難解映画『ダ・ヴィンチ・コード』のネタバレあらすじ|原作との違いや実話という噂を解説!
映画『ダ・ヴィンチ・コード』は2006年に全世界で同時公開され、世界中で物議を醸し大注目されたアメリカ映画。
先にダン・ブラウンの同名小説が大ベストセラーとなり、原作の冒頭一文に「この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている」との文言があるためカトリック教会からボイコット運動の声も上がりましたほど。
トム・ハンクス、オドレイ・トトゥ、ジャン・レノと米仏の実力派俳優が揃い『ビューティフル・マインド』でアカデミー脚色賞を受賞したアキヴァ・ゴールズマンが脚本を手掛けました。監督はロン・ハワードです。
キリスト教の聖杯をめぐるミステリー映画ですが、ルーブル美術館での初の撮影許可を得た映画でもあり、全篇にわたりフランス・イギリスの美しい映像が楽しめる作品です!
それでは映画『ダ・ヴィンチ・コード』のあらすじをネタバレで紹介しますよ。
またキリスト教での事柄・人物の簡単な説明と、その暗号の謎解きを中心に徹底解説していきますね。
目次
映画『ダ・ヴィンチ・コード』について
映画『ダ・ヴィンチ・コード』はダン・ブラウン著作の長編推理小説で7,000万部の大ベストセラーとなったミステリー小説「ダ・ヴィンチ・コード」が原作。映画は『天使と悪魔』『インフェルノ』とシリーズ化されています。
批評家からは概ね否定的な評価を受けるも、2006年の映画興行収入ランキングでは第2位となり、多くの人が観た映画となりました。日本でも公開当時は話題となりましたので、観た方も多いのではないでしょうか?
ルーブル美術館の館長の死から始まる芸術、宗教、歴史が絡んだ壮大なミステリー映画。
キリスト教の聖杯をめぐるミステリーなだけに、キリスト教の知識がないと、その謎解きの面白さが十分に理解できない点もあるかと思います。
それでは映画『ダ・ヴィンチ・コード』について詳しく、ネタバレありで解説していきます。
10秒で分かる!映画『ダ・ヴィンチ・コード』の簡単なあらすじ
ルーヴル美術館で館長のジャック・ソニエール(ジャン・ピエール・マリエール)の射殺体が発見された。その死体は特異な形になっており、側には不可解な暗号が残されていた。
講演会のためフランスを訪れていたハーバード大学のロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)は、フランスの警部に呼び出され、宗教象徴学の専門家として捜査協力を求められる。
しかし、ソニエール館長の残したダイイングメッセージに名前があがっていたラングドンは、第一の容疑者だったのだ。
事件に巻き込まれてしまったラングドン教授は、殺害された館長の孫娘で暗号解読者のソフィー(オドレイ・トトゥ)と共に、事件の真相へと迫っていく…。
ファーシュ警部(ジャン・レノ)をはじめとするフランス司法警察に追跡されながら、暗号の謎を解き始めるふたり。その果てには歴史を覆す驚愕の真実があった……!
