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ジブリの名作映画『魔女の宅急便』ネタバレ解説!原作ではキキとトンボのその後も描かれていた?

ネジムラ89

ジブリ映画といえばこれまで数多くの魔女が登場してきました。2020年には『アーヤと魔女』が製作され、長らく題材と親しまれている存在なのですが、中でも代表作と言えるのが、平成に入って間もなく劇場公開された『魔女の宅急便』でしょう!

公開から四半世紀以上が経った今もなお、度々テレビ放送を果たし親しまれている『魔女の宅急便』ですが、製作背景や映画の内容には多くの秘密が隠されています。そんな『魔女の宅急便』に関して、ネタバレありでその秘密を解説して参ります!!

映画『魔女の宅急便』とは

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出典:スタジオジブリ公式サイト

1989年7月29日の夏休み映画として劇場公開を果たした映画が、『魔女の宅急便』。

製作を務めるのは、言わずと知れたスタジオジブリ。当時はまだ製作作品も少なく、『魔女の宅急便』が同社の製作する長編アニメーション映画では4作目にあたりました。

監督を務めたのは、多くのヒット作を手がけてきた宮崎駿監督。上映当時もすでに『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』といったヒット作を世に送り出しており、当時も広く名前の知られる人物でした。

『魔女の宅急便』には原作が存在しており、それが角野栄子さんの手がけた同名の児童書。映画では少女時代のみを描いているのに対し、原作は成長して大人になったキキの姿なども描かれます。

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10秒でわかる『魔女の宅急便』の簡単なあらすじ

魔女の宅急便 解説
出典:スタジオジブリ公式サイト

魔女の血を継ぐ一族の出身である少女・キキ。13歳になったことをきっかけに古くからのしきたりに則り、黒猫のジジとともに1年間の修行のために、一人で他の魔女がいない街へと旅立つのだった。

まだ魔女のいないコリコの街を見つけたキキは、街でパン屋を営む夫婦のお店の空き部屋に住まわせてもらうことになり、飛行能力を活かして荷物の配送の仕事を行いながら街で生活をすることに決める。時にはトラブルに遭ってしまったり、一方で街の人たちの優しさにも触れ、順調に街での暮らしに馴染んでいく。

しかし、そんなある日キキはホウキに乗って空が飛べなくなり、黒猫のジジと会話ができなくなっていることに気づくのだったーー。

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映画『魔女の宅急便』のあらすじを詳しく解説【ネタバレ】

あらすじ①街へやってきたキキ

魔女の宅急便 解説
出典:スタジオジブリ公式サイト

草原でラジオを聞く少女キキ。その晩の天気が良いことをラジオで知ったキキは、その晩に家を飛び立つことを決意します。魔女の一族は、13歳になると一人で修行のために、満月の夜に魔女のいない街へと旅立つのが習わしなのです。

家族や友人たちに見守られながら、キキは家を出発。期待に胸を膨らませ上機嫌なキキだったが、途中で嵐に見舞われてしまう。列車で雨宿りをしたキキは無事、コリコの街へ行き着きます。

街に着いて間もなくは、街の人たちに歓迎もされず、危うく警官に補導されそうになってしまいます。偶然居合わせた少年・トンボに助けられるものの、不躾な態度にキキは不機嫌な態度をとってしまいます。陽も落ちかけていた頃、店への忘れ物を届けようとしていたパン屋のおソノさんに遭遇。代わりに荷物を届けてあげたことをきっかけに親しくなり、キキは店の手伝いをする代わりに空き部屋を借りさせてもらうことになります。

そして、空を飛べることを活かして宅配便の仕事を始めることを決めます

あらすじ②街の人たちと親しくなっていくキキ

魔女の宅急便 解説
出典:スタジオジブリ公式サイト

早速、荷物を届ける仕事を請け負うキキだったが、突風に襲われたことをきっかけに、お届けモノを落としてしまうアクシデントに見舞われます。ジジや森で出会った画家の少女・ウルスラの助けを経て、なんとか最初の仕事を終えることに成功します。

そんなある日、何度もキキに興味を示す少年・トンボが、キキをパーティーに招待しにくるのだった。恥ずかしがるキキだったが、トンボは強引に招待状を置いていきます。内心、喜ぶキキでしたが、その日は仕事が立て込んでいました。

