【ネタバレ有】SNSで話題の映画『レリック』!老いをテーマにした斬新なホラー
『レリック-遺物-』はSNSで話題を呼んだホラー映画。老いをテーマに繰り広げられるストーリーが高い評価を受け、多くの人から支持を得ています。
田舎町を舞台に、主要キャラクター3人が繰り広げる予想外の展開。終始暗い雰囲気が流れ、一時の緊張も許さぬ重々しさ……。
“THE・ホラー”なテイストを忘れない中で、今までにない要素を盛り込んだ新感覚の作品です。
物語はただ視聴者を驚かし、恐怖を煽るだけではありません。人間が避けられぬ「老化」や「親子関係」と繊細なテーマを扱っているのも、『レリック-遺物-』の魅力。
どんなストーリーなのか?作中では明かされない謎は一体何だったのか?ネタバレを含みながら紹介、そして考察をしていきます。
特に視聴済みの方は、この記事で疑問を解消してみませんか?
目次
映画『レリック-遺物-』について
本作は2020年1月にサンダンス映画祭でプレミアム上映後、7月に全米公開されました。
当初は3月に大型イベント「サウス・バイ・サウスウェスト」にて上映予定でしたが、コロナウイルスの影響を受けてあえなく延期に。満を持してスクリーンへ登場し、公開初週で約2600万円の興行収入を獲得。3週連続で週末興行収入1位をキープ、最終的に約4億35万円と驚きの数字を記録したのです。
かつてのホラー映画には見られなかったテーマ「老い」を扱い、独自の世界観が多くの人の心を鷲掴みにしました。
批評家からも高い評価を受け、物語のきめ細やかさや丁寧な描写が絶賛されているようです。
監督・脚本はナタリー・エリカ・ジェームズ。実は今回の作品が自身初となる長編映画!
新人監督に注目が集まったのも、『レリック-遺物-』が大きな話題を呼んだ理由の一つなのでしょう。
スタッフ陣にも女性を多く揃え、映画作りの新しい風を吹かせた彼女。大きな飛躍が期待されているため、今後もどんな作品を手掛けるか楽しみですね。
10秒で分かる!映画『レリック-遺物-』の簡単なあらすじ
田舎町にて一人暮らしをするエドナ(ロビン・ネヴィン)が突然の失踪。急なことで驚いた娘のケイ(エミリー・モーティマー)、孫のサム(ベラ・ヒースコート)は誰もいない家で帰りを待ち、捜索願を出しました。
家の中には大量のメモ書きが発見され、2人はようやくエドナが認知症に苦しんでいることを知ります。
数日経っても彼女は現れず大きな不安に襲われた時、何の前触れもなくエドナはキッチンに姿を現しました。
これで一安心かと思いきやエドナは様子がおかしく、奇妙な行動を繰り貸す一方。
認知症の悪化によるものと考えたケイは老人ホームへの入居を検討するものの、明らかに本来の彼女とは異なり、「老化」の一言で片づけられないほどです。
サムは祖母を思って行動を始めますが、そこにはある暗い過去が隠されており……。
映画『レリック-遺物-』のネタバレあらすじ
『レリック-遺物-』のあらすじをネタバレありで解説していきます。
核心に触れているので観鑑賞の方はご注意くださいね。
【あらすじ①】祖母の失踪
田舎町の一軒家に住むエドナ(ロビン・ネヴィン)が突如姿を消した。
心配な娘のケイ(エミリー・モーティマー)と孫のサム(ベラ・ヒースコート)は彼女の家へ向かう。
家の中は散らかっていて掃除もされていないような雰囲気。祖母の姿はなく、部屋のあちこちに大量のふせんが貼られていた。
警察へ向かったケイは担当者と今回の件について話をする。エドナは物忘れが激しくなっており、昨年は家を水浸しにしたらしい。
認知症の疑いがあるものの、彼女は多忙により母との連絡が疎かになっていた。その結果がこれである。
悪天候の中捜索をしてもエドナは一向に見つからない。
しばらくはこの一軒家で過ごすことになるが、ある夜壁に黒い奇妙なシミを発見し2人は気分が悪くなる。
部屋の中では何かを叩く音まで聞こえ、家の中までもが非常に不穏な雰囲気だ。
