マーティン・スコセッシ監督のおすすめ映画7選!『タクシー・ドライバー』他
「タクシードライバー」や「ウルフ・オブ・ウォールストリート」など、映画ファンの心を掴んで離さない作品を多く手掛けているマーティン・スコセッシ監督。
マーティン・スコセッシ監督は、1942年11月17日にアメリカのニューヨークで生まれました。ニューヨーク大学の映画学部に在籍し、卒業制作を基にした初の長編映画「ドアをノックするのは誰?」で一躍注目を集めます!
マーティン・スコセッシ監督の作品は、リアルな暴力描写や登場人物たちが抱いている闇を生々しく描いているのが特徴です。イタリア移民の元に生まれ、マフィアが支配しているイタリア植民社会で育ったことが、マーティン・スコセッシ監督の作品に大きな影響を及ぼしています。
そんなマーティン・スコセッシ監督の愛され続ける作品たちを、公開年順に紹介していきます!
マーティン・スコセッシ監督のおすすめ映画
1.タクシードライバー
あらすじ
ベトナム戦争帰りの青年トラヴィス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)は、タクシー運転手として働いている。ニューヨークの退廃しきった姿に嫌悪感を抱いていたトラヴィスは、戦争による不眠症も相まって心を病んでいた。そんなある日幼くして娼婦として働かされている少女アイリス(ジョディ・フォスター)と出会う。
ニューヨークの街をクリーンにするという野望を次第に抱いていったトラヴィスは裏ルートから拳銃を仕入れ、自らの肉体を鍛え上げていった。そしてトラヴィスは、恐ろしい計画を実行していく。
マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」撮影裏話!
主人公トラヴィスを演じたロバート・デ・ニーロは、タクシー運転手を演じるにあたって実際にニューヨークでタクシー運転手として働き、役作りを行なっていたそうです。
また、当時12歳にして娼婦のアイリスを演じたジョディ・フォスターは、サングラスにホットパンツという衣装を初日にスタイリストから見せられた時に恥ずかしくて泣いてしまったというエピソードもあります。
マーティン・スコセッシ監督「タクシードライバー」のみどころ!
「タクシードライバー」のみどころは、虚しさを抱えたトラヴィスが狂気に走る姿を見事に演じたロバート・デ・ニーロの芝居です。
トラヴィスが鏡に映った自分に「You talkin’ to me?」と問いかけながら銃を構えるシーンは必見です。この名シーンは「アメリカ映画の名セリフベスト100」では、10位にランクインしています。
2.キング・オブ・コメディ
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あらすじ
コメディアンとしてその名を世間に知らしめたいと思っているルパート・パプキン(ロバート・デ・ニーロ)は、人気コメディアンのジェリー・ラングフォード(ジェリー・ルイス)を誘拐して、自分をテレビに出演させるようにと要求する。
事務所に自演のテープを持って来いと言われたルパートは有頂天になり、早くも自分がスターになったと錯覚してしまう。
マーティン・スコセッシ監督の「キング・オブ・コメディ」撮影裏話!
コメディアンのルパート・パプキンを演じたロバート・デ・ニーロは、役作りのために数ヶ月もの間スタンダップコメディアンの舞台を鑑賞し、コメディの話の間やタイミングなどを研究したそうです。
徹底した役作りに定評があるロバート・デ・ニーロですが、「キング・オブ・コメディ」でも素晴らしい演技を見せています。
マーティン・スコセッシ監督「キング・オブ・コメディ」のみどころ!