1軒目の配達を終え、2軒目の老婦人の家へと訪問するキキ。そこで、孫にニシンのパイを贈ろうとしていた老婦人と出会います。オーブンが故障し、無駄足のお詫びにお礼だけ渡そうとする老婦人に対し、お金だけはもらえないと、薪のオーブンでパイを焼く手伝いをしてあげます。

無事、パイは焼き上がり、突然の大雨に見舞われながらもパイを届けるキキ。しかし、今度はパイを無事届けた孫が、パイを嫌いがる姿を見て、キキはショックを受けます。キキは約束の時間に間に合わず立ち去るトンボを見つめながらもベットで寝込んでしまうのでした。

あらすじ③飛べなくなるキキ

魔女の宅急便 解説
出典:スタジオジブリ公式サイト

高熱が出て寝込んでしまったキキだったが、おソノさんの看病のおかげで、無事回復。元気になったキキに、おソノはキキに配達を頼むのですが、その相手はまさかのトンボでした。

それをきっかけに、トンボのプロペラ付き自転車に乗せてもらったキキは、すっかりトンボと仲良くなります。しかし、二人で談笑していたところ、車に乗ったトンボの友人の女子たちが現れます。トンボは飛行船の中を見に行こうと誘ってくれるのですが、キキはその姿を見て、仕事があると断ってしまうのでした。

そんな矢先、キキはジジと会話ができなくなっていることに気づきます。突然のことに驚くキキでしたが、実はほうきで空を飛ぶこともできなくなっており、魔法の力を失ったことにキキはひどく落ち込んでしまいます。

“魔女の宅急便”も一時休業せざるを得なくなるキキでしたが、そんなキキの元にウルスラが現れ、泊まりに来るよう誘います。ウルスラの家を訪れたキキは、ウルスラにアドバイスを貰い、元気を取り戻していくのでした。

あらすじ④トンボの救出

魔女の宅急便 解説
出典:スタジオジブリ公式サイト

翌日、キキはかつてお仕事を請け負った老婦人の家に呼ばれます。そこにはキキの姿と名前が書かれたケーキがありました。それは老婦人からキキへのお世話になったお礼だったのです。感動したキキは、その贈り物に涙するのでした。

そんな矢先、テレビで飛行船が強風に煽られて飛ばされてしまうというニュースが流れてきます。その飛行船を支えていたロープにつかまっていたトンボは、宙吊りになって今にも落ちてしまいそうでした。それを見たキキは慌てて老婦人の家を飛び出します。

路上のおじさんが持っていたデッキブラシを借り、意を決して空を飛ぼうとするキキ。安定はしないものの、無事空を飛ぶことができたキキは飛行船の元へ向かいます。時計塔に衝突し、ロープから落ちそうになるトンボ。間一髪のところでキキはトンボの腕を掴み、みんなが見守る中で救出に成功するのでした。

こうして、すっかり街の人々に受け入れられたキキは、元気で過ごしていること、そしてこの街のことが好きであることを家族に手紙で伝えるのでしたーー。

一人二役だった!?映画『魔女の宅急便』の声優&キャラクター紹介

キキ/高山みなみ

魔女の宅急便 キキ
出典:スタジオジブリ公式サイト

いつだって元気いっぱい、明るく前向きな魔女のキキ。13歳とは思えぬしっかり者で、旅立ちの日を即座に決めるなどかなり行動的な性格です。意思も非常に強く「海の見える街へ行きたい」と、すでに行き先も決めていたご様子。母・コキリが得意とする薬づくりの魔法には興味がなく、空を飛ぶ以外の能力はありません。

決してホウキ使いも上手ではなく、旅立ちの瞬間まで荒々しい飛行を見せるなどちょっぴり心配な一面も(笑)しかしいつだって明るく笑顔でいっぱい、相棒のジジと共に元気よく街へ向かったのでした。

しかしいざ辿り着いた街は沢山の人が行き交い、田舎とは大違い……。魔女に対しての当たりも強く、早速都会の洗礼を受けるのでした。けれども彼女は決して後ろを向くことなく、優しい心を忘れません。厳しい現実にぶつかりながらも真っすぐ進む、本当に可愛らしい少女です。早々に仕事を見つけ、開業までする大人顔負けの行動力がとにかくスゴイ!