ケイはエドナと最後に連絡を取った際に、彼女が何かに恐怖を覚えているような素振りだったことをサムに話す。
けれどもケイはその問題を放置していたため、サムは母の対応を指摘した。
【あらすじ②】変わり果てたエドナ
配給会社トランスフォーマー公式サイト『レリック-遺物-』紹介ページ
ケイが悪夢にうなされて目を覚ました朝、エドナは家で姿を現した。
何事もなかったかのようにキッチンでお湯を沸かす彼女。その様子を見て一安心するケイだが、全身が汚れ、靴さえも履いておらず……。
健康状態をチェックすべく医者に診せるが、エドナは胸元にできた黒いシミのようなアザを露出したがらない。
ぶつけただけとはぐらかすもののどこか様子がおかしい。どこへ失踪していたのか場所も言わず、ケイは徐々に苛立ちが増していく。
その度にサムは母を落ち着かせ、愛する祖母に気を遣っていた。
多忙なケイが持ち帰った仕事を片付ける傍らで、サムは一冊のノートに書かれた絵を発見する。
ノートの中はケイが描いたものであり、その中で丁寧に書き込まれた山小屋のイラストに目が留まった。
かつて山小屋は敷地内に存在し、曾祖父が独りで住んでいたそうだ。その間彼は認知症になったらしいが家族は誰も面倒を見ていなかったらしい。
この建物は取り壊され、後に窓の一部を一軒家に使用したのである。
今は存在せぬ山小屋の話をしながら、ケイはメルボルンへ老人ホームの見学へ行く旨を伝えた。
サムは入居に反対だが、物忘れの激しい母をこのままにはできない。母と娘の意見は食い違うも「こうせざるを得ない」状態なのだ。
【あらすじ③】加速する奇行、疲れ果てる家族
サムの意見に少し揺れていたケイだが、実の母の行動に耐え切れず怒りを露にしてしまう。
何かに怯えるエドナを理解できず、加齢による物忘れが進行したと思い込んだケイは老人ホームへ。
対するサムは一緒に暮らそうとしない母へ疑問を抱いている。精一杯エドナを気遣い、楽しく暮らそうと努力するも祖母は些細な出来事にて態度が急変。
昨夜サムへプレゼントした指輪を「盗んだ」と言い出し、激しく激昂するエドナ……。あまりの事態にサムは動揺を隠せない。
エドナの奇妙な言動は変わらず、次はクローゼットの方を見ては怯えていた。
呆れ果てるケイ。しかし、その晩はまた悪夢にうなされることとなる。
夢の内容は例の山小屋でやせ細ったボロボロのエドナがベッドに座り、黒いシミが部屋中に現れるもの。
すでに疲労困憊の彼女には刺激が強い嫌な夢。そんなケイに追い打ちをかけるべく、エドナの奇行は加速していく。
【あらすじ④】孤独を抱えた彼女の本音
配給会社トランスフォーマー公式サイト『レリック-遺物-』紹介ページ
豹変し攻撃的になった祖母のことを悩むサム。
近頃隣の家に住むジェイミー(クリス・バントン)がエドナと距離を置いている件を思い出し、彼の父・アレックス(ジェレミー・スタンフォード)に話を聞いた。
ジェイミーは過去にエドナの話し相手になるなど、仲が良かったのだ。
今になって関係が崩れたのはエドナがかくれんぼをして遊んでいる最中、彼をクローゼットに閉じ込めたらしい。
アレックスが息子を探しに行くも、エドナは「ジェイミーを見ていない」と言ったとのこと……。
結局アレックスが彼の叫び声を聞き、閉じ込められた事実を確認したことからエドナと距離を置くよう忠告したのである。
祖母の驚きの行動を知ったサムは謝罪するも、真実を受け止められないでいた。
その間、ケイが在宅中エドナが森の奥へ歩いているのを見かける。
急いで後ろを追いかけるとアルバムの写真を食べており、奇行を止めようとすると手に噛みつく。
軽い揉み合いになり、エドナは「ここなら安全」と言い、土の中にアルバムを埋めようとした。
奇行についていけないケイだが、アルバムを必死に隠す彼女の口からは本音が溢れていた。
