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青春映画の代名詞!『ウォーターボーイズ』の矢口史靖監督の撮影裏話を厳選

ひとっとび編集長

「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」など、数々のコメディ映画の名作を生み出してきた矢口史靖監督。矢口監督の作風の特徴といえば、何かに一生懸命なキャラクター達の姿が描かれていること。それは”シンクロ””吹奏楽””林業”、時には”生きること”そのものだったりします。そんな世界で全力で突き進む彼らの姿は、私たちにいつも”笑い”と”感動”を与えてくれます!

矢口監督は1967年生まれの神奈川県出身。東京造形大学に入学後、1年先輩である鈴木卓爾監督に影響を受け、自主映画の制作を始めます。その後、映画「裸足のピクニック」にて劇場映画監督としてデビューしました。

今回はそんな矢口監督の魅力あふれる作品の数々を、公開年度順にご紹介しながら振り返っていきます!

1.アドレナリンドライブ

映画○○
出典:Amazon.com

あらすじ

レンタカー屋で働く鈴木悟(安藤政信)は、ある日、やくざの黒岩(松重豊)が乗った高級車に車で追突してしまう。事務所に連れていかれ大金を要求される悟だったが、その時、事務所内でガス爆発が発生する。

ちょうど近くを訪れていた看護師の佐藤静子(石田ひかり)は、悟と黒岩を救急車に運び込む。しかし黒岩は無理やり救急車から脱出を図り、救急車は事故を起こしてしまう。

事故をきっかけに、悟と静子は黒岩が持っていた”裏金”を見つけ、衝動的に盗んでしまう。大金を手に入れたことに喜ぶ二人だったが、黒岩も裏金の行方を追い始める。こうして、冴えない男女二人の逃避行が始まるのだった。

ココがスゴい!「アドレナリンドライブ」の矢口史靖撮影裏話

■主演の安藤政信さんは、どことなく矢口監督と似た雰囲気の方。物語の台本を書くとき、「自分ならどうするか」と考えながらリアリティを追及するという矢口監督。そうしている内に、自然と配役も自分に似てきてしまったそうです。

■矢口監督の作品は主人公の名前が「鈴木」であることが多い、という法則があります。本作品の主人公の名前はどうかというと、「鈴木悟」。見事に法則通りです!

絶対見逃せない!この映画のみどころポイント

大金を手に入れた男女がヤクザから逃げる、というシンプルかつ、”逃避行”モノとしては王道とも言える本作品。しかし矢口監督らしいハイテンションなキャラクター達と、先を読ませないストーリー展開にワクワクドキドキが止まりません。

静子役の石田ひかりさんの演技にも要注目です。どこか”昭和っぽさ”を感じさせる雰囲気(悪口じゃないですよ!)が、作品全体に独特な世界観を生み出しています。一見、B級映画っぽい雰囲気を見せながらも、そこには近年の矢口監督の作品にもつながる、私たちをワクワクさせる良質なエンターテイメント性が秘められています。

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2.ウォーターボーイズ

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あらすじ

とある高校の水泳部に所属するのは、鈴木智(妻夫木聡)ただ一人。そんな水泳部に、美人教師・佐久間恵(眞鍋かをり)が顧問として就任。すると、色気につられた男たちが次々と水泳部に入部し、部員数は一気に30人に増加した。

しかし部員たちを待ち受けていたのは、まさかの”シンクロナイズドスイミング”。男のシンクロに恥ずかしさを感じた多くの部員が逃げ出し、残った部員は鈴木を含めた数人のみ。

練習環境すらまともに与えられない中、部員たちは秋の文化祭に向けて猛特訓を続けていく。

ココがスゴい!「ウォーターボーイズ」の矢口史靖撮影裏話

■本作品には妻夫木聡さんや玉木宏さんなど、若かりし頃のイケメン俳優たちが多数出演。そのすべては、”水泳の実技あり”のオーディションで選出されました。形だけではない本気のシンクロを映し出そうとする、矢口監督のこだわりと情熱が感じられます。