けれども13歳の少女らしい顔も持っていて、都会の綺麗な女の子を見て嫉妬するシーンは、まさに一般的な女の子といった感じでしたね。トンボとも最終的には仲良くなりましたが、今後は一体どういう関係になったのか……?とても気になるばかりです。

キキを演じるのは『名探偵コナン』などでお馴染み、高山みなみさん。まだ当時は声優3年目と若手でありながら主役に大抜擢!後ほど解説するウルスラ役も同時に務めるなど、期待値がいかに大きかったかが分かりますね。

少年を多く演じている印象ですが、可愛らしい女性キャラクターも得意とするなど、非常に幅が広い声優さんです。

ジジ/佐久間レイ

魔女の宅急便 ジジ
出典:スタジオジブリ公式サイト

キキの相棒であるネコのジジ。常に彼女の側におり、かなり物事をハッキリ言うタイプ(笑)いつも明るく、おっちょこちょいなキキとは対照的に、ジジは冷静な性格をしています。ちょこちょこ毒づくようなセリフを口にするのですが、なぜか愛らしく見えるので不思議なものですね。

物語の中盤よりご近所の美しいネコと恋仲になり、キキにベッタリ……ではなくなってしまいました。そして元々2人は魔法の力で意思疎通をしていたため、魔力が低下した彼女と会話が不可能になるのです。

最終的に恋仲になったネコとは子供を授かりました。キキとも相変わらず一緒に暮らしていたものの、実は中盤~ラストまで、序盤のような会話が交わされることはありませんでした。なぜ力は戻ったのに、以前のような会話ができなくなってしまったのでしょうか?

これは悲しい結末ではなく、監督は「キキの魔力が強まったことから、逆に話せなくなった。何かを得れば何かを失うもの」と説明しています。喋るジジがとても可愛かったので残念に思えますが、この結果はキキが前に進んだ証拠ということです。

ジジを演じるのは声優の佐久間レイさん。『それいけ!アンパンマン』のバタコさんや『らんま1/2』のシャンプー、『おねがいマイメロディ』のマイメロディなど、誰しもが一度は声を聴いたことがあるはず!アニメ好きなら必ず知っているベテラン声優さんです。

トンボ(コポリ)/山口勝平

魔女の宅急便 トンボ
出典:スタジオジブリ公式サイト

トンボと呼ばれる少年で、空を飛ぶことへ大きな憧れを抱いています。キキを初めて見た時も面白半分ではなく、本当に興味を持って話しかけていたのです!しかしなかなかその気持ちを分かってもらえず、すれ違う2人……。せっかく仲良くなれそうな雰囲気なのになかなか近づかないので、非常に観ていてモヤモヤさせられました(笑)

けれどもトンボはフレンドリーなので、彼女をパーティーへ誘ったりとめげません。飛行クラブに所属している話をしている時は目がキラキラしていて、彼の素直さが伺えましたよね!友達や顔見知りもたくさんいて、要所要所で「トンボの人の良さが出ている」と感じるシーンはたくさんあることでしょう。

飛行船のトラブルに巻き込まれたところをキキが救出。それ以来更に距離が近づいたのか、エンディングでは彼女と一緒に飛行している姿も。キキがこの街をより一層好きになれたのは、トンボの存在もきっと関係しているのではないでしょうか?

トンボを演じるのは山口勝平さん。『犬夜叉』や『名探偵コナン』、『DEATH NOTE』、『ONE PIECE』などに出演し、一度聴いたら忘れない特徴的な声をしていますよね!そして実はあのバックスバニー(6代目)の声を担当しているのをご存知でしたか?

現在も現役で活動しており、なんと息子の山口竜之介さんも声優として活躍しているんですよ。

ウルスラ/高山みなみ

魔女の宅急便 ウルスラ
出典:スタジオジブリ公式サイト

作中では名前が出てこず、“絵描きのお姉さん”といった認識ですが……ウルスラというキャラクター名が存在するのです。キキが宅配の荷物を落としてしまったことから知り合い、ひょんなことから再会を果たします。

魔力を失って落ち込むキキへ、「自分も創作活動でうまくいかなかったことがある」、「ダメな時は散歩したりして、描かない。そうしているうちに、また描きたくなるものだよ」とアドバイス。なかなか気持ちが切り替えられない時、この言葉を聞くだけで心がほっと休まりそうになることでしょう。実際にキキも、ウルスラとの出会いで元気を取り戻しています。

ウルスラを演じるのは高山みなみさんであり、キキと同時並行で演じ分けを行いました。お互いが会話するシーンも多く、収録がとても大変そうな印象を覚えますね。高山さんはもともとウルスラ役のオーディションにしか来ておらず、後ほどキキ役の方にも参加。晴れて2人のキャラクターに抜擢されたのです……!