映画『ダ・ヴィンチ・コード』のネタバレあらすじ
【あらすじ①】ダイイングメッセージ~出会い~
ルーヴル美術館。黒いマントの男が館長のジャック・ソニエール(ジャン・ピエール・マリエール)に銃口を向けている。男が知りたいことを聞き出す為命を狙う。
「お前の所有権のないそれは、どこにある?」館長の答え「サン・シュル教会のローズ・ラインだ」(ローズ・ラインとは北極と南極を結ぶ経度の線のことで、その昔はパリが経度0地点だった。
翌朝、ソニエールの死体はレオナルド・ダ・ヴィンチの有名な素描「ウィトルウィウス的人体図」を模した猟奇的な形の死体で発見された。周囲に不可解な暗号を残して……。
出典:Amazon.com
ハーバード大学の宗教象徴学教授ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)は講演のためパリに来ていた。司法警察は、事件に対するラングドンの宗教象徴学者の立場での見解を聞きたいと協力を要請してきた。
しかし、実際はソニエール館長と会う約束していたラングドンを容疑者として疑い、逮捕するために呼んでいたのだ。
ソニエール館長の孫娘のソフィー・ヌヴー(オドレイ・トトゥ)の助力により、ラングドンはその場を脱する。
ソフィーは祖父の死の状態を自らに遺した暗号であると考え、ラングドンと共にその謎を解くことにする。
ジャック・ソニエール殺害の犯人シラス(ポール・ベタニー)とその黒幕は、かつてソニエールが隠したとされる聖杯のありかを追っていた。そして、シラスもまたラングドンたちを狙う。
【あらすじ②】キーストーン(クリプテックス)の暗号
出典:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント公式Facebook
ラングドンとソフィーは、ソニエールの謎の暗号からレオナルド・ダ・ビィンチ→「モナリザ」→「岩窟の聖母」と展示された絵をたどる。するとその絵の裏に〝百合の紋章〟のついた鍵(銀行の貸金庫の鍵)を発見する。警察の手から逃れ、そこに刻まれた住所の チューリッヒ保管銀行に二人は向かう。
厳重に警備されたその金庫の中身は、薔薇の模様のついた木箱だった。そして、その中にはクリプテックスが入っていた。クリプテックスとは、5列のアルファベットの正しい組み合わせなければ蓋が開かない瓶だ。しかも、その5桁の組み合わせの数は、なんと1200万通りもあり、それを解くのは難解なことだった。
一方、彼らを追う警察も迫っていた。銀行から間一髪のところで逃げ出したラングドンとソフィーは、このクリプテックスを開封するためにも、知恵を借りるためラングドンの知り合い、聖杯の探求に生涯を捧げる宗教史学者リー・ティービング(イアン・マッケラン)のところに身を寄せるのだった。
【あらすじ③】新たな協力者~聖杯の意味~
小児麻痺で足が不自由で両杖をついたリーは、シオン教会と聖杯に詳しい歴史宗教家。そして聖杯についての持論を展開していた。
一般的に聖杯とは、キリスト教の聖遺物のひとつで、最後の晩餐に使われたとされる杯と認識されているが、それとは違うものとしても考えられている。
杯は子宮で聖杯=キリストの血脈という考えで、リーはダビィンチの最後の晩餐の絵を示しながら、マグダラのマリアがイエスの連れ(妻)でその子孫もいる、ということをアツく語るのだった。
それを守ってきたのが、ルーブル博物館館長のソニエールだったのだ。彼はイエスの血縁の子孫を守るシオン修道会に属していたのだ。
一方、シラスはソニエールらシオン教会の幹部を4人も殺した。そして彼らから聞いた、聖杯があると思われるサン・シュル教会を夜中に訪問していた。怪しみながらも案内するシスターを遠ざけ、教会の床にあるローズラインの指定箇所を掘り起こすシラス。しかしそこに聖杯はなかった。シラスは怒りシスターも殺してしまう。
そのシラスが今度はリーの家に侵入してきた。ラングドンが最初に殴られ、拳銃を持つシラスが木箱を要求する。が、リーの一撃で状況は反転する。そしてシラスを倒し、拘束したのだ。木箱を見つめたラングドンは、その箱の埋め込まれた薔薇のプレートを外してみる。するとそこに書かれていた暗号の騎士・球体という単語から、ロンドンのテンプル教会を思いつくのだった。
リー、ラングドン、ソフィーは、聖杯を求めイギリスに向かうことになる。
【あらすじ④】聖杯のありか~ソフィー自身~
