画した存在なのです。
サム・ライミ監督の『スパイダーマン』では、ほぼ原作通りの誕生の経緯が描かれましたが、フードではなく金属でできたマスクをかぶっており、コスチュームも全身をアーマーで覆っている姿で描かれました。
ノーマンは、ハリーにとって高圧的ではあるものの良き父親であり、スパイダーマンと父の因縁が、ハリーのその後の人生を狂わせていくことになります。
Dr.オクトパス
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本名オットー・オクタビアス。
もともとは引っ込み思案の優秀な科学者でしたが、放射能を扱った実験の暴走事故で精神に異常をきたし、ヴィランとしてドクター・オクトパスに変貌しました。
チタン鋼でできた4本の触手を自在に操り、スパイダーマンの最大の宿敵のひとりとして数えられています。
スパイダーマンに対抗するため、5人のヴィランと共に「シニスター・シックス」というチームを作りました。
スパイダーマンのヴィランの中でもひときわ異質な存在で、ピーターの叔母であるメイ・パーカーと結婚するなど印象的なエピソードも多く、ピーターの体を乗っ取ったことでヒーローに目覚め、『スーペリア(より優れた)・スパイダーマン』を名乗り、ピーターの代わりにスパイダーマンとしてヒーロー活動をしたこともあります。
『スパイダーマン2』では温厚な科学者としての面が強調され、ピーターが尊敬する科学者として描かれました。
しかし触手の持つ自我に意識を乗っ取られ、実験資金を得るために銀行強盗を繰り返すヴィランに変貌。
スパイダーマンを父の仇と信じているハリー・オズボーンと手を組み、スパイダーマンに迫ります。
サンドマン
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本名はウィリアム・ベイカー。
自身の体を自由に砂のような物体に変えることができ、攻撃をすり抜けて無効化することも、逆に硬化して超強力な武器とすることも可能な能力を持っています。
幼い頃から貧困に苦しみ、犯罪に身を染めてきた囚人でしたが、脱獄の途中で軍事実験場の事故に巻き込まれ、このような変身能力を手に入れました。
ドクター・オクトパスが結成した「シニスター・シックス」のメンバーでもあります。
『スパイダーマン3』では、病気である娘の治療費を得るためにやむなく強盗に手を染めており、収監されていました。
犯した罪を悔やむ人間的なヴィランとして描かれており、ピーターにとってかけがえのない人物であった叔父、ベン・パーカーを殺害した過去があります。
ヴェノム
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スパイダーマンに登場するヴィランの中では歴史は浅いものの、絶大な人気を誇るのがヴェノムです。
寄生生命体であるシンビオートが、ブラック・スパイダーマンとしての記憶を保持したまま新聞記者エディ・ブロックに寄生し、第2のスパイダーマンとも言えるヴェノムが誕生しました。
スパイダーマンの能力をすべてコピーしているため、スパイダーマンとほぼ同等かそれ以上の能力を持ち、シンビオートの特徴である変幻自在な攻撃を繰り出します。
ただし、金属がぶつかり合うような音の高周波と、高熱に弱いという弱点があります。
ヴェノムはエディとしての人格のほかに、シンビオートそのものも自我を持っており、そのために一人称は「We(俺たち)」を用います。
シンビオートは最初の宿主であるピーターに執着しており、エディもまたピーターに対して恨みを抱いているために、ピーターにとっては非常に手強い相手です。
しかしヴェノムは完全な悪とは言い切れないヴィランで、事情次第ではスパイダーマンと共闘することも。
『スパイダーマン3』では原作同様、誕生の経緯が描かれました。
ヴィジュアルは原作よりもかなり小柄なものとなり、こちらは完全な悪のキャラクターとして登場しています。
スパイダーマンの敵「ヴェノム」って何者!?特徴や登場映画のあらすじを解説!アメイジング・スパイダーマンシリーズの敵(ヴィラン)
スパイダーマンのオリジンから仕切り直しとなった『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでは、ヒロインもメリージェーン(MJ)からグウェン・ステイシーに変更され、ヴィランもグウェンに因縁のあるキャラクターが登場しました。
リザード
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本名カート・コナーズ。
軍医であった頃に右手を失い、以後は右手を再生するために爬虫類の再生機能を研究してきました。
研究の結果、トカゲのように器官を再生する血清を作り上げ摂取しますが、右手の再生に成功するも自分自身もトカゲのような姿となってしまい、凶暴な本能のままに行動するヴィラン、リザードが誕生しました。もとの人格が理知的なコナーズ博士であるだけに、状況によってはスパイダーマンと行動を共にすることも。
