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賛否両論?『未来のミライ』あらすじネタバレ解説 !作品が示す”家族の形”とは

ひとっとび編集長

2018年の夏休み映画として公開されたアニメーション映画が、スタジオ地図の『未来のミライ』。

4歳児の男の子を主人公に据えるという異例の作品となっており、カンヌ国際映画祭やアヌシー国際アニメーション映画祭など、国際的にも評価を得る作品となりました。日本の興行においても大ヒットを記録し、興行収入は28.8億円に到達しました。

一方で、本作に対する評価は様々。特殊な作品性から好き嫌いが分かれたり、もともと本作の監督を務めた細田守監督に対する相性の悪さを感じる人もいたりと、一言では片付けられない見え方のする作品となっています。

そこで今回は、そんな『未来のミライ』を徹底解説!あらすじやキャラクター紹介から、賛否を分ける要因となったポイントまで追っていきましょう!

『未来のミライ』を手がけた細田守監督について

細田守監督のプロフィール

『未来のミライ』の監督を務めたのは、現在の日本のアニメーション映画界でも大物監督であり、ヒットメイカーの一人でもある細田守監督です。

もともとは東映アニメーションに所属しており、TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』、『劇場版デジモンアドベンチャー』『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』 などに携わりました。

フリーに転身後、2006年に監督を務めたアニメ映画『時をかける少女』が大ヒット。このブレイクをきっかけに『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』と立て続けにヒット作を世に送り出します。

現在は自身のアニメーション制作スタジオ・スタジオ地図を設立し、アニメーションを手がけています。

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細田守監督独特の世界観

細田守監督の作品にはいくつか特徴があります。それは現実世界を舞台にしていながら、どこかファンタジー要素が含まれているところ。

『時をかける少女』ではタイムリープという同じ時間を繰り返す仕掛けが用いられたり、『サマーウォーズ』ではデジタル世界での戦いを描いたり、『おおかみこどもの雨と雪』では狼人間が登場したり、必ず現実世界とは少し外れた要素が用いられます。

また登場キャラクターに影が描かれないビジュアルも特徴の一つ。日本画や、自身が所属していた東映アニメーションの前身・東映動画の影響があることを監督自身が語っています。

映画『未来のミライ』キャラクター紹介

『未来のミライ』に登場するキャラクターは皆、非常に魅力的なのが本作の特徴です。しかも声優は誰もが知るような人気役者が担当しているので、「声」だけでも楽しめる作品だと言えるでしょう。

それでは、『未来のミライ』に登場するキャラクターたちを紹介していきます!

くんちゃん/上白石萌歌

『未来のミライ』の主人公はくんちゃんこと太田 訓です。

年齢はわずか4歳であり、言葉こそ口にはしますが、甘えたがりで自分勝手な性格。電車が大好きで、電車の名前はたくさん覚えていたり、いつも電車のおもちゃで遊んでいます。

くんちゃん役を演じたのは、女優の上白石萌歌さん。今やドラマに映画にと大活躍中ですが、『君の名は。』の宮水三葉役や『トロールズ ミュージック★パワー』のポピー役など声優としても度々主演を務めて大活躍しています。

ミライちゃん/黒木華

未来の世界からやってきた女子中学生がミライちゃん。その正体は、まだ生まれたばかりのはずのくんちゃんの妹。ひょんなことから、まだ幼いくんちゃんの前に現れます。
右手の手首のあたりにアザがあるのが特徴で、本人はコンプレックスに思っているよう。

ミライちゃん役には、ドラマ『重版出来!』などで活躍した女優の黒木華さんが担当しています。

おとうさん/星野源

フリーの建築設計士を務めており、舞台となるくんちゃんの家を生み出したのが、おとうさん。仕事と育児の両立に奮闘していますが、失敗も多く、苦戦しがちな心優しい人物です。

おとうさん役を務めるのは、歌手としても俳優としても活躍している星野源さんです。思いやりがあり、穏やかな人物を演じています。

おかあさん/麻生久美子

仕事に育児にと大忙しなのが、くんちゃんのおかあさん。おとうさんよりもなかなか強気で、時にはくんちゃんを叱って、鬼扱いされてしまうことも。おとなしめのおとうさんとはどこか対照的な性格をしています。

