『モテキ』に『バクマン』サブカル映画の巨匠、大根仁監督の撮影裏話7選!
「モテキ」や、「バクマン」などが代表作の大根仁監督。監督の作品といえば ”サブカルチャー”、”あるある”、“リアリティ” などのキーワードが共通して見られます!
大根仁監督は東京都国立市出身で、1968年生まれ。映像系の専門学校に進学した後、映画監督・堤幸彦と秋元康が作った番組制作会社「SOLD OUT」に入社し、「ヴァンパイアホスト」、「湯けむりスナイパー」、「モテキ」など、テレビ東京を中心に多くの深夜ドラマの脚本を手がけました。
2012年、ドラマの劇場版である初監督映画の「モテキ」で第35回日本アカデミー賞話題賞・優秀作品部門を受賞します。
役者からの信頼も厚い大根仁監督。そんな監督の作品を7つ選出したので、公開度順にご紹介していきたいと思います!
目次
1.モテキ
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出典:映画『モテキ』予告編
あらすじ
主人公は31歳の草食系男子である藤本幸世(森山未来)。学生時代から女子に縁のない生活をしていたのですが、1年前に女子にモテまくる “モテキ” が到来しました。しかし、チャンスをつかむことはできず、これからも退屈な人生活が続くと思っていた矢先。2度目のモテキが到来します。
ライターの見習いをしている彼の前に現れた4人。趣味が合い見た目もタイプだが、彼氏持ちである・松尾みゆき(長澤まさみ)、みゆきの親友である、幸世にぞっこんな・るみ子(麻生久美子)、ガールズバーの店員・愛(仲里依紗)、クールな上司・素子(真木ようこ)。
タイプの異なる美女4人にかき乱される幸世。今度こそチャンスをものにできるのか…!?
ココがスゴい!「モテキ」の大根仁撮影裏話
・大根仁監督によると、モテキのミッションは、長澤まさみをとにかくエロくかわい撮ることだったそうです。実際モテキの公開後から長澤まさみの人気に再度火がつきました!
・作中には音楽や、漫画などのサブカルチャー要素が満載です。自分が興味あるものがでてきたらテンションあがります!
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
この映画の見どころはずばり、ミュージカル要素です!モテキでは、Perfumeの歌とダンスが用いられました。森山未来はダンス経験があり、モテキのミュージカルシーンを演じるときには、「4人目のPerfumeになる!」という気持ちだったそうです。
邦画では珍しいダンスシーンは、見ていて楽しい気分になります!
2.恋の渦
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あらすじ
若いカップル・コウジ(新倉健太)とトモコ(若井尚子)は、さえないモヒカン男オサム(圓谷健太)に、ユウコ(後藤ユウミ)を紹介するため、ホームパーティと称して“部屋コンを企画した。集まったのは男女9人。しかし、やってきたユウコのルックスに男たちはドン引き。それでも何とか場を盛り上げようとするが、何をやってもうまくいかず、微妙な空気のままコンパは終わるが…。
その夜をきっかけに、男女9人の恋心と下心、本音と嘘が入り乱れる恋愛模様が繰り広げられるのであったーー。
ココがスゴい!「恋の渦」の大根仁撮影裏話
・総制作費10万円、撮影期間4日で作られました!
・出演者はワークショップに参加する無名な役者です。大根仁監督は「無名な役者という匿名性の高さが、リアルな日常を描く『恋の渦』の世界観にピッタリだと思った」と語っています。配役にも狙いがあったようです。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
ストーリーや会話、キャストのメイクや、部屋の内装までもが「リアル」。まるで隠しカメラで日常生活を覗いているような「リアリティ」が恋の渦のすごさです。
無理やり空気を盛り上げようとする男や、必要以上に気配りする女など、 “私の周りにもにいる!” と、思うキャラクター設定。「彼女がブスだと恥ずかしい」「浮気する男は自分の浮気を正当化する」「女子が可愛いという女子はだいたいブス」など、最低だけど共感できるあるある。作品を見ながら色いろなことを、現実世界に置き換える感覚が味わえます!
