『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』ネタバレ解説!大ヒットの秘密とは?

 

2019年の大ヒット作品となった『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』。大人も泣けるといった口コミから、子供から大人まで幅広い層の人が、映画館に足を運んだ作品です。

「すみっコぐらしってそもそも何なの?」という話から、この映画がなぜそんなに人気を獲得できたのか。」「何がそんなに感動できるのか。」その秘密を解き明かしていきます!

すみっコぐらしについて

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

そもそも“すみっコぐらし”が何かはご存知ですか?

電車のすみっこの席だったり、カフェのすみっこの席だったり、そんな落ち着く場所であるすみっこが大好きな生き物ーー“すみっコ”たちを、“ここがおちつくんです”のキャッチフレーズと共に展開しているのがすみっコぐらしです。

制作したのは、「たれぱんだ」や「リラックマ」といった人気キャラクターを生み出してきたサンエックス社。すみっコぐらしは、サンエックス社が2012年に世に送り出したキャラクターブランドです。すみっコぐらしの作者は、同社のデザイナーのよこみぞゆりさんです。

登場以来徐々に人気を獲得し、キャラクターグッズの他にも書籍化やゲーム化なども果たしています!2019年にはついに劇場版アニメーションとして映画『すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』が公開され、興行収入は14.5億円を記録する大ヒットとなったのです!こういった活躍も評価され「日本キャラクター大賞2019」ではグランプリを受賞しました。

10秒で分かる『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

ある日すみっコたちはお気に入りのお店「喫茶すみっコ」を訪れます。すみっコたちは喫茶店の地下室へ忍び込み、一冊の古い飛び出す絵本を見つけるのでした。絵本を眺めるすみっコたち。すると突然、絵本の仕掛けが動き出し、たちまちすみっコたちは絵本の世界に吸い込まれてしまいます。

気づくとすみっコたちは、それぞれ絵本の世界の登場人物の姿へ変わっているのでした。仲間たちを探すすみっコたち。やっとみんなを見つけたすみっコたちでしたが、ひとりだけどこから来たのかわからない灰色のひよこと出会います。

新しい仲間となったひよこが、どこから来たのか。すみっコたちは全員で迷子のひよこの本当の居場所を見つけるため、絵本の世界を冒険することにするのでした。

『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』ネタバレあらすじ

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

しろくま、ぺんぎん、とんかつ、ねこ、とかげ、えびふらいのしっぽ、ざっそう、にせつむり、たぴおかの仲良しのすみっコ達は、揃ってお気に入りのお店「喫茶すみっコ」へご飯を食べに来た。

その頃喫茶店では、店員のおばけが地下室で掃除をしている最中に、一冊のとびだす絵本を発見していた。たちまちお化けは絵本に吸い込まれてしまうのだった。

おばけに起こっている事態を知らない、喫茶店のマスターであるまめマスターや、すみっコたち。食材が足りないことに気づいたまめマスターは、すみっコたちを置いて買い出しに出かけてしまう。

マスターがいないので、もう一人の喫茶店の店員であるお化けを探しに地下室へやってきたすみっコたち。おばけが吸い込まれた絵本を発見したところ、すみっコたちも絵本の中に吸い込まれてしまうのだった。

すみっコたちが気づくと、そこは桃太郎の世界。それぞれが桃太郎に登場するキャラクターや背景の役の姿に変わっていた。桃太郎の姿になったねこは、お話のとおり、お供の動物たちと出会うのだが、と一緒に一匹の灰色のひよこと遭遇する。

どうやらひよこは自分の名前や、自分がどこから来たのかも分からない様子。すみっコ達は迷子のひよこがどこから来たのか、居場所を探してあげることにするのだった。

すみっコぐらし 映画
出典:『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

そこにたぴおか達がどこかから紐を引っ張ったことをきっかけに地面が割れ、すみっコたちはそれぞれどこかへ落ちていってしまう。気がつくと、しろくまはマッチ売りの少女の世界とかげは人魚姫の世界とんかつは赤ずきんの世界ぺんぎんはアラビアンナイトの世界へ落ちていた。それぞれが物語の世界を体験しながら、ひよこをはじめ徐々に合流していくのだった。

そんな中、ねこが本の世界に穴を掘ったことをきっかけに全員が合流。すみっコたちはみにくいアヒルのこの世界に行き着き、ひよこが実は白鳥なのではないかと思う。しかし残念ながら、それも違うことが発覚する。

ショックで湖に沈むひよこは、そこで自分が誰かが白紙のページに書いた落書きであったことを思い出す。すみっコたちは落ち込むひよこに、一緒に来るように勧誘する。

そこへちょうど上空に、元の世界に繋がる穴が出現。絵本のアイテムを積み上げて、元の世界へ戻ろうとするすみっコたち。絵本の住人達の助けも借り、穴へと飛び込める状態になったのだが、すみっコたちの呼びかけに答えず、ひよこはついて来ないのだった。最後まで残り、ついてくるよう訴えかけるぺんぎんだったが、ひよこは絵本の住人は外の世界へ行けないことを知っていたのだ。

ぺんぎんを最後に送り出し閉じる穴。元の世界に戻ったすみっコたちは絵本の隅にひよこの落書きがあるのを発見する。

すみっコたちはひよこが一人にならないように、白紙のページにひよこの友達を描いてあげるのだった。

すみっこぐらしのキャラクター

すみっこぐらしは、ほのぼのとした個性のあるキャラクターが人気です。

登場する主要のキャタクターたちを紹介していきます!