マーティン・スコセッシ監督が「タクシードライバー」に続いてロバート・デ・ニーロとタッグを組んだ作品です。一見全く別のジャンルの作品にも見えますが、どちらの主人公も心に闇を抱え、危険な行動を起こしていく恐ろしさが共通しています。
2つの作品を見比べてみても楽しいかもしれません。
3.グッドフェローズ
あらすじ
マフィアの世界に憧れる少年ヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)は、ある日地元を牛耳るポーリーの元で働くようになり、マフィアの世界に足を踏み入れる。
次第にギャングとして成長していったヘンリーはカレン(ロレイン・ブラッコ)と結婚し、家庭を築いた。公私ともに充実した生活を送っていたヘンリーだったが、先輩のジミー・コンウェイ(ロバート・デ・ニーロ)らと実行した空港の大金強奪事件をきっかけにして、幸せな生活が崩壊し始める。
マーティン・スコセッシ監督の「グッドフェローズ」撮影裏話!
毎回の役作りが凄まじいロバート・デ・ニーロですが、「グッドフェローズ」ではトミー・デヴィートを演じたジョー・ペシの役作りも負けていません。本物のトミーはどのような人物だったのかを徹底的にリサーチし、入念に役を作り込んだそうです。
その甲斐あって、ジョー・ペシの演技は高く評価されました。
マーティン・スコセッシ監督「グッドフェローズ」のみどころ!
マフィアの世界で生きた実在の人物を題材にした作品ですが、マーティン・スコセッシ監督自身もマフィアの支配下である街に育ったために、マフィアの描写がかなりリアルです。
マーティン・スコセッシ監督の映画作品には自身の生い立ちがかなり影響していると言われていますが、「グッドフェローズ」は特にその影響が強い作品です。
2008年にアメリカ映画協会が発表したアメリカ名作映画ランキングのギャング映画部門では2位にランクインしています。
4.ディパーテッド
あらすじ
マサチューセッツ州のボストン南部で蔓延している犯罪を撲滅しようと奮闘していた警察は、犯罪組織のトップであるフランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)による支配を内部から崩そうと、新人警官ビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)を潜入捜査官として組織に送り込む。
しかし一方で、コステロが警察内部にスパイとしてコリン・サリバン(マット・デイモン)を送り込んでいて、警察の捜査はコステロに筒抜けになっていた。
それぞれ素性を隠して潜入捜査を遂行していたビリーとコリンだったが、警察とマフィア共に裏切り者がいることに気付き、犯人を突き止めようとする。
マーティン・スコセッシ監督の「ディパーテッド」撮影裏話!
企画段階では主人公のビリー・コスティガンはブラッド・ピットが演じる予定でしたが、ビリーの年齢とブラッドの年齢が離れすぎていることから、ブラッドは役を辞退しました。
しかしブラッドは出演という形ではなく、制作側として「ディパーテッド」に携わっています。
また、ヒロインのキャスティングに関しても当初はヒラリー・スワンクやケイト・ウィンスレットという女優の名が挙げられていましたが、マーティン・スコセッシ監督は無名だったヴェラ・ファーミガをヒロインに抜擢しました。
マーティン・スコセッシ監督「ディパーテッド」のみどころ!
警察と犯罪組織の攻防を描いた作品ですが、スパイが紛れこんでいると判明した後には息をつく暇もないほどハラハラしてしまいます。
警察と犯罪組織にそれぞれ紛れ込んだスパイの青年がどうなっていくのか、2人を取り巻く人間模様もみどころです。
5.シャッターアイランド
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あらすじ
連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)とチャック・オール(マーク・ラファロ)らは、ボストンハーバーにあるシャッターアイランドと呼ばれる孤島のアッシュクリフ精神病院にやってきた。
この病院では精神を病んだ犯罪者たちが収容されていて、テディとチャックは厳重な監視の元で行方をくらましたレイチェル(エミリー・モーティマー)という患者を捜索するために派遣されたのだった。
収容されている患者たちを取り調べていく中で、アッシュクリフ精神病院で行われていた恐ろしいマインドコントロールの実態が明らかになっていく。
マーティン・スコセッシ監督の「シャッターアイランド」撮影裏話!
