【ネタバレ】映画『蛇にピアス』のストーリー&登場人物を解説

ひとっとび編集長
【ネタバレ】映画『蛇にピアス』のストーリー&登場人物を解説

 

小説家の金原ひとみさんの手がけた小説を原作に2008年に劇場公開された邦画が『蛇にピアス』。
今や映画にドラマにと活躍する、吉高由里子さんや高良健吾さんが今のように活躍する以前に公開され、今となって観るとなかなか豪華な役者陣が揃っている映画です。

名前こそ聞いたことあれど、内容を知らないという人もきっと多いと思いますが、今回は本作がどんなストーリーの作品なのかをネタバレありで紹介します。

映画『蛇にピアス』とは?

蛇にピアス ネタバレ
出典:Amazon.com

『蛇にピアス』はもともと文芸雑誌『すばる』に2003年に掲載された小説家・金原ひとみさんの小説。第130回芥川龍之介賞を受賞し、同年に綿矢りささんの『蹴りたい背中』と同時受賞され、二人ともそれまでの受賞最年少記録を更新したということでも話題になり、映画化される前から広く知られる作品となりました。

そして、そんな『蛇にピアス』が2008年に映画化を果たすわけですが、監督を務めるのがなんと演出家として高く評価され、文部科学省から文化勲章も受章した今は亡き蜷川幸雄さん。映画化するにあたって、作者の金原さんが直々にオファーしたことにより、蜷川さんが監督を務めることになったそうです。

本作では、作中にヌードシーンなどが登場することもあり、R-15指定も受けている作品。本作が初主演となった吉高由里子さんは、自身の身体を大胆にも披露しているということもあり、ブレイクした今となっては驚かれることの多い作品でもあります。

 

10秒でわかる映画『蛇にピアス』の簡単なあらすじ

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19歳の少女ルイ(吉高由里子)は、たまたま訪れたクラブで一人の青年に出会います。
“アマ”(高良健吾)と名乗るその青年は、赤いモヒカンに、眉や体にはピアス、龍の刺青、二股に分かれたスプリット・タンなど特徴的な見た目でした。

そんな“アマ”のスプリット・タンに興味を持ったルイは、シバ(ARATA)の店を紹介してもらい、シバの手引きにより舌にピアスを開け、人体改造へとのめり込んでいくようになるのでした。

それ以来、ルイはアマと行動を共にするようになり、互いにかけがえのない存在となるのですが、刺青を入れてもらう条件としてシバとも肉体関係を交わしたことをきっかけに、シバにも魅入られていくようになってしまうのでした。

そんな二人の男性との関係を続けるルイでしたが、ある日アマが事件を起こしたことをきっかけに、ルイは今までのように気楽に生活できなくなるのでしたーー

 

映画『蛇にピアス』のネタバレあらすじ

あらすじ①アマとシバとの出会い

蛇にピアス ネタバレ
出典:ABAMA公式Twitter

生きる目的も特になく、19歳の少女・ルイはあてもなく渋谷で遊ぶ日々をおくっていた。そんなある日、たまたま訪れたクラブで一人の青年に出会う。“アマ”と名乗る彼は、赤いモヒカン、眉や体にはピアス、背中には龍の刺青をしており、舌は蛇のように分かれたスプリット・タンを持っていた。ルイはそんな彼の刺青とスプリット・タンに興味を持つのだった

ルイは、アマが人体改造を施してもらったシバと呼ばれる男の怪しい店を紹介してもらい、自身も舌にピアスを開ける。シバも顔中はピアスだらけで、身体には刺青が掘られているルイにも劣らぬ、変わった見た目の人物だった。

ルイは舌のピアスの穴を徐々に拡張していきスプリット・タンにするわけだが、痛みを伴うその過程に、のめり込んでいくーー。

 

あらすじ②事件を起こしてしまうアマ

ルイはアマとすっかり意気投合し、行動を共にするようになる。そんなある夜、ルイとアマ、そしてルイの友人であるマキと、夜の街を歩いていると、暴力団風の男たちにルイが絡まれてしまうのだった。

