デザインが秀逸な映画ポスター15作品まとめ
「ポスター」というのは製品を分かりやすく表現し、宣伝するためのツールです。したがって、映画のポスターはその映画の顔といっても過言ではないでしょう。そのデザインで見る人の想像をかきたて、感情を揺さぶって期待値を上げる効果があります。最近では、映画のポスターを集めるのが趣味という人もいるくらい、ポスターは映画に大きな影響を与えています!
この記事では、デザインが秀逸な映画ポスターを紹介します。ポスターのメッセージ性が気になった人は、映画本編もぜひ観てみましょう。
目次
ホラー映画の秀逸なポスター
1.『死霊館』
出典:映画『死霊館』公式サイト
このポスターのポイントはなんといっても、枯れ果てた巨木に宙ぶらりんになっている人影ではないでしょうか。人影のワンピースのような服装から、女性が首を吊っていることが分かります。また、影だけで実体が映っていないということは、この正体は人間ではないことが暗に示されているのでしょう。
どんよりとした暗い天気で、白いもやが立ち込める屋敷はなんとも怪しい雰囲気が表現されていて、観客の恐怖心を喚び起こすポスターです。
2.『シャイニング』
映画『シャイニング』は、主演俳優ジャック・ニコルソンの狂気じみた顔のポスターが有名です。映画のタイトルデザインを多く手がけた有名なグラフィック・デザイナー、ソール・バスが制作しました。300もの案の中からワーナー・ブラザーズが選んだポスター案はニコルソンのものではありませんでしたが、鬼気迫るセンセーショナルなデザインは今でも高い評価を受けており、オマージュ作品が多く作られるほど。今ではニコルソンのポスターが市民権を得ています。
3.『ポゼッション』
出典:Amazon.com
「憑依している恐ろしい存在が、少女の身体の中に巣くっている」という表現が、見る人の驚きと恐怖を誘うビジュアルデザインです。口から不気味な手が飛び出して頭を掴んでいるという、普通ならありえないことだからこそ、その異様さにぞくぞくっと寒気が走ります。
「ポゼッション」とは英語で「所有」「占領」を意味します。その意味もあわせて考えてみると、よりいっそうポスターと映画本編が怖くなってくるかもしれません。
4.『エスター』
お人形のような端正な顔立ちなのに、無表情と目元の影が異様に少女(エスター)の怖さを引き立てています。人は長時間顔のアップを見せられると、心理的な圧迫感やストレスを無意識に感じるそうです。このポスターは「何を考えているのか分からない……」といった感情を、見た人に無理やり感じさせる効果があります。
実はこのポスターのエスターは鏡写しにされていて、完全な左右対称となっています。あまりに完璧過ぎる構造なので、不自然に見えるのかもしれません。
5.『肉』
出典:Amazon.com
暗い食卓で、美少女の姉妹とその肩を大事そうに抱く父親が睨みつけるようにこちらを凝視しています。タイトル(邦題)にある通り、「肉」という文字がレースで表現されているのは、なにやら厳かな雰囲気を感じさせ、本編の「儀式」と関係があるように思わせます。背景が真っ黒のせいで、肉という文字が強調されているようです。
この作品は原題の「We Are What We Are」からだいぶ離れた邦題で、さらに「肉」というシンプルすぎるタイトルで注目を集めました。
6.『仄暗い水の底から』
出典:Amazon.com
暗く、じめじめとしたマンションの廊下に、郁子と赤いバッグを持って下を向く子どもが佇んでいます。茫然と佇む郁子に水が迫っているようなデザインで、人間が本能的に怖がる暗闇と水を上手く使って、恐怖心を煽っています。
この映画は日本を代表するホラー映画『リング』を製作した監督が手がけたもので、当時話題になりました。本編のみならず、ポスターだけでじわじわと不安を感じさせるのは、売れるホラー映画には必須の要素かもしれません。
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7.『エクス・マキナ』
機械で身体を構築されている女性のロボットが、長いまつ毛の下からこちらを覗き込んでいます。整った顔立ちと、なにかを伝えるかのような意味深な「視線」は、見る人をドキドキさせてしまいます。特に「エヴァ」は綺麗な女性なので、ジッと見つめられると理由もなくドキドキしてしまうかもしれません。
この映画は第88回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞しており、このポスターも観客の視覚になにかを訴えるよう計算されています。
8.『ハンニバル』
出典:Amazon.com
覆うような暗がりから至近距離でこちらをじっと見つめるハンニバルの不敵な笑みに、思わずぞっとする人も多いのではないでしょうか。ルビーのような綺麗な赤い目が、なんだか血を映しているように見えて、より一層恐怖心を煽っています。怒っているような表情にも見えるし、興味しんしんに観察しているような表情にも見えます。アンソニー・ホプキンス演じるハンニバルの表情からは、正確な感情が読み取れなくて人を不安にさせます。