おかあさん役を務めたのは女優の麻生久美子さんです。

ゆっこ/吉原光夫

くんちゃんの暮らす太田家のペットがミニチュアダックスフントのゆっこ。

くんちゃんが太田家に生まれる前から、おとうさんやおかあさんと暮らしているため、くんちゃんに対しても思うことがあるよう。作中では思わぬ展開で、その心情が明らかになります。

ゆっこ役は、劇団四季出身の俳優・吉原光夫さんが担当しています。

青年/福山雅治

くんちゃんがタイムスリップをした先で、遭遇するのがとある青年。
戦争で足を負傷しており、足を引きずって歩いています。どこか父親の面影を宿している彼には実は、くんちゃんとは大きなつながりのある人物であることが明らかになります。

青年役を務めるのは、歌手や俳優として長きに渡り活躍する、福山雅治さんです。

『未来のミライ』ネタバレあらすじ

【あらすじ①】謎の男とミライちゃんとの遭遇

太田家のくんちゃんは4歳で、家族に新しく妹が生まれたばかり。両親はまだ幼い妹が優先がちになり、くうちゃんは構ってもらえないことに不満を抱き、ついには泣き出してしまうのだった。

中庭で泣くくうちゃんの前に知らない男が現れる。彼はくうちゃんが抱いている気持ちは“嫉妬”だと教え、自分はくうちゃんが生まれる前はこの家の王子様だったと名乗った。男が語る内容は自分の境遇と似ていると思ったくうちゃんだったが、ふと男の正体が気になる。男がボールを追う仕草を見せたことから、彼がペットの“ゆっこ”であることに気づく。

妹の名前はミライに決定してしばらく、太田家は桃の節句を迎えていた。雛飾りを飾ったまま迎えた桃の節句の翌日、おとうさんにも構ってもらえず、くうちゃんは中庭で不満を募らせていた。

そんなくうちゃんの前に、自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶセーラー服の少女が立っていた。彼女は未来からやってきた妹のミライちゃんだったのだ。

ミライちゃんは、三月三日を過ぎても雛人形を片付けていないと婚期が遅れる、という迷信を気にして、未来からわざわざ雛飾りを片付けに来たのだった。おとうさんにバレそうになりながら、なんとか協力して雛飾りを片付けることに成功。

親しくなった二人だったが、少しは自分のことが好きになったかと問いかけるミライちゃんに、くうちゃんは首を激しく横に振る。結局、ミライちゃんは怒っていなくなってしまうのだった。

【あらすじ②】昔のお母さんの秘密

あくる日、片付けのできないくうちゃんに、おかあさんは強く怒鳴りつける。そんな自分に嫌悪感を抱くおかあさんの気持ちもつゆ知らず、不満を抑えきれないくうちゃんは再び中庭に出て行ってしまった。そこへ現れたミライちゃんにくうちゃんは慰められるが、泣き止まないくうちゃんは走り出し、見知らぬ街に迷い込んでしまうのだった。

自分が知らない場所に居ることに気づいたくうちゃんは、そこで一人泣いている少女に遭遇する。声をかけるくうちゃんだったが、顔をあげたその子は、おかあさんの幼い頃の姿だった。実は彼女は、泣いているのではなく、猫を飼うお願いをするための手紙に感情を込めるべく嘘泣きをしていたのだった。

そんな少女のあとについていくくうちゃん。家の中にあげてくれた彼女は、おもちゃで遊んで良いと、次々におもちゃ箱をひっくり返し、お菓子をテーブルに散らかすなど大騒ぎ。くうちゃんも楽しくなって一緒に暴れてしまう。

そこへ突然少女の母親が帰宅。突如、くうちゃんは帰らされてしまう。閉められた扉の奥では、少女は母親に部屋を荒らしたことを強く怒られていた。怖くなったくうちゃんは、雨が強く降る中、逃げ出してしまう。

気づくと、くんちゃんはベッドで寝ていた。その様子をおかあさんとおばあちゃんが見ていた。自分が親になって、親への愛に気づき、今のままで良いのか悩むおかあさん。おばあちゃんはそれを優しく諭すのだった。

