実写映画『ダンボ』あらすじネタバレ | 迫力満点の映像美!
子供のころから大好きだったダンボが実写化されました。アニメーションのあのかわいいキャラクターとは随分違うんじゃない?そんな違和感を覚える方も多いかと思います。確かに実写版のダンボの顔は皺だらけで、ぎょろっと大きな目が妙にリアルで皮膚感も生々しくて、なんだかこわい気もしますよね。
ところで『ダンボ』って、どんなお話でしたっけ?ただかわいいだけのゾウではなくて、かわいそうで泣いちゃったりしながら、空飛ぶ姿を夢中で見守った。そんな子供のころの記憶を思い起こしながら観て頂きたい作品が実写映画『ダンボ』です!
この記事では、実写版『ダンボ』のキャストやあらすじ、みどころをネタバレ有で解説していきます!
目次
実写映画『ダンボ』の監督は鬼才ティム・バートン
アメリカ合衆国の映画監督で現在はイギリス・ロンドンに在住。プロデューサー、アーティストとしても活躍するティム・バートン監督は、元々はディズニーのアニメーターでした。1984年25歳の時に『フランケンウィニー』で監督デビュー。その後『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』『ビッグフィッシュ』『スリーピー・ホロウ』など、数々の作品を大ヒットさせて一躍有名に。彼が作り上げる幻想的な世界観はダークファンタジーとも呼ばれ熱心なファンに支持されています。
そんなファンからは、今回の『ダンボ』は「物足りない」「期待外れ」「毒々しさに欠ける」など酷評されてもいるようですが、監督独自の世界観はちゃんと表現されている気がしました。
まずは古ぼけた巡回サーカス団の薄暗い風景と、アクが強くて怪しげな芸人たち。対照的にドリームランドはけばけばしいほど豪華に装飾されていますが、その陰には暗くて不気味な「ナイトメア」の存在が…。
ただし『ダンボ』という映画を子供も楽しめるように、監督はいつもの毒々しさを少し控えめにしているかもしれません。
実写映画『ダンボ』の日本語版吹き替えキャスト
ホルト/コリン・ファレル 西島秀俊
出典:映画『ダンボ』公式サイト
メディチ・サーカスの曲馬乗りで元看板スター。妻と片腕を失い戦争から帰国。子供たちとダンボの世話を任され、失意のうちにも新たな家族の絆や友情を見い出し奮闘するホルト。演じるのはアイルランド出身の役者コリン・ファレルです。『マイノリティ・リポート』や『マイアミ・バイス』などに出演しています。
そのホルトの声を、西島秀俊さんが演じています。俳優として有名な西島さんですが、実は2013年の映画『風立ちぬ』や『ペンギン・ハイウェイ』、NHKアニメ『オトッペ』などで声優としても活躍し、歯切れのいい声や口調が高く評価されているのです。そんな西島さんにとって『ダンボ』は、声優としてのハリウッド映画初挑戦となりました。
ヴァンデヴァー/マイケル・キートン 井上和彦
出典:映画『ダンボ』公式サイト
巨大遊園地ドリームランドを経営する興行師。ダンボの噂を聞きつけ、自分の事業に利用して金儲けをしようと企むヴァンデヴァー。演じるのはあのマイケル・キートンです。ティム・バートン監督の作品ではもうおなじみですよね『ビートルジュース』『バットマン』同様、今回ももちろん悪役で存在感を発揮しています。
その声を演じるのが日本のテレビアニメ界で1973年から活躍する井上和彦さんです。井上さんは『サイボーグ009』のジョーや『名探偵コナン』の白鳥任三郎、『ジョジョの不思議な冒険』のカーズなどの声を演じているベテラン声優です。
コレット/エヴァ・グリーン 沢城みゆき
出典:映画『ダンボ』公式サイト
