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映画『竜とそばかすの姫』のネタバレあらすじ|魅力的なキャラクターと声優を解説

ネジムラ89

 

2021年夏、『竜とそばかすの姫』が大ヒット。興行通信社が発表する週間動員数ランキングでも初週末から1位を獲得し、緊急事態宣言などが発令されている逆風の中でも、見事に成功を収めています。

果たして、多くの人が惹かれる『竜とそばかすの姫』とはどんな映画なのでしょうか。その内容をネタバレありで紹介していきます!!

映画『竜とそばかすの姫』とは

竜とそばかすの姫

(C)2021 スタジオ地図

2021年7月16日に劇場公開されたスタジオ地図による細田守監督による長編アニメーション映画が『竜とそばかすの姫』です。スタジオ地図設立から数えると4作目、細田守監督自身にとっては11作目となる劇場公開作品となります。

作画監督には青山浩行さんや山下高明さんといったこれまでのスタジオ地図作品を支えてきた実力派のアニメーターが名を連ねています。

一方でベルのデザインには、ディズニー出身のジン・キム氏「U」のデザインには建築家でもあるデザイナーのエリック・ウォン氏、城に向かうまでの世界のデザインには北欧のアニメ制作会社カートゥーン・サルーンのトム・ムーア氏など、世界のトップクリエイターたちが細田守作品に初めて参加しています。

従来の細田守監督作を踏襲しつつ、新たな一面も見られる映画となっています!

10秒で分かる『竜とそばかすの姫』のあらすじ

出典:東宝MOVIEチャンネル

自然豊かな高知の田舎に、父と二人で暮らす17歳の女子高生・内藤鈴は、幼い頃に母を事故で亡くしていました。幼い頃は母と一緒に歌うことが好きだったのですが、その事故をきっかけに、その歌も歌えなくなっていました。

それでもなお曲を作ることだけを糧としていた鈴に、ある日親友の弘香が、全世界で50億人以上が集うインターネットの仮想世界「U」へと誘います。「U」では「As」と呼ばれる生体情報から自動生成される自分の分身で活動することになり、鈴も“ベル”として「U」の世界に降り立つことになります。

そんな「U」では、現実世界では歌えなかった歌を不思議と歌えることに気づいた鈴は、その歌声から、たちまち多くのフォロワーを抱える人気者になっていくのでした。こうして多くのファンの前でライブを行うになるまで至ったベルでしたが、そこへ謎のAs「竜」が現れたことをきっかけに、大きな事件へと発展していくことになりますーー。

 

映画『竜とそばかすの姫』の登場人物

内藤鈴・ベル/中村佳穂

竜とそばかすの姫

(C)2021 スタジオ地図

高知の田舎町で父と犬と暮らす高校生の少女が、本作の主人公・内藤 鈴(すず)です。

幼い頃に、母親が別の子供の命を救うべく氾濫する川に飛び込んで帰らぬ人となったことをきっかけに、心を閉ざすようになってしまい、好きだった歌も歌えなくなってしまいました。

鈴に転機を与えたのが「U」。「U」の中では不思議と歌が歌えることに気づいた鈴は、次第にその歌声が支持され、途端に多くのフォロワーがつく様にまでなります。そんな鈴の「U」での顔が“ベル”。絶世の美女の姿をしており、「U」では彼女のライブに多くのファンが駆けつけるほどになります。

そんな鈴役、そしてベル役を務めるのは、自身も歌手活動をしている中村佳穂さん。今回の主演の大抜擢以前から、ミュージシャンとして数多くの大きなライブをこなしてきた実力者であり、その歌声は実際に映画の見せ場として大々的に披露されています。

竜/佐藤健

竜とそばかすの姫 竜
出典:スタジオ地図公式Facebook

「U」の世界で大勢の人間から忌み嫌われている存在が竜です。その正体は謎に包まれており、国籍・年齢・性別全て明らかになっていませんでした。

巨大なツノと、あざの様な模様のついたマントが特徴で、さらに身体能力の高さから、格闘ゲームにおいては一時期圧倒的な強さを誇り注目を浴びていました。現在は、ジャスティン率いる自警団たちによってその正体を明かそうと追われる身となっており、隠れ家となっている城に潜んでいます。