出典:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント公式Facebook
イギリスに降り立ったラングドンらは、イギリス警察に囲まれるが、リーの知恵でうまく切り抜けてにテンプル教会に着いた。
そこにはテンプル騎士団の墓があった。しかし、そこで拘束したはずのシラスが現れソフィーの首に刃物を向ける。執事のレミーが現れるが、彼はシラスを操る導師だった。
リーはレミーに連れて行かれたが、クリプテックスを持ってラングドンとソフィーは逃げきった。
しかしその後、シラスに殺しを命令していたと思われたレミーだったが、それは芝居で実は全ての黒幕はリーだった。リーはレミーも毒殺する。
そして彼は手先として使ったシラスを警察に密告し、シラスのもとに警察が来て弾丸の応酬の末、シラスも死んだ。リーはラングドンを泳がせ、聖杯のありかに行き着かせようとしていた。
ラングドンらは、テンプル騎士団の墓に何もなかったので、他の手がかりを探す。そしてラングドンは、暗号の示す 騎士とはアイザック・ニュートンのことだとわかった。
そして彼の墓のあるウェストミンスター寺院に向かう。シオン修道会の総長でもあったニュートンの墓に欠けている球体を探す二人。その前に現れたのはすべての黒幕リーだったのだ。
リーは「修道会は、末裔を表に出さなかった。だから君がその末裔だとこのクリプテックスを開けて証明しろ!」と迫る。しかしソフィーは、暗号のアルファベットがわからない。そこでラングドンは自分がやる、と手に取るのだ。しばらくすると彼は結局ダメだ!と放り投げた。慌てて杖も投げ捨て掴みに行くリー。その隙にソフィーは銃をとり、リーに向けた。
クリプテックスが床に転がり「聖杯の地図が失われた!」と嘆くリーの前に、警察官が一斉に突入した。そしてリーは、警察に逮捕された。
しかしラングドンは既に、暗号を解いていたのだ。ニュートンの墓に一つの球体が欠けていたことから思い浮かぶ5文字。それはA-P-PL-L-E。重力を発見したことにより、教会から憎まれ迫害されたニュートン。そのきっかけがりんごだった。
クリプテックスを開けて中の紙を読み「聖杯はロスリン礼拝堂にある」と確信した二人はそこに向かうが、その地下室にも聖杯はなかった。
だがここで新事実が発覚。太古からの古文書が見つかり、ソフィーはソニエールの本当の孫ではなかったとわかる。ソフィーこそが、最初につくられた王朝の直系であり、それはイエスとマグダラのマリアの末裔だった。
しかしマリアの棺が見つからなければ、その血縁を証明できるものはなかった。
あらすじ⑤ラストの衝撃
この投稿をInstagramで見る
二人はお互いに感謝し、それぞれの生活に戻るのだった。
ホテルで一人髭を剃るラングドン。顎をカミソリで切ってしまい、一筋流れる血の筋……。その時、ラングドンはひらめく。
パリ市中に描かれている地面のローズラインをたどっていくラングドンは、ルーブル美術館に到着する。まさしくそこが中庭にあるルーブル・ピラミッド。
ピラミッドの下には正対称にV字があった。そのピラミッドのはるか地下に、マグダラのマリアの棺が納められているのを思い浮かべたラングドンは、頭をたれて祈るのだった。
映画『ダ・ヴィンチ・コード』のキャスト
ロバート・ラングドン/トム・ハンクス
ハーバード大学の宗教象徴学教授。ソニエール館長に著書の推薦文を頼んだ縁があります。7歳のとき、井戸に落ちイエスに祈り助かった、と思っています
ソニエールの殺害の容疑者となり警察から逃れ、ソニエールの孫のソフィーと彼の死の謎を解くことになりました。
1956年7月9日生まれのトム・ハンクスは、日本人にも大好きな方が多いアメリカの俳優ではないでしょうか。
二度もアカデミー主演男優賞を受賞し数々のヒット映画に主演している他、監督としてもデビューしています。
ソフィー・ヌヴー/オドレイ・トトゥ
ルーブル美術館館長のジャック・ソニエールの孫として育てられました。イエス・キリストの血脈の末裔で本人は知りません。4歳のとき、両親と兄を交通事故で失っています。
以来、ソニエールのもとで育ったが、彼の行っていた儀式を見て以来、音信不通となっていた。ソニエールの死の日、何回も電話が来ていた。そして、暗号を見てルーブルに駆けつけ、ラングドンを連れて行く。
