アニメ界に革命を起こした大友克洋監督のおすすめ映画特集!『AKIRA』他

80年代から90年代に青春を過ごした世代のバイブルとも言える「AKIRA」を生み出した大友克洋は漫画だけに限らず映画監督としてメガホンを取ることもあります。

今回は、数々の革命を巻き起こした大友監督の手掛けた映画をみどころや撮影秘話と共にご紹介していきます!

大友克洋監督について

大友克洋監督はは1954年4月14日生まれの宮城県出身です。

大友監督は漫画でも映画でも、当時見たことのない手法を確立しました。遠近感を絵にもたらす技法であるパースの複雑で緻密さ。キャラを美化せずありのままに描く。など、数々の手法の先駆けとなっている姿から、大友監督の画力の高さが認知され、大友以前の求められる画力と大友以後の求められる画力の高さがものすごく変わってしまい「大友以前・大友以後」と言われてしまいました。

さらに、その大友以後で日本アニメが盛り上がり、日本(ジャパン)とアニメーションを組み合わせた「ジャパニメーション」という造語が作られ、国内外で高い評価を得ました。
大友監督の作風は、現状に政府に不満を持つ若者を描いたアメリカン・ニューシネマ的なもので、特に初期の作品はその色が濃く表れています。

しかし、大友監督は「一般的なアニメらしい可愛い絵柄を描かないと生き残れないなら描く」と過去に言っており、映画監督、漫画家として貪欲な姿勢が失うことはないと思わされます。

大友克洋監督の映画紹介!

それでは早速、大友監督の作品を厳選して7つ紹介させて頂きます!

繊細な作画、圧倒的な世界観を堪能してください!

1.迷宮物語 工事中止命令

出典:Amazon.co.jp

あらすじ

ジャングルの奥深くで、機械による完全自動化がなされた工事現場の中止が決定した。社員の杉岡勉(水島裕)は自ら一人ジャングルを抜けて、工事現場の機械たちに中止命令を伝える。一方で機械たちは突然の工事中止に不満を募らせるのだが…。

ココがスゴい!「迷宮物語 工事中止命令」・大友克洋監督の撮影裏話!

・1992年には海外の音楽専門チャンネルでも放送され、視聴者を驚かせてました
・1966年に描かれた短編の「工事中止命令」が原作で、他にも小説版「迷宮物語」もあります

「迷宮物語 工事中止命令」のみどころポイント!

まず、驚くのは風景描写の細かさでしょう。大友克洋監督は監督だけでなく原画も担当していました。工場通路に剥き出しのパイプ群などから伝わる、大友っぽさが原画にも濃く表れています。

当時の日本を風刺したブラックジョークに満ちたところが本作品のみどころです。
応用が利かず、与えられたことを淡々とこなしていくだけのロボット。主人公の杉岡もまた同じでステレオタイプな日本人姿と上司の命令を突き通す、上司への従属的関係。現代にも見られるこの光景に嫌気がさして、この作品が生まれたのだなと思わされます。

ちなみにこの作品は3人の監督の短編映画が一つにまとめられているオムニバス形式です。なので、大友克洋監督作品は「迷宮物語」の中の22分、「工事中止命令」になります。

基本情報

上映時間:50分
監督:大友克洋
出演:杉岡勉(水島裕)、ロボット444ノ1号(大竹宏)、丸山部長(家弓家正)
受賞歴:なし
公開日:1987年9月25日

2.AKIRA

出典:『アキラ』公式サイト

あらすじ

第三次世界大戦から31年後、2019年新しい首都となった「ネオ東京」では反政府ゲリラと軍が密やかに対立を繰り返していた。一方で、不良少年の金田(岩田光央)は暴走行為に夢中だった。そんな最中、暴走行為の途に、仲間の鉄雄(佐々木望)が警察に捕まってしまうのだった…。

大友克洋監督が魅せる‼「AKIRA」の撮影裏話!

・作中に出てくる、金田が乗るバイクは当時どのバイクにも類似しておらず、その個性的なルックスからレプリカを作る人が続出していました
・国内だけでなく海外でも大人気となった「AKIRA」は海外で2021年に実写映画として公開されます

ココが見逃せない‼「AKIRA」のみどころ

大友克洋っぽさとアメリカン・ニューシネマっぽさが化学反応し、生まれたのがこの作品「AKIRA」です。

近未来であるのにも関わらず、近未来感を匂わせない俗っぽさと雑多な街並みが目立つサイバーパンクSFという革新的なジャンルを広く認知させた作品と言っても過言ではありません。
近未来的なフォルムを有するバイクにステッカーをべたべたと貼っており、当時の若者を彷彿とさせますが、違和感の無いカッコよさに仕上がっていて「欲しい!」と思った方は世界中にいるはずです。
そんな
反骨精神むき出しの若者がそのバイクに跨り、ある事件をきっかけに生活が一変するさまからは目が離せません。