映画『魔女の宅急便』の製作裏話

一人の少女の成長劇として広く知られる『魔女の宅急便』ですが、実は意外と知られていない製作秘話がいくつも残っています。『魔女の宅急便』が生まれるまでにどんな出来事があったのでしょうか?

幻となってしまった片渕須直監督版!

感動 邦画
出典:Amazon.com

『魔女の宅急便』は今となっては宮崎駿監督が手がけた映画として有名ですが、実は当初は別の人が監督を務める予定だったことはご存知ですか?その監督というのが、なんと『この世界の片隅に』を監督した片渕須直監督。当初は多忙だった宮崎駿監督に代わって、まだ若手の片渕須直監督がプロジェクトを進めていった企画でした。

ただし、すでにネームバリューのある宮崎駿監督の存在は大きく、途中でスポンサーの強い意向を受けてしまい、片渕須直監督は演出補佐として『魔女の宅急便』に携わることとなります。すでにロケハンも済み、メインキャラクターや美術設定などもいくらか出来ている状態での思わぬ監督交代劇であり、当初は監督も交代のタイミングで身を引くつもりだったそうなのですが、鈴木敏夫プロデューサーの引き留めもあり、引き続き製作陣の一人として、関わっていくことになったようです。

今となっては幻となってしまった片渕須直監督版『魔女の宅急便』。もしスポンサーの横槍が入らなければ、どんな作品になっていたのかも気になるところです。

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スタジオジブリの上映に関する大きな転換点

魔女の宅急便 解説
出典:スタジオジブリ公式サイト

実は『魔女の宅急便』はある意味でも、スタジオジブリにとってターニングポイントとなる映画でした。それは配給会社。今でこそ東宝株式会社より配給されているスタジオジブリ作品でしたが、実は『魔女の宅急便』までは東映株式会社によって配給されていたのです。

東映株式会社とスタジオジブリの関係は古く、宮崎駿監督や高畑勲監督がかつては東映アニメーションにて映画を手がけてきており、『太陽の王子ホルスの大冒険』『パンダコパンダ』などなど、スタジオジブリ以前の長編監督作品から世に送り出してきました。

しかし意外なことにもスタジオジブリの初期作品は、現在の知名度に反して、そこまで高い興行収入は得られずいずれも20億円にも及ばない結果しか残せずにいない状態。残念ながら『魔女の宅急便』を最後に、東映配給でのジブリ作品の上映は最後となります。

その後の配給は東宝から実施されることになるのですが、皮肉なことに、『魔女の宅急便』は配給収入21億円を超える当時としてはスタジオジブリでも歴代最高のヒットを記録。

その後も『紅の豚』『耳をすませば』など立て続けに大ヒット作が生まれ、今日のスタジオジブリブランドが確立していきます。

実は原作とは違いが大きい?

魔女の宅急便 解説
出典:Amazon.com

『魔女の宅急便』で意外に思われるのが、原作との大きな違いです。角野栄子さんによる原作の児童書『魔女の宅急便』で描かれている物語とは、映画はベースにこそしていれど、内容には多くの違いがあります。

例えば、キキの容姿。表紙などで描かれている通り、原作のキキは長い髪をしています。また、キキと親しくなる少年トンボも、原作ではコポリというもっと気弱な少年として描かれています。そしてなにより、原作はシリーズものとして、16歳、17歳、19歳…..と次々と成長していくキキの物語が描かれます。

一方で原作にはなく、アニメーション映画のオリジナルの展開ももちろん存在しており、映画のクライマックスとなっている、飛行船でのトンボの救出劇も、映画化の際に独自に生みだされたエピソードとなっています

気になる『魔女の宅急便』の疑問を徹底解説!