■撮影時期が秋に差し掛かっていた関係上、最初に撮影されたのはいきなりクライマックスのシンクロのシーンでした。このシーンの撮影にかかった日数は、なんと7日間。スタッフはもちろん、出演陣も底知れぬ情熱をもって撮影に挑んでいます。

絶対見逃せない!この映画のみどころポイント

数々の映画賞を受賞し、矢口監督の名を日本中に知らしめることになった出世作です。若者たちが一丸となって挑戦する”アツい青春ストーリー”は、まさに矢口監督の真骨頂。水泳部員たちが努力の末辿り着く、圧巻のシンクロシーンには胸のドキドキが止まりません。

以前から映画に対して、「内輪だけでなく、まったく知らない人まで楽しませるところが魅力」と語っていた矢口監督。この作品の公開後は日本中でシンクロブームが巻き起こり、その盛り上がりはまさに矢口監督の言葉を体現する形となりました。

 

3.スウィングガールズ

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出典:Amazon.com

あらすじ

東北地方の高校に通う、鈴木友子(上野樹里)ら13人の女子生徒たち。学力底辺の落ちこぼれ学生である彼女たちは、夏期講習をさぼりたいがために吹奏楽部の代役募集に応募する。

唯一残っていた吹奏楽部員の中村拓雄(平岡祐太)の指導で、ジャズの演奏を始めた友子たちは、次第にジャズの魅力に惹き込まれていく。しかし体調を崩していた吹奏楽部員が次々と復帰し、友子たちはあえなくお役御免に。それでも演奏の楽しさを忘れられない友子たちは、自らバンドを組み、ビッグバンドジャズに挑戦するのだった。

ココがスゴい!「スウィングガールズ」の矢口史靖撮影裏話

人数が少なくなった吹奏楽部がビッグバンドに転身、そんな噂を聞きつけた矢口監督は、2001年に兵庫県高砂高校に取材に訪れました。そこで見た学生たちの迫力のある演奏に矢口監督は感動し、長年温めてきたこの作品の制作がスタートしました。

■配役のオーディションでは、通常の審査とは別に音楽のテストを実施しました。音楽経験がない人にもとにかく何か楽器を触ってもらうことで、リズム感音感などをチェックしたそうです。

絶対見逃せない!この映画のみどころポイント

この作品の魅力はなんといっても、演者本人による見事な演奏シーンです。「ウォーターボーイズ」に続き、矢口監督が”ガールズ”達の全力の姿を引き出しました。

スウィングとは、”うねるような高揚感”のこと。クライマックスシーンの彼女たちの大迫力の演奏と、ノリノリになって手拍子をする観客の姿に、観ているあなたの心も”スウィング”すること間違いなし!

また、矢口監督も撮影に苦労したという、イノシシ登場のシーンには要注目。イノシシもガールズもピタッと止まり、カメラだけがグルグル回る演出は、まさかのCGなし。演者・スタッフの知恵と努力によって生まれた、本作随一の”迷”シーンです。

 

4.ハッピーフライト

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あらすじ

新人CAの斎藤悦子(綾瀬はるか)は、初の国際線乗務となるホノルル行き1980便に搭乗する。同機には副操縦士として、機長昇格訓練中の鈴木和博(田辺誠一)が任命されていた。

座席予約が被るオーバーブッキングや、ルール違反の荷物を持ち込もうとする乗客など、離陸前から1980便は様々なトラブルに見舞われる。果たして悦子と和博の二人はこの困難を乗り越え、1980便のフライトを無事完遂することができるのか。

ココがスゴい!「ハッピーフライト」の矢口史靖撮影裏話

■本作品は企画当初、航空機を舞台にした”パニック映画”になる予定でした。しかし矢口監督は事前リサーチの中で、航空会社で働く人々の面白さを知り、方針転換。こうして、笑いあり、涙ありのエンタテイメント作品「ハッピーフライト」が生まれました。