それに対してアマは逆上。容赦のない暴力によって圧倒し、謝まる男から歯を抜き取ってしまうのだった。引き止めたルイは、慌ててアマと共にその場を逃げ出すのだが、アマは男から抜いた歯を“愛の証”だと言い、ルイにプレゼントするのだった。ルイとアマはその事件をきっかけにより深い仲となるのだった。

自身も刺青に興味を持ったルイは、背中に龍と麒麟が絡み合う刺青を彫ってもらうことにするのだが、シバは報酬としてルイの身体を求めるのだった。それを承諾するルイだったが、シバのサディスティックな行為にも魅入られ、痛みに涙をするルイにシバも魅入られていくのだったーー。

 

あらすじ③壊れていくルイ

ある日ルイは、テレビのニュースで以前アマが暴力をふるった暴力団員が死んでしまったことを知る。警察が犯人を探していることを知ったルイは、慌ててアマの見た目を変えさせて、平静を装うのだった。

そんな矢先に、ついにルイの身体に刺青を彫る日が来る。ルイは、龍と麒麟が飛んでいかないようにと、刺青に瞳を入れないようにとシバにお願いするのだった。シバはそれを承諾し、ついにルイの背中に刺青を入れるのだった。

しかし、刺青が完成して間も無く、ルイは酒に溺れるようになってしまう。まともに食事もしなくなってしまい、ルイは自分が生きていると実感できるのは痛みを感じているときなのだと悟るのだった。

シバとも肉体関係を続けるルイは、次第に、暴力性を持ったアマとシバのどちらが自分を殺してくれるのだろうかと、想像するようになっていくーー。

 

あらすじ④アマの死

ルイのもとへシバから電話がかかってくる。なんと警察が龍の刺青をした赤毛の客を探していると、店へやってきたというのだ。ルイはついに不安に呑まれていってしまう。

そんなある日、アマがバイトへ出かけたきり家に帰らなくなる。アマが連絡なくいなくなることなんて今までなかったことから、パニックになるルイ。しかし、捜索願を出そうにも実はアマの本名を知らなかったことに気づき、自分がアマのことを全く知らなかったことを悟るのだった。

シバに協力を仰いでから数日後、行方不明となっていたアマは死体となって発見される。身体にはタバコの跡が無数に残り、爪は剥がされ、陰部にはお香が刺されていたりと無残な状態となっていた。しかしアマを殺した犯人は一向に見つからなかった。

アマを殺されたことが許せないルイは、お葬式に訪れた警察にも強く当たるのだった。そんなルイを引き止めるのがシバだったーー。

 

あらすじ⑤気持ちの整理をするルイ

ルイはすっかり生きる気力を失うが、シバはそんなルイを支え、共に生活をするようになる。
ただし、かつてのような悲痛なそぶりをみせなくなったルイに、シバも肉体関係を交わすことはなくなっていくのだった。

そんな、共同生活をしていく中で、ルイはシバの店にあるタバコや線香が、警察に聞いたアマの身体に残されていた跡と同じ銘柄であったことに気づく。アマはもしかするとシバにレイプされ殺されたのかもしれないことが分かった。

ルイはかつて、アマにもらった“愛の証”の歯を砕いて飲み込む。そして、シバに頼んで背中の刺青の龍と麒麟に瞳を入れてもらうのだった。そしてついに、スプリット・タンにするためのピアス穴の拡張をやめてしまう。ルイの舌先には大きな穴が残るのみだった。

気持ちの整理をしたのか、ルイは再び渋谷の街を歩き出すーー。

 

『蛇にピアス』の登場人物&解説

ルイ / 吉高由里子

特に夢や目標などもなく街で遊んで暮らしていた19歳の少女。登録制のアルバイトで接客などを行うことで生計を立てていました。自身のことをギャルではないとは言うものの、周囲からはギャルだと揶揄されるような人物です。

アマに出会ったことをきっかけに、スプリット・タンに惹かれ、身体改造をするように。こうして背中に龍と麒麟が絡み合う刺青を入れてもらうのですが、当初は二匹が飛んでいかないようにと、瞳を入れてもらうのを拒絶します。しかしアマの死、そしてシバへの不信からか物語の最後には、瞳を入れてもらうことにします。

