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唯一無二のゾンビ映画『デッド・ドント・ダイ』あらすじ|ジャームッシュ監督最新作

ひとっとび編集長

 

映画『デッド・ドント・ダイ(原題:The Dead Don’t Die)』は、ジム・ジャームッシュ監督の最新作且つ彼が初めて手がけるゾンビ映画。主役にビル・マーレイ&アダム・ドライバー、その他のキャストにはティルダ・スウィントン、セレーナ・ゴメス、イギー・ポップなどなど、超大物スターを贅沢に起用した話題作です!!

2019年カンヌ国際映画祭のオープニング作品として上映され、日本では2020年6月5日から公開されました。

映画『デッド・ドント・ダイ』について

デッド・ドント・ダイ

本作は日本でも大ヒットしたジム・ジャームッシュ監督の前作『パターソン』より前となる、3年前から構想を温めていたという最新作。世界中のファンにリスペクトされているジャームッシュ監督がついに流行りの「ゾンビ映画」デビューということで、映画界を湧かせています!

2019年のカンヌ国際映画祭では惜しくもパルム・ドールは逃したものの、オープニング作品に選出されるとHollywoodでは「大爆笑!」、「主役の2人が最高!」といった高レビューが続出しました。

あらすじ

アメリカとある田舎町センターヴィルである日、怪事件が起こる。町唯一のダイナーで、内臓を食いちぎられた従業員2人の死体が発見されたのだ。

通報を受け駆けつけた警察署長・クリフ(ビル・マーレイ)と巡査・ロニー(アダム・ドライバー)は、戸惑いながら町をパトロールするうちに、墓地に奇妙な穴を見つける。その時センターヴィルでは、太陽がなかなか沈まず、動物たちが異常行動を取るなどの現象が起きていた。

やっと太陽が沈んだ頃、ロニーの不吉な予感が的中し、墓場から死者たちが続々と蘇えりはじめる…!困惑する町の人々を次々と襲い、クリフとロニー、そしてもう1人の警官ミンディ(クロエ・セヴィニー)は鉈と銃を構えてゾンビたちに立ち向かうー。

『デッド・ドント・ダイ』3つの魅力

豪華すぎるキャスト

デット・ドント・ダイ

(L to R) Bill Murray as “Officer Cliff Robertson”, Chloë Sevigny as “Officer Minerva Morrison” and Adam Driver as “Officer Ronald Peterson” in writer/director Jim Jarmusch’s THE DEAD DON’T DIE, a Focus Features release. Credit : Abbot Genser / Focus Features © 2019 Image Eleven Productions, Inc.

ジャームッシュ・ファミリーが総出演している本作は、キャストがとにかく大物揃い。

主役は『コーヒー&シガレッツ』や『グランド・ブダペスト・ホテル』をはじめとしたジャームッシュ作の超常連、ビル・マーレイと、『スター・ウォーズ』のカイロ・レン役で知られるアダム・ドライバー。特にアダム・ドライバーは『マリッジ・ストーリー』と『ブラック・クランズマン』でアカデミー賞にノミネートされたりと、今1番アツいHollywood俳優と言っても過言ではありません!ジャームッシュとは、前作『パターソン』に引き続き2度目のタッグとなりました。

そして、個性が強すぎる葬儀屋の主人をティルダ・スウィントンが演じ、そのほかにもスティーヴ・ブシェミやクロエ・セヴィニー、トム・ウェイツなど、ジャームッシュ・ファミリー常連役者が勢揃いで出演しています。

また、新たな若手キャストとして、歌手・俳優面双方で高い評価を受けているセレーナ・ゴメスや、『レインメーカー』、『プレイス・イン・ザ・ハート』で知られるダニー・グローヴァー、コーエン兄弟監督のアカデミー賞受賞作品『ノーカントリー』でデビューしたケイレブ・ランドリー・ジョーンズなども加わり、これまでのジャームッシュ作が新しく、より豪華な作品となっています。

ティルダ・スウィントンの存在感

Tilda Swinton stars as “Zelda Winston” in writer/director Jim Jarmusch’s THE DEAD DON’T DIE, a Focus Features release. Credit : Frederick Elmes / Focus Features © 2019 Image Eleven Productions, Inc.