9.『A.I. Artificial Intelligence』
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デイビッドを演じるハーレイ・ジョエル・オスメントの、機械的ではありますがなんとも切ない目が気になるデザインです。母親の愛情を求めるように訴えかける視線に、見る人はなんともやるせなく切ない気持ちになります。捨てられても母の愛を信じ続ける子どもに、思わず感情移入してしまう不思議な力がある目だと言えます。
ロボット役なのに、人間的な感情を細かく表現したハーレイ・ジョエル・オスメントの演技力に注目が集まった映画です。
『A.I. Artificial Intelligence』の詳細を見る▷▷▷
10.『娼年』
このポスターはなんといっても、日本を代表するイケメン俳優・松坂桃李のセクシーな表情に注目です。男娼としていろいろな女性と関係を持ち、夜の街に佇むリョウの妖しげな魅力や色気が溢れています。子犬のように切なげで、母性本能をくすぐる物欲しげな表情と「僕を、買ってください。」というキャッチコピーは、世の女性の心を掴んだのではないでしょうか。
本編でも色っぽい松坂桃李を存分に見られるので、ファン必見の作品です。
11.『時計じかけのオレンジ』
出典:Amazon.com
このポスターはフィリップ・キャッスルによってデザインされました。原題の「A Clockwork Orange」のAからアレックスが覗き込むという構想は、当時としては斬新なデザインでした。まぶたを固定して無理やり映像を見せる「ルドヴィコ療法」を思わせる目玉と、ナイフを突き出して不敵に微笑む主人公のアレックス。ポスターだけでは、これが残虐な内容の映画とは想像できません。
『時計じかけのオレンジ』は過激な内容が話題となり、今でもポスターはネットオークションでやりとりされるほど人気です。
12.『ムーンライト』
この映画はシャロンの人生を少年期、ティーン期、青年期と3段階で分けていて、ポスターは月明かりに照らされたそれぞれの時代のシャロンの顔をつなぎ合わせているデザインです。不満を抱いているような、孤独を訴えるような切なげな目がまっすぐこちらを見つめています。3人とも顔つきが異なりますが、共通する感情だけは目を通して表現できるように、監督がこだわりをもって考えたそうです。
このポスターの他に、それぞれの時代のポスターが3枚あるので、気になる人はぜひ探してみてください。
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13.『暗闇の悪魔 大頭人の襲来』
出典:Amazon.com
豊満な女性をさらおうとする、絵に描いたような悪どい顔の宇宙人と、円盤から逃げようとして走り回る人々が表現されています。製作された1950年代の宇宙人のイメージといえば、充血した目を見開いた頭でっかちの宇宙人が地球を侵略しようとして、人間を恐怖の淵へ追いやるのが定番だったのでしょう。
アメリカにおける最初の宇宙人のイメージはタコの姿をした火星人だったので、人型(グレイ型)の本作は斬新だったのかもしれません。
14.『美しき生首の禍』
出典:Amazon.com
培養液に漬けられた脳みそとさまざまな器具が取りつけられた女性の生首という、センセーショナルなビジュアルデザインです。「水槽の中の脳みそ」という哲学のロジックテーマに、実際にストーリーをつけて映像化した作品でしょう。
現実ではありえないポスターですが、だからこそロマンと恐怖心が溢れていると言えます。左に小さく美女を抱きかかえるビル博士がいますが、この彼のマッドサイエンティストっぷりも見逃せない内容です。
15.『禁断の惑星』
出典:Amazon.com
ポスターは、レトロフューチャー型のロボットのロビーがアルティラを抱きかかえるデザインになっています。先程の『暗闇の悪魔 大頭人の襲来』でもそうでしたが、当時は豊満な女性を横抱きにするのが流行っていたのでしょう。しかし、ロビーの場合は誘拐ではなく、アルティラを守ろうとしています。「ロボットは主人を危機から守ろうとする忠誠心がある」というイメージが伝わってきます。
モービアス博士のセリフにある「怪物」は予想だにできないものなので、気になる人は本編を確認してみましょう。
まとめ
冒頭で「ポスターは映画の顔」とお伝えした通り、ポスターも込みで映画が完成されると言っても過言ではありません。「どういう映画なのか」といった想像力を上手くかきたてられるポスターこそ、秀逸なポスターと言えます。
15作品を紹介してきましたが、思わず保存したくなるようなポスターに巡り会えたなら、あなたはすでにその映画の魅力に惹き込まれています。ぜひ本編もチェックして、お気に入りの映画を増やしてみてくださいね!