孤島の精神病院が舞台となっている「シャッターアイランド」は、悪天候の描写が多く見受けられます。嵐のシーンは大きな機械を使って雨や風を起こしていましたが、主演のレオナルド・ディカプリオはこの機械の音が大きすぎて、会話をするシーンで相手の言葉が聞き取れずに苦労したそうです。
しかし映画本編では、そんな状況の中で撮影が行われていたとは思えないほど秀逸な会話劇が展開されています。
マーティン・スコセッシ監督「シャッターアイランド」のみどころ!
日本での劇場上映前には「まだ見ていない人にはこの映画のラストを決して話さないでください。」というテロップが入り、衝撃の結末が話題になっていました。
本編のいたる所にいろいろな謎が張り巡らされていて、一瞬たりとも目が離せません。謎解きをしながら観ていくと「シャッターアイランド」をより楽しめます。
6.ウルフ・オブ・ウォールストリート
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あらすじ
80年代後半のウォール街で会社を設立した26歳の証券マン、ジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、類稀なるセールストークで瞬く間に会社を大企業へと成長させていく。
年収40億円越えの億万長者になったジョーダンはドラッグやパーティーに明け暮れ、そのド派手な豪遊ライフは世間の注目を集めていた。
しかし“ウォール街の狼”と呼ばれるようになったジョーダンの悪業を、警察も放ってはおかなかった。
マーティン・スコセッシ監督の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」撮影裏話!
ジョーダン・ベルフォートは実在の人物で、彼の回顧録を元に「ウルフ・オブ・ウォールストリート」が制作されました。
映画同様に詐欺罪で服役していたジョーダンですが、出所して本作にゲスト出演しています。ジョーダンが演じたのは、ディカプリオ演じるジョーダンをセールスセミナーに呼び込む人の役です。
マーティン・スコセッシ監督「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のみどころ!
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」では、ジョーダン・ベルフォートが成り上がり、そこから転落していく姿を描いています。
映画の初めから終わりにかけてのレオナルド・ディカプリオの演技の変貌ぶりがみどころです。成功の最中で天狗になっているベルフォートと、詐欺罪で拘束され落ちぶれたベルフォートを見事に演じ分けています。
7.沈黙-サイレンス-
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あらすじ
江戸時代初期、幕府の厳しいキリシタン弾圧によって宣教師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が棄教したと聞きつけた弟子のロドリコ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライヴァー)は、日本に住むキチジロー(窪塚洋介)の手引きで長崎へやってきた。
弾圧の中でも信仰をやめない隠れキリシタンの日本人たちに出会ったのもつかの間、幕府の取り締まりは厳しさを増し、ロドリコたちも囚われてしまう。
次々に犠牲になっていく人たちを尻目に、ロドリコたちは棄教を迫られる。
マーティン・スコセッシ監督の「沈黙-サイレンス-」撮影裏話!
マーティン・スコセッシ監督は1990年代から本作の構想を練っていました。しかし企画の段階で他の作品に着手してしまい先延ばしになっていた「沈黙-サイレンス-」は、マーティン・スコセッシ監督にとっての念願の企画だったそうです。
2013年に企画が遂に実現すると発表され、2015年から撮影が行われました。
マーティン・スコセッシ監督「沈黙-サイレンス-」のみどころ!
キリシタンが激しい迫害にあっていた時代が舞台になっている「沈黙-サイレンス-」では、人々を救うための教えが逆に人々を苦しめているという実態を目の当たりにした宣教師たちの苦悩が描かれています。
思わず目を背けてしまうほどに残酷な拷問の描写も忠実に描かれていて、本当にこんなことが行われていたのかと恐ろしくなってしまいます。
まとめ
マーティン・スコセッシ監督の作品を公開年順に紹介しました。自身がマフィアや裏社会を見て育ったために、ブラックな描写が秀逸でリアルなマーティン・スコセッシ監督の作品は、多くの映画ファンから愛されています。これからのマーティン・スコセッシ監督の作品にも注目です。