【あらすじ③】ひいじいじとの出会い

あくる日、くうちゃんはミライちゃんとおとうさんと公園にやってきていた。
周りの子供達が補助輪なしの自転車に乗っていることに気づき、自分も補助輪を外してもらうくうちゃんだったがうまく乗れず、ミライちゃんに構ってばかりで相手にしてくれないおとうさんに苛立ってしまう。

ついには泣き出して家に帰るくうちゃん。中庭で被っていたヘルメットを投げつけたその時、ヘルメットは飛行帽に姿を変えていた。

気づくとくうちゃんは工場の一角に立っていた。くうちゃんはそこで足の不自由な青年に出会う。くうちゃんに話しかけてくれた青年は、くうちゃんを馬小屋に連れて行き、一緒に馬に乗せてくれた。最初は怖がるくうちゃんだったが、青年のアドバイスにいつのまにか恐怖が薄れていた。いつのまにか馬はオートバイ変わり、くうちゃんは青年に憧れを抱いていた。

翌朝、再び自転車に挑戦するくうちゃんは、青年のアドバイスを思い出し、補助輪なしでも乗れるようになっていた。

その夜、くうちゃんは家のアルバムに青年の姿を見つける。彼はくうちゃんのひいじいじだったのだ。

【あらすじ④】家出するくんちゃん

家族でキャンプへ行くことになった太田家だったが、くんちゃんはお気に入りの黄色いズボンが洗濯中で不満を募らせていた。構ってくれないことに腹を立て、ついには浴槽に隠れて家出のふりをするが、気づくと家族はみんな居なくなってしまっていた。

本当に家出を決意するくうちゃん。そんなくうちゃんへ知らない男子校生が声をかける。気づくとそこは中庭でなく、無人駅のホームだった。男子校生はくんちゃんを諭そうとするが、納得できないくうちゃんは、言うことを聞かずにやってきた電車に乗り込んでしまう。

見知らぬ東京駅に行き着いたくうちゃん。怖くなってきたくうちゃんは帰りたくなり、遺失物預り所へやってくる。しかし、おとうさんの名前もお母さんの名前も言えず、保護者の呼び出しができなかった。

一人のくうちゃんはやってきた黒い車両に引きつけられ、無理やり車両に乗せられそうになる。自分を証明することを要求されるくんちゃん。そこでミライちゃんの姿を発見したくんんちゃんはとっさにミライちゃんを守り、自分がミライちゃんのお兄ちゃんであることを叫ぶ。

“見つけた”と声がすると、今度は未来のミライちゃんが現れ、ミライちゃんに連れられて浮かぶくうちゃん。飛んでいく二人は一緒に庭の白樺に刻まれた太田家の歴史の索引を巡る。

ミライちゃんは、くんちゃんと別れを告げる。こうして元の時代に戻ってきたくんちゃんは、あれだけ固執していた黄色いズボンが気にならなっていた。

キャンプに出かけようとするおとうさんとおかあさん。体験した数々を思い出し、くんちゃんはミライちゃんにバナナを分け与えて、両親の呼びかけに元気よく返事をするのだった。

未来の“ミライ”が現代にやってきた理由

未来からミライちゃんがやってきた理由、それは意外にもどうってことのない理由であることが作中で明らかになります。それは出しっ放しにしてあったお雛様を片付けるということ。

桃の節句が終わっても、“雛飾りを1日片付けるのを忘れると、一年婚期が延びる”という迷信を気にしていたミライちゃんは、雛人形を片付けるべく、幼いくんちゃんの居る世界にやってきます。

具体的になぜそんな行動を起こしたのかは明らかにされませんが、どこか意中の相手が居るような反応を見せていたのが印象的。思春期真っ盛りの時期ということもあり、恋をしている真っ最中のミライちゃんには、迷信すらも信じたくなるほど、藁にもすがる思いで恋愛に奮闘していたのかもしれません。

未来にやってくるにしては、やけにスケールの小さい理由に思えるかもしれませんが、若い頃の恋愛にはそれぐらいの決死の思いがあるものですし、迷信といった文化が後世にも残っているという、受け継がれている時代性を感じる要素になっていました。

