さらば、アイアンマン!?映画『アイアンマン3』ネタバレ徹底解説
公開当時、「さらば、アイアンマン」というポスターのコピーに大勢のファンが動揺しました。今回のヴィランはテンリングス。製作が予定されているフェーズ4にも登場するヴィランです。さらに『アベンジャーズ/エンドゲーム』へのちょっとした伏線もあり、様々な今後の作品に繋がる本作は要チェックです!
シリーズでも最も多くのアイアンマンスーツが登場する本作、カッコいいスーツが見たい!という方にもオススメです!それでは、『アイアンマン3』をネタバレ徹底解説していきます!
※本記事では『アベンジャーズ/エンドゲーム』の重要なネタバレを含みます。未鑑賞の方は十分ご注意下さい!
10秒でわかる『アイアンマン3』の簡単なあらすじ
ニューヨークでのチタウリ軍団との激戦の後、地球外から攻めてくる敵の艦隊を爆破するため、トニーは地球に戻れないかもしれない状況の中で成層圏外まで飛び出した。その時に感じた死の恐怖の後遺症で、パニック障害やパワードスーツを作らなければ平常心を保てない“アーマー依存症”に陥ってしまう。
新たにスタークインダストリーズ社のCEOとなったペッパーや、親友のローズもそんな彼を心配する日々を送る中、“マンダリン”と名乗る無国籍テロリストが現れ、ボディガードのハッピーがテロの巻き添えになり昏睡状態になってしまう。テロリスト集団に復讐を宣言し「逃げも隠れもしない」と自宅の住所を公表してしまうトニー。当然のようにスターク邸は爆撃を受けペッパーも危険にさらされてしまう。実は、その背後ではバイオテクノロジーを使った「エクストリミス計画」が進行されていた。
『アイアンマン2』のあらすじ
トビくまくん
【あらすじ①】スーツ依存症
トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は1999年スイス・ベルンの技術会議に出席していた。ホー・インセン(ショーン・トーブ)が第1作目の『アイアンマン』でトニーに会った時に「ベルンで会いましたよね」といっていたのはこのことだったのだ。泥酔状態だったトニーは、捕虜になった時にインセンのことはまったく忘れていて、インセンから「私があんなに酔っていたら集積回路の講演はできなかったよ」と言われていた。
ただ、この時にトニーに商談の交渉を求めてきたA.I.M(アドバンスド・アイデア・メカニクス)の創設者アルドリッチ・キリアン(ガイ・ピアース)を「5分後に屋上で会おう」と軽くあしらいそのまま放っておいたことが今回の元凶だった。酒に酔っていたトニーは植物学者マヤ・ハンセン(レベッカ・ホール)と一緒に彼女の研究について聞きながら一夜を過ごし、すっかりキリアンのことを忘れていた。
十数年後、キリアンはかつての仕事仲間でスタークインダストリーズ社のCEOとなったペッパー(グゥイネス・パルトロウ)のもとを訪れる。エクストリミスの研究の成果をホログラムで見せるキリアンは自分の脳内を披露するばかりか、脳の未使用域を活用して人間の脳とDNAを飛躍的に進化させる研究をしているといい、共同開発をしないかと交渉する。昔の知り合いとはいえ、別人のようなキリアンに驚き、悪用を怖れたペッパーはやんわりと断る。
ペッパーがスターク邸に戻りスーツを着たトニーに甘えると、それはトニーが操作している空のスーツだった。実際のトニーはラボで他のスーツの製作に没頭していたのだ。怒ったペッパーに「アベンジャーズの戦いの時に宇宙人と異次元の中で自分の無力を感じた」とトニーは本音を吐露する。「心が壊れないのは君がいるから」とも。それでも眠れないトニーはペッパーが寝た後は機械いじりをしているんだと…。
ここで『アベンジャーズ』を振り返ると、トニーはマンハッタンに落とされようとしていた核ミサイルを操作しニューヨーク上空に空いたワームホールからチタウリの母艦に命中させ地上のチタウリも全滅させた勇気ある功績がある。しかし、スーツのバッテリー切れで閉じられようとしていたワームホールをギリギリのところで潜り抜け、落下寸前のところをハルクに受け止められて難を逃れた。死の危険を身近に感じたことによるPTSD(心的外傷ストレス障害)を患ってしまったのだ。
心を開いてくれたトニーに「一緒にシャワーを」と優しく声をかけるペッパー。2人は同じベッドで眠りにつくが、寝ている間にスーツが寝室に現れペッパーに襲いかかろうとする。目覚めたトニーは慌ててスーツを壊し、無自覚のうちに命令したのかもと謝罪する。トニーを心配しながらもペッパーは別の部屋で寝ることにする。