ドリームランドの看板スター、天空の女王と称賛される美女コレットを演じるのはフランス生まれの女優エヴァ・グリーン。ランコムやアルマーニ、クリスチャン・ディオールなどのモデルとしても活躍しています。スタイル抜群でとにかく美しいコレットですが、映画ではその美貌だけではなく、ダンボや子供たちとも心を通わせる重要な存在です。
その声を演じるのは沢城みゆきさん。『アンパンマン』のサラダ姫、『ルパン三世』の峰不二子、『ワンピース』のプリンの声で知られていますが、声優だけでなくナレーターや女優としても活躍しています。
メディチ/ダニー・デヴィート 浦山迅
出典:映画『ダンボ』公式サイト
メディチ・ブラザーズ・サーカスのオーナーであり、経営難に陥るサーカス団をなんとか立て直そうと悪戦苦闘するメディチ役を演じるのはダニー・デヴィート。身長147cmの小太りな体を揺らして走り回る姿はなんともハマリ役ですが、ティム・バートン監督作品では『ビッグ・フィッシュ』でも団長役を演じていました。
その声を演じるのはやはりベテランの浦山迅さん。『忍たま乱太郎』の学園長のほか『クレヨンしんちゃん』や『機動戦士ガンダム』などにも出演しています。
実写版のあらすじ
空を飛ぶ!奇跡のゾウ!ダンボ誕生
出典:映画『ダンボ』公式サイト
舞台は1919年アメリカ。機関車に貨物をつないで各地を巡回するメディチ・ブラザーズ・サーカス団。そこに曲馬の看板スター、ホルトが戦場から帰ってきた。大喜びで駅まで出迎えに走る娘のミリーと息子のジョーだが、左腕の無い父の姿に息を呑む。実は彼らの母でありホルトの妻アニーは、ホルトの出征中にインフルエンザで亡くなっていた。
サーカス団の経営は苦しく、乗るべき馬も売られてしまったホルトと子供たちは、失意のうちにゾウの世話役に回される。そんなサーカスの唯一の期待は、妊娠中のジャンボが産む予定のかわいい赤ちゃんゾウだった。
ついに待望の赤ちゃん誕生。皆が見守るなか現れたのは、異様に耳の大きい不格好な子ゾウだった。団長は失望し、観客は耳の大きな子ゾウをダンボと呼び笑いものにする。自分の子供がいじめられていると思ったジャンボはテントに乱入。ただ子供を守ろうとしただけなのだが結果的にテントが崩れる大惨事となり死者も出て、ジャンボは危険なゾウとしてオリに閉じ込められ、やがて業者に売られてしまう。
母親と引き離されて悲しむダンボのそばに、ずっと寄り添ったのは二人の子供たちだった。自分たちと同じ境遇に陥ったダンボをなんとか元気づけたい。そんな思いで一緒に遊んでいる最中に、たまたま吹き上がった羽を吸い込んで羽ばたくダンボを目撃する。
「ダンボは飛べる!」二人の話を周りの大人たちは誰も信じなかったが、ショーの最中にアクシデントがあり、高い台の上から落下したダンボが地上ぎりぎりで耳を羽ばたかせて宙を舞う。窮地を救ったのは、ミリーが命がけでダンボに届けた一本の羽だった。
母を救え!友を救え!空飛ぶダンボ
空飛ぶゾウ・ダンボの写真は新聞にも掲載されてたちまち全国の話題に。それを知った大興行師ヴァンデヴァーが、メディチ・ブラザーズ・サーカスにやってきた。「ダンボを売るつもりはない」と首を振るメディチに対し、ヴァンデヴァーは「パートナーとして一緒にビジネスをしよう」と言葉巧みに持ちかけ、彼の経営する巨大遊園地ドリームランドにサーカス団ごと吸収してしまう。
ヴァンデヴァーはドリームランドの看板スター、空中ブランコ乗りのコレットに、ダンボの背中に乗って飛ぶよう命令する。人を乗せたことのないダンボに乗って空を飛ぶという難題を実現するために、子供たちとホルトが協力する。特訓の末にコレットはコツをつかみ、親子やダンボとも信頼関係を築き始める。
