【入門編】おすすめブロマンス・BL映画11作品|映画ひとっとび
ゲイやレズビアンのような同性同士の恋愛が広まっていることで、映画やドラマでも異性同士以外の恋愛が題材になることが多くなってきました。LGBTQ(レズ・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・クエスチョニング)という言葉は、特に海外では常識となっていますよね。
今回はその中でも男性同士の恋愛模様を描いた「BL(ボーイズラブ)」そして、「ブロマンス」要素のある作品を、見どころ解説と共に7作品ご紹介いたします!!34
目次
ブロマンスとは
ブロマンスとBL(ボーイズラブ)映画をご紹介していくにあたり、「BLは男性同士の恋愛だってわかるけど、ブロマンスって何?」と疑問を抱いた方のためにご説明いたします。
ブロマンスとは、兄弟(brother)とロマンス(romance)を掛け合わせた造語です。アメリカのスケートボード雑誌編集長のデイヴ・カーニーが「四六時中一緒にスケートボードをしているような関係」といった意味で造ったのが始まりとされています。
定義として「2人、若しくはそれ以上の男性同士の”性的な関わりはないが、ホモソーシャル的な親密さ”のある近しい関係”をブロマンスと呼ぶ場合が多いです。馴染みやすいよう凄く簡単に言ってしまうと、「友達という括りにしておくには親密すぎるけれど、肉体の関係は無いプラトニックな関係である為、恋人ではない」という関係性のことを指します。
日本では同性愛に対しての理解がまだあまり深くない為、なんでもホモセクシュアルやレズビアンとして一括りにしてしまいがちですよね。しかし、アメリカでは州によっては同性婚も認められており、「恋愛」と「そうでない関係」とを明確に切り分ける為にこういった単語で使い分ける必要があるようです!
おすすめのブロマンス映画
ここからは、早速イチオシ映画をご紹介していきます!まずは先ほどご説明した「ブロマンス」映画を6作品ピックアップ致しました。
シャーロック・ホームズ
イギリスで誕生した、誰もが知るあの名探偵シャーロック・ホームズと、相棒である医師のジョン・ワトソン。この二人の関係性は世界で最も有名なブロマンスだと言っても過言ではありません。
今回ご紹介するのは2009年に公開された映画ですが、原作小説の公開当初から二人の関係は同性愛では?とファンの間でも度々取り立てられていました。
吹き替え版では、シャーロックを三上哲さん、ワトソンを森川智之さんが演じています。
冒頭から、ワトソン(ジュード・ロウ)が結婚を機にベイカー街を出ていくのを嫌がるホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)、といった可愛らしい関係が描かれています。推理以外ではポンコツなシャーロックと、そんな彼になんだかんだと世話を焼いてやるワトソン。2人の関係をどうぞお楽しみください!
ガイリチ版シャーロック・ホームズはいいゾ!!!
推理以外はてんでダメな社会不適合者のホームズと、そんな彼に振り回されつつもケツを叩きまくるワトソンくんのブロマンス最高だぞ。見てくださいこのワトソン結婚時のさみしそうなホームズの顔を!!!!そして二人の距離感!!可愛すぎか!!! pic.twitter.com/n1RTdVwtQB— 通販してる特攻野郎星霜㌠ (@ikuseisou02) May 8, 2018
コードネームU.N.C.L.E.
出典:『コードネームU.N.C.L.E.』公式Facebook
冷戦の最中、犬猿の仲であるアメリカとソ連のスパイが手を組み、国際犯罪組織に立ち向かうスパイアクション。
ソ連側の寡黙で堅物で女性が苦手な筋肉男・イリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー/吹替:宮内敦士)と、アメリカ側の何事もソツなくこなす、ちょっと軟派な男・ナポレオン・ソロ( ヘンリー・カヴィル/吹替:星野貴紀)が主人公。
始めはいがみ合っていた二人が、ミッションを通して次第に仲を深めていくという王道ストーリーで、2人の凸凹コンビ感に笑えるシーンも多く登場します!