『アメイジング・スパイダーマン』に登場したコナーズ博士は、ピーターにとっても恩師のような存在であり、コナーズ博士もまたピーターを優秀な教え子として可愛がっています。基本的に善良な人物ですが、リザードとなった後は我を失い、本能のみで行動するようになりました。
スパイダーマンとの激闘のすえに、犯罪者として監獄に入れられたあとも、敵であるスパイダーマンの運命を案じる優しさを持つキャラクターとして描かれました。
エレクトロ
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電気工事技師であったマックス・ディロンは、工事をしている最中にその身に雷を受け、体質が変異して雷のエネルギーを自在に操る超人エレクトロとなりました。
エレクトロは体内に帯電し、空気中に強力なサンダーボルトを放つことができます。
電気を利用して飛行したり、機械を電気信号で操ったりもできるという能力を持っています。
もともと犯罪者ではないこともありヴィランとしてはB級の存在で、「シニスター・シックス」をはじめとする数多くのヴィランチームに所属していた経緯から、劣等感を抱いているという一面も。
『アメイジング・スパイダーマン2』では、真面目に働く気弱な電気工事技師として登場しています。
原作と同様に、作業中の事故が原因でエレクトロとなりますが、憧れていたスパイダーマンが自分の名前を覚えていなかったことからスパイダーマンを憎むようになり、ヴィランとしてグリーンゴブリンであるハリー・オズボーンと手を組みました。
2代目グリーンゴブリン
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グリーンゴブリンとなった人物は、上述のノーマン・オズボーンの他にも何名か存在しています。
グリーンゴブリンの2代目を継いだのは、ノーマン・オズボーンの息子、ハリー・オズボーンです。
スパイダーマンの正体が親友ピーターであったことを知ったハリーは、父であるグリーンゴブリンの死の責任がピーターにあると考え、復讐を果たそうと、父譲りのコスチュームをまとってスパイダーマンの命を狙います。
『アメイジング・スパイダーマン2』では、自分の病気の治療に協力しようとしないピータ-を憎んだハリーが、オズコープ社の開発品である血清を使用してグリーンゴブリンに変貌しました。
サム・ライミ版『スパイダーマン3』でもハリーは父親の跡を継いでグリーンゴブリンになりましたが、親友であるピーターの命を助ける行動をとりました。
『アメイジング・スパイダーマン2』に登場したハリーは、ピーターの親友としての要素は控えめに描かれており、ピーターの恋人であるグウェン・ステイシーを殺害しています。
この出来事は、ピーターの心に深い傷跡を残しました。
ライノ
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犯罪に関わってきたアレクセイ・ミハイロヴィッチ・シツェヴィッチは、知性の低さからあるスパイ組織の人体実験の被験者となります。
アレクセイは1万ドルの報酬と強靱な肉体、増大した知能を得ましたが、サイのような外観をした強化アーマーと皮膚が融合し、巨大なヴィラン、ライノとなりました。
ライノは自分がサイ型の強化アーマーから解放されないと思い込んでおり、その脅迫観念はライノの狂気をより募らせています。
『アメイジング・スパイダーマン2』では、物語の最終盤に登場します。こちらはごく一般的な身体能力を持つ犯罪者が、両腕にマシンガンやミサイルなどの武装を搭載した、サイ型の強化アーマーを着込む形でライノとなりました。
登場シーンはほんのわずかですが、シリーズ屈指の名シーンでの起用となっています。
スパイダーマン:ホームカミングの敵(ヴィラン)
3つめのシリーズとなるMCUの『スパイダーマン:ホームカミング』および『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では、ピーター・パーカーをはじめとした登場人物の年齢が引き下げられたこともあるためか、敵対するヴィランは以前のシリーズと比べて、人間味がより強調されています。
ヴィランの、ただのヴィランに終わらないキャラクター性が、MCUシリーズの特徴です。
ヴァルチャー
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エイドリアン・トゥームズはその優れた知性で、自由な飛行を可能とする電磁ハーネスを作り上げました。
しかし会社の共同経営者がエイドリアンを裏切ったため、彼は会社に復讐することを決意します。
自分の発明と悪行の素晴らしさに見せられたエイドリアンは、ハゲタカのような姿のコスチュームをまとい、ヴァルチャーを名乗ります。
天才的な頭脳と発明品を武器に、ヴィランとして活動を繰り返しました。
長いスパイダーマンの歴史の中でも初期からの登場となっており、スパイダーマンの宿敵のひとりとして数えられている人気キャラクターです。
また、「シニスター・シックス」の創設メンバーとしても活躍しました。
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『スパイダーマン:ホームカミング』では、ピーターが想いを寄せる同級生、リズ・アレンの父親として登場。
