『暗黒女子』ネタバレ&ストーリー徹底解説!繰り返される嘘の連続に耐えられるか?!
美少女たちが揃った恐ろしき花園『暗黒女子』。後味の悪い嫌なミステリー、通称「イヤミス」の金字塔と呼ぶべき本作は、豪華女優陣の演技や複雑なストーリー展開が非常に魅力的。登場人物は全員悪女ですから、観ているうちに誰も信じられなくなりそうな不安さえ襲ってきます。
タイトルがこれでもか!と思うほどピッタリな登場人物たちに、ゾワッとした何かを覚えるはず。あなたはこの物語の嘘と真実を見抜けるでしょうか?本記事はネタバレを含みますので、ご注意くださいね!!
目次
映画『暗黒女子』とは?
タイトルにインパクトのある『暗黒女子』は、小説家・秋吉理香子のミステリー小説が原作。2013年に本が出版され、その4年後の2017年に映画化が決定しました。「わたし以外、幸せになるのは、許さない」といった強烈なキャッチコピーに、上品な色合いのアンバランスなポスターが話題を呼んだことは、記憶に新しいですね。
美少女たちは皆すました顔をしており、その落ち着きが逆に怖さを覚えるほど。ポスターがお上品なのは物語の舞台がお嬢様学校だからで、キリスト系の教えを守る、いわば”ミッション系”の学校です。
本作は物語の冒頭から校内一の人気生徒・白石いつみが謎の死を遂げます。学園では彼女が主催する文学サークル内の部員に、犯人がいるという噂が……。彼女の死後、サークルでは自作小説の朗読会を開いていました。
部員の小説からは犯人を告発するような内容ばかりが連発しますが、多数の矛盾が発生。果たして、いつみを殺したのは誰なのでしょうか?
登場人物紹介
美しくも、恐ろしい悪女たちを演じたキャストを紹介していきます!
映画公開日はあまり有名ではなくても、現在ではバラエティ番組やドラマ、CMなどに大抜擢されている役者が大勢。そんな彼女たちの細かい表情にも注目です!
白石いつみ(飯豊まりえ)
校内でカリスマ的存在のいつみは三年生。絵に描いたようなエレガントさや弾ける笑顔、そして家柄がとても良いことから多くの生徒の憧れの的でした。文学サークルの会長を務めて、各メンバーを集めた張本人でもあります。
サークル内でも厚い信頼を得ており彼女を好いている者ばかり。穏やかな口調に優しさ溢れる性格を持っていますから、皆から慕われるのも納得の人物ですね。
しかしある日突然、スズランの花を持って転落死してしまいます。彼女の死により学園は騒然となり、「サークル内に犯人がいる」という噂が流れるのでした……。
澄川小百合(清水富美加)
白石いつみの親友であり、同級生の小百合。かつてはサークルで副会長を務めていましたが、彼女の死後は会長を引き継いでいます。いつみを殺した犯人を暴くべく、学期末の定例会にて「いつみの死」についての自作小説をメンバーに書かせます。
何から何まで「お嬢様」という言葉がぴったりな小百合は、いつみに続いて校内で人気のある生徒の一人なのです。
二谷美礼(平祐奈)
1年生の美礼はサークルで最も新しいメンバー。家は貧乏であり、奨学金を貰いながら高校へ通っています。成績の良い特待生であり、そんな部分を魅入られていつみから勧誘を受けるのでした。
非常に真面目そうな見た目が特徴で、どこかまだあか抜けない感じ。けれどもそんな幼さが可愛らしくも見えますね。
小南あかね(小島梨里杏)
2年生のあかねはお菓子作りが大好き。よくサークル内でも手作りのお菓子をふるまい、メンバーからも非常に好評です。実家は料亭なのですが、本人は料理よりも、スイーツの方に興味があるのだとか。
ツインテールがよく似合うドーリーな雰囲気を持っており、その姿はまるでお人形さん。可憐な雰囲気が可愛らしい女の子です。
ディアナ・デチュヴァ(玉城ティナ)
いつみが1年生の頃、ブルガリアに留学した際に出会ったディアナ。本来は姉のエマが日本へ留学することとなっていましたが、不慮の事故からディアナが日本へくることに。そして聖母高等学校へ訪れるのです。
日本語の勉強を兼ねて文学サークルへ入学。いつみを慕いながら日本語を学んでいる最中です。
高岡志夜(清野菜名)
元気いっぱいの志夜はフランスからの留学生。ショートカットのよく似合う爽やかな少女ですが、実は天才小説家としての顔も持っています。中学2年生でデビューし、校内ではなかなかの有名人だそう。
人気作家であることから映像化などの話もありますが、本人のこだわりからそういったオファーは全て断っているようです。
北条先生(千葉雄大)
文学サークルの顧問であり、いつみの彼氏。純粋な恋愛感情からお互いを愛し合っていますが、もちろんそれは「ヒミツの関係」です。
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①いつみを殺した犯人は誰だ?