「(山小屋の)窓は嫌い、通る時に見るのもイヤだった。あの家には何か冷たいものがあるから」
「あれ(山小屋)は私を待っているのかも。弱って孤独になるのを。だから捕まらないように自分を埋めたい」
「できるなら帰りたい。元来た道を。何もかも失っていくんだわ」
ケイは母の想いを知り、今まで手が回っていないかったことを謝罪。これからはメルボルンで一緒に暮らそう、とエドナを抱きしめるのだった。
【あらすじ⑤】
アレックスの話を聞いたサムは帰宅後、クローゼットに何かがあると踏んで調べ始める。
するとクローゼットは巨大迷路のような空間になっており、あちこちに見覚えのある「ふせん」が……。
迷い込んだサムは出口を探すも見つからず、あの黒いシミを発見し恐怖で気が動転していた。
一方でサムと連絡が取れず疑問に思うケイ。エドナの調子はさらに悪化しているようで食事も取らず、リビングで失禁までする始末。
その際に尿がドス暗く濁っており、違和感を抱いたケイはお風呂場に行った母を追う。
入浴中のエドナは一切反応せず水を出しっぱなし。そして胸の黒いシミは範囲が広がり、濃さを増していた……。
明らかに様子がおかしな彼女を追いかけると今度はナイフで自分の顔を傷つけている。
恐怖で走り出したケイは巨大迷路から脱したサムと再会し、後ろから迫りくるエドナから逃亡することに。
「あれはもうお母さんじゃない」。そう、エドナの姿はすっかりと変わり果てていた。
どうにか出口を探し、心を鬼にして実の母をパイプで殴って気絶させたケイ。無事に一軒家からの脱出は成功したものの、中にはまだ彼女が残っているのだ。
母を見捨てられないケイは娘の抑止を振り払って室内へ。変わり果てたエドナの体を持ち上げベッドへ寝かせると、既に皮膚や髪の毛が抜け落ちていた。
全ての皮膚を剥ぎ、真っ黒な状態になったエドナ。
寄り添うようにケイがベッドへ寝転がるとサムも室内に現れ、祖母・娘・孫と3人川の字になって寝そべった。
するとサムはケイの首筋に「例のシミ」と全く同じものを発見するのだった……。
映画『レリック-遺物-』の登場人物・キャスト
本作は主に3人の女性エドナ・ケイ・サムを中心に展開されます。
それぞれのキャラクター性や演者についても触れていきましょう!
エドナ/ロビン・ネヴィン
忽然と姿を消したエドナ。何の前触れもなく帰宅したものの、明らかに様子がおかしくなっていたのです。
彼女の過去や本来の性格についての描写はありませんが、元々は明るい人物だったのではないでしょうか。
性格に難ありだとすれば、サムも好意的には接していないはずです。
エドナは曾祖父の件を後悔していました。自分が老いることで同じ立場になり、ようやく山小屋で独り取り残された彼の気持ちがわかったのです。
果たしてどこまでが物忘れによる症状だったのか、それとも全て“何か”に取り憑かれていたから豹変したのか。その点については一切明かされていません。
エドナを演じるのはベテラン女優のロビン・ネヴィン。オーストラリア版『マイ・フェア・レディ』や『マトリックス リローデッド』等多数の作品に出演されています。
ロビンの出演作は日本未公開映画も多いため、気になる方はチェックしてみましょう。
ケイ/エミリー・モーティマー
疎遠、とまではいかなくとも母親との関係が薄れつつあったケイ。多忙によって連絡が疎かになっていました。
突然の失踪に驚きながらも、母を思いやれなかった自責の念に駆られていたのかもしれません。
またエドナの認知症がケイを疲れさせる原因だったのでしょう。
仕事にも身内にも気を向けねばならない。自分の行いを後悔しつつ、胸の内はとても複雑な思いが絡んでいる様子が伺えました。
けれども親は血の繋がったかけがえのない存在。エドナを看取り、最後まで傍にいた彼女からは大きな愛を感じましたが……。
腐食の運命は避けられないのか、ケイもまた同じ結末を辿ることとなるのです。
ケイを演じるのはイギリス出身の人気女優・エミリー・モーティマー。