オドレイ・トトゥはフランスの女優で、大ヒット映画『アメリ』で主演を務めました。
『ダ・ヴィンチ・コード』が、ハリウッドデビューでした。その後も『ココ・アヴァン・シャネル』など日本でも人気の映画に主演しています。
リー・ティービング/イアン・マッケラン
シオン教会と聖杯に詳しい歴史宗教家。ラングドンの知り合いです。
シオン教会が、新世紀を迎えてもその聖杯のありかを明かさないので、シオン教会の総長であるソニエールをシラスを使って襲い、ありかを聞き出しました。オプスデイの導師のふりをしてシラスを騙す一方、ラングドンを利用しその暗号を説かせています。
イアン・マッケランはあらゆる演劇賞を受賞し、英国においては文化的な象徴として有名なイギリス俳優です。
べズ・ファーシュ/ジャン・レノ
この投稿をInstagramで見る
フランス警察の警部。オプスデイの一員。アリンガローサ司祭から「ランドグンの懺悔の告白を聞いた」という告発を信じ、ランドグンをソニエール殺しの犯人として捕まえようとします。ラングドンを無理やり犯人にしそうな怖い刑事でもあります。
1948年生まれのジャン・レノは、フランスの俳優で世界的な名優。代表作は『レオン』が一番知られています。さすが画面に出るだけで存在感がありますね。
シラス/ポール・ベタニー
アリンガローサ司祭のために動く狂信的な信者。肌や髪の色素が普通の人よりも薄い色素欠乏症で、周囲から「幽霊」と呼ばれていました。父の母への暴行を止めようとし、父親を殺してしまいます。
シラスが自分自身を傷つけていたのは、イエス・キリストが味わった肉体的苦痛を体に刻み付けるという信仰からくる行動だったのです。
1971年生まれのポール・ベタニーは、のイギリスの俳優です。身長が191cmもあり、舞台や声優(アイアンマンのJ.A.R.V.I.S.など)として活躍しています。ランドグンが、劇中よく述べていた「何を信じるのか」という問いをもっとも強く観客に考えさせるキャストでした。
『ダ・ヴィンチ・コード』の考察ポイントを徹底解説
出典:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント公式Facebook
それでは考察ポイントを解説していきます。
実話なのか?を考察
結論から言うと証明できるものはない、という点でフィクションです。原作の小説の「これは事実」という記述から、事実と思う人が多くいたということ。
ただ、ルーブル美術館はじめフランス、イギリスの歴史的建物を背景にしていますし、実在するオプス・デイという組織の名前が使われるなど、虚構と現実をうまく織り交ぜて作られています。
オプス・ディは実在しますが、映画のように活動しているシオン教会は実在しなかった、と認定されています。
しかしシオン教会の名前はあるにはあり、その創設者ピエール・プランタールは、自分がフランスの断絶した王家の末裔だと本当に信じていた人物で、それを証明しようと自ら様々な偽造文書を作ってしまったのです。
そこから生まれた小説「イエスの血脈と聖杯伝説」が小説「ダ・ヴィンチ・コード」の元ネタになっているのです。
イエスの末裔が生きていたら?という考えを持つ人が、いつの時代にもいるのかも知れません。
ト・ラングドンを演じているトム・ハンクスは「映画を見に行く人は、(主題を)真に受けると非常に大きな間違いを犯すことになるだろう。本当によくできた、楽しみがいっぱいの映画。決していやな気持ちにはならないよ」と語っています。
『ダ・ヴィンチ・コード』の暗号とは何だったか?
『ダ・ヴィンチ・コード』の暗号とはなにか?
それはソニエール館長が伝えたかった聖杯(マグダラのマリアの遺骨)のありかを伝えるものです。そしてオープニングのロゴ「DA VINCI CODE」が、まずVが1番に浮かび上がります。この映画の中心となるものがこのVなのです。
ダイイングメッセージの意味とは?
ソニエール館長は、聖杯(マグダラのマリアの遺骨)のありかを暗号で伝えました。
①その死体の形と底に書かれた文字
死体の形はダヴィンチの人形図を表していたので、これはダヴィンチを意味します。
文字の暗号を解くのはアナグラム(anagram)でした。
アナグラムとは、ある言葉の文字の順序を変えて別の語句を作るものです。
13―3―2―21―1―1―8―5Oh, Draconian devil!(おお,ドラゴンのごとき悪魔め!)