シバに刺青代として肉体を差し出すように言われても、平気なそぶりをしていたことから、意中の相手が居ながらも肉体関係を結ぶことには抵抗がないよう。

そんなルイを演じたのは、女優の吉高由里子
『GANTZ』『ユリゴコロ』『検察側の罪人』など、今や多くの映画やドラマに出演する彼女ですが、実はこの『蛇にピアス』が初主演作。この映画をきっかけに注目を浴びるようになったといっても過言ではありません。

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主役抜擢の際の逸話

『蛇にピアス』の主演女優オーディションは、オールヌードが条件だったのですが、主演を勝ち取った際に、蜷川監督に実際に身体を見ずに撮影するのか、と述べて、蜷川監督を怯ませたという逸話も持っていたりします。

オーディション時点で大胆に服を脱いだ、という噂も存在しますが、実際にはすでに主演が決まってから、蜷川監督に物陰でこっそり見せたというのが実際のところ。それでも鬼と恐れられるような蜷川監督に物怖じせず、物が言える度胸はすごいです。

撮影前に大事故にあっていた

吉高さんは本作についてもう一つ逸話を持っています。それは『蛇にピアス』の主役が決まった数日後に、交通事故に遭ってしまい、顎の骨を折るなどの重傷を負ったという話。

この事故で吉高さんはICU(集中治療室)に5日間も入院するほどだったのですが、幸運にも回復することに成功します。この事故をきっかけに吉高さん自身の価値観も一変。いかに周りに助けられていたのかを知るきっかけになったと、自身の転機として後にインタビューで語っています。

本来これほどの事故を起こしてしまうと、降板もやむを得ない状態だったのですが、この事故に対して製作陣が“治るまで待つ”という選択をしたことも驚きのポイント。『蛇にピアス』は作品外でも多くのドラマを残している映画なのです。

 

アマ / 高良健吾

赤いモヒカンに顔中にはピアス、身体には刺青が彫ってあり、舌は蛇のように二股になっている青年。過激な見た目に対して、性格はフレンドリーでルイともすぐに親しくな理ました。普段は明るく温厚ではある一方で、暴力団に絡まれた際は容赦のない暴力を振るったりと、危険な一面も持ち合わせています。しかしそれも、実はルイへの愛情ゆえであり、アマが純粋すぎる故の行動だったとも取れます。

本名は雨田和則ですが、自身はアマデウスの“アマ”だと自称しています。年齢は18歳で実はルイよりも年下。古着屋でアルバイトをしています。

そんなアマ役を演じたのは俳優の高良健吾
『横道世之介』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『モトカレマニア』など、こちらも今や多くの映画やドラマに引っ張りだこの彼ですが、当時はまだ無名。吉高さん同様、高良さんも本作をきっかけに注目を浴びるようになっていきます。

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シバ / ARATA

顔中にピアスをし、全身に刺青が掘られており、奇抜さで言えばアマにも勝るビジュアルを持った男。身体改造を手がける店、“Desire”を経営しており、アマやルイに身体改造の手引きをしたり、刺青を彫ってあげたりしています。

ただし、顔のピアスの量などはアマにも勝るとはいえ、スプリット・タンのような形を変える行為は“人の形を変えるのは神だけに与えられた特権”であるという思想から拒否感を持っておりしていないようです。

重度のサディストであり、ルイに対してもいつか死にたくなったら、自身の手で殺すと明言するほどの人物であり、悲痛に泣き叫ぶルイに興奮しています。

そんなシバを演じるのは、俳優であり、ファッションモデルなども務めているARATA
本作をきっかけに知名度を上げていく、吉高さんや高良さんに比べて、ARATAさんはすでにファッションモデルとして知名度が高く、『ワンダフルライフ』『ピンポン』など映画の主要キャストとして名を連ねているほどの状態でした。そういった経験もあってか、本作では癖のあるシバの役を見事に演じきっていると言えます。