3.バクマン。
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出典:映画『バクマン。』予告編
あらすじ
行きたい大学もなく、部活にも入っていない平凡な高校生、真城最高(佐藤健)の密かな趣味は、クラスメイトの亜豆美保(小松菜奈)をイラストにして描くことであった。
ある日、授業中に書いていたイラストを高木秋人(神木隆之介)に見られてしまう。
高木は真城の画力に惚れ込み、漫画家になろうと誘う。
嫌がっていた真城であったが、ひょんなことから亜豆に「俺が漫画家で有名になったら結婚してください」と、プロポーズする。「お互いの夢が叶ったらね」と承諾した亜豆を見て、真城と高木は漫画家になる決意を固めるーーー。
ココがスゴい!「バクマン」の大根仁撮影裏話
・配役を聞いたとき、佐藤健と、神木龍之介は逆だと感じたそうです。しかし、台本を読んだとき、性格で考えるとピッタリだと思ったらしいです!大根仁監督は二人の見た目ではなく、本質的なものを見ていて、その上で判断しました。
・大根仁監督は、佐藤健が童貞に見えるかがずっと心配だったらしいです。神木龍之介のほうは心配じゃなかったそうです。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
本作はひたすら努力する二人の姿が描かれています。ジャンプの3大原則は「友情、努力、勝利」ですが、本作ではこのうち勝利、というよりもふたりのサクセス要素をメインにして描かれています。しんどい漫画の作業現場がクローズアップされた本作ですが、夢を叶えることは簡単ではないというメッセージが伝わってきます。夢を持つ人に鑑賞していただきたい作品です。
4.DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~
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あらすじ
2019年に結成30年を迎えた「電気グルーヴ」の26年間を総括するルヒストリー&ドキュメンタリームービー。1989年に石野卓球とピエール瀧によって結成された電気グルーヴは、初めて、テクノをメジャーのフィールドに持ち込み、日本のポップミュージックの歴史を変えました。本作では、インディーズ時代から、デビュー、「VITAMIN」での覚醒、「ORANGE」期の危機、“Shangli-la”「A」でのブレイク、まりんの脱退、活動休止、そして卓球と瀧、ふたりでの本格始動までを振り返ります──この作品で初めて明かされる真実も!
ココがスゴい!「DENKI GROOVE THE MOVIE?」の大根仁撮影裏話
・大根仁監督は本作を作成するに当たり、電気グルーヴに関する映像資料を、250時間以上見たそうです。バラエティ番組に出演したり、寄り道が多かった電気グルーヴなので映像資料がたくさんありました。
・普通の映画はある程度筋立てがあって撮影に入りますが、本作は、撮影、構成、脚本、編集が全部同時スタートだったそうです。出口がわからない中での撮影は大変だったと思います。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
いままで未公開であったライブ映像などが見どころなのは言うまでもありません。電気グルーヴの新たな一面を見ることが出来ます!また、ドキュメンタリーにありがちな、「本人たちのインタビューで延々とつなぐ」という演出もありません。インタビュー部分を長くすることで、「今こういう感じにみられたい」といった感情が出てしまうからだそうです。元メンバーやスタッフなどの第三者のインタビューを通すことで、よりフラットに電気グルーヴの軌跡を知ることができるようになっています。
5.SCOOP!