そんな竜役を務めるのは、俳優として活躍する佐藤健さん。映画『るろうに剣心』シリーズやドラマ『恋はつづくよどこまでも』などでいくつもの作品で活躍する佐藤さんですが、意外にもアニメーション映画での活躍は少なく、貴重なアニメーション映画への出演作となりました。

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久武忍/成田凌

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

鈴の幼馴染で同級生のしのぶくんこと久武忍はバスケ部で活躍し、クールな雰囲気からも女子たちからは絶大な人気を集めています。一方で何かと鈴のことを気にかけてくれており、そんな素ぶりをきっかけに鈴がトラブルに巻き込まれてしまうなんてことも……。

鈴のことを気にかけてくれているのは幼い頃から続いていることであり、忍なりに鈴に対して思うところがある様です。

そんな忍役を務めるのは、俳優として活躍する成田凌さん。『カツベン!』や『愛がなんだ』といった話題作で活躍していますが、実はあの『君の名は。』でも声優として参加していた経歴を持っています。

別役弘香/幾田りら

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

鈴の親友であり、鈴の理解者として味方になってくれる人物がヒロちゃんこと別役弘香です。毒舌家で時にはその鋭い口ぶりは鈴にまで及ぶこともありますが、鈴を「U」に誘い、ベルとしての活躍をマネージャーやプロデューサーかの様に支えています。

ネットを使いこなす能力に長けており、いくつものモニターを駆使しながら、鈴と竜の正体探しに協力してくれます。

そんな弘香役を務めるのは、YOASOBIのボーカルとして活躍する幾田りらさん。中村佳穂さん同様、ミュージシャンということでアニメーション映画での吹き替えは今作が初めてだったのですが、監督も驚くほどの好演を見せてくれました。

 

千頭慎次郎/染谷将太

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

鈴の同級生の一人として登場するのがカミシンこと千頭慎次郎です。

カヌー部を一人で立ち上げて、インターハイを目指す猪突猛進な熱血男子。しかし、その勢いに押されてか、周囲からは浮きがち。応援してくれる相手に、すぐに好意を意識したりと天然なところもあり、ムードメーカー的な役回りも担います。鈴とも自然と会話を交わしてくれる、素直な性格の良い人物です。

そんな慎次郎役を務めるのは、俳優として活躍する染谷将太さん。『寄生獣』や『バクマン。』などかず多くの映画に出演している傍ら、『おおかみこどもの雨と雪』や『バケモノの子』など細田守監督作品で声優も務めてきており、今作が細田作品3度目の起用となっています。

渡辺瑠果/玉城ティナ

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

鈴の同級生の一人として登場するのがルカちゃんこと渡辺瑠果。モデルの様な容姿から、学校のみんなからも一目置かれています。女子からも人気の高い忍とはお似合いの組み合わせともされており、忍と会話をしている姿を見た鈴も思わず戸惑ってしまう様な存在です。

一方で、当の本人は分け隔てなくコミュニケーションを取ってくれる人物で、鈴にも気さくに接してくれる上、さらには実は秘めたるある気持ちを明かしてくれることになります。

吹奏楽部ではアルトサックスを担当しており、作中ではそんな特徴も現れたAsの姿を確認できます。

瑠果役を演じるのは、ミスiD2013で初代グランプリに輝き、現在は『悪の華』や『地獄少女』など多くの映画などで女優として活躍している玉城ティナさんが担当しています。

ジャスティン/森川智之

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

「U」の世界で秩序を乱す物を取り締まる自警団を率いる存在がジャスティンです。

多くのスポンサーが背後についており、その腕にはAsの匿名性を無効化(=アンベイル)してしまう力を持った武器を備えています。どうにか竜の正体を明かそうと、大勢で竜の行方を追うのですが、その牙はベルにまで向いていくことになります。

ジャスティン役を務めるのは声優の森川智之さん。『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役や、『ズートピア』のニック・ワイルド役など多くの映像作品で活躍する人気声優の一人です。

鈴の父親/役所広司

出典:東宝MOVIEチャンネル
塞ぎがちな鈴のことを優しく見守る存在が鈴の父です。

妻を亡くした現在は鈴と二人暮らしをしていますが、あまり鈴との会話が弾まず距離感がある状態です。父なりに鈴のことは気にかけている様子は描かれますが、無理にコミュニケーションを取ろうとはしていない様です。

