映画『ONE PIECE FILM RED』のネタバレあらすじ解説!あの曲は実は有名アーティストの提供曲だった!
ついに劇場版のワンピースシリーズに本格的にシャンクスが乗り込んできた!
2022年最大のヒット作品となった『ONE PIECE FILM RED』では映画オリジナルキャラクターのウタの登場に加え、これまでの人気キャラクターの参戦、さらには作中でも屈指のキーキャラクターであるシャンクスが登場しました。
これだけのヒット作となった要因は果たしてどこにあったのか?改めて『ONE PIECE FILM RED』の内容から振り返っていきましょう。
目次
映画『ONE PIECE FILM RED』とは
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
『ONE PIECE FILM RED(ワンピース フィルム レッド)』は2022年8月6日に劇場公開された劇場版『ONE PIECE』シリーズ第15弾です。
監督を務めたのは、かつて初めてのワンピースのアニメ化作品であるOVA『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』(1998)を監督した縁もある谷口悟朗氏。他にも『スクライド』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』などで知られている人物です。
脚本を務めたのは『ONE PIECE FILM GOLD』(2016)にも参加していた黒岩勉氏です。
そして忘れてはいけないのが、総合プロデューサーとして原作者である尾田栄一郎氏が参加していることにあります。各種細かい設定なども原作者のチェックが入っており、原作やアニメシリーズにも未登場だった新事実などが先行して盛り込まれていました。
本作の興行収入は日本だけでも197億円に到達し、日本の2022年公開作品の興行収入ではぶっちぎりの首位となり、もちろんワンピースの映画としても最も成績の高い作品となりました。
10秒で分かる!映画『ONE PIECE FILM RED』の簡単なあらすじ
かつて悲劇が起こったとされるいわくつきの音楽の島・エレジア。そこで今世界で最も愛されている歌手、ウタが初めて公の前に姿を現してライブが開催されます。世界中から多くのファンが集まる中、ルフィ率いる麦わらの一味もそこへやってきていました。
ライブの開始からまもなく、ルフィはウタが幼い頃にシャンクスとともにフーシャ村を訪れていた幼馴染だったことに気づきます。かつてルフィは、ウタは夢を叶えるために船を降りたとシャンクスから聞かされていました。
しかしかつてウタは活気に溢れるエレジアの王国が壊滅に瀕する事件に関わっており、このライブにもウタの密かな思惑が隠されていました──。
映画『ONE PIECE FILM RED』のネタバレあらすじ
【あらすじ①ウタのライブがスタート!】
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
音楽の島エレジアで世界の歌姫・ウタの初めてのライブが大々的に開催される。大勢のファンが集まる中に、ルフィ率いる麦わらの一味の姿があった。
ウタの生歌に魅了される面々だったが、実はウタはルフィの幼馴染であり、高額の賞金首である四皇のシャンクスの娘だったことが発覚する。
これを受けウタを連れ出そうとする海賊が次々と姿を現す。ウタを守るべく応戦する麦わらの一味だったが、ウタは援護も無用と言わんばかりの圧倒的な強さで海賊たちを捕らえてしまった。
海賊の娘と聞いて不安を感じたファンたちも、海賊たちを一掃する様子やウタの言葉に安堵するのだった。
【あらすじ②豹変するウタ】
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
幼い頃にウタが急に居なくなったことを思い出すルフィ。ウタとシャンクスの間にはルフィが知らないなにか事情がある様で、ウタはルフィに海賊をやめるように促した。
ルフィはそれを断りエレジアを出発しようとしたところ、ウタはそれを拒み麦わらの一味を捕らえようと動き出した。
ウタの力で捕らえられた一味たち。そんな中、ルフィはエレジアに来ていたバルトロメオやローたちによって、ウタの手から逃れるのだった。