一方、キリアンを怪しみ逐一トニーに連絡していた警備主任のハッピー(ジョン・ファヴロー)は、彼の手下サヴィン(ジェームズ・バッジ・デール)の跡をつけてチャイニーズ・シアターまで行っていた。そこで、サヴィンが運んだ薬品を服用したことで浮浪者が爆死。多くの人々が巻き込まれハッピーも重症を負い昏睡状態になってしまう。
この後、トニーは電波ジャックによるマンダリン(ベン・キングズレー)からの犯行声明でそのことを知り、慌ててハッピーの病院へ向かう。帰路、マスコミから質問攻めにあったトニーは怒りをあらわにし、マンダリンを卑怯者呼ばわりする。そして、「いつでもかかって来い」と自宅の住所を明かしてしまう。
【あらすじ②】テロリストの襲来
住所を教えたことで、マスコミのヘリが飛び交い、スイスのベルン会議で一緒だった植物学者マヤ・ハンセンが姿を現す。マヤはバイオテクノロジーの権威だが、今回の件でトニーに危険を伝えに来たのだった。ペッパーも荷物をまとめ逃げ出そうとしていたところ、時すでに遅し、テロ組織のヘリに爆撃されスターク邸は破壊されてしまう。
ペッパーとマヤを守ったトニーは調整中のマーク42で家の瓦礫ごとマリブの海に沈んだところを分離したスーツの腕によって水中から救い出される。しかし、調子を崩したジャーヴィス(ポール・ベタニー)の誤操作でテネシー州に向けて飛び立つことに。途中でスーツがバッテリー切れになり、テネシーの片田舎ローズヒルに墜落してしまう。
トニーはスーツを引き擦りながら雪の中を歩き、飲食店の看板らしき人形が来ていたポンチョを拝借して寒さを凌ぎながら無人らしいガレージを探し当て潜り込む。そこにはハーレイ(タイ・シンプキンス)という両親から捨てられた少年が一人で住んでいたのだった(妹がいると言っていますが映画の最後まで姿を見せません)。
ハーレイは最初は警戒し、自分で改良したポテトガンを向けるが、彼がトニー・スタークだと知るとわくわくが隠せない。近くで起きたという事件の話をしているうちに、好奇心を抑えきれないハーレイは無邪気にアベンジャーズの戦いについて質問を重ね、トニーはパニック発作を引き起こしかけてしまうがなんとか持ちこたえる。
そして、ハーレイの情報で得た、爆死したという男性の母親に会うためバーに出かける。彼女の息子はアルドリッチ・キリアンの配下で働いていたため、母親はたまたま別の人間に渡すために機密情報を持ってきていたのだ。
トニーはキリアンのエクストリミスの実験台となって超人化したソルジャーのエレン(ステファニー・ショスタク)に襲われるが、機知に富んだ方法で反撃しエレンは爆死。サヴィンは身体から発する熱で給水塔を倒しトニーの動きを封じハーレイを人質にする。ハーレイはトニーの与えた、いじめっ子封じのためのガジェットを使いサヴィンを一時的に“おとなしく”させる。
逃げ去るハーレイ。トニーは簡易的なリパルサー・レイでサヴィンを撃退したが、サヴィンもまたエクストリミス・ソルジャーだったため再び立ち上がってくる。サヴィンの乗ってきた車を奪い一人出発しようとするトニーは、ハーレイにマーク42とジャーヴィスの管理を任せることにする。「僕たちは一心同体だよね」「パパみたいに見捨てるの」というハーレイ。「寒いよう」と甘える演技をする彼に「君の気持ちは痛い程わかるよ。一心同体だからね」と去っていくトニー。「ちぇっ、ダメか」とあっさりあきらめるハーレイだった。
【あらすじ③】マンダリンの正体
トニーは美人コンテストを撮影に来ていたTVクルーに近づき、こっそり中継車両に乗り込む。そこにいたゲイリー(アダム・パリー)は相手がトニー・スタークだと知ると大ファンだと大騒ぎ。髪型や雰囲気でトニーのイメージを真似しているとか、トニーの顔のタトゥー(似ていないのは自作したトニーのフィギュアを元にデザインしたからだとか)までこっそり見せてくれる。
ゲイリーの手助けで電波ジャックの発信源がフロリダ州マイアミだと知ったトニーは、本拠地に乗り込むことを決めるが、ハーレイに連絡すると、まだマーク42は充電されきっていないと言われ困惑する。ジャーヴィスが起動しないことにパニックを起こすトニー。ハーレイの言葉で我に返ったトニーはホームセンターで購入した日用品で武器を手造りし、マンダリンの本拠地に潜入。しかし、マンダリンの実体はトレヴァー・スラッテリーという元俳優だった。