『スクリーム3』、『シャッター・アイランド』、『マイ・ブックショップ』など多数の映画を中心に出演中。ジャンルを問わず様々な作品への参加が特徴です。
サム/ベラ・ヒースコート
ケイの多忙さを目の当たりにし、エドナの苦しみも知ったサムは非常に中立的な存在。どちらの気持ちも分かるからこそ、少々板挟みになっていたように思えます。
ケイへ苦言を呈するシーンもありましたが、彼女の苦労が分かるからこそ強く言えません。
祖母へ協力的な姿勢を見せますが、あまりの豹変ぶりに驚いてしまいます。どうにか原因を探るべく動き出すものの、クローゼットの奥で恐怖と直面。
騒動のあと母が同じ運命を辿ることを知って、彼女はどう感じたのでしょうか。
受け止めることが難しい残酷な現実を、サムは鋭く突きつけられたのです……。
サムを演じるのはオーストラリア出身の女優、ベラ・ヒースコート。2008年のデビュー後、わずか2年目にして期待の若手へおくるヒース・レジャー・スカラシップ賞を受賞。
それ以来『ダーク・シャドウ』や『ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密』と様々な作品へ出演。彼女の美しきルックスには思わず釘付けになってしまいますね!
『レリック-遺物-』の作中では明かされていない謎を考察
鑑賞後「あれは一体どういうことだったの?」と疑問が浮かびやすい『レリック-遺物-』。
実際に作中で明確になっていない謎も多く、そのすべては視聴者の解釈に委ねられているのでしょう。
あくまで個人の見解で考察しているため、以下の内容が必ずしも真実とは限らないので参考程度に見ていただけると嬉しいです。
『レリック-遺物-』に残された数々の疑問を、あなたはどう思いましたか?
『レリック-遺物-』の謎①エドナは本当に認知症だったのか
登場人物紹介の項目でも軽く触れていますが、エドナは本当に認知症だったのでしょうか。
行動を見ていると明らかな物忘れとも取れますが、気になったのは医師の質問シーン。
しっかりと答えており、隠すところは隠す。毅然とした態度が意図的な行動のように思えました。
実は認知症ではなく、曾祖父の憑依だとしたら……。
「まだエドナは自己を持っているが、たびたび憑依されて不可思議な行動をする」という可能性も考えられます。
彼女が怯えていたのはもちろん“死”もあるとは思いますが、山小屋に閉じ込められた曾祖父の怨念や呪い。
小屋の前を通るたびに気持ちが悪かったのは、孤独になった彼の念があの場所にまだ残っているから。
それを嫌というほど感じ取り、死へと近づく自分を追いかけている……。そんなことを分かっていたのかもしれません。
まとめると
- エドナは恨みを持った曾祖父に憑依された
- 彼の怨念や呪いを感じ取っていた
- 老いていく自分を曾祖父が後ろから追ってきているのを分かっていた
ということになるため、一概に認知症の一言では片づけられないのです。
『レリック-遺物-』の謎②なぜエドナ、ケイへと曾祖父呪いが遺伝しているのか
ケイにとってあくまで曾祖父の件は聞いた話でしかありません。
当事者はエドナの世代であることを考えると、彼女はばっちりを受けているようにも思えます。
この件について山小屋についていたステンドグラスが原因かもしれません。
曾祖父が亡くなった後、このアイテムを一軒家のドアにはめ込んだことが災いしている可能性大。
これは曾祖父の「遺物」とも言えます。
恨み、つらみが籠ったものを家の入り口に貼り付けていれば、彼の怨念が入りこんでそのままになってもおかしくはないですよね……。
あのステンドグラスがきっかけとなり、クローゼット(=閉じ込めることが可能なもの)の巨大空間が出来上がったということも考えられます。
呪いは一族全てにかかっているため、これからも遺伝し続けるのでしょう。
『レリック-遺物-』の謎③黒い人は誰?