Oh, lame saint!(おお,役に立たぬ聖人め!) |
最初の数字の羅列はフィボナッチ数列を並べ替えたもの
なので、正しい配列にせよ、つまりアナグラムで読めという暗号だと気づく。
そこから「Leonardo daVinci」「 The Mona Lisa」が浮かび上がりモナリザの絵のところへ行くのです。
しかし、警察からラングドンに示された暗号には一文隠されていました。
それが
P.S.ロバート・ラングドンを探せ |
でした。
PSが追伸という意味ではなくプリンセス・ソフィーというソニエールがソフィーを呼んでいた呼び名でした。それで、ソフィーはラングドンを警察の手から助け、一緒に祖父が死に際に残したものを知るため行動したのです。
②「モナリザ」で見つけた暗号は?
SO DARK THE CON OF MAN(人の欺瞞 はかくも邪悪なり) |
この言葉はシオン修道会の基本理念を指す言葉でした。「教会が女性を見下し、男性が有利になるよう嘘をついて世界を欺いた」という意味も持つのです。
これもまたアナグラムで絵画Madonna of the Rocks「岩窟の聖母」のことだとわかります。
そして「岩窟の聖母」の絵のところでユリ模様のキー(チューリッヒ保管銀行の鍵)を見つけます。
③キーストーン(クリプテックス)のを開ける暗号は?
出典:Amazon.com
その貸金庫にあったのが、薔薇の木箱に入ったクリプテックス(cryptex)です。シラスはキーストーンと呼んでいました(日本語字幕)。
ここからは、このキーストーン(クリプテックス)を開ける暗号を探していくのです。
クリプテックスは、五文字のダイヤルを正確に揃えたら開きますが、無理に開けると中に入ったビネガーが飛び散り、秘密が書かれたパピルス(紙)が溶ける仕組みになっているのです。クリプテックスは映画の中では、ダヴィンチの発明とされていますが、はっきりとはわかっていません。
薔薇の木蓋の暗号を見つけた!
出典:IMDb
しかしクリプテックスを開ける5文字が見つけ出せないなか、木箱の薔薇模様に下を開け、金属部分の暗号を発見するのです。
そして出てきたのが鏡文字の文章です。それを判読すると
In London lies a knight a Pope interred.(教皇の葬った騎士がロンドンに眠る)His labor’s fruit a Holy wrath incurred.(彼の者の労苦の果は神の怒りを被る)
You seek the orb that ought be on his tomb.(その墓を飾るべき球体を探し求めよ) It speaks of Rosy flesh and seeded womb.(それは薔薇の肉と種宿る胎とを表す) |
この4行詩にクリプテックスの開け方のパスワードがあるということです。
この文章が意味する教皇が葬った騎士が眠るという教会はどこか?そして教皇がテンプル騎士を葬ったテンプル教会があるイギリスへ向かうことになります。
しかしテンプル教会を探すも、何も見つかりませんでした。
キーストーンの5文字の暗号は何だった?
そして次に騎士はテンプル騎士団ではなく、ニュートンのことだ、と気づいてニュートンの墓のあるウェストミンスター寺院に向かいます。
ニュートンといえば、重力の発見です。この新しい科学上の発見は、天動説を正しいと唱える教会の怒りを買ったのです。その墓を飾るべき球体と言えばはリンゴ以外ない!5文字はapple。
The Holy Grail ’neath ancient Roslin waits.(聖杯は古のロスリンの下で待ち)The blade and chalice guarding o’er Her gates.(その門を剣と杯が庇い護る)
Adorned in masters’ loving art, She lies.(匠の美しき芸術に囲まれて横たわり) She rests at last beneath the starry skies.(ついに星の輝く空のもとに眠る) |
そしていにしえのロスリンが、パリの地面にあるローズ・ラインだと気づく感動のラストです。
あれほど探し求め、そしてついに守り抜いた聖杯は、始まりの地に静かに眠っていたのです。
剣はルーヴルのガラスでできた逆さピラミッドのことであり、杯はその真下にある小さなピラミッドの先端のことであり、その下が巨大なピラミッド型の地下室になっていました。
聖杯とは何か?