■航空業界のリアルな様子を映しだした内容は、プレミア上映に招待した航空関係者からも大絶賛。国土交通省航空局においては、航空業界の発展と振興に務めたことを賞して「広報功労賞」が授与されました。

絶対見逃せない!この映画のみどころポイント

航空パニックものに見せながらも終始コメディ要素を散りばめ、私たちを笑顔にしてくれる矢口監督の技量はさすがです。「この映画を見ると飛行機に乗りたくなる」という声があるのにも納得ですね(逆のパターンは結構多いと思いますが…)。

「訓練中の副操縦士」と「新人CA」という二人を中心に、航空会社の裏側をリアルに、そしてコミカルに映し出します。どちらもどこか間の抜けた”おっちょこちょい”なところが、また人間臭くて面白いです。これを見れば、航空会社やそこで働く人々に、さらに親しみを感じられるようになるはずです。

 

5.ロボジー

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出典:Amazon.com

あらすじ

「木村電器」社員の小林(濱田岳)、太田(チャン・カワイ)、長井(川島潤哉)の3人は、会社の宣伝のため二足歩行ロボット「ニュー潮風」の開発を命じられる。しかし発表会の1週間前、ロボットは不慮の事故により暴走し大破してしまう。解雇を恐れた三人は、ニュー潮風の中に人を入れて発表会を乗り切る計画を立てる。”中の人”として選ばれたのは、隠居中の老人・鈴木重光(ミッキー・カーチス)だった。

いざ発表会の日、ロボットとは思えない動きを見せるニュー潮風は、一躍日本中のヒーローになる。さらにはロボットオタクの葉子(吉高由里子)という、ニュー潮風に恋する乙女まで現れて…?

ココがスゴい!「ロボジー」の矢口史靖撮影裏話

■実写にこだわる矢口監督は、本作においても完全CG無しの制作を目指しました。ただ1つ、「ハエ」が映るシーンだけは思うように撮れず、CGに頼っているそうです(笑)。

■ロボットに入る役のオーディションには、総勢200人のご老人が参加。ただ、当日は腰痛や体調が悪くて欠席者が多発するなど、この作品ならではの苦労もされたようです。

■「ロボジー」の原点は、1996年に発表されたホンダの二足歩行ロボット「アシモ」。アシモを見た矢口監督は「感情を持つロボットが現れた」と感化され、本作品の構想を練り始めたそうです。

絶対見逃せない!この映画のみどころポイント

壊れてしまったロボットが発表会に潜入、しかもその中身はおじいさん。「いったいどこからその発想が出てくるんだ!?」というくらい奇抜なストーリーですよね(笑)。矢口監督の歴代の作品の中でも特にユーモアに溢れた、身も心もハッピーになるエンターテイメント作品です。

お笑い芸人のチャン・カワイさんをはじめ、当時正統派な役柄が多かった吉高さんを”オタクキャラ”として起用するなど、矢口監督の”尖った采配”にも要注目。それぞれのキャラに見事にハマっていて、本当にその世界が実在するかのようなリアリティを生み出しています。

 

6.WOOD JOB!神去なあなあ日常

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出典:Amazon.com

あらすじ

高校卒業後の進路が決まらず、お気楽に生活を送っていた勇気(染谷将太)。ある日、勇気は「林業研修プログラム」のパンフレットを目にする。林業などまったく興味のない勇気だったが、パンフレットに乗っていた少女の笑顔につられて、1年間の研修プログラムに参加することに。

しかし研修先に例の少女はおらず、代わりにそこで待っていたのは強面の先輩・与喜(伊藤英明)だった。厳しい研修に耐えきれず逃げ出そうとする勇気だったが、村にあのパンフレットの少女・直紀(長澤まさみ)が住んでいると知り、留まることに。最初は嫌々だった勇気だが、親切な村の人たちと大自然の中で生活するにつれて、徐々に変化が表れ始める。

ココがスゴい!「WOOD JOB!神去なあなあ日常」の矢口史靖撮影裏話

高所恐怖症だという矢口監督。撮影のためカメラと一緒に木と同じ高さまで上がったときは、「何でこんな映画を撮ってしまったんだろう…」と後悔したそうです(笑)。

■林業のシーンをはじめ、出演者の体を張った演技が魅力的な本作品。実写にこだわる矢口監督は当然ながら、CGなし・代役なしで撮影に挑みました。「やれることは全て本人でやってください」と、様々な無茶ぶりをしたのだとか。それにしっかりと応えられる出演陣もさすがですね!