対策を練るルフィたちの前に現れたのは、かつてのエレジアの国王ゴードンだった。ウタを育てたゴードンは、ルフィたちにウタを救うように求めたのだった。
【あらすじ③ウタの世界での画策】
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
ウタの行動に対して、ついに大量の海軍の軍艦がエレジアに到着する。続々と島に乗り込む海兵たちが発見したのは、ライブの活気ではなく眠りにつく観客たちだった。
実はウタの歌声を聞いた観客たちは、ウタウタの実の能力によってウタの作り出した仮想空間へと送られてしまったのだ。ウタの真の目的は、自らを犠牲にして人々を争いのない自分の仮想空間に閉じ込めることだったのだ。
その仮想空間では、CP0やSWORDの活躍により捕らえられた海賊たちもウタの捕縛から逃げ出すことに成功。ウタに対抗するべく協力関係を結ぶことになる。
ウタの理想の世界を喜んでくれると思われた観客たちも、ウタの天竜人への対応などから不信感を覚える人が増えてきていた。それに戸惑うウタはさらに暴走を加速させる。
【あらすじ④トットムジカの復活】
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
ウタの世界から逃れるべく、ルフィたちは再びウタに挑む。
一方、仮想世界でも現実の世界でも追い詰められ始めたウタは、ついに封印された力であるトットムジカの力を解放する。
決死のウタの一撃がルフィに放たれたのだが、それを止めたのはゴードンだった。実はかつてエレジアを滅ぼしたのはウタが解き放ったトットムジカで、シャンクスがその罪を被っていたのだ。
ウタが絶望を感じる最中、現実世界でついにシャンクス率いる赤髪海賊団が駆けつける。シャンクスは今もウタのことを娘として大事に思っていたのだ。
【あらすじ⑤戦いの終結】
現実世界と仮想世界でトットムジカへの総攻撃が始まる。ルフィとシャンクスの攻撃によりついにトットムジカの撃退に成功するのだった。
しかしルフィたちは現実世界に未だ戻れないでいた。
すでに衰弱した状態のウタは力を振り絞り歌を歌い出す。その歌声をきっかけに人々は現実世界に帰ってくるのだった。
シャンクスの覇気によりその場は収められたエレジア。ルフィが気づいた頃には、すでにシャンクスの船は遠くにあり、ウタの元気な姿は見えなかった。しかし、ウタの歌声は今も多くの人々に聞かれ続けていくのだった。
映画『ONE PIECE FILM RED』の登場人物・キャスト
ルフィ / 田中真弓
出典:尾田栄一郎公認ポータルサイト ONE PIECE.com
麦わらの一味の船長が“麦わらのルフィ”の異名で知られるモンキー・D・ルフィです。ゴムゴムの実を食べたゴム人間としても知られ、伸縮自在の身体を駆使して戦います。
幼い頃に出会った海賊・シャンクスに命を救われた過去を持ち、シャンクスからは立派な海賊になっていつか返しに来るようにと麦わら帽子を預かっています。
楽観的で向こう見ずな性格から、安易に敵に突っ込んでいってしまうこともしばしばある一方で、どんな権威や強敵でも必要があると感じれば真っ向から挑んでいく豪快さを持っています。
ルフィの声を演じているのは『ドラゴンボール』シリーズのクリリン役や『忍たま乱太郎』のきり丸役で知られる田中真弓さんです。
ウタ / Ado、名塚佳織
『ONE PIECE FILM RED』で初登場となった世界の歌姫がウタです。ウタウタの実を食べたことで、自分の歌声を聞いた人間を自らが作り出した仮想空間へ閉じ込めることができる能力を持っています。
性格は明るく、世界中で苦しむ人々を幸せにしようという優しい思いを持っている一方で、その考えを拗らせた結果、政府をも動かす大事件を引き起こすことになります。
幼い頃にシャンクスの娘として海賊団の一員として船に乗っていましたが、音楽の島エレジアを訪れた際に島が壊滅する事件が起きたことをきっかけに離ればなれになっています。ウタの声は2名によって演じられる変則方式を採用しています。
通常の会話シーンは『エウレカセブン』のエウレカ役や『コードギアス 反逆のルルーシュ』のナナリー役で知られる名塚佳織さんが担当。
歌唱シーンは顔を出さず歌い手として活動し、「うっせぇわ」の大ヒットなどを果たしたAdoさんが担当。多様なアーティストが提供した楽曲を見事に歌いきっています。
シャンクス / 池田秀一
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