『未来のミライ』のテーマ“家族観”

『未来のミライ』が描くテーマの一つに“家族観”があります。現代の家族像に関して細田守監督は、かつて父親は外に働きに出て、母親は家の中にいてといった、演じるべき役割や機能があったがそれが変わってきていることをあげ、家族のあり方を、自分たちで探して決めていく時代であることを語っています。

だからこそ、『未来のミライ』では父親が在宅業務で育児をし、母親が家の外でバリバリ働き、さらに映画のクライマックスでは、まだ4歳のくんちゃんが自身がミライちゃんの兄であることを自覚していくものとなっています。『未来のミライ』は従来の家族像から脱却し、独自の家族像を見出していく物語なのです。

家族というとどうしても血縁性を強く感じてしまう人もいるようですが、ゆっこという血筋どころか種族外の存在も、白樺の歴史に刻まれているのも忘れてはいけない部分。たとえ同じ血筋でなくても、家族となれることも示唆されています。

賛否両論?『未来のミライ』の評価

大ヒットといっても『未来のミライ』は、その評価が大きく分かれた作品の一つでもありました。公開当時には大絶賛を浴びる一方で、まったく評価できないという声も上がる作品だったのです。それぞれどんな意見が挙がっていたのかをピックアップしていきます。

低評価だった点

『未来のミライ』を評価する人の中にも“人を選ぶ作品”と紹介する人も多い作品でした。一般的な娯楽とは違い、どこかクセの強さのようなものを感じたのかもしれません。『未来のミライ』に対して低い評価をあげる内容にはこういった意見がありました。

4歳の男の子の声に聞こえない

意外と否定的な評価が目立ったのが、くんちゃんの声。上白石萌歌さんが幼く物心もついたばかりの少年という難しい役を演じたのですが、男の子っぽく感じられなかったり、4歳のあどけなさからは、ちょっとかけ離れた印象を受けてしまった人も多かったようです。

もともとそんな簡単に演じられるような役柄ではないだけに、プロの声優でもない上白石萌歌さんにとってはなかなかハードルの高い役どころであったのは確かでしょう。

CMやあらすじとのギャップ

長編アニメーションということもあり、TVCMなどの印象からくんちゃんが大冒険をする作品とイメージしていた人にも、ギャップを与えてしまったようです。

『未来のミライ』は長編アニメーション作品にしては珍しく、中編エピソードをオムニバス形式で展開していくような作りになっているため、ジブリ映画やこれまでの細田守作品に比べると、スケールが小さく感じられてしまった人も多かったようです。

近年、トレーラーやTVCMの演出はどんどんインパクト重視のものになっています。それなりの大きい企画でもある『未来のミライ』も、いかにもな冒険譚を示唆するような演出で予告映像が作られていたのは確かでした。長編らしい冒険を求めていた人にとっては、どうしても肩透かしを食らったような気持ちになってしまうかもしれません。

ストーリーがない……?

CMなどとのギャップにも近い理由になるかもしれませんが、『未来のミライ』の“ストーリーがない”という意見もあります。もちろんストーリー自体はあるわけで、ここで言う“ない”とは、話の密度のことでしょう。

くんちゃんの成長が始まりと終わりであまり大きくないことや、話それぞれの連続性がないといった点は気になる人が多かったようです。また、ミライちゃんが作品に込めたメッセージをセリフで語りすぎてしまっていることも気になる人がいるようです。

くんちゃんが4歳ということで、くんちゃんにとっては大きな成長劇でも、成長してしまった私たちから観ても、あまり大きな成長劇には見えないのもあるかもしれません。物語にドラマを見出せないとどうしても話の中身がないように感んじられますよね。

高評価だった点

一方で『未来のミライ』を高く評価する人たちもいます。冒頭で述べたように海外での評価も高く、アニメーション賞や映画賞などで選出される高い評価を得ています。

もともと日本のアニメーションの精度は高く、等身の高いキャラクターの手描きアニメーションは数が限られています。また、日本人には当たり前に思える日本の風景や家族観は、海外から観たら独自性が高く、より批評しがいのある内容となっています。

キレイすぎる背景!