いよいよ初舞台の日、練習した通りダンボの鼻先に羽を差し出すコレットだが、たまたまそこでくしゃみをしたダンボが羽を飛ばしてしまい、コレットもダンボも落下の危機に晒される。コレットはホルトが投げたロープに救われ、ダンボは地面に激突する直前に耳を広げる。
ダンボは飛んだ。観客は大歓声。だがなぜかダンボはそのままテントの外へ飛び去ってしまう。声が聞こえたのだ。母親ジャンボの声が。ジャンボは偶然、ドリームランドの片隅にある危険な動物ばかりを集めて見世物にしているナイトメアに閉じ込められていた。
「ダンボを母親と一緒にさせて欲しい」そんなミリーの願いを無視して、ヴァンデヴァーはジャンボの処分を指示する。しかもメディチ・ブラザーズから来た芸人達には一斉に解雇を言い渡す。ついにホルトとサーカスの仲間たちが立ち上がる。ダンボと母親を救うために。
実写映画『ダンボ』を楽しむポイント
ポスターのダンボがかわいい
リアル過ぎてなんだかこわいと思っていたのに、映画を観ているうちに、どんどんかわいく思えてくるから不思議です。実写のダンボは笑うとすごくかわいいんです。特にアニメでもおなじみのピンクのゾウが行進するシーン。実写ではシャボンで表現されていますが、空中で踊るピンクのゾウたちを、ダンボが嬉しそうに見上げている。その笑顔がとにかくかわいいので、ぜひ観て欲しいです。
傷だらけの板に映るダンボのシルエットがいかにも頼りなく淋しげで、ちょっとせつない気持ちになります。それでもダンボの鼻先にふわっと浮いた羽が、すべての鍵であり、希望につながるのですよね。
ティモシーの代役が子供たち
出典:映画『ダンボ』公式サイト
アニメでは、孤独なダンボに寄り添い、なんとか母親に会えるよう奮闘してくれる友達はネズミのティモシーでした。実写版にも赤い帽子とベストを着たネズミは登場しますが、ここでダンボを支えるのはネズミではなく人間の子供たちミリーとジョーです。
奇異の目でダンボを見る大人たちと違い、二人は初めからダンボを偏見なく受け入れ、親しみを込めて接してきました。母親を失う悲しさや淋しさを理解できるからこそ強く共感しあえたのかもしれません。映画ではダンボは言葉をしゃべりません。キューンキューンと切ない声で鳴くだけですが、まるで人間の言葉を理解するように二人の子供と心を通わせていきます。
さらにダンボの世話を通じて、なんとなくぎくしゃくしていた子供たちと父親との関係にも、少しずつ変化が生まれてきます。
一緒になにかをすることで絆が深まる。だとしたら、親子で映画を観ることで共感しあえるなにかがあるかもしれません。ネズミよりも人間の子供の方が、映画を観る側の子供たちにとっても感情移入がしやすいのではないでしょうか。
映画の最後でミリーはダンボの前で、母親の形見の鍵を放り投げます。「もう扉は自分で開けられる」。勇気づけられたダンボは初めて羽無しで飛び立ちます。独りの力ではなく支えあうことで、それぞれが成長していきます。
まとめ
実写映画『ダンボ』には、アニメにはなかった人間の家族の物語が重ね合わされています。それだけ共感もできるし、子供と一緒に楽しめる作品になっています。
最初は気持ち悪いなんて思っていたダンボを、途中からは固唾を呑んで見守りながら「飛べ!飛んで!飛べるよ!」と応援してしまいます。結局は自分たちも、先入観や偏見に縛られていたのかもしれませんね。
ダンボが好きという思い出がある人は、ぜひ観てください。映像については賛否両論あるようですが、ピュアな気持ちで率直に楽しめる映画だと思います。
ゾウが飛ぶ姿は、アニメよりむしろ実写の方がリアルだからこそ迫力があります。空を飛ぶゾウは不思議だけれど、人の心を理解するダンボは不思議じゃない。そんなことを感じさせてくれる作品です!