そんな鈴の父親役を務めるのは、『三度目の殺人』や『孤狼の血』などかず多くの映画で名演を見せてきた役所広司さん。アニメーション映画の声優業では、『バケモノの子』や『未来のミライ』に続いて本作が3度目の細田作品の参加となります。

映画『竜とそばかすの姫』ネタバレあらすじ

あらすじ①『U』の中で支持を獲得するベル

竜とそばかすの姫 すず
出典:スタジオ地図公式Facebook

幼い頃に事故で母を失なった鈴は、すっかり塞ぎがちな状態となり、共に暮らしている父ともぎこちない関係が続いていた。幼い頃に大好きだった歌も、なぜだか歌えなくなっており、それでも曲を作ることだけを糧に、音楽を続けていたのだった。

そんなある日、親友の弘香が、全世界で50億人以上が集うインターネットの仮想世界「U」へと誘いがくる。「U」では「As」と呼ばれる生体情報から自動生成される自分の分身で活動することになっており、鈴も“ベル”という自分の分身の姿で「U」の世界へ降り立つこととなった。

そんな「U」では、現実世界では歌えなかった歌を不思議と歌えることに気づいた鈴は、存分にベルの姿で歌声を披露するのだった。次第にその姿を目撃した人たちによって、ベルの歌声に魅せられた人々がその存在を広めていき、ベルはたちまち多くのフォロワーを抱える「U」の歌姫になっていたのだった。

あらすじ②竜との出会い

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

世界中の人気者となってしまった鈴は戸惑いながらも、弘香のプロデュースの元、数億のAsが集うベルの大規模コンサートに出演することとなる。

これからライブが始まろうとしたその時、轟音と共にライブ会場には「竜」と呼ばれる謎のAsが現れる。それを追うジャスティン率いる「U」の自警団たちとの戦いに発展し、あっという間にコンサートは無茶苦茶になってしまうのだった。

そんな事件をきっかけに「U」の世界では竜の正体探しが流行するようになっていく。そして、そんな竜の姿に興味を持った鈴と弘香も竜の正体を暴こうと独自に調査を進め、怪しいとされる人物や竜に関係のありそうな人物と交流を進めていくのだったが、竜のその暴力性以外に、結局その正体はわからないままだった。

あらすじ③竜との再会

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

竜の正体がわからないままだった鈴だが、弘香から貰った手がかりを頼りに一人、竜探しに臨むのだった。廃墟の先でAIの妨害に遭いながらも、自身の最初のフォロワーだったクリオネ型のAsに導かれるように、「U」の中に隠された巨大な城へとベルはたどり着く。実はそこは竜が隠れ家としている城で、ベルはついに竜と再会する。

最初はベルに対して敵意を向ける竜だったが、竜が見せた優しい一面を知ったベルは、竜に歩み寄るようになり、次第に竜もベルを受け入れ、二人は共に手を取り合い踊るのだった。

しかし、城を後にするベルはジャスティンに見つかってしまう。竜の居場所を問い詰められ尋問を受けるベルだったが、駆けつけた竜に助けられベルは難を逃れる。しかし、ベルの胸元に残っていた、竜の城の薔薇の花びらからジャスティンは竜の居場所を勘付いてしまうのだった。

あらすじ④竜の城の崩壊

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

一方現実世界では、学校の帰り道に幼馴染で好意を持っていた忍と、カヌー部に奮闘する慎次郎と出会い、忍とお似合いである人気者の瑠果から恋の相談を受けたことを契機に、思わず「もう構わないで」と拒絶してしまい、一人泣き崩れてしまうのだった。

しかし、瑠果と話し合ったところ、実は瑠果が好意を寄せていたのは慎次郎だったことが判明する。なんとか二人を結ばせることに成功した鈴だったが、そんな矢先に竜の城がジャスティンの襲撃に遭っていることを知る。その上、偶然居合わせた忍からは、ベルの正体が鈴ではないかと問われるのだった。

パニックなる鈴だったが、取り急ぎ竜を助けるために廃校で待つ弘香のもとへと駆けつけ、竜を救うべくその正体をどうにか探そうとするのだった。その様子に、忍や瑠果、慎次郎、さらには実は鈴の正体に気づいていた合唱隊のおばさんたちも駆けつけるのだった。

