『きみに読む物語』あらすじ•ネタバレ徹底解説!キャストの撮影秘話もご紹介
「一番好きな恋愛映画」として『きみに読む物語』をあげる人は少なくありません。主人公ノアの生涯かけた愛情表現に、ラストは拍手を贈りたくなる壮大なラブロマンス。’’実在したふたりの物語’’を『シーズ・ソー・ラヴリー』の監督ニック・カサヴェデスが色鮮やかに表現しています。
今回は、興行的にも大成功をおさめた『きみに読む物語』のあらすじや制作秘話をご紹介します!愛あふれる人生に、今日は酔いしれてみませんか??
目次
実話を基にした大ヒット小説を映画化!『きみに読む物語』について
1996年に大ヒットした同名小説を『シーズ・ソー・ラヴリー』、『ダメ男に復讐する方法』のニック・カサヴェデスが映画化した『きみに読む物語』。
2005年に公開され、全米興行収入は81億、本監督史上最高の記録となりました。甘くて切ない’生涯かけた大恋愛’の主人公を演じたのは『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴスリングと、カナダ出身の人気女優・レイチェル・マクアダムス。作中でも印象的に描かれるキスシーンは多くの観客を魅了し、ふたりはその年のMTVムービー・アワードにて「ベストキス賞」を受賞しています!
原作者であるニコラス・スパークスは、発表した18作品のうち、『メッセージ・イン・ア・ボトル』など11作品が映画化されている人気作家。そして本作は実話がベースで、モデルとなったのはニコラス・スパークスの妻の祖父母でした。「こんなふたりが現実にいる」ということが、映画をよりロマンチックに仕立てあげています!
10秒でわかる『きみに読む物語』の簡単なあらすじ
ざっくりあらすじとある介護施設。アルツハイマーを患った老女に、ひとつの’物語’を聞かせる男がいた。
’物語’の舞台は1940年代のアメリカ。ワガママで気の強い17才のアリー・ハミルトン(レイチェル・マクアダムス)はバカンスに訪れた田舎町で、ノア・カルフーン(ライアン・ゴズリング)と出会い恋に落ちる。
しかしアリ―は裕福な家庭の令嬢、ノアは材木置き場で働く貧乏な青年だった。アリ―の両親に引き裂かれたふたり。やがてノアは戦争へ出向き、その間にアリ―は新たな恋を知り、婚約するが、ノアの姿が心から離れない。そして運命の糸は、もう一度ふたりをつないだ。「すてきな話ね」と’物語’の続きをせかす老女。翌日には忘れてしまう彼女に、なぜ男は何度も、ていねいに語りつづけるのか――。
『きみに読む物語』は冒頭からラストまで、心をスクリーンのなかに奪われてしまう美しいい映画です。色鮮やかでポップに描かれた恋におちていくふたりのチャーミングさに、思わず笑顔がこぼれます。全編とおして散りばめられた「ノアのまっすぐで情熱的な愛情表現」も見どころ。
そして本作最大の特徴は、’何度も繰り返して観たくなる’ということ!ラストを知っているからこそ切なさが増し、ふたりの温かい人生に心を打たれるのです。映画史に残る名セリフと名場面を数多く生み出した一作!
『きみに読む物語』のネタバレあらすじ
ここからは、ネタバレ全開で『きみに読む物語』のあらすじを詳しく解説していきます!