ガイリチのブロマンスといえばやっぱりコードネーム U.N.C.L.E.ですよね!!!みんな大好きヘンリーガヴィル君とアミハマがケンカップルしてるから見ろよな!!!2作目待ってるからな!!!もう5年も経つけどな!!! pic.twitter.com/Q2rTUz60IV
— ううゆ (@UhYu_in_s) March 12, 2019
ハンニバル
カニバリズムのホラー映画でお馴染みの『ハンニバル』シリーズ。
表向きは精神科医、裏の顔は猟奇殺人鬼であるハンニバル・レクターと、強い共感能力で相手の考えを読み取ることのできるFBIアカデミー講師のウィル・グレアム。
自身の犯罪を暴かれぬよう、精神的にウィルを支配した上で殺して喰ってやろうと目論むレクターと、それに気付き彼を出し抜かんと画策するウィル。狂気的な執着が生み出す一風変わったブロマンスは必見です!
世界を震撼させた映画『羊たちの沈黙』ネタバレあらすじ|トリビアも合わせてご紹介!ハンニバル、殺人というのは隠し味に過ぎず、実際にはブロマンスと画面の美しさというのが90%じゃないですか?(個人の意見です)
— すこやかトマトちゃん (@HomuAjr) August 4, 2019
昨日からハンニバル紹介文が一杯あって楽しい。人食べるとか血なまぐさいから見るのはちょっとと思っていた時期が私にもありましたが蓋を開けたら顔面偏差値高めのイケオジと髭の美人顔が全編通して口説き口説かれ痴話喧嘩するブロマンスだった衝撃ったらないわ
— ころん (@8c2ghf3) March 15, 2019
神様の思し召し
エリートで傲慢な天才外科医・トンマーゾ(マルコ・ジャリーニ)と、刑務所を出たばかりのカリスマ神父・ピエトロ(アレッサンドロ・ガスマン)は、真逆の人生を歩んできただけあり、いつも対立してばかり。
そんな二人が、トンマーゾが抱える家族との不仲問題をきっかけに手を取り、人生の宝物を見つける為に動き出す――おっさん同士の究極のブロマンスストーリー。
エルアルド・ファルコーネ「神様の思し召し」 孤高で完璧主義だった親父が新たな価値観に触れて世界をより良いものに変えていく。見苦しい奮闘劇から爽やかなブロマンスへの転換が美しく、医者の職務に敬意を払いながら姿勢の変化を見せるのも押しつけがましくなくて心地よい。結末は神様の思し召し。
— 項絶斗 (@FallingDown21) November 13, 2016
神様の思し召しというイタリア映画がすごい。胡散臭い神父に息子を唆されて、正体を暴こうと近付いたら逆に弱みを握られて一緒に行動する簡単に言うとブロマンスもの。日本では絶対にできないブラックジョークもきいてて面白い。ありがちな展開だけれど伏線の回収が上手くて結末がとにかく胸に刺さる。
— つんこ (@tsuttsunko) January 2, 2018
おかしなふたり
出典:IMDb
愛妻と離婚間近で自殺すら考えていたフェリックス。そんな彼を救ったのは、ポーカー仲間であったオスカー。オスカーは自身も離婚を経験していた事から傷ついたフェリックスに共感し、慰める。やがてアパートで同居生活が始まるが――。
といった、おっさん(几帳面)×おっさん(ズボラ)の同居生活を描いた友情コメディ。性格が合わずに一度は喧嘩別れしてしまうも、ふと「フェリックスが自殺してしまうのではないか…」となんだかんだ心配してしまうオスカー。
おっさん好き、コメディ展開が好き!という方にはおすすめの作品です。
(*´д`*)『おかしな二人』とくれば、大好きなジャック・レモンとウォルター・マッソー起用による68年の映画版が好き。
ゲイってワケでもないのに、どうみても気の合わないおっさん二人が同居する不思議。 #映画 #いだてん pic.twitter.com/PCEKJUS4du— よろづ屋TOM☆絵ネタはリツイートして戴くのが何よりのご褒美でございます。 (@yolozyaTOM) February 10, 2019
40男のバージンロード
出典:IMDb
結婚を間近に控えていたピーター(ポール・ラッド)は、結婚式で自分のアテンダーを務めてくれる友人が一人もいない事に気付き、慌てて友人探しを始めます。そこで偶然出会ったのがシドニー(ジェイソン・シーゲル)。
初めての男友達を手に入れ、婚約者そっちのけで仲を深めていく内にあわや婚約破棄!?という、「女性より男とつるみたがる」男を描いた典型的なブロマンスストーリーです!