あらすじ⑤少年たちの救出へ

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

コンサート以降姿を現さなかったベルを見つけ、多くのAsがベルを取り囲むが、そんな最中で、ネット上で竜を応援しようという動画配信者の少年に気づく。その少年は父親に責め立てられ、兄らしき人物が庇う姿が映し出されていた。彼こそ「竜」だと確信した鈴は、どうにかコンタクトを取ろうとするが、拒絶され配信を切られてしまう。

自身がベルであることを証明する必要があるとして、鈴はジャスティンの力でベルの正体が鈴であることを明かし、ついには鈴の姿でベルの歌声を披露するのだった。それを見た少年たちに再び配信を点けてもらうことに成功する。

連絡がついたのも束の間、少年達の父親によって配信は再び切られてしまう。わずかな手がかりから、少年達の居場所を特定した鈴は、一人東京へ向かう。道中、自身を支える人々や母の思いを悟った鈴は、ついに現実世界で出会った竜の正体である恵やその弟と知に出会い、暴力的な彼らの父親と対峙する。無事二人を救った鈴を同級生や合唱団そして父が迎え、帰路につく面々を、雲の隙間から陽の光が射すのだった。

あらためて押さえておきたい『竜とそばかすの姫』の世界

結局『U』とはどういうサービスだったのか?

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

『竜とそばかすの姫』を思い起こすと、あれはどういう意味があったんだろうと思う出来事や演出が数多く存在します。そんな中でも根本的な話として疑問に上がりやすいのが、そもそも『U』とはどんなサービスなのか?という点です。多くのAsたちが闊歩している姿や、ベルがライブを繰り広げる姿が描かれていたりとその様子は描かれますが、いまいち何をする場所なのかピンとこない人も多いでしょう。

「U」という世界はいわゆるインターネットそのままに置き換えられる空間だと言えるでしょう。鈴のように自身の歌声を披露し配信したり、それに対してフォローしたり、コメントを送ったり、チャットをしたり、さらには他のユーザーと競技で争いあったりとオンラインゲームのように利用しているユーザーも居るようです。

TwitterやLINE、YouTubeやDiscordなど昨今オンライを経由して多くの交流ができますがそれらを複合したサービスと考えて良いでしょう。そしてそれらを、自身の生体情報から力を引き出すことができる「As」を通して利用することが「U」の最大限の魅力と言えそうです。

 

自警集団・ジャスティスとはなんだったのか?

竜とそばかすの姫
出典:スタジオ地図公式Facebook

『竜とそばかすの姫』で異彩を放つ存在が、ジャスティン率いる自警集団ジャスティスです。「U」の世界では警察や軍隊のように活動していますが、あくまでも自警集団であるという点に注目しておきたいところです。

ジャスティンが多くのスポンサーを背後に抱えていることを謳うシーンがあったりと、大義によって、Asの正体を特定しようとする様はまさに昨今のネットの炎上文化を表現しているようにも思えます。

近年ネット上では、悪事などが動画で拡散されたことを契機に、その動画の本人を特定しようとして、社会を動かすような事態が度々起きています。もちろん事態の好転につながることもあれば、時として一人の人間の人生を潰してしまう事態や、時には誤った情報が広がり、無関係の人間が悪人として祭り上げられる例も存在します。

『竜とそばかすの姫』ではそんなオンライン上の人物の特定が主軸となっていますが、鈴達の行動が光の部分を担っているとすれば、ジャスティンたちは影の部分を担っていると言えます。多勢に無勢でジャスティスのように個人を追い詰める行為は、現実世界でも多々起こっていますが、それに加担しそうになった時は今一度、この映画を思い出したいところです。

まとめ

『竜とそばかすの姫』では「U」の世界を舞台に、内面と外面、オンラインとオフライン、上部と本心といった対照的な物事の在り方を見直させてくれるような映画でした。じっくり考えさせる部分もあれば、歌に美術にと青春エンターテイメントとしての魅力もたっぷり持った2021年を代表する映画の一つと言えそうです。

普遍性のあるテーマからは、一過性の流行りでなく今後10年、20年と後世においても語られていく名作となっていくかもしれません!

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缶バッジ販売専門店「カンバーバッチ」のオーナー兼アニメ映画ライター。アニメ映画情報マガジン「読むと アニメ映画 知識が結構増えるラブレター」をnoteにて配信中。その他いろんなとこでアニメ映画話を執筆中。古今東西関係なくアニメ映画を中心とした有益な情報を多くの人に提供できるようにやっていきます。