赤髪海賊団の大頭であり、強大な海賊である四皇の一角として君臨する人物がシャンクスです。
幼い頃にルフィの命を救うため左腕を失うことになり、その事件の際に幼いルフィに麦わら帽子を預けた作中でも重要な人物。
普段はお調子者で大らかな性格をしている一方で、仲間が傷つけられた際は怒りの表情を見せたり、圧倒的な実力を見せます。
原作ではあまり出番が多いキャラクターではなく、戦闘描写もあまり描かれなかったのですが、今作ではガッツリと出番が設けられています。
シャンクスの声を演じるのは『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブル役や『名探偵コナン』の赤井秀一役などで知られる池田秀一さんです。
トラファルガー・ロー / 神谷浩史
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
ハートの海賊団の船長であり、ルフィと同じく“最悪の世代”として世界的にも一目置かれる人物がトラファルガー・ローです。
ウタのファンである船員のベポを連れてエレジアを訪れたところ事件に巻き込まれることになりました。
オペオペの実の能力者で、一定の範囲にある物体を自在に瞬間移動させたり、改造できる能力を有しています。
ローの声を演じているのは『夏目友人帳』の夏目貴志役や『進撃の巨人』のリヴァイ役などで知られる神谷浩史さんです。
コビー / 土井美加
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
海軍本部の大佐であり、機密特殊部隊SWORDの一員がコビーです。
かつては弱気で非力な人物でしたが、ルフィに出会ったことをきっかけに精神的に成長し、現在は鍛錬の末に実力共に海軍の中でも一目を置かれる存在になりました。
ルフィとは海賊と海軍という敵対する存在でありつつ、今なお尊敬の意識は変わっていないようです。
コビーの声を演じているのは『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の早瀬未沙役などで知られる土井美加さんです。
バルトロメオ / 森久保祥太郎
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
ルフィに対して“勝手に”子分の盃を交わして、麦わらの一味の傘下に加わった海賊・バルトクラブの船長がバルトロメオです。
麦わらの一味に心酔しており、特にルフィの熱狂的なファンです。
バリバリの実の能力者で、あらゆる攻撃を防ぐことができるバリアを張ることができます。
バルトロメオの声を演じたのは『メジャー』の茂野吾郎役などで知られる森久保祥太郎さんです。
シャーロット・カタクリ / 杉田智和
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
ビッグ・マム海賊団のシャーロット家の次男でありスイート3将星の一人がシャーロット・カタクリ。
モチモチの実の能力者であり、餅を無数に生み出したり、身体を自在に餅のような変形させることができます。さらに見聞色の覇気により少し先の未来を見ることもできます。
弟や妹思いであり、家族のために今回も率先してエレジアに乗り込みました。
カタクリの声を演じたのは『銀魂』の坂田銀時役などで知られる杉田智和さんです。
ゴードン / 津田健次郎
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
エレジアの元国王であり、ウタの育ての親がゴードンです。
エレジアが壊滅した時の唯一の生き残りだったのですが、一連の事件の真相をウタには語らずにいました。
ゴードンの声を演じたのは『遊戯王』シリーズの海馬瀬人役などで知られる津田健次郎さんです。
クラゲ海賊団 / 山田裕貴、霜降り明星
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
ウタを誘拐して金儲けをしようとエレジアに侵入していた海賊がクラゲ海賊団です。船長のエボシ、巨体のハナガサ、細身のカギノテといった面々がいます。
エボシ役を演じたのは俳優の山田裕貴さん、ハナガサ役を演じたのは霜降り明星の粗品さん、カギノテ役を霜降り明星のせいやさんが演じています。
豪華アーティストコラボ!ウタ楽曲一覧!