まず冒頭から、いきなり「いつみの死」が知らされます。彼女は転落死とされていますが、学校イチのカリスマが自殺など考えられないでしょう。そこで殺害の犯人捜しをすることが物語のメインとなっています。
校内にて「サークル内に犯人がいるのでは」と言われ、疑いをかけられるメンバーたち。確かに共に過ごしている時間は長いのですから、誰かが真相を知っているに違いないでしょう。その告発を自作小説にて、次々と発表していくのです……。
②いつみが手に持っていた「すずらん」の意味は?
いつみはただ花壇で横たわっていたのではなく、死んだ際にスズランの花を手にしていました。一体これが何を意味するのか、誰も分かっていなかったのです。「スズラン」がまた一つのキーワードとなっており、いつみの死と関係するヒントなのでしょう。
各メンバーの告発にはスズランは必ず登場するアイテム。果たしてこの花といつみの死は、どんな関わりを持っているのでしょうか?物語のカギを握るものとなりますので、ぜひ頭の片隅に置きながら鑑賞して下さいね。
ネタバレストーリー解説!
それでは、『暗黒女子』ストーリーをネタバレを踏まえて紹介していきます。
朗読会の開催
キリストの教えを守るミッション系の学園、聖母マリア女子学院。この学園には、文学サークルが存在していた。学期末にメンバーは恒例行事として「闇鍋会」を行う。各々が具材を持ち寄って鍋を囲み、中身を知っているのは副会長――いや、会長となった澄川小百合(清水富美加)のみだ。
そして鍋の後は自作の小説を発表し合う「朗読会」が始まる。今回の小説のテーマは「いつみの死」について。そう、このサークルの会長だった白石いつみ(飯豊まりえ)は突然の転落死でこの世を去っていた。
校内ではサークル内の誰かが犯人だという噂が流れている。副会長であり彼女の親友だった小百合は小説を通じ、メンバーに真相を明らかにさせるのが目的だ。
二谷美礼「太陽のような人」
まずは特待生の美礼(平祐奈)の朗読から。本校へ入学したが、自身の家は貧しく周りの生徒とは馴染めなかった。学園でいつみへの憧れを持っていると、彼女からサークルの誘いを受ける。もちろん美礼は断らなかった。
いつみは家庭事情を心配し、家庭教師のバイトを美礼に紹介する。賃金は非常に高いもので、「もらえない」と一度突き返した。しかしいつみは「貧しい人に返してあげて」と一言。そこから美礼はお年寄りと接するボランティアを始めることに。
だがある日、彼女が泣きながら父親に腕を引かれる姿を目撃してしまう。後日そのことについて触れると、いつみは殺したい相手がいると恐ろしい言葉を口にした。そしてその発言の後、志夜(清野菜名)が彼女の父を誘惑しているところを見つけてしまい――。
いつみは悲し気に、美礼へ髪留めを渡した。「これを私と思ってつけていてね」この出来事の後、いつみは転落死したと美礼は述べ、朗読は終了した。
小南あかね「マカロナージュ」
あかね(小島梨里杏)はいつみのことが嫌いだった。華やかすぎて逆に品がないと思っていたからである。だがひょんなことから、サークルへ誘われることに。決して良く思っていなかったが、徐々に二人は打ち解けていった。
そんなある日のこと。何者かの手によって実家の料亭は火事になってしまった。そんな時に優しく声をかけてくれたのはいつみで、あかねは遂にサークルへ入会。部室にはキッチンがあることから、得意のスイーツをメンバーへと振舞うことが日課となる。
そんな時いつみはあかねに「美礼にバイトを頼んでいるが、物が度々なくなる」と悩みを漏らした。祖母から貰ったスズランのバレッタまで、盗まれたのだと言う。いつみは我慢しきれず屋上へ美礼を呼び出したようだが、その日に転落事件は起きたそうで――。犯人は美礼、そして手にしたスズランはバレッタのことだとあかねは述べた。
ディアナ・デチュヴァ「女神の祈り」