【あらすじ①】物語はノアのひとめぼれから始まった
とある老人介護施設。アルツハイマー型認知症を患った老女のもとに、ひとりの男が現れる。彼の名はデューク(ジェームズ・ガーナ―)。デュークは毎日、老女にある’物語’を聞かせていた。老女は彼のことも、’物語’のことも日々忘れてしまう。それでもデュークはていねいに’物語’をくりかえすのだった――
場面は1940年6月、フェスティバルの夜へと切り替わる。材木置き場で働く貧乏な青年・ノアは、ひとりの少女に出会った。彼女の名はアリー。天真爛漫でキュートな笑顔を持つアリーに、ノアはひとめぼれした。アリーは資産家の令嬢で、夏のバカンスとしてノアの住む町・シーブルックを訪れていたのだった。
そしてアリ―もまた、ノアの自由でやわらかい人柄に徐々に惹かれ、ふたりは恋仲に。ノアが案内した農場でアリーは’理想の家’について語る。いつかアリ―の理想の家を建てることを約束するノア。ふたりは夏の清々しさのなかで、はしゃぐように恋を楽しんでいた。そしてその恋は永遠のものだと、お互いに感じていた。
しかしそんなふたりの仲をアリ―の両親は許さない。ノアの貧しさや学歴の無さを見下す両親とアリーは、激しくぶつかった。アリーの必死の抵抗もむなしく、両親は強引にバカンスを切り上げ、シーブルックを離れる。
――「それで、ふたりはどうなったの?」続きをせがむように、老女は’物語’に夢中だった。
【あらすじ②】365日出し続けたラブレターと離れるふたり
遠く距離の離れてしまったノアとアリー。ノアは1日1通、アリ―へと手紙を出し続けた。しかしアリーの母親によって、その手紙がアリ―に届くことは無かった。手紙を出し続けてちょうど1年、ノアは自分の気持ちに区切りをつけるため、’最後の手紙’を出した。
そのすぐあと、アメリカはドイツとの戦争を開始。ノアは軍隊に入り、戦地へと向かった。いっぽう、アリーは大学に通いながら、ボランティアとして軍人施設で看護活動にあたっていた。
そんななか、ひとりの軍人がアリーをデートに誘った。彼の名はロン(ジェームス・マースデン)。ノアとの恋から時が経っていたこともあり、アリーはロンを受け入れる。ハンサムでスマートなロンは、大富豪の孫でもあった。当然のごとく、アリーの両親もロンを気に入った。そして、プロポーズ。アリーは’YES’と答えたのだった。
戦争から帰還したノアはシーブルックに戻り、かつてアリーを連れて行った農園を買った。そして農園にあった古い家を自力で改築し、アリーが語ったとおりの家を造りあげた。前向きに生きていたノアだったが、アリーがロンと一緒にいるところを目撃してしまう。さらに追い打ちをかけるように愛していた父が死亡。ノアは心を打ちひしがれる思いだった。
新しい人生を生きようとするアリー。対してノアは、「愛するように努力はしているけど、できないんだ……」と、未亡人と身体だけの関係をつづけた。
【あらすじ③】7年の時を越えて再会したふたり
アリーは結婚式の準備に忙しくしていた。アリーの母も、周りも、すべての人がアリーとロンを祝福し、婚約を喜んだ。しかし、ちょうどウェディングドレスを選んでいるとき、手にした新聞にノアが掲載されていた。ノアの写真を目にしたアリーは大きく動揺し、居ても立ってもいられずシーブルックへと向かった。
じつに7年ぶりの再会を果たしたアリーとノアは、燃え上がる愛情を抑えきれない。「早く結末が知りたいわ」と’物語’の続きをせがむ老女。そこへデュークの子どもたち家族が訪れた。デュークは老女を紹介し、「はじめまして」と挨拶をかわす。
昼寝のために老女が席を離れると、子どもたちは「ママは何も思い出さないわ。パパがここに住むなんて馬鹿げてる。おねがい、帰ってきて」と語りかける。そう、デュークと老女は夫婦だった。「ママは最愛の人だ。離れるつもりはない」デュークは老女のためだけに、施設で暮らしていたのだった。
【あらすじ④】永遠の愛へ、奇跡を起こすふたりのラスト
ノアが出し続けた手紙をアリーの母親が隠していたことにも気づき、ふたりは7年分の時間を取り戻すかのように過ごしていた。しかし当然、平和な時間はそう長く続かず、アリーの母とロンがふたりのもとに現れる。