しろくま

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

白熊なのだけれど、寒がりで北からやってきたという背景をもつキャラクターが「しろくま」。やや人見知りな性格です。趣味はお茶を飲むことで、すみっこで温かいお茶を飲むのが、落ち着くことができて好きなんだそう。

荷物運びに使うふろしきが相棒で、時には防寒のためにふろしきに包まったり、すみっこの場所取りに使ったりと器用にいろんな用途に使っています。実は絵を描くことが特技という器用な一面も持っています。

ぺんぎん?

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

名前にクエスチョンマークがついているように、自分自身がペンギンだったかどうかに自身がないというキャラクターが「ぺんぎん?」です。自分が何者かを探しており、自分のように緑色のペンギンが居ないことに戸惑いを感じているよう。昔は頭にお皿が付いていたような気がするそうですが、もしかしたらカッパなのかもしれません。ちなみに好物はきゅうり。なおさらカッパ説が濃厚になってきますよね。

ちなみにすみっコぐらしの世界にはぺんぎん(本物)というキャラクターが存在します。まるでこっちは偽物みたいじゃん!

とんかつ

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

茶色の衣に覆われたキャラクターが「とんかつ」です。とんかつといってもとんかつの端っこの存在で、目の間にあるピンク色の部分が体を構成するたった1%のお肉。なので他の99%は脂肪でできています。

脂っぽいという理由で食べ残されてしまった過去をトラウマに思っており、自分にソースをかけたり、からしを付けたりして、誰かに食べてもらうことを夢にみています。仲良しの友人として、同じ食べ残され仲間の「えびふらいのしっぽ」とよく行動を共にしています。

ねこ

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

ちょっとぽっちゃり体型で体にぶち模様を持った猫のキャラクターが、名前もそのまま「ねこ」です。性格は恥ずかしがり屋で謙虚。本人はすみっこで爪を研ぐのが好きなようですが、その性格からか周りに気を遣ってすみっこを譲ってしまうことも多いのだとか。その大きめのボディが可愛いのですが、本人は気にしているようでスリムな猫になることを理想としています。

「ざっそう」とは仲良しで、よくお水をかけてあげる仲なのですが、時には寝ぼけて猫草と間違えてかじってしまうこともあるそうです。

とかげ

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

青いボディに背びれと尻尾が付いたキャラクターが「とかげ」です。名前こそ「とかげ」なのですが、実はその正体は海に住む恐竜の生き残り。捕まってしまうことを恐れて、とかげのふりをしています。そのため、泳ぐことは得意なんだとか。

お母さんはとかげよりも首の長い海洋生物のようで、厳密には首長竜の一種です。

カタツムリに憧れて、カタツムリのふりをするナメクジの「にせつむり」とは偽物同士気が合うのか特に仲が良いようですよ!

たぴおか

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

丸い体型で他のキャラクターに比べて小柄で、赤や青、黄色など様々な色合いが存在するキャラクターが「たぴおか」です。ミルクティーだけ先に飲まれて、カップの底に残ってしまったタピオカたちがすみっコの仲間たちとして登場しました。

一匹だけでなく何匹も存在し、『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』でも物語の本筋には関わってこないながらも、いろんなシーンに登場し、すみっコたちと行動を共にしています。

ひよこ?

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』で初登場となったキャラクターが「ひよこ?」です。ぺんぎんと同じく名前にクエスチョンマークが付いているのは、ひよこ自身が自身が何者かを分かっておらず、どこから来たのかも分かっていないからなんだとか!

すみっコたちが吸い込まれた絵本の中に住んでいて、すみっコたちと出会ったことを木かっけに自分の居場所を探してもらうことになります。

自分と境遇が似ていることから、ぺんぎんからは共感を強く感じられているようで、他のすみっコたちに比べてもより大切に思われています。

すみっこぐらしがヒットした理由とは

前述のとおり、『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』は興行収入は14.5億円のヒット映画となりました。なぜここまでヒットしたのでしょうか。理由を解説していきます。

疲れた大人達の癒しとなっている!