ブルガリアに住むディアナ(玉城ティナ)には、双子の姉のエマがいた。いつみの留学によって二人は出会い、距離を縮めていく。ディアナにとっていつみは美しく、女神のような存在に思えていた。
帰国後いつみは留学生として彼女らを招待するが、定員は一名のみ。なのでディアナはエマへ譲るのだが、生憎彼女はケガによって留学を断念。そしてディアナは日本を訪れ、サークルへと入会する。
ある日キッチンにて、あかねの腕にある大きなやけどの跡を見てしまう。しかしいつみはそれを見て「スズランのようだ」と明るく比喩した。だがそのあたりから、彼女の体調は日に日に悪化していく。
あかねの態度に違和感を覚えつつ、ディアナは彼女の作るスイーツに毒が盛られていると推測。そして間もなく、いつみは転落死してしまった。スズラン=やけどの跡、つまり犯人はあかねだとディアナは指摘するのだ。
高岡志夜「紅い花」
志夜は中学時代に『君影草』という作品で作家デビュー。その経歴を買われて文学サークルへと誘われた。いつみの存在は知っており、彼女の父親が自分をプッシュしてくれることから、志夜は好意をありがたく受け取った。だがいつみは常に『君影草』の翻訳化を勧めてくるので、少し迷惑に思えてしまう。自分は翻訳よりも、執筆に専念したいからだ。
そんな中ディアナが留学してくるが、志夜は彼女に良いイメージを持てなかった。一目見た時からラミア―(怪物)に似ていると思っており、腹黒さが見え隠れしていたからである。そんなイメージを決定づけるように、ある日ディアナがいつみへ呪いをかけているのを見てしまう。その日からいつみは体調が悪くなり、転落死事件が起きたのだ。
ラミア―とは吸血鬼のこと、いつみの死体には首に二つの穴が空いていたと言う。そしてスズランはディアナの故郷に咲く花……。犯人=ディアナを示唆する、ミステリアスな文章を発表した。
死んだはずだった白石いつみの小説「死者の呟き」
全ては自分が輝くために
いつみは人前で見せる顔とは裏腹に、自分が主役でないとつまらないと考える黒い一面があった。ブルガリア留学の際に付き添った北条先生(千葉雄大)とは留学先で体を重ね、禁断の恋に陥る。
平凡な愛や日常に溺れ、いつみは自分自身がつまらなく思えてくる。そこで北条との場を公的に設ける目的で、文学サロンを発足した。だがそれでも気持ちは満たされない。満たされない思いの正体は「今の美しさに限りがあるから」。華やかな10代はあっという間に終わってしまう。ならそれを引き立たせてくれる脇役たちが必要に感じられたのだ。こうしていつみは“脇役”と称したサロンメンバーを誘い、サークルという名の城を築き上げる。
だが登場人物を用意するだけでは物足りない。自分の物語を面白くさせ、思い通りに進めるには脇役に言うことを聞かせなくてはならなかった。そこからメンバーの秘密を握り、従わせる作戦に出る。もちろん親友である小百合は、北条や脇役のことまで、全て知っていたのだ。
二谷美礼の真実
美礼の小説では「いつみの家で家庭教師のアルバイト。その貰ったお金でボランティアを始めた」とあるが、実際のアルバイトは老人を対象とした援助交際であった。老人介護のボランティアではなく、老人への性的サービスを個人間で行っていたのである。
いつみはその現場を押さえ、早速弱みを握った。成績優秀で特待生の美礼にとっては、そのことは決して知られてはならない。ただでさえ学校で浮いていたのだから、ますます居場所がなくなることも本人は分かり切っている。貧困がゆえに行った行為だが、いつみはそんな弱い部分も見逃さない。秘密を握ったうえで、サークルへと勧誘したのだ。
小南あかねの真実
あかねの小説では「実家は全焼」とあり、警察にも放火の疑いがあると言われていた。だが実際に放火をしたのはあかね本人であり、腕のやけどはその時に負った傷跡なのである。実家は料亭だが、本人はスイーツや洋食作りに夢中。つまり“実家を継げない”ことを分かり切っていたため、自ら自宅に火を点けたのだ。