アルドリッチ・キリアンはトレヴァーをテロ組織テン・リングスの首領マンダリンに仕立て上げ、世を脅かし混乱を利用して各国の政府や軍を操ろうとしていたのだった。トニーは姿を現したキリアンから1999年の夜、屋上で会う約束を破られた恨みからトニーを貶める準備をしていたのだと告げられる。
キリアンはエクストリミスを投与され苦しんでいるペッパーをホログラムでトニーとマヤに見せる。マヤは罪悪感にかられて自身を盾にキリアンの行為を辞めさせようとするが、すでに彼女を必要としていないキリアンは冷酷にも彼女を射殺してしまう。マヤは人類にとって革新的なエクストリミスの開発をサポートしてくれるキリアンに出資して貰い完成させることができたが、キリアンがそれを悪用し始めたことを後悔していたのだった。
【あらすじ④】アイアンマン、再び
一方、誤った情報でアフガニスタンに赴いたローズの身にも危険が迫っていた。縫製工場で働かされていた女性たちを解放したローズは、その中にエクストミリス・ソルジャーの女性が忍んでいることに気づかなかったのだ。不意を打たれたところをキリアン配下の者たちに拉致され、マイアミの本拠地に運ばれてしまう。さらに、スーツの上から熱を加えられる拷問で蒸し焼き寸前の状態にされていた。
手足を拘束されたトニーの時計(ハーレイから貰った彼の妹の時計)がアラームを鳴らす。マーク42の充電が終わったのだ。キリアンの部下にテネシー州とフロリダ州の距離を訊くトニー。部下は1338キロだと言い「俺、頭いいだろ」と自慢気だ。マーク42を遠隔操作したトニーは到着時刻を計算して「お前らなんか、こうだ」と掌をかざして挑発し、「ほら、もうすぐだ」と幾度もアピールしながらマーク42の到着を待つ。訳がわからない見張りの2人は「こいつアブないな」と笑う。
その頃、テネシー州では自宅ガレージの扉が揺れ動き、マーク42バラバラのパーツで飛び去っていく様子をハーレイが見惚れたように見送っていたのだった。次々と飛来したパーツでマーク42を装着したトニーは見張りを倒してローズを救い出し、スラッテリーからキリアンの行き先を聞き出し、彼が報酬の一部として受け取った高速ボートに乗り込みフロリダ沖へ。ローズになりすまし大統領専用機に潜入したサヴィンを倒す。
しかし、エリス大統領(アダム・サドラー)は連れ去られた後だった。トニーは風穴の空いた機外から放り出されたキャビンアテンダントやSPたちを救うためそれぞれ手をつなぐように指示、“12モンキーズ”のように手を繋げと声をかけ励まし全員を河川に着水させて救う。しかし、次へと向かうところの彼をトラックが轢き、バラバラになってしまう。それはトニーが遠隔操作したマーク42だったのだ。
【あらすじ⑤】メリー・クリスマス
トニーは丸腰のままローズとフロリダ埠頭のタンカーへ向かうと大統領がアイアン・パトリオットのスーツを着たまま吊るされていた。現況をロドリゲス副大統領(ミゲル・フェラー)に伝えるが、キリアンと共謀した副大統領は軍の出動要請を無視する。彼はちょうど孫娘の誕生日パーティを祝っている最中で、孫娘には脚の欠損があった。
キリアンのエクストリミス計画に協力したのは孫娘のため、そしてあわよくば大統領殺害後に後任を務めようとしていたのだった。味方の応援もなくスーツもなく、軍人ならではのスキルでエクストミリス・ソルジャーを撃退し大統領を救出したローズは「お似合いですが、スーツはお返ししていただきます」と丁重に申し出て、自らが装着し大統領を救出する。
“ホームパーティプロトコル”を発動したトニーは40機にも及ぶアーマーを一斉に呼び寄せキリアンの部下たちを攻め滅ぼす。埠頭は戦場になり炎に包まれ、ようやく助け出せると思ったペッパーもあと少しというところで炎の中に落下してしまう。絶望したトニーはキリアンに戦いを挑みマーク42を呼び寄せるが、マーク42は到着すると同時にバラバラに。
いよいよトニーを殺そうと向かってきたキリアンをマーク42の強制装着を使い拘束して攻撃。しかしキリアンもまたエクストリミスの力で超人化していてなかなか倒せない。そこへ、エクストリミスに適合した身体になっていたペッパーが炎の中から甦り、キリアンを鉄骨で打ち倒し、誤って攻撃してきたマーク8のミサイルをキリアンに蹴りつける。そして、マーク42のリパルサー・レイを使ってあっという間にキリアンを撃砕してしまう。
「これがスーツの力なのね。もう文句を言えないわ」とペッパー。「私、元に戻れるのかしら」と心配する彼女に、スーツ依存症から立ち直ったトニーは「自分もある問題から立ち直ったよ」と励ます。そして、「クリーンスレートプロトコル」を起動して、残ったアーマーを自爆させる。その様子はクリスマスを祝う花火のようだった。