『魔女の宅急便』では作中では説明さてきっていない要素や、冷静になって考えてみると疑問に思う出来事が数多く存在します。そんな気になるポイントについても、追求していってみましょう。

『魔女の宅急便』はどこを舞台にした映画なのか?

魔女の宅急便 解説
出典:スタジオジブリ公式サイト

『魔女の宅急便』で描かれている地域は、誰もが一目で“日本ではない”ことはわかるでしょう。しかし、あれがどこの国の物語なのかはわかりません。キキの暮らすことになる“コリコ”の街は一体どこの国なのでしょうか。

その答えは、実はどこの国でもありません。コリコの街とは存在しない作品のための架空の街だったりします。一方で、一応モデルとなっている街は存在しており、映画の製作のためにスウェーデンでロケハンが行われています。中でもストックホルムの旧市街地は、作中のイメージに近い場所として有名です。

新型コロナウイルスの流行以降は、なかなか海外に赴きづらくなったので、聖地巡礼は以前よりも難しくなってしまいましたが、2022年に愛知県でオープン予定のジブリパークには、『魔女の宅急便』の世界観を味わえるエリアも建設予定!日本で『魔女の宅急便』の世界観を味わえる日が来る日も近そうです。

なぜキキは空を飛べず、ジジと会話できなくなってしまったのか?

魔女の宅急便 解説
出典:スタジオジブリ公式サイト

『魔女の宅急便』の中でも重大な事件として起こるのが、唐突になくなってしまうキキの魔法です。映画のクライマックスではトンボを救出するべく、なんとか空を飛べるように戻り、最後には優雅に飛行できるキキの姿が描かれています。なぜキキは、一時的に空を飛べなくなってしまったのでしょうか。

作中ではその“なぜ”に対して、明確な答えは描かれていませんが、物語の中で暗示されています。まずは単純に“スランプ”であること。誰もが味わう、どうしてもうまくいかなくない時期。それを迎えたキキが、ウルスラにアドバイスをもらうことで解消できるようになっていきます。

そしてもう一つは“思春期の成長”。トンボへの異性としての意識などから、思春期を迎えたキキが大人になっていく精神的な戸惑い、そして葛藤からの成長により、大人へなっていく姿を表現していると言えます。

ちなみに映画ではジジとは会話ができないまま物語は終わりますが、実は原作では一度会話ができなくなってから、のちに再び会話を交わせるように戻っています。もしかすると映画のキキも、のちにコツを取り戻しているかもしれませんね。

キキとトンボはその後どうなるのか?

魔女の宅急便 解説
出典:スタジオジブリ公式サイト

原作と言えば、実は原作では描かれているキキの後日談。気になる人も多いのではないでしょうか。果たして成長したキキはどうなっていくのか。トンボとの仲はどうなっていくのか、少しだけ紹介しておきましょう。

成長して17歳になったキキは、すっかりトンボのことを異性として意識し始め、恋に落ちます。しかしトンボは大学生となり、遠くの街の大学へ行ってしまったことをきっかけに遠距離恋愛になります。戸惑うキキでしたが、無事二人の仲は続き、トンボから告白を受け二人は結ばれます。

原作はさらに結婚後の物語も描かれ、二人の間にはニニとトトという双子の姉弟が生まれます。この二人も成長して、魔女として旅立つ日を迎えるという二世代に渡る魔女の物語となっていました。

原作の『魔女の宅急便』は全6冊と、特別編が2冊刊行されています。原作の物語もきになるという人はぜひ手にとってみることをオススメします。

まとめ

アニメーション映画の世界だけでなく、原作やさらにはテーマパークへと広がりが存在する『魔女の宅急便』。これらの秘密を知るとより映画の面白さも増したのではないでしょうか。

一度鑑賞済みの人も、ぜひ今一度キキの製作された背景や原作の一面などを知った上で映画を見直してみると、新たな発見ができるかもしれませんよ!

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缶バッジ販売専門店「カンバーバッチ」のオーナー兼アニメ映画ライター。アニメ映画情報マガジン「読むと アニメ映画 知識が結構増えるラブレター」をnoteにて配信中。その他いろんなとこでアニメ映画話を執筆中。古今東西関係なくアニメ映画を中心とした有益な情報を多くの人に提供できるようにやっていきます。