やけどを心配するふりをして放火の瞬間を捉えたと脅し、いつみはそのままサークルへと勧誘した。彼女の物語では、あかねのようなドーリーな存在の”闇の部分”が話のスパイスになるだろうと思っていたからだ。あかねのスズランとは、やけどの跡=罪の証のようなものである。
ディアナ・デチュヴァの真実
ディアナの小説では「姉のエマはケガによって留学を断念した」「だから私が代わりに日本へ」と記されているが、実際はエマに留学を譲ったのではない。ケガをさせたのはディアナの仕業であり、彼女はどうにかしてでも聖母マリア女学院に来たかったのだ。
その理由はブルガリアにていつみと出会い、一目ぼれをしたから。彼女を見た時に「女神のようだ」と比喩していたが、その気持ちはホンモノだったようだ。つまりディアナはいつみに恋心のような感情を抱いていたそう。
もちろんいつみにはエマへの仕打ちを知られており、それをネタに脅されてしまう。ちなみにスズランは故郷の村に咲く花であり、学校の花壇にわざわざ植えていた。
高岡志夜の真実
志夜はいつみに『君影草』の翻訳を勧められて、迷惑がっていたと言う。実際に迷惑がっていたのは事実で、なぜなら彼女のデビュー作は海外作品の盗作であったから。海外版が出てしまえば盗作が知られてしまうので、理由をつけて頑なに映像化や翻訳を拒んでいたのである。
いつみは元々盗作ということを知っており、それをネタにサークルへと勧誘する。もちろん志夜はそれが知られてしまっては作家人生がおじゃんになってしまうため、断ることはなかった。
ちなみに彼女は最初から、美礼やディアナのようないつみへの憧れ・興味はそこまで持っていなかったご様子。どちらかと言えば父親の権力を有難く思っていた部分がある。
脇役の裏切り
北条との恋愛もうまくいく中、ついに妊娠。そして子供の名前は「すずらん」にしようと北条から提案があったのだ。妊娠によって日に日に体調の悪くなるいつみだが、小百合だけはそのことを知っている。周りに隠し続けていると、父親が机の上にとある写真を叩きつけた。そう、北条との盗撮写真である。結婚は反対され、無理矢理中絶手術を受ける羽目に。そして北条は学校をクビとなってしまった。
あの写真をリークしたのは誰だ?と考えると、最も父と距離の近かった志夜の顔が浮かぶ。そして次々と4人に疑惑をかけ、脇役たちはいつみを裏切ったという考えに陥った。全てに絶望した彼女だが、次は4人に復讐することを喜びにして生きることを決意。
そして彼女らを屋上へ呼び出し、スズランを手にしながら自殺を図った。赤ちゃんの名前も知らない愚かな脇役たちは、自分がいなくなればスズランに様々な憶測を張り巡らせ、お互いに罪を擦り付け合うだろう……。そう考えていたのだ。そしていつみは死ぬつもりなどなく、これが終われば北条と駆け落ちすることしか考えていない。
実際に父は世間体を気にし、二度と聖母マリア女学院に彼女を復帰させないだろう。小百合の協力で「自分は死んだ」と見せかける、ここまで計算をした上の計画だったのだ。自分の描いた物語のクライマックスは4人の少女たちがスズランを口にして集団自決を行うこと。それを影でこっそりと見ていたい――。そしていつみはスズランを鍋に入れた、そんな死者の供述で小説は〆られている。
衝撃のどんでん返し
澄川小百合の心変わり
鍋を口にしてしまった4人はパニック状態に陥り、部室は騒然となる。そして先ほどの小説から、いつみは死んでいないことが明らかになった。小百合だけは相変わらず落ち着いており、真実を口にした。「鍋にスズランは入っていない」と。
確かにいつみは死んでおらず、今朝方この部室に現れたそう。小百合はいつみの本当の親友だったのだが、サークルを抜けて駆け落ちした彼女に、以前のような魅力を感じなくなっていた。悪い顔を持った彼女のカリスマ性を好いていた小百合にとって、今のいつみはただの平凡な女である。今の自分の方が主人公にふさわしいと思った小百合は、スズランの花をお茶に混ぜて彼女を殺害する。