大ヒットした『ハング・オーバー』のようにゲラゲラ笑える作品でもあるので、明るい気分になりたい時は特にオススメです!
Netflixで40男のバージンロードを観ていたんだけどポールラッドとジェイソンシーゲルがイチャつくアパトーギャングお得意のブロマンス映画で最高と言う他ないレベルのそれだった…この人達の沼にずぶずぶ足を踏み入れてる感…観れば観るほど好きになるジェイソンシーゲル、不思議な俳優だな pic.twitter.com/a4XReoFyyN
— Ryuuuuuu (@AaaRyuuuuuuuu) November 14, 2016
おすすめのBL映画
恋愛未満…といったブロマンス映画の次は、男性同士の明確な同性愛を描いた「BL(ボーイズ・ラブ)」作品を5本、ご紹介していきます!
ベニスに死す
「タジオ、誰にでもそうやって笑いかけたらいけないよ.君を愛している」
出典:IMDb
舞台は、浜辺と街並みが美しいベニス。作曲家のアッシェンバッハ(ダーク・ボガード)は、宿泊先で見かけた美少年タジオに目を奪われてしまう。それ以来、彼は浜へと続く回廊を彷徨うようになった。そんなある日、ベニスの街に病疫が流行してしまい、街中で消毒が始まった。若作りをし、タジオを一目見る為街を徘徊していた老作家は、病に感染し力尽きてしまう――。
この作品は、老人が美しい美少年に目を奪われ、ストーカーのように執着してしまうというストーリー。タジオの美しさには、観ている側すら「これを観ていられるなら死んだっていい」と思わせるほどの魅力があります。美少年好き、必見です!
アナザー・カントリー
「人間は寂しい動物だ、だから特別な友を求める」
出典:IMDb
舞台は30年代の英国。同性同士の恋愛が禁止されていた時代。ガイ・ベネット(ルパート・エヴェレット)は、特権階級の令息が集う学校で時期エリート集団「ゴッド」の一員に選ばれるだろうと期待される優等生だった。英国において、成功を約束されていた彼は、寮に暮らす美少年ジェームズ・ハーコート(ケイリー・エルウィス)に心奪われてしまった事で、道を踏み外して行く――。
英国好きにはたまらない作品です!いいとこのエリートぼっちゃんたちが、寄宿舎で息をひそめるように関係を築いていくさまは美しく切ないです。「禁断の愛」「英国男子」「美少年」といったワードが刺さった方は、是非ご覧ください!