たびたび現れる黒い人、これはきっと曾祖父でしょう。壁の黒いシミやアザも全て曾祖父の呪いを意味するもの。
黒い人がチラつくのは曾祖父の怨念が残り続けて、成仏しきれていないということです。
「ベッドの下に何かいる」とエドナが怯えていたのも彼(曾祖父)だから……と考えれば、色々と納得がいくでしょう。
『レリック-遺物-』の謎④意味深なラストシーンが示したいもの
ぼろぼろになったエドナを見て、ケイは自らの手で母親の皮膚や髪の毛を剥ぎました。
皮膚と髪の毛は簡単に剥がれ落ちる様子は何とも言えない悲しさがありましたね。
このシーンは単純に「老い」と「死」の表現。
儚く脆く散り、永遠の眠りにつくエドナと、残されていく家族の姿を重々しく描いているのです。
それだけではありません。彼女が亡くなったあとは3人がベッドの上で川の字になり、エドナ・ケイ・サムが横並びに。
まるで死の順番を表現しているかのような構図は、とても印象に残ったことでしょう。
そして重要なのは例の黒いシミ。サムが家の中で気味悪く感じたものが母の体に浮かんでいます。
「次はあなた」と言われているかのようなラストは、終わらない絶望と恐怖の遺伝を示唆するということです。
『レリック-遺物-』の魅力はどこにあるのか?
考察が必要なことから、『レリック-遺物-』は少々好き嫌いが分かれる作品かもしれません。
それでも評価が高く、多くの人から支持を得る理由はやはり数々の魅力があるからでしょう。
本作鑑賞後に感じた作品の魅力的かつ注目ポイントをご紹介します。
従来のホラーにはない斬新なテーマ
本作のテーマは「老い」ですが、従来のホラー映画にはなかった斬新な発想です。
認知症患者とその家族といったデリケートな問題を取り扱いながら物語が進行。
その合間合間にサスペンス、ホラー要素を盛り込み、丁寧に仕上がっているのも評価を受けるポイントですね。
ただ雑なだけの世界観設定ではなく、重要な部分が一切ブレることないまま恐怖が増していくのも◎!
『レリック-遺物-』を一言で表すなら「考えさせられるホラー」。
私たちがつい目を背けたくなるような現実的なテーマ。実に挑戦的で新鮮でした。
終始流れる重苦しい雰囲気が◎
ホラー映画では重々しい空気を感じたい……。あくまで筆者の思いですが(笑)
『レリック-遺物-』は元祖ホラーのイメージを一切壊さない雰囲気が魅力的。
コメディシーンは一切なく終始張りつめた空気が流れ、ピリッとした緊張感がより恐怖を増長させるのです。
画もどんよりとしていて暗め。目の前にある、物事の重さを視聴者に理解させるには十分すぎると言えましょう。
視聴者に委ねる考察の多さ、味わい深いシナリオ
先ほども説明した通り、本作は自分で考察をする部分が多いもの。
ただなんとなく観ているだけでは分からなかったの一言で終わってしまいますが、鑑賞後「あのシーンはああいう意味だったのかな」と考えるのが好きな人にとってはたまらないはず!
色々な考えを張り巡らせたうえで再鑑賞すると、また違った楽しみ方を発見できるかもしれません。
作中で明かされない謎があると「?」となりやすいですが、冷静に考えるとゾッとすることも……。
考えれば考えるほど味わい深い、『レリック-遺物-』は“スルメ系映画”であることに間違いないでしょう。
まとめ
ホラー映画『レリック-遺物-』について解説しました。
難しいテーマを掲げながら丁寧に作りこみ、約90分で纏め上げたナタリー・エリカ・ジェームズには脱帽です。
批評家が監督に対し「匠の技」という表現をしていましたが、その言葉の意味もつい納得してしまいますね。
一度ではなく二度三度繰り返し鑑賞することで、より物語の奥深さを感じられるでしょう。
本作は「考察をすること前提」でご覧ください。鑑賞後にシーンをプレイバックしながら考える瞬間は、他にない楽しさを味わえますよ。