基本情報

上映時間:124分
監督:大友克洋
出演:金田(岩田光央)、鉄雄(佐々木望)、ケイ(小山茉美)
受賞歴:なし
公開日:1988年7月16日

3.ワールド・アパートメント・ホラー

出典:Amazon.co.jp

あらすじ

アジア系労働者が住むボロアパートは都会の中心に位置しており、地上げ屋による地上げが寸前にところまできていた。地上げのためにアジア人を追い出そうとするチンピラ・一太(田中博樹)は嫌がらせを始めた。しかし、どんな嫌がらせをしても動じない住人たちに一太は困惑し、より過激な行動を取ろうとするのだが…。

「ワールド・アパートメント・ホラー」の必見!みどころ集

ホラーと題名に入っているのにも関わらず、一太の使えなさっぷり、住人たちの奇想天外な反応など数々の笑いどころがあるのがこの映画「ワールド・アパートメント・ホラー」です。しかし、不気味さもしっかりと残しつつコメディホラーとして確立している大友監督の手腕はさすがの一言です。天井が動き出したり、ラジカセが勝手に鳴りだしたりするシーンは笑っていたことを忘れ、自分が一太のように怯えてしまうかもしれません。

そんな一太は次第にうなされて、アパートに住む悪霊に取りつかれてしまいます。そのあと、住民たちは悪魔祓い師を呼び、一太を助け出しますが、そのシーンから一変したラストは思わず笑ってしまいます。

基本情報

上映時間:97分
監督:大友克洋
出演:中村有志、中川喜美子、南雲勇助
受賞歴:なし
公開日:1991年4月5日

4.MEMORIES 大砲の街

出典:Amazon.co.jp

あらすじ

少年(林勇)は目が覚めると、まず砲撃手の肖像画に敬礼する。そして「撃ってきます」と言い残し、学校へ向かう。父親(山本圭子)は17番砲台に勤めていて、そこで敵移動都市を発射目的として日々、発射準備をしている。一方で少年は砲撃手になることを夢見て、日々学校で弾道計算を習っている。

「MEMORIES 大砲の街」の大友克洋監督、の撮影裏話!

・この三部作映画「MEMORIES 大砲の街」を作ったうえで、大友監督は「実験的な要素を盛り込んで作った」と語っています
・アニメでは1カットは作れないが、1カットによる長回しを実現したいために1カットに見えるように、大友監督は作画を工夫していました

大友克洋監督・「MEMORIES 大砲の街」のみどころ

この作品「MEMORIES 大砲の街」もまた強烈な風刺作品です。「大砲」というワードとカルチャーで形作られたこの世界の住人たちはそのことに何の疑問も持たずに生活しています。
「敵国」の描写があえてないのは見る人に本当にあるのかどうかという疑問を投げかけます。その疑問はインターネットが普及し、個人の権利が保障された現代の人ならではの疑問と言えます。しかし当然、大砲の街で暮らしている人々にとっては気付くはずもない。
国としてのカルチャーとしての「大砲」があることで、大砲の街、大砲の街の住人たちは「幸せ」なのか「不幸せ」なのか考えて見てしまうのがこの作品の魅力でもあります。

ちなみにこの作品は3人の監督の短編映画が一つにまとめられているオムニバス形式です。なので、大友克洋監督作品は「MEMORIES」の中の22分、「大砲の街」になります。

基本情報

上映時間:113分
監督:大友克洋
出演:少年(林勇)、父親(キートン山田)、母親(山本圭子)
受賞歴:なし
公開日:1995年12月23日

5.スチームボーイ

出典:Amazon.co.jp

あらすじ

産業革命の最盛期に突入しているイギリスではロンドン万博が開かれてた。その最中、イギリスに住むレイ(鈴木杏)は父エドワード(津嘉山正種)と祖父ロイド(中村嘉葎雄)の二人の発明家を尊敬する、発明好きの少年だった。そして、突然ロイドからレイの元に金属の球体が送られ、困惑するのだが…。

知られざる撮影裏話!大友克洋監督の「スチームボーイ」

・「スチームボーイ」の前日譚スピンオフが月刊マガジンKで連載されました
・それと同時に、PlayStation2でゲーム化もされました

みどころ満載!大友克洋監督の「スチームボーイ」

大友克洋監督特有の世界観が2時間に渡って存分に表現されているため、この映画は全てがみどころと言えます。19世紀にあった蒸気機関車を始めとする産業革命と大友監督が作画で表現したスチーム的機関、構造が上手くマッチしているので見るだけでワクワクしてしまいます。

産業革命以後、その技術が戦争へと転用されたのは周知の事実ですが、この作品ではそれを阻止しようとレイが祖父のロイドともに奮闘します。一生懸命な二人の姿からは科学に対する一途な気持ちを感じられ、一挙手一投足目が離せません。

基本情報

上映時間:126分
監督:大友克洋
出演:鈴木杏、小西真奈美、津嘉山正種
受賞歴:なし
公開日:2004年7月17日

6.蟲師

出典:Amazo.co.jp

あらすじ

100年ほど前の日本でギンコ(オダギリジョー)は蟲師を生業としており、雪景色広がる山の小屋で4本の角が生えた少女・真火(守山玲愛)と出会う。真火はある病気を患っており、ギンコは治療してあげた。その後に、次は身体に変異が起きた女性・淡幽(蒼井優)を助けるために協力するのだが…。

映画「蟲師」の大友克洋監督・撮影裏話

・原作漫画「蟲師」の愛読者だった大友克洋監督自身が自ら持ち込んで実現していました
・まだ残っている昔の日本の原風景を撮るために京都、滋賀、福井の奥地までいって撮影していました

「蟲師」・大友克洋監督が魅せるみどころ!