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

まずそもそもの『すみっコぐらし』の人気のポテンシャルがそもそも高かったということが言えます。サンリオやディズニーのように、漫画原作物に至るまで商品化されるキャラクターは、派手で強く目を引くビジュアルの物が多いです。そんな中でも、落ち着いた色でまとめられて、ゆったりとした雰囲気の『すみっコぐらし』は優しく、癒されると感じる人も多かったでしょう。

まずは、子供に大人気なこと。キャラクターの造形がシンプルなので視認性も高かったり、お絵かきしやすいことは子供たちにとっては、親しみやすさに通じているでしょう。イラストに添えられる言葉も難しい漢字をあまり使わないようにしているので、学年の高い子でなくても読めるのも一役買っていますね!

そして、すみっコぐらしが子供だけでなくもっと上の年齢層にもウケている理由は別にあります。ストレスの多い現代社会に疲れた人にとって、控えめでおとなしいすみっコたちは、絶好のヒーリングパートナーでした。

ただかわいいキャラクターというだけでなく、キャラクターそれぞれがコンプレックスを抱えていたり、シュールな設定を持っているといった意外性も人気な理由の一つ。それだけで興味を持たれるし、悩みを抱えている人にはすみっコたちに共感を抱きやすいです。また、キャラクターに対する深みも増す効果があったと言えるでしょう。

作者であるよこみぞゆりさんも、すみっコぐらしのキャラクターを作る上で、ひっかかりとなる要素を入れて制作されたことをインタビューなどで語っています。

徹底的な世界観

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

商品展開においては、徹底したブランド管理もすみっコぐらしが支持を得ているポイントと言えるでしょう。すみっコぐらしの商品開発は、作者のよこみぞさんだけでなく、チーム体制で複数人でアイディアを出し合い、キャラクターの世界観を構築しているそうです。

そのおかげか、たくさんのキャラクターがすみっコとして続々と登場しています。商品展開に至っても、そのキャラクターの多さを生かしてさまざまなバリエーションのシリーズ商品を送り出すことに成功しています。たとえシリーズ展開が増えても、あまり世界観を逸脱したような商品が登場しないバランス感覚も、ブランド管理として見事と言るでしょう!

『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』においても、アニメーション映画化するにあたってどんな表現でアニメーション化するかは念入りに検討されたようです。

その結果として、3DCGで描くにあたっても体型に弾力があるようにCGの造形を作ったり、世界観を壊しかねないということで、すみっコたちにセリフを“喋らせない”という選択を取っています。

すみっコたちを喋らせなかったことで井ノ原快彦さんや本上まなみさんのナレーションが生まれたわけです。ナレーションのおかげで、おかしさのあるキャラクターたちの行動に対しても優しくツッコミを加えることができます。その上、独特のシュールさと穏やかな雰囲気が生まれ、原作のキャラクターたちから受ける印象の再現に成功しています。

大人も泣けるという口コミが話題に!

すみっコぐらし 映画
出典:『映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』公式Twitter

公開まもなく、Twitterを始めとしたSNSでも高評価を獲得し話題になったことも、ヒットに一役買ったと言えるでしょう。映画ポスターなどの可愛いビジュアルから、子供向けのような作品と思った人も多いはず。

しかし、そんな先入観を持って映画を観た人ほど、シュールなギャグや迷子のひよこを巡る感動的なエピソードはインパクトが大きかったよう。そのギャップに驚いた人の反響が口コミでどんどん広がっていきました。人によってはその驚きを『マッドマックス怒りのデス・ロード』や『攻殻機動隊』といった全くジャンルの違う作品などを例に出して表現しました。より『すみっコぐらし』と世界観のかけ離れた作品を例にして衝撃を表したことはより話題に!加速度的に口コミは広がっていくことにつながりました。

こうして段階的に『すみっコぐらし』のファンが増えていったことは、週末の映画の動員数ランキングなどの順位にも現れました。『ジョーカー』や『アナと雪の女王2』などの強力なライバルが同時期に上映されている中、『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』は長期に渡って上位にランクイン!ロングラン上映を果たしたのです!

60分ほどという上映時間が短かいことも効果的に働きました。映画館でも一日に複数回上映することができ、本編が短いおかげで忙しい人も気軽に足を運びやすく、回転率の高さに繋がりました。

こういった様々な要因がうまくハマったことが、このすみっコぐらしのヒットに繋がったと言えるでしょう。

まとめ

『すみっコぐらし』というキャラクターブランドの成り立ちから、『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』のヒットに至るまでの経緯を一挙に紹介しました。こうして観ると分かるように、映画のヒットは『すみっコぐらし』がもともとキャラクターブランドとして力を付けていたこと。そして、映画自体の面白さがうまくSNS時代に刺さったことなど、複合的な要因から生まれたと言えるでしょう。

このヒットをきっかけにまだまだ、『すみっコぐらし』の世界は広がっていくでしょう。今からでも遅くないので、ぜひ、すみっコの世界にあなたも踏み入れてみてはいかがでしょうか。