絶対見逃せない!この映画のみどころポイント

「ハッピーフライト」の航空業界に続き、矢口監督が挑戦したのは”林業”の世界。私たちにあまり馴染みのない職業を、またもや面白おかしく、魅力たっぷりに描いています。

都会から出てきたばかりの主人公・勇気の視点を中心に、ストーリーでは林業の成り立ちや役割を丁寧に解説してくれます。そのため私たちも置いてけぼりになることはなく、むしろ奥深い林業の世界にどんどん惹き込まれていきます。こういった「知らない人にでも面白いと思わせる」上手さは、矢口監督ならではの魅力と言えます。

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7.サバイバルファミリー

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出典:映画『サバイバルファミリー』 公式Twitter

あらすじ

東京に住む鈴木家は、父・義之(小日向文世)、母・光恵(深津絵里)、兄・賢司(泉澤祐希)、妹・結衣(葵わかな)の4人家族。平穏な日々を送っていた家族は、ある日突然、「電気が無くなる」という未曽有の事態に陥る。

すぐに復旧すると信じ楽観的な家族だったが、数日、数週間が経っても電気は戻らず、その混乱は日本中に広がっていた。電気だけでなくガスや水道など全てのインフラは止まり、生活ができなくなった家族はある”決断”を下す。それはサバイバルをしながら自転車で日本を南下し、妻の実家がある鹿児島県に避難するというものだった。

ココがスゴい!「サバイバルファミリー」の矢口史靖撮影裏話

矢口監督が「ウォーターボーイズ」の次にやろうとしてたのが、実はこの「サバイバルファミリー」。機械音痴で携帯電話に嫌気がさしていた矢口監督が、「だったらいっそのこと携帯が使えない世界を作ろう」と考えたのがきっかけだったそうです。

■猫缶や虫を食べるシーンや、夏の設定で川に入るシーン(実際は11月末)など、「サバイバル」の名は伊達じゃありません。”やらせたがり”の矢口監督は、当然ながらそれらのシーンも演者本人にリクエスト。そのドSっぷりに出演者達もただただ笑うしかありませんでした。

絶対見逃せない!この映画のみどころポイント

矢口監督の作品としては”異色”とも言える、ドキュメンタリー色の強い作品となっています。父役・小日向さんのひょうきんな演技など、クスっと笑える部分もたくさんありますが、作品全体として伝わってくるのは、「電気が無くなったらいったいどうなってしまうのだろう?」という得も言われぬ恐怖感。ジワジワと私たちの不安を煽っていきます。

災害の原因は不明、そもそも災害が起こった瞬間は映らない(鈴木家は全員就寝中)、という同類の作品の中でもかなり変化球な演出。しかしある意味現実的とも言えるその見せ方が、この作品を”実際に起こり得るもの”として考えさせるリアリティを生み出しています。

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まとめ

以上、矢口史靖監督の作品を公開年度順に振り返っていきました。

”シンクロ”や”吹奏楽”、”林業”など、私たちが思いもよらなかった”未知の世界”を、次々と映画作品として切り開いていく矢口監督。次はいったどんな作品で私たちを楽しませてくれるのでしょうか。今後の矢口監督の活躍にも期待しましょう。

この記事を書いた人
ひとっとび編集長
ひとっとび編集長

映画の情報サイト『映画ひとっとび』の編集長。 映画を「なんとな〜く」探している方から、「この映画の考察が知りたい!」というマニアな方まで楽しめるサイトを目指しています! 皆さんの映画ライフがもっと充実するお手伝いができますように。