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あらすじ
かつて数々の伝説的スクープをモノにしてきた凄腕カメラマン・都城静(福山雅治)。今は芸能スキャンダル専門のパパラッチに転身し、借金にまみれた自堕落な生活を送っていた。
そんなある日、雑誌「SCOOP!」の新人社員・行川野火(二階堂ふみ)とコンビを組む羽目になる。二人は全く噛み合わず喧嘩ばかりであったが、都城のリードもあって次々に独占スクープを連発していく。そんな彼らは、日本中が注目する大事件に巻き込まれるのであったーーー。
ココがスゴい!「SCOOP!」の大根仁監督撮影裏話
・野火役を二階堂ふみにしたのは直感だそうです。野火役を誰にしようかと悩んでいたときに二階堂ふみに会って、その場で「来年、福山君の映画があるんだけど、やらない?」と誘いました。二階堂ふみも「やる!」と、二つ返事で引き受けたそうです。
・撮影前に実際の写真週刊誌の編集部へ取材を行ったそうです。本作では、小道具や、現場にいる人のメンタリティなど、細かいところまでリアルに表現されています。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
リアルな東京の風景が見どころです!本作は、芸能関係のパパラッチの話。舞台も東京になります。そして、芸能人がいるのは六本木、西麻布、恵比寿、中目黒。そういった場所での夜の撮影は諸事情により大変だそう。しかし、大根仁監督はリアルを追及し、撮影場所にもこだわりました。
6.奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
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あらすじ
主人公のコーロキ(妻夫木聡)は、奥田民生を崇拝する、うだつのあがらない35歳の雑誌編集者。おしゃれなライフスタイル雑誌の編集部に異動した彼は、慣れない環境に四苦八苦しながらも、次第におしゃれピープルに馴染んでいく。そんなある日、コーロキは仕事で、今まで会ったことがないような美しさの、天海あかり(水原希子)に出会う。あかりに一目惚れしたコーロキであったが、そこからとんとん拍子で付き合うことになる。しかし、あかりの自由奔放な性格に振り回され、身も心もズタボロに…。コーロキは奥田民生のような「力まないカッコいい大人」になれるのかーーー。
ココがスゴい!「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」の大根仁監督撮影裏話
・女優の撮影に定評がある大根仁監督。本作でも水原希子の美しさを引き出しています!
・楽曲には「奥田民生」が使われています。大根仁監督は、サブカルチャーの作品だからこそメジャーシーンでやりたかったそうです。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
天海あかりの闇の深さは見どころです!明るくて、キレイで、一見すると完ぺき人間にみえるあかりですが、物語が進むにつれ、闇の深さが浮き彫りになってきます。純粋なコーロキが騙される姿には、つい同情してしまうほど。現実にも男を騙しまくる女はいるので気をつけたいですね!
7.SUNNY 強い気持ち・強い愛
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あらすじ
コギャルブームに沸いた90年代。そんな時代に青春を謳歌した女子高生仲良しグループ「サニー」の6人メンバー奈美(篠原涼子/広瀬すず)、芹香(板谷由夏/山本舞香)、裕子(小池栄子/野田美桜)、心(ともさかりえ/田辺桃子)、梅(渡辺直美/富田望生)、奈々(池田エライザ)は、22年の時を経てそれぞれが問題を抱える大人になっていた。
ある日、専業主婦の奈美は、芹香に再開するが、彼女は末期のガンに冒されていた。
「もう一度みんなに会いたい」という芹香の願いを叶えるため、奈美が動き出すーー。
ココがスゴい!「SUNNY 強い気持ち・強い愛」の大根仁撮影裏話
・1990年代の雰囲気を上手く取り入れています。大根仁監督は、当時のビデオを見たり、今はアラフォー世代ですが、当時女子高生だった女性に話を聞いたりしたそうです。
・大根仁監督は、この映画の企画が立ち上がったとき、何よりも先に小室哲哉に劇伴音楽をやってもらうことを思いついたそうです。
絶対見逃せない!この映画の見どころ!
リアルに表現されている1990年代の高校生活の風景は見どころです。青春時代を過ごされた方なら共感するシーンが多いと思います。楽曲も懐かしい1990年代の名曲が取り入れられています。1990年代を懐かしみたい方、学生時代をフィードバックしたい方にはオススメの作品です。
まとめ
以上、大根仁監督のオススメ作品をご紹介しました。映画を作るときはいつも、今までなかった新しい映画、邦画にするように意識しているそうです。そんな大根仁監督の意志の通り、独創的なアイディアが反映された作品ばかりでしたね。今後の活躍に期待です!