アナザーカントリー見ました。
見目麗しい英国の青年達が綺麗なおべべを着て、美しい建物や景色の中でやいのやいのしててお目目が幸せでした。
あと、このシーン↓よしこの妄想の中で57489652149回は見たことある。最後の「やれやれ全く。」といった顔つき、最高じゃあないか。全くやれやれだぜ。 pic.twitter.com/Nb17Pkcs9v— yoshico. (@yoshico151) May 12, 2019
モーリス
「君はひどい奴だ。僕の心をこんなに乱すなんて」
舞台は20世紀初頭の英国。同性愛が犯罪とされていた時代で、ケンブリッジに通うモーリス・ホール(ジェームズ・ウィルビー)はクライヴ・ダーラム(ヒュー・グラント)に惹かれていく。しかし、モラルに縛られたモーリスに肉体関係を拒まれ、プラトニックな関係のまま卒業する。その後、結婚したクライヴの幸せそうな姿を見せつけられ――。
『君の名前で僕を呼んで』等でも注目を浴びたジェームズ・アイヴォリー監督の手掛けるこの作品は、英国男子が登場するBL作品です。愛や恋さえまだよく知らぬ少年たちが、閉鎖的な環境でタブーを犯してしまうといった展開で、ドロドロとしたストーリーがお好きな方にはたまらないでしょう。
そしてなんと、2019年にムービープラスが公開した4K新録吹替版では、主演のモーリス役を『進撃の巨人』で主人公のエレン・イェーガー役を射止めた声優の梶裕貴さん、そして恋人のクライヴ役を声優の島﨑信長さんが吹替を担当しています!吹替版も必見です。
『#モーリス 4K』
製作30周年記念/4Kデジタル修復
1900年代初頭イギリス。自身の欲する愛情とその対象を自覚し、苦悩する青年期の2人。
同性愛を罰する社会の風潮に怯え、お互いの選択に心乱れる。
素直に生きる事が身の破滅となる時代にありながら、抑えきれなくなる想い。内面の描写が細かく美しい。 pic.twitter.com/eqUWV1VWT5— キッコリーヌ (@brewchamber) July 22, 2018
太陽と月に背いて
「見つけたよ。海と溶けあった太陽……それが永遠さ。」
ポール・ヴェルレーヌ(デヴィッド・シューリス)は、無名の少年から送られた手紙に書かれていた詩に衝撃を受ける。少年の名は、アルチュール・ランボー(レオナルド・ディカプリオ)。16歳であった彼を田舎から呼び寄せるが、破天荒極まりない少年の言動は、周囲の怒りを買う一方だった。
しかし、そんなランボーとヴェルレーヌは、次第に惹かれ合い禁じられた恋に落ちてしまう――。
なんと史実の小説家である二人を基にした作品です。19世紀頃にフランスで象徴派として活躍していた詩人・ヴェルレーヌと、同じく天才詩人としてフランスに名をはせたランボーは、互いに惹かれ合い、愛の逃避行を繰り広げていたんだそう。
この映画は、破天荒な小悪魔少年に惑わされる妻子持ちの男を描いたストーリー。そしてなんといっても、そんな小悪魔を演じるディカプリオの美しさは暴力的です。
まさか未見の腐女子はいるまいが、彼が詩人のランボオを演じた『太陽と月に背いて』はディカプリオの若さゆえの傲慢さが死ぬほどはまり役 pic.twitter.com/mRRaTEmDV2
— フィンカ (@fkgwfkgw) April 23, 2017
“太陽と月に背いて”
私はランボーの才能に欲情した… 詩人ヴェルレーヌの脳裏に色褪せぬ閃光放ち永遠に美しく存在し続ける天才詩人。矮躯から発せられる妖艶でいて神聖な力に激しく羨望の念を抱き、憎み、心底畏怖して愛し抜く。破滅的な激動の季節を経た後の一言、それが全て。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/gXiC0MtiXc— Moeka Kotaki (@moeluvxxx) March 18, 2019
君の名前で僕を呼んで
「何ひとつ忘れない」
第90回アカデミー賞で脚色賞を受賞した話題作。アンドレ・アシマンの小説『Call Me by Your Name』を実写化したものです。
舞台は「1983年 夏 北イタリアのどこか」。17歳のエリオは、アメリカからやってきた24歳のオリヴァーと出会い、恋に落ちる。しかし、夏の終わり、オリヴァーとの別れが近づいていく――。
まだ青い17歳の少年と24歳の青年が織りなす、ひと夏限りの知的で切ないラブストーリー。北イタリアの美しい景色とティモシー・シャラメの麗しさが相まって、眩しいほどの映像美を堪能できます。
映画『君の名前で僕を呼んで』ネタバレ有りあらすじ解説 | エモーショナルな一夏の恋愛まとめ
ブロマンス・BL映画をご紹介いたしました。世間からはまだまだ同性愛に対しての差別的な風潮を拭い去る事が出来ませんが、そいういった障害を抱えながらも真っ直ぐに、純粋に愛し合っているのは映画の中の登場人物に限りません。
「愛に性別は関係ない」。そんな事に気付かせてくれるBLの世界をぜひ覗いてみてくださいね。