この映画「蟲師」は昔ながらある日本の原風景を幻想的に演出した雰囲気がとても美しいです。見る人の疲れを癒やしてくれるような場面、景色を再度見たくなってしまうのも頷けます。

オダギリジョー演じるギンコは蟲を引き寄せる体質のために、蟲に悩む人を助ける仕事・蟲師をしています。そんな人を悩ます蟲を封じたり殺したりするのではなく、蟲と人とが共存できる方法を探してます。難しい道を信じて突き進むギンコを思わず応援したくなってしまいます。

基本情報

上映時間:131分
監督:大友克洋
出演:オダギリジョー、江角マキコ、大森南朋
受賞歴:なし
公開日:2007年3月24日

7.SHORT PEACE 火要鎮

出典:映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト

出典:「SHORT PEACE」火要鎮

あらすじ

商家の娘・お若(早見沙織)と、その長馴染みの火消しの男・松吉(森田成一)との恋が実らず、それを忘れられないお若が放火をしてしまう。松吉を含め火消したちは鎮火させようと奮闘するが、火の手は江戸中に広がってしまうのだった…。

大友克洋監督の「SHORT PEACE 火要鎮」撮影裏話!

・「AKIRA」のイメージを脱却するイメージで本作品の構想を考えていました
・火事の様子にリアリティを感じられず、絶望的にしようと大友監督自ら書き直していました

「SHORT PEACE 火要鎮」の大友克洋監督によるみどころ

当時の江戸風俗を緻密に描き出していて、江戸っぽさを上手く表現していることがこの映画の魅力です。
幼少期の松吉とお若のシーンから絵巻物のアニメーションでジャンプして表現する手腕は大友克洋監督の技量ならではと思わされます。さらにCGも用いて人々を描写しているため、リアリティがあり、江戸時代という離れた時代の作品ながらも親しみやすくなっています。
そして、江戸に火の手が広がるシーンは圧倒的な存在感を放っており、見る人に絶望を感じさせます

ちなみにこの作品は4人の監督の短編映画が一つにまとめられているオムニバス形式です。なので、大友克洋監督作品は「SHORT PEACE」の中の22分、「火要慎」になります。

基本情報

上映時間:68分
監督:大友克洋
出演:お若(早見沙織)、松吉(森田成一)、お梅(小林ゆう)
受賞歴:なし
公開日:2013年7月20日

番外編 AKIRA (漫画)

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あらすじ

第三次世界大戦を経て31年後の日本は新しい首都ができた。その名も「ネオ東京」。

そこに住む、オートバイ暴走チームの金田は仲間と暴走行為に明け暮れていた。そんなある日、金田の仲間・鉄雄が衝突事故を起こし、怪我した鉄雄は入院することになった。そこで不思議な力に目覚めてしまった鉄雄は行方をくらまし、金田は消えた鉄雄を探すことになった。

漫画家・大友克洋のココがすごい!みどころ集

まず、目を奪われるのが緻密な背景描写です。当時、ここまで正確で込み入った背景を作る人はおらず、大友克洋さんは漫画界をリードする先駆け的存在として確立しました。近未来と雑多なパンクっぽさをごちゃ混ぜにした世界観はサイバーパンクSFとして呼ばれ、この作品がきっかけに広く認知されることになりました。

そして、そんな壮大な世界観の主人公はというと暴走行為に夢中な不良少年なわけですから、ミスマッチ感が絶妙でなんとも言えない気持ちになります。しかし、その暴走行為は現状、政府、世界からの不満から来る少年特有の「漠然感」、「もどかしさ」ものです。こういった反骨精神と行動力に溢れた金田だからこそ「AKIRA」は漫画として大成したと気付かされます。

そんな金田は不器用で喧嘩っ早い男ですが、情に厚い男で消えた鉄雄を熱心に探す様は見ている人がアツくなります!「AKIRA」は金田のアツい情熱を感じ取り、ハラハラ・ドキドキするのが醍醐味と言えます!映画「AKIRA」とは話が内容が異なるため、映画でハマってしまった方は要チェックです!!

まとめ

今回はオムニバス形式の短編映画も含めて大友克洋監督の映画を7つご紹介しました。
THE大友克洋感が溢れている映画から、そうではない新たな試みから作られた映画、実写映画など様々な監督映画を織り交ぜて紹介しているので、一つ一つ重ならずに楽しめます。

映画だけでなくCMでも漫画でも数々の分野で活躍する大友克洋監督のこれからも、まだ目が離せません!
これを機にぜひチェックしてみてください‼