マキ / あびる優

ルイの友人として登場するのがマキ。ルイとは親しく会話はするものの、強く連絡を取り合うこともなければ、互いに身を案じる素振りも一切登場しないので、それほど深い交友関係にあるわけでもないようです。アマが暴力を行なった際には二人を置いて早々に逃げ出してしまい、それ以来登場しなくなります。

そんなマキ役を演じたのが、あびる優。
朝の子供向け番組『おはスタ』のアシスタントであるおはガールでデビューし、バラエティ番組などで活躍しました。映画への出演は限られていて、本作は数少ない出演作の一つでもあります。

チンピラ / 小栗旬・藤原竜也

ルイに興味を持ち、話をかけたのが運の尽き。アマによってボコボコにされてしまうのがチンピラたちです。一人は逃げきるものの、もう一人はアマによってなんども殴られた上に、歯を二本折られてしまいます。そして後日、彼が死んでしまったこと、そして実は暴力団に所属していたことなどが明らかになります。

そんなチョイ役なのですが実はこのチンピラを演じているのが大物、小栗旬と藤原竜也の二人。
先に逃げ出すチンピラ役を小栗旬さん、そして殴られて歯まで折られてしまうチンピラ役を藤原竜也さんが演じました。なぜこんなチョイ役にこの二人が参加しているかと言えば、二人とも蜷川監督の舞台に多数出演してきていたからこそ。師である蜷川監督の監督作ということで友情出演してくれるに至ったようです。

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観ていると気になる!映画『蛇にピアス』のあれこれ

ここからは、本作『蛇にピアス』を観ていると気になるポイントをピックアップして紹介していきます。

小栗旬や藤原竜也だけじゃない?意外な友情出演

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蜷川監督は、演出家として多くの俳優を指導してきた実力者。小栗旬さんや藤原竜也さんが友情出演されたのと同様に、出演シーンや役柄はわずかながらも意外な人物が友情出演しています。

例えば、刑事役として登場するのは、四代目市川猿之助さん。2012年に襲名したので、当時は市川亀治郎としてクレジットされています。

警察署で受付に登場する警察官はなんと唐沢寿明さん。当時としても、こんなわずかな役に起用するのはもったいないほどの方でした。

コンパニオンのマネージャー役には井手らっきょさんが出演。登場シーンがわずかなので、意外と言われないと気づかないかもしれません。

スプリット・タンや舌ピアスはどうやって撮影しているの?

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映画の中では、アマが奇抜なスプリット・タンを披露したり、ルイが舌にピアスを開けてそれを広げようとしていました。あれは一体どうやって撮影したのでしょうか。

あまりにもリアルすぎて、実際にピアスを開けたりしたと思う人もいるかもしれませんが、もちろんあれは精巧に作られたCGで再現したもの。

シバも異様なぐらいに身体改造をしていましたが、刺青含めてそれらも特殊メイクによって再現されたものであり、実際のARATAさんはシバのようなトゲトゲした顔面ではありません。元からすでに施術していたのであればまだしも、さすがに撮影のために身体改造をするのは、ハードルが高すぎますよね。

アマを殺したのはシバなのか?

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作中では、アマを殺したのはシバなのではないか?という示唆だけを残して、ルイはそれをシバには問いただしたりはしません。そのため、本当にアマを殺したのがシバなのかどうかは明らかにならずに物語は終わってしまいます。果たしてアマを殺したのは本当にシバなのでしょうか?

その答えは残念ながら「わからない」です。原作でも、事件の真相は明らかになっておらず、物語を追っていった人たちにその真実は委ねられています。

ただ、アマが自称するアマデウスとは神に愛される者という意味であり、作中で神を自称するシバは、実際に神として存在するシヴァ神を想起させます。

そういった点からも、アマに「アマデウスのアマ」と吹き込んだのはシバなのではないかと予感させますし、作中にはアマとシバが肉体関係にあることを想起させるシーンが挟まれたりと、語られきれていない二人の関係が存在することは感じさせられます。

まとめ

以上、邦画『蛇にピアス』のストーリーに加えてキャラ紹介、さらには豆知識に至るまで一挙に紹介しました。現在も活躍する名優たちがブレイクするきっかけとなった記念すべき映画ということで、時が経った今も見返しがいのある映画と言えるでしょう。

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