アリーに、ノアと別れるように諭すロン。揺れ動くアリーの心。優柔不断なアリーに、ノアは強い口調で決断をせまる。ノートを閉じたデュークは「アリーはロンのもとへ戻って、めでたしめでたしだよ」とその日の’物語’を終えようとした。
そのとき、すぐに老女は「ちがう」と、アリーがノアを選んだことに気づいた。そして、アリーという女性は自分の事で、ノアは目の前で’物語’を語るデュークなのだということにも……。「それは、わたしたちよね。わたしたちの’物語’だわ」ふたりは記憶の再会を喜び、ダンスを踊る。しかし、アルツハイマーを患っているアリー。思い出した記憶さえもまたすぐに忘れてしまった。
デュークはベッドで’物語’が書かれているノートをめくる。そこにはこう書かれていた。’’愛の物語 アリー・カルフーン著 最愛のノアへ これを読んでくれたら、わたしはあなたの元へ’’
翌日、デュークは心臓発作を起こした。一命は取りとめたデュークだったが、自分の死期を悟ったかのようにアリーのもとへと向かう。眠っているアリーをそっと起こすと、「ノア」とアリーが言う。アリーは記憶を取り戻していた。
「わたしたちの愛が、奇跡を起こすと思う?」
「ああ、思うよ」
「わたしたち一緒に死ねるかしら……?」
「ぼくらの愛に不可能はないからね」
ふたりは愛を語り、「おやすみ」と眠りにつくアリー。デュークは「また会おう」と返した。アリーとデュークは手をしっかりとつないだまま、ともに深い眠りについたのだった。
『きみに読む物語』のキャスト
ノア/ライアン・ゴスリング
本作で一途な愛を全身で表現したのは、ライアン・ゴスリングです。子役から活躍し12才のころにはディズニーチャンネルにも出演していますが、ブレイクのきっかけとなったのは本作。
さて、そんなキャリアの長いライアン・ゴスリングですが、出演する映画にはハズレなし!ドラッグ中毒の教師を演じた『ハーフネルソン』や、言わずと知れた彼の代表作『ラ・ラ・ランド』など、出演作のチョイスセンスが抜群です。2019年には『ラ・ラ・ランド』の監督とふたたびタッグを組んだ映画『ファースト・マン』が注目をあつめました。
アリー/レイチェル・マクアダムス
アリーの持つ奔放な魅力、わがままでチャーミングな可愛さをみごとに演じたのは、レイチェル・マクアダムス。
ライアン・ゴスリング同様に、本作でブレイクを果たした女優です。出身地であるカナダの大学で演技を学び、カナダを拠点に活躍後、2002年に公開された『ホットチック』にてハリウッドデビュー。2018年には第1子を出産し、雑誌『ガールズ・ガールズ・ガールズマガジン』にて授乳ショットを公開したことが話題になりました。
『きみに読む物語』は制作秘話もロマンチック!
主演ふたりのラブロマンスが報じられるなど、『きみに読む物語』の周りにはロマン溢れるできごとが多く起こりました。今回はロマンチックな制作秘話をピックアップして紹介します!
主演ふたりの不思議な偶然
アリーを演じたレイチェル・マクアダムスと、ノアを演じたライアン・ゴスリング。じつはこのふたり、同じカナダ出身です。そして驚くべきは、なんと生まれた病院まで一緒!さらにその後育った町も同じふたりですが、『きみに読む物語』の出演で初めて知り合います。ロマン溢れる映画に、ロマン溢れる偶然、なんとも素敵な話です。
体当たりで役作りに挑んだライアン・ゴスリング
ノア役にライアン・ゴスリングが抜擢された理由に、「ほかのハリウッド俳優と違ってハンサムじゃなく、ちょっとおかしな普通の人っていう感じがするから」とニック・カサヴェデス監督は語っています。彼がハンサムかどうかは好みによりますが、本作のなかでは間違いなく魅力たっぷりな男性。
ライアン・ゴスリングはノアを演じるため、実際に家具職人のもとへ弟子入りしたり、撮影中の数週間で10数キロの減量を成功させたり。まさに体当たりで役作りに挑みました。ディナーシーンで使用されているテーブルは、実際にライアン・ゴスリングが作ったものだそう!それだけ真摯に役と向き合うライアン・ゴスリングだからこそ、ノアを演じきれたのかもしれませんね。
名シーンの白鳥は卵から育てていた!