その頃、一人自宅に戻ったハーレイはメカニックに必要な機材一式がトニーからのクリスマスプレゼントとしてガレージに届けられていることに驚き満面の笑みを浮かべるのだった。後日、ペッパーは治療を受けてエクストリミスを解毒することに成功する。トニーも、チタウリとの戦いで発症したPTSDを克服し、ついに長年心臓近くに刺さっていたミサイルの破片を取り除く手術を受けた。
彼はスターク邸の跡地近くのマリブ海に必要なくなったアークリアクターを投げ捨て、ロボットアームを海中から引き上げてその場を去るのだった。
【あらすじ⑥】エンドクレジット
自宅のソファに寝そべるトニー。今回の自分の体験について語っている。聞き手はブルース・バナー(マーク・ラファロ)だ。ふと、トニーが彼の方に目をやると、ブルースは話を聞きながら寝てしまっていた。あわてて起きたブルースは聞いてたフリをしようと、しどろもどろだ。トニーはさらに話を続けるのだった。
『アイアンマン3』の登場人物
トニー・スターク(アイアンマン)/ロバート・ダウニーJr.
天才発明家にして億万長者の女好き。自ら開発したスーツを装着し、アイアンマンとなる。2012年のチタウリとの戦いで深刻なPTSDを発症してしまう。不安を払拭するために、数々のアイアンスーツを開発し、外出時もアーマーを持ち歩く「アーマー依存症」となってしまう。
ペッパーポッツ/グウィネス・パルトロウ
スターク・インダストリーズのCEOであり、トニーの恋人。「アーマー依存症」となったトニーを支える。トニーが自宅を公開してしまったことにより、危険にさらされる。
ハッピー/ジョン・ファブロー
トニーの運転手兼ボディガード。現在はスターク社の警備部長も任されている。トニーとの付き合いは長く、親友のような存在。
ジェームス・ローズ(ウォーマシン)/ドン・チードル
アメリカ空軍の大佐であり、トニーの親友。前作まではトニーが開発した「ウォーマシン」を着用していたが、今作では星条旗カラーの「アイアン・パトリオット」を着用し、本格的に国家の任務に参加するようになる。
アルドリッチ・キリアン/ガイ・ピアース
A.I.M.の創設者であり、社長。トニーの熱烈的なファンだったが、彼に軽くあしらわれてしまい、それを長年根に持っている。
今回のヴィランを演じるのは悪役が似合いすぎる俳優、ガイ・ピアースです。『L.A.コンフィデンシャル』で一躍脚光を浴び、人気俳優の座に。後に、彼の代表作である『メメント』や、『ハート・ロッカー』『英国王のスピーチ』といったアカデミー賞受賞映画に出演しました。
トレヴァー・スラッテリー(マンダリン)/ベン・キングスレー
テロリスト集団テンリングスの犯行声明映像でマンダリンとして映っていた男。実際はキリアンに雇われた売れない役者であり、映像とは真逆なひょうきんな人物。
もう1人のヴィラン(?)を演じるのはベン・キングスレー。『ガンジー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞するなど、実力派俳優であり、『シンドラーのリスト』『バグジー』『砂と霧の家』などに出演、いずれも高い評価を得ています。
『アイアンマン3』の4つのトリビア
【トリビア①】幻の中国版アイアンマン?
『アイアンマン3』は米中合作。米ウォルト・ディズニー社とパートナーシップを結ぶことになった中国のDMGエンタテイメントが共同製作を手掛ける第1弾となりました。
マンダリンは中国生まれという設定で、実際のラスボスは違うとはいうものの、今回のヴィランとしては最適でした。北京や上海でもロケが行なわれ、アメリカでもチャイニーズ・シアターがテロの現場となったり、マンダリンの声明に「フォーチュン・クッキー(中に占いの紙が入ったお菓子)はアメリカ生まれで中国には存在しない」などの発言が散見されます。
中国版『アイアンマン3』は中国の観客向けに4分間のカットが追加されています。中国の人気俳優アンディ・ラウ(『インファナル・アフェア』などに出演)がトニーの旧友の科学者役としてオファーを受けていましたが、第一子が生まれたことで残念ながら出演を辞退。
中国バージョンの『アイアンマン3』には日中合作映画『墨攻』で日本での知名度が上がったファン・ビンビンが、トニーの手術をするウー博士の助手を務めるシーンがあります。中国版『アイアンマン3』も見てみたいですね!