今まではいつみの物語を手伝っていたが、次は自分の物語を始めることを決意。そして4人へ「今日から澄川小百合の物語が始まることをどうぞご承知おきください。今日からあなたたちには、私の物語に彩りを添えていただきたいのです」と高らかに宣言するのだった。
闇鍋の具材、そしてデザート
今度からは4人が小百合にとっての脇役となる。そして彼女は闇鍋の中身をネタ晴らしした。スズランの花は本当に入っておらず、実際の具材は――いつみの肉。吐き気を催す4人、小百合はそんなことさえ気にせず、畳みかけるようにデザートを運んできた。
口直しのデザートに持ってきたのは、かつてあかねがサークルにて振舞った「ヴィーナスの乳首」と称したスイーツと対照的な「ヴィーナスの腕」。腕には真っ赤な血かべっとりと付着していた。そう、今朝方死んだいつみの腕を切り落としたものだったのだ。
4人は発狂するも、時すでに遅し。鍋を口にしてしまったことから、いつみは彼女達の中に生き続けてしまう。そしてその真実を背負ったまま生きなくてはならない。これが新たに滝川小百合が用意した「秘密」なのでである……。
澄川小百合が主人公の物語は続く
新学期、心地よい木漏れ日の中小百合は歩いていた。特徴的だったロングヘアをばっさりと切って、いつみと瓜二つのヘアスタイルへと変わっている……。校内の生徒たちは相変わらず小百合を羨望のまなざしで見ており、そこへサークルのメンバーが仲良さげに集合した。あの事件など、まるでなかったかのような笑顔を浮かべながら。
そして小百合は新たなメンバーを勧誘し、サークルへ誘う。そう、全ては「小百合の物語」が続いているから。新しい脇役を取り入れて、素晴らしき物語を紡ごうと企んでいるのだろう――。
用語解説
ヴィーナスの乳首・ヴィーナスの腕
「ヴィーナスの乳首」と聞けば少し驚いてしまいますが、これはあかねのオリジナルではなく、実際に存在する食べ物なのです。マロングラッセにラムを浸し、チョコレートでくるんだ上品なスイーツです。映画『アマデウス』に登場することでも有名ですね。また「ヴィーナスの腕」というスイーツも存在し、こちらはロールケーキなんだとか。特徴的な名前をしていますが、2つともお菓子だったのです。
ただいつみはディアナや校内の生徒から見ても「女神」のような存在でしたので、恐らく双方の意味を掛けているのでしょう。それを示唆するかのようなアイテムが、この二つなのです。
ゲランのミュゲ
ゲランとはフランスの化粧品や香水のメーカーであり、日本でも百貨店に店舗を構える人気ブランドの一つ。特に香水は様々な種類が販売され、愛用している女性も多いのだとか。
「ミュゲ」とはゲランから発売される香水で、フレッシュなスズランの香り。110年も前にメーカーが独自で創作したフレグランスなんだそうです。志夜はフランスの帰国子女でしたから、ゲランは身近なものだったのかも?
アマデウス
志夜の小説にも登場した『アマデウス』はモーツァルトの物語を描いた作品。モーツァルトの本名が“ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト”なことをご存じでしたか?ブロードウェイでの舞台が元となり、映画化もされているほど有名な物語ですね。作中でも『アマデウス』にて使用されたモーツァルトの曲が流れています。
最後に
ただ恐ろしく美しい少女たちがお互いを蹴落とすだけの物語ではありません。そこには心の奥底にある泥臭い感情など、人間らしさが全面に出た作品です。少女たちは今後も仮面を被って、きっと同じことを繰り返すのでしょう。次に犠牲となるのは誰なのでしょうか?……そう思うだけで、震えが止まりません。
あっという間に観終わってしまうほど、テンポの良い作品です。ちょっぴり暗めの作品に触れたくなった時は、ぜひご鑑賞下さいね。
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