『きみに読む物語』にはたくさんの名シーンがありますが、なかでも「湖でのボートがお気に入り!」という人は多いのではないでしょうか?あのシーンは、主人公ふたりに近づく白鳥たちが印象的で、場面の美しさを高めてくれていますよね。
じつはあの白鳥、野生ではありません!なんとスタッフが卵を購入して孵化させ、さらにボートを追いかけるようにしつけまでしていたんです。「美しい映画を撮る」という監督のこだわりが感じられるエピソードですよね。
レイティングのために濃厚ラブシーンをカット!
大人になり再会したアリーとノアが燃え上がるラブシーン。じつはあのシーン、映画以上に濃厚なものが撮影されていたそう。しかしレイティングをできる限り下げるために思い切ってカット。『きみに読む物語』はPG-13で公開され、多くのティーンにも届けることができました。
その結果、本作はアメリカのティーンがWEB上で投票する「ティーン・チョイス・アワード」で数々の賞を受賞!
『きみに読む物語』ちょっと気になる噂話の疑問解消
ドラマ化はどうなったの?
2015年、『きみに読む物語』がドラマ化というニュースが入ってきました。米CWテレビジョン・ネットワークがドラマ化の企画を立ち上げ、日本のファンのあいだでも話題に。しかしいつまで経っても「ドラマ放送開始」のニュースが入って来ない……。じつは脚本家が見つからず、保留になってしまっていました。すでに4年も経っていますから、企画自体流れたのかもしれませんね。
どこまでが実話?
冒頭でも解説したとおり、『きみに読む物語』は実話がベースです。実際のふたりは63年間も連れ添ったそう。あまりにもドラマチックなストーリーから、「実話がベースとはいえ、脚色のほうがだいぶ多いのでは……?」と感じてしまいますが、映画のなかに出てきたエピソードはほとんどが実際にあったこと!
主演のライアン・ゴスリングもインタビューのなかで言っていましたが、「誰にでも起きる話ではないけど、確実に存在する愛」ということです。ノアのように一途に愛してくれる相手に出会えることは、最高の贈り物ですね。
『きみに読む物語』あの名セリフはアドリブだった!
大ヒットした小説が原作とだけあり、『きみに読む物語』にはたくさんの名セリフがあります。なかでもファンの間で話題となったのは、せっかく再会を果たしたのに、再び去ろうとするアリ―をノアが引き留めるシーンでした。
「お願いだ、ちょっと想像してみてくれ。30年後、40年後はどうなってる?もし奴といたいなら今すぐ行け。行くんだ。おれは一度きみを失ってる、本当にきみの望むことだと思えばまたきっと耐えられるさ。でも無難に選ぶな!」
優柔不断なアリーに情熱的に語りかけるノア。さかのぼると、序盤でふたりが出会ったころからノアは、「きみは自由だ」「自分をおさえるな」という言葉で、アリーの’素の部分’を引き出していたこともありました。
籠の中の鳥のように生きてきたアリーにとって、ノアは唯一自我を取り戻してくれる存在でもあったんですね。
そしてこのセリフのあと、ノアはさらに強い言葉をアリーにかけます。
「まわりが何を求めてるかなんて考えるのやめろよ。おれが何を求めてるかも、奴のことも、親のことも考えるな。’’きみは’’どうしたいんだよ?」
じつはこの部分は、ライアン・ゴスリングのアドリブだったんです!役に入り込んだライアン・ゴスリングが発したナチュラルなこの言葉に、いっそう強い魂を感じざるを得ません。
ほかにも『きみに読む物語』からは、多くの名セリフが誕生しています。ぜひお気に入りのセリフを見つけてくださいね。
まとめ
若き日のアリーとノアが魅せる、チャーミングで情熱的な恋。そして年老いたふたりが魅せる、穏やかで温かい愛。言葉どおり’永遠の愛’を手にしたふたりの最期は、人生の儚さと美しさを見せてくれます。何度観ても、心が愛であふれる名作恋愛映画です。
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