ジャームッシュ監督のセンスが光るのが、個々のキャラクター設定。登場人物は皆個性が強めなのですが、一際目立つのはティルダ・スウィントン演じるゼルダ・ウィンストン。(名前が混ざる…)

ゼルダは葬儀屋の女主人としてセンターヴィルにやってきた外国人で、死体安置所の隣に和室を作り、日本刀の訓練をしています。死化粧が奇抜だったり、喋り方の癖が強かったり、タイピングの速さが異常だったりと、見た目以上のインパクトを残している存在。

デッドドントダイ© 2019 Image Eleven Productions Inc. All Rights Reserved.

ゼルダの真の正体は最後に明らかになるのですが、ある裏設定があるため、常人離れした日本刀の実力でゾンビをざっくざっく斬っていきます。今までの映画にはないくらいコミカルで、オリジナルティのある彼女のキャラクターは最高にカッコいいんです!クスッと笑える彼女の言動も、映画のストーリーに深く関わってきます。

現代社会への風刺

デッドドントダイFrederick Elmes / Focus Features © 2019 Image Eleven Productions, Inc.

笑えるゆるーいゾンビ映画かと思いきや、もちろんそれだけでは終わらないのがジャームッシュ監督作。個人主義の社会や、現代人が抱える問題を浮き彫りにしていることに気がつきます。

デッドドントダイ

Steve Buscemi stars as “Farmer Miller” in writer/director Jim Jarmusch’s THE DEAD DON’T DIE, a Focus Features release. Credit : Frederick Elmes / Focus Features © 2019 Image Eleven Productions, Inc.

ジャームッシュ監督は、スティーヴ・ブシュミ演じるフランク・ミラーにあるメッセージを託しています。それは、“Keep America White Again(アメリカを再び白く保つ)”。横暴なレイシストとして地元の人々に嫌われているミラーが被っている帽子に書いてあります。

これはトランプ大統領に対し、敵対する民主党のナンシー・ペロシ下院議長が「トランプ大統領はアメリカを再び白くするという目標を持っている。」と批判した際に使われた言葉。長い間議論呼び続け、トランプ大統領の就任を機にエスカレートしている人種問題が、収束する気配もなく野放しにされている、とも読み取れます。

出典:Guardian News -YouTube

また、ジャームッシュ監督はインタビューで、ゾンビを現代の人間に例えているとの見解を示しています。「多くの人々が自分のことばかりで、他人に無関心。今日人々の振る舞いがゾンビ化しているという印象がある」と言っており、「ゾンビはお互いへの思いやりや意識を失うことへのメタファー」と捉えています。実際、本作に登場するゾンビはスマホを持ちながら「Wi-Fi」「Bluetooth」と連呼したりと、現代を皮肉っていることは明らかなわけです。

作品情報

監督:ジム・ジャームッシュ

出演:ビル・マーレイ/アダム・ドライバー/ティルダ・スウィントン/クロエ・セヴィニー/スティーヴ・ブシェミ/ダニー・クローヴァー/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/イギー・ポップ/トム・ウェイツ/セレーナ・ゴメス/サラ・ドライバー他

公開:【アメリカ】2019年6月14日【日本】2020年4月3日

HP:https://longride.jp/the-dead-dont-die/

公式Twitter:https://twitter.com/deaddontdiejp/media

配給:ロングライド

まとめ

デッドドントダイ

Chloë Sevigny stars as “Officer Minerva Morrison” in writer/director Jim Jarmusch’s THE DEAD DON’T DIE, a Focus Features release. Credit : Frederick Elmes / Focus Features © 2019 Image Eleven Productions, Inc.

ジャームッシュ・ファミリー総動員、そして旬な新キャストが出演している話題作。映画館で思わずクスッと笑ってしまうこと間違いありません!

全体で104分というコンパクトでハイテンポな本作、日本公開日は4月3日です。

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ひとっとび編集長
ひとっとび編集長

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