兵器の密売を事業とし、これを邪魔するスパイダーマンとは、原作よりもメカニカルな強化アーマーをまとって激闘を繰り広げます。
ピーターがスパイダーマンであることに気がついていましたが、娘リズとのデートを望むひとりの男としてピーターを扱う大人の分別も持ち合わせており、ピーターにとっては複雑な相手として描かれていました。
ハイドロマン
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貨物船のクルーとして働いていたモリス・ベンチは、予期せぬトラブルでスパイダーマンと接触し、海の中に落とされてしまいます。
折り悪く船が実験用の発電装置を海に下ろしていたため、モリスは発電機のエネルギー転換プロセスに巻き込まれてしまいました。
九死に一生を得たモリスは、自分が体を自由に水のように変化させる能力を得たことを知ります。
モリスはハイドロマンを名乗り、事故の原因がスパイダーマンにあるとして、命を狙いました。
その特性から、水を弱点とするスパイダーマンの宿敵サンドマンと融合したこともある、一風変わった経歴を持つヴィランです。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では、異次元から来たとされる強大な力を持つヴィランチーム、「エレメンタルズ」のひとりとして登場しています。
水を自在に操る能力で大暴れしますが……。
なお、「エレメンタルズ」は原作では不死の生命体であるハイドロン、マグナム、ヘルファイア、ゼファーの4人からなるヴィランチームであり、それぞれがアトランティス以前の地球を支配する強大な力を有していました。
映画では設定に大幅な改編がなされ、メンバーについても映画独自のものに変更されています。
モルテンマン
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オズボーン家の縁者であるマーク・ラクストンは、盗み出した金属合成液を誤って自分にかけてしまい、全身が金属と化し高熱を常に発するモルテンマンとなってしまいました。
超人的な体力、炎と熱を自在に操る能力を持っています。
症状が進行したために皮膚がメルトダウンを起こしかけ、死に直面しますが、スパイダーマンに救われました。
改心してスパイダーマンと良好な関係を築くなど、いちがいにはヴィランと呼べないキャラクターです。
ハリー・オズボーンによって体を元に戻す治療法が施されたあとは、手のひらから火炎を放射する能力を手に入れ、独自の特製スーツをまといスパイダーマンの友として協力しています。
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『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では「エレメンタルズ」のひとりとして、スパイダーマンとミステリオを相手に戦いました。
原作ではヘルファイアが担っていた炎を司るエレメンタルという役どころではありますが、ハイドロマン同様、その正体は意外なものでした。
ミステリオ
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ハリウッドの最前線で活躍する特殊効果デザイナー、クエンティン・ベックは、自身が俳優や監督として名声を得たいという野心を持っていました。
ベックはその卓越した映像作りの才能を駆使し、謎のヒーロー怪人ミステリオとして、世間の人々の前に姿を現します。
しかしスパイダーマンを陥れようとしたミステリオは、逆に悪事を世間に暴露されることなり、名声は地に落ちることに。
スパイダーマンを逆恨みしたミステリオは、スーパーヒーローではなく、ヴィランとしての道を歩むことを決意しました。
ミステリオには他のヴィランのような、強靱な肉体や特殊な能力があるわけではありません。
ミステリオの最大の武器は、特殊効果デザイナーとして培ってきた魔術のような映像作りの技術です。
しかしスパイダーマンにとって、何が現実で何が虚構なのか、見極めるのが非常に難しいミステリオとの戦いは、非常に厄介なものだと言えるでしょう。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では、異次元から来たスーパーヒーローとしてピーターの前に現れます。
師とも言えるアイアンマンを失ったピーターは、ヒーローとしてエレメンタルズと戦うミステリオの姿に感銘を受けますが、すべては巧みに作り上げられた虚構でした。
最終的にスパイダーマンとの戦いでミステリオは命を落としますが、死の直前に、とんでもない置き土産を残していきました。
まとめ
以上、3つのスパイダーマンシリーズに登場したヴィランを、原作と映画の違いをまじえて紹介してきました。
スパイダーマンに限らず、アメコミのヴィランは非常に魅力あるキャラクターばかり。
ヒーロー側の視点だけでなく、ヴィラン側の視点に立って映画を鑑賞すると、物語の新たな楽しみ方を発見できるかもしれません!