高い評価を得られた点として美術については言及して置かないといけないですよね。

小道具のディテールから、自然の美しさなど、日本のアニメーションの最高峰の一角であるレベルの高さを感じさせてくれました。

中でも、くうちゃんが体験する未来の東京駅のビジュアルには、興奮した人も多かったよう。いくつかあるエピソードの中でも、その東京駅のシーンからクライマックスにかけては圧巻の演出の連べ打ちで評価は高め。魚群をかき分けながら、くうちゃんが自分のルーツを目の当たりにするシーンは、感動が詰まっています。

『未来のミライ』で美術監督を務めたのは、大森崇さんと高松洋平さんのお二人。どちらもスタジオジブリ出身で、『コクリコ坂から』『思い出のマーニー』といった近年のヒットタイトルを手がけてきました。また色彩設計には『猫の恩返し』の三笠修さん、画面設計には『時をかける少女』から縁の深い山下高明さんなどが名を連ねています。

いずれも細田守監督の作品では『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』の制作から参加しているメンバー。今や細田監督の作品を支える“細田組”という表現が似合うプロフェッショナルチームです。

4歳の「子供」が主人公という珍しい展開

実際に子供が身近にいる人には、特に感じられたようですが、くうちゃんの4歳児としての言動にリアルさを感じた人も多かったようです

日本のアニメーションに登場する子供は、物語を推進するために一般よりも知能が高く描かれることが多いです。しかし『未来のミライ』では、より現実的な4歳の子供を描こうと試みています。多くのアニメーションを観ている人には、4歳児のくうちゃんの写実性に面食らってしまうのです。

実際に『未来のミライ』は細田守監督で二人目の子供が生まれた頃に始まった企画です。上の子が3歳の頃に、生まれたての赤ちゃんを迎えた時のリアクションが新鮮で面白かったそうで、監督の実体験が『未来のミライ』のリアリティを高めていると言えるでしょう。

実は、4歳児のキャラクターには『となりのトトロ』のメイという前例があります。細田守監督はスタジオジブリの影響も強く受けているのですが、『となりのトトロ』ではメイだけでなくお姉さんのサツキが物語の推進力として、大きく働いていたように思います。そう考えると、ほとんどの物語をくうちゃん一人で進めていく『未来のミライ』は画期的な作品だったと言えます。

ちなみに低評価の理由として、くうちゃんが子供っぽくないという点を挙げましたが、アメリカやヨーロッパでの公開の際には、それぞれの国の役者が声を当てている現地吹き替えバージョンが制作されています。声の演技の部分でも評価に差が生まれている可能性はありそうです。

プロの建築家も作画に関わるこだわり!

『未来のミライ』の忘れてはいけないこだわりのポイントとして、なんとプロの建築家が映画の制作に参加している点。くうちゃんが住む家のデザインを務めたのは、プロダクションデザインとして制作スタッフに名を連ねている谷尻誠さんです。

太田家の面々は、くんちゃんのお父さんが設計した家に住んでいるという設定であることは前述しましたが、この家、ちょっと変わった構造をしています。

建物は斜面に沿うように造られていて、段階的な高低差が設けられています。部屋の中央に中庭があり、そこに物語のキーとなる白樺の木が立っています。まるで家の中に木があるようです。

子供の目線より少し高い段差で空間が区切られたこの家は、子供の頃に見る世界と大人になった時で違う見え方になる……主人公の成長が感じられる、そんな空間を心がけてデザインされたんだとか。

こういった細部へのこだわりも、高い評価を得る作品の深みに一役買っていると言えるでしょう。

まとめ

『未来のミライ』への評価は様々でしたが、そこには本作がいろんな視点から楽しめる要素があることを示している証拠とも言えます。低評価か高評価のどちらが正しいというよりも、人によって本作に対する評価に大きな差があることにも、面白さを感じられたら『未来のミライ』の味わいはより濃いものとなるでしょう。

実際に映画を鑑賞した人同士で本作の感想を言い合ってみるのも良いでしょう。思わぬ視点や発見に出会えるかもしれませんよ。

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