聖杯と聞いて「カップなの?」と言っていたソフィーのように思っている方は多かったと思います。ミサ聖祭のとき、聖別されたぶどう酒を入れる杯や最後の晩餐(ばんさん)に用いた杯というのが物質的な杯としての説明です。
ただ映画でも描かれていたように、それを持つことによる権力や財力という面もありました。リーは、杯Vは子宮を意味し、聖杯はイエスの妻であるマグダラのマリアの子宮でその子孫をさす、という解釈をしていました。
マグダラのマリアとはどういう人物か?
マグダラのマリアには、一般的に娼婦だった信徒というイメージがあります。
聖書には明記されていないのに、そのようなイメージを後からつけた、ということも映画では言っていました。聖書の記述でいくと、イエスに付き従った女性弟子であることは間違いなく、復活したイエスに最初に会ったのもマリアとされています。
調べてみると、イエスとの結婚を伝える種々の伝承があるという文言も見受けられました。
ローマ・カトリック教会では男性原理を重視し組織形成していたため、マグダラのマリアをイエスの死と復活を見届ける証人であるとともに、悔悛した罪深い女としています。
一方、ギリシャ正教会では、このような罪深い女との同一視はしていません。
このようなマリアに対する見方がある、ということを知って見るとわかりやすいと思います。
「レンヌ=ル=シャトーの謎」「マグダラのマリアと聖杯」など、イエスとマグダラのマリアが結婚していたというフィクション小説は「ダ・ヴィンチ・コード」の以前にも発表されています。
敵対する勢力の構図の解説
出典:IMDb
シオン修道会とは?
- マリアの娘の墓を守り、その血縁の末裔を守る組織
- ソニエール、レオナル・ド・ダヴィンチ、ニュートン
- 1000年前から存続する秘密結社。
- 異教や女神崇拝、マグダラのマリアを信仰する。
カトリック教会の組織オプス・デイとは?
- アリンガローサ司祭、シラス、
- マリアが眠る墓を探し当て、遺骨をこの世から消滅させようとする。
- 原理主義
イエス・キリストは神の子か、人間か、というキリスト教の根本的な対立関係です。
黒幕の犯人・リーの動機は?
出典:IMDb
シラスを使ってソニエールらを殺したのは リーでした。なぜ、このようなことをしたのか、 リーの動機を探っていきましょう。
イエスは神ではなく人間であった、この証明のためにイエスの血脈の証である聖杯を探したわけです。
「シオン教会は新世紀の幕開けに後継者を表すべきだった。しかし、その役目を果たせなかった。だから自分が表す」と言っていました。
ローマ・カトリック教会の根本を揺るがしその権威を地に落とし、マグダラのマリア信仰を真実のものとして世界に公表したかったのです。
リーは自分の信じることのためには、人を殺しても良い、とも述べていました。しかしその考えで、宗教上の戦いが繰り返していた人類の歴史であることも、恐ろしいことだと思いました。
まとめ
出典:Sony Pictures Home Entertainment公式Facebook
衝撃的なダイイングメッセージから始まる映画『ダ・ヴィンチ・コード』。次々と暗号を解きながら進んでいく展開に、ワクワクします!
ただ、キリスト教関係の知識がないと理解するのが難しく感じるところもあるかもしれません。こちらの解説が参考になれば幸いです。
最後のシーンでもう一度ルーブル美術館が出てくるので、また最初から見たくなること間違いなし。
ソフィーがロスリン礼拝堂で言った「人間って結局、誰を守るのか、何を信じるのか」というセリフが心に残ります。
ルーブル美術館が初めて撮影を許可した映画でもあり、フランスやイギリスの歴史ある建物なども、私達を別世界へ連れて行ってくれますよ。
映画『ダ・ヴィンチ・コード』をぜひ、お楽しみくださいね。