『ONE PIECE FILM RED』はウタの楽曲に、複数のアーティストが制作を担当しているのも見どころの一つ。ジャンルも様々な各アーティストがどの曲を担当したのかを紹介します。
「新時代」/ 中田ヤスタカ
映画の冒頭でウタが最初に歌った曲が「新時代」です。
歌詞や音楽の制作をしたのは、音楽プロデューサーや音楽ユニット・CAPSULEといった活動で知られる中田ヤスタカさんです。中田ヤスタカさんは映画の音楽も担当しています。
「私は最強」/ Mrs.GREEN APPLE
ウタが海賊たちを追い払うために能力を使うシーンで登場した曲が「私は最強」です。
この曲を担当したのはロックバンドのMrs.GREEN APLLE(ミセス・グリーン・アップル)です。
「逆光」/ Vaundy
ウタが麦わらの一味を捕らえようと始めたシーンに登場した曲が「逆光」です。
この曲を担当したのは、シンガーソングライターでありながら、アートワークの制作や映像のプロデュースなどマルチな活躍をしているVaundy(バウンディ)です。
「ウタカタララバイ」/ FAKE TYPE
ウタがウタウタの実によって催眠状態にかけられた人々を操って海軍と戦うシーンに登場した曲が「ウタカタララバイ」です。
この曲を担当したのは、MCのトップハムハット狂とトラックメイカーのDYES IWASAKIの二人からなる音楽ユニットのFAKE TYPE.(フェイクタイプ)です。
「Tot Musica」/ 澤野弘之
ウタがついにトットムジカを具現化しようとした際に歌った曲が、ズバリその名前がついた「Tot Musica」です。
この曲を担当したのは連続テレビ小説『まれ』やアニメ『進撃の巨人』など数多くの映像作品で音楽を担当してきた作曲家の澤野弘之さんです。
「世界のつづき」/ 折坂悠太
すでにボロボロの状態になったウタが、シャンクスたちが見守る中歌い、仮想世界からルフィたちを連れ戻すシーンに登場した曲が「世界のつづき」です。
この曲を担当したのはシンガーソングライターの折坂悠太さんです。
「風のゆくえ」 / 秦基博
映画のエンドロールでこれまでにルフィが出会った人々がウタの曲を聞いている様子とともに流れた曲が「風のゆくえ」です。
この曲を担当したのはシンガーソングライターの秦基博さんです。
実はシリーズでも初めてのお披露目だった!驚きの事実たち
『ONE PIECE FILM RED』では、原作者の尾田栄一郎先生が総合プロデューサーを務めていることもあってか、漫画原作やTVアニメでもまだ明かされていなかった設定が多数盛り込まれています。いったいどの設定が初めて明かされたのでしょうか。
懐かしのキャラクター達の現在!
出典:映画『ONE PIECE FILM RED』公式Twitter
『ONE PIECE FILM RED』にはこれまでにルフィ達と戦ってきた、懐かしいキャラクター達も再登場しています。中には以前の登場とは所属組織が新しくなっているキャラクター達もいました。
例えば、海軍でガープの下で海兵としてキャリアを積んでいたコビーやヘルメッポ。コビーが海軍機密特殊部隊SWORDに所属していることはすでに原作漫画やTVアニメでも明らかになっていましたが、ヘルメッポもSWORDに所属していることは今作で初めて明らかになりました。
また元CP-9のロブ・ルッチが現在はCP-0に所属していることもすでに明らかになっていましたが、カリファやブルーノといった面々もCP-0所属になっていたことは今回初めて明らかになりました。
初お披露目となった戦闘スタイル
戦闘シーンでもシリーズでも初体験となるサプライズが用意されていました。
例えば赤髪海賊団のメンバーの戦闘スタイルです。本編でもほとんど戦闘シーンが描かれることのなかったシャンクス率いる赤髪海賊団。
しかし、今作ではそんな主要団員たちがトットムジカと直接対決を繰り広げ、どうやって戦うのかを初めて見ることができました。
さらに原作ではすでに発表されていながらも、公開当時はまだTVアニメでは未登場となっていたルフィのギア5になった姿もTVアニメシリーズの登場に先駆けて登場しています。
シャンクスとの同時攻に臨むルフィの姿が、今まで見たこともない白髪の姿に変化していました。まだTVアニメ未登場の形態ということもあり、その姿について具体的な言及は作中ではされていませんでした。
新事実が明らかになったり、最新のワンピースファンこそニヤリとさせられる嬉しい演出も隠されていたことも高い人気の理由かもしれません。
まとめ
『ONE PIECE FILM RED』は歴代のワンピース映画にはなかった、音楽分野への試みやシャンクスとルフィの共闘という目玉演出などを盛り込んだヒットも納得の特大映画でした。
今後本作を超えるワンピース映画はないのではないかというぐらい記念すべき映画だったことは間違いないでしょう。
本編もクライマックスを迎え、まさに「新時代」に突入しようとしている様子が描かれた『ONE PIECE FILM RED』は、シリーズでもまさに節目と言える重要な一本となっていました。