【トリビア②】ウォーマシンとアイアン・パトリオットとの違いは?
ローズ中佐は大佐に昇格。ウォーマシンは星条旗カラーに仕上げられ、アーマーはアイアン・パトリオット(鉄の愛国者)と呼ばれるようになっていました。ウォーマシンという名では好戦的過ぎるというという意見があったからです。しかし、ローズはウォーマシンの名に未練があるのか、劇中ではマシンのパスワードなどにウォーマシンの名をそのまま使っている場面もあります。
【トリビア③】12モンキーズとは?
大統領専用機でのバトルで、外に放り出されたSPとキャビンアテンダントを救うトニーが、彼らを励ましながら救う手だてを考えます。ジャービスは4人までしか救えないと言いますが、トニーは一策を案じ「12モンキーズのように手を繋げ」と声をかけます。これはテリー・ギリアム監督による1995年の映画『12モンキーズ』(ブルース・ウィリス、ブラット・ピット出演)から着想を得ているのでしょう。
『12モンキーズ』はタイムループを扱ったSFで動物解放団体“12モンキーズ”の12匹の猿が手をつなぐシンボルのことを指していると思われます。その中で“12モンキーズ”のメンバーが「動物実験が許せない。我々も実験用の猿だ」と言っていることからキリアンのエクストリミスの実験に目配せしているように感じ取れませんか?
【トリビア④】トニーを救った少年
『アベンジャーズ/エンドゲーム』をご覧になった方であれば、終盤の葬儀のシーンで見慣れない青年がいたことにお気づきでしょうか。あれは青年となったハーレイの姿なのです。
『アイアンマン3』では、ラストシーンで、命を救ったお礼としてトニーから工具一式と最新式のラボをプレゼントされていましたよね。それ以来、トニーはずっとハーレイと交流を続けていたのだろうということが伺え、胸が熱くなりますね!
『アイアンマン3』見逃せない2つのみどころ
【みどころ①】第1作目から続くトニーの生き様
これは、マーベルヒーローが集結した映画『アベンジャーズ』から一転、アイアンマン=トニー・スタークがたった一人で戦う姿を描いた映画です。トニーは1作目の『アイアンマン』で拉致されスーツが完成するまでの状況に似通った状況に陥ります。スーツは壊れ、誰とも連絡が取れず、頼みのジャーヴィスも機能しなくなってカリフォルニアのマリブから遠く離れたテネシー州に放り出されてしまいます。
自分を守る術が亡くなり『アベンジャーズ』の戦いのパニック障害も抱えている彼を励ますのは、親が蒸発したというのに逞しく生きている幼い少年でした。トニーは原点に返り、頭脳を駆使して敵に迫ろうとします。心臓から破片を取り除いたトニーがマリブビーチにアーク・リアクターを捨てにきたシーンで「アイアン・スーツは自分の繭だった。自分のアーマーでも現実逃避でも趣味でもない。そして今私は生まれ変わった。私の自宅やスーツを奪えても、これだけは奪えない。」と言います。これは生身でも不屈の男だという意味なのでしょう。
【みどころ②】シリーズ最多のスーツ数!
本作では、シリーズ最多数のアイアンマン・スーツが登場します。中には装着するまえに破壊されるもの、ただ爆破されただけのものと活躍する間もなかった悲しいスーツもありました。重量物運搬用や、高速飛行用、宇宙開発用といった特性を持つスーツもあります。ちなみに、トニーが本作でメインスーツとしていたのはマーク42。
つまり、今まで42着ものスーツを作っていたということになりますね。みなさんも「推しスーツ」を探してみては?
まとめ
大人気アイアンマンシリーズの最終作となった『アイアンマン3』のあらすじを、トリビアやみどころと共に紹介しました。スーツ依存症に苦しむトニーの成長や、第1作目『アイアンマン』を思わせるようなシーンもあり、ド派手な全スーツ大爆発シーンとは裏腹に、アイアンマンというヒーローにとって意義深い作品です。
また、映画ひとっとびでは、今作に至る『アイアンマン』や『アイアンマン2』もネタバレ徹底解説しているので、そちらも是非ご覧ください。
※2019年12月時点の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。