【ネタバレ】『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』ストーリー&キャラクター解説!
「さらば、全てのエヴァンゲリオン。」
衝撃的なキャッチコピーとともに2021年3月8日(月)についに『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』が劇場上映を果たしました。コアなファンが多い作品でありながら、異例の平日初日公開という状況もあり、SNSでもネタバレに対する厳戒態勢のようなものが、自然と生まれていたのがエヴァンゲリオンらしい一面でした!
今回はそんな『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の内容をがっつりネタバレ有りで、ストーリーを追っていきます。
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目次
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』とは
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』は2021年3月8日に公開された長編映画。
1995年にTV放送されたアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』をベースに、新たな物語として描きなおした劇場四部作のうち、4作目にあたるシリーズ最終作品です。
2006年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、2008年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、2012年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』と、シリーズを追うごとに長いスパンを経て続編が公開されてきましたが、最終作は8年以上の時を経ての公開となりました。当初は、2020年6月27日の公開を発表していましたが、新型コロナウイルスの影響で延期を発表。改めて2021年1月23日公開を発表したものの、緊急事態宣言の発令に伴い、さらに1ヶ月以上の延期が発生してしまいました。
今回の製作陣もおなじみのメンバーの名前が並んでおり、かつてのTVシリーズの監督を務めた庵野秀明氏を総監督に、鶴巻和哉氏、中山勝一氏、前田真宏氏の3名が監督として名を連ねています。主題歌には今回も、新劇場版シリーズではおなじみの宇多田ヒカルによる『One Last Kiss』が起用されました。
今までのエヴァンゲリオンの順番を見返したい方はこちらの記事(新作公開前に必見!エヴァンゲリオンシリーズを見る順番は?【アニメ&映画】)をご覧ください!
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』“まで”のあらすじ
多くの人間と海を犠牲にしたセカンドインパクトの発生から15年。父親の碇ゲンドウに呼ばれ、主人公・碇シンジは第3新東京にやってきた。
特務機関NERV(ネルフ)の葛城ミサトと合流したのも束の間、謎の生命体“使徒”が町を襲来し、シンジは父の命令で、汎用人型決戦兵器・EVAに乗り込んで、それと戦うことになる。
シンジは、同じくEVAのパイロットである綾波レイや式波・アスカ・ラングレーと共に、次々に使徒を倒していくが、第10の使徒との戦いをきっかけにサードインパクトを引き起こしてしまう。
シンジが次に目覚めた時には、すでに14年の時が経過。大地は赤く荒廃しており、かつてNERVに所属していた葛城ミサトはWill-E(ヴィレ)となり、人類補完計画を進めるNERVと敵対関係になっていたのだった。
友人となった渚カヲルも失なってしまい、意気消沈するシンジは、合流したアスカに手を引かれ、歩き出すーー。
新作公開前に必見!エヴァンゲリオンシリーズを見る順番は?【アニメ&映画】10秒で分かる『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の簡単なあらすじ
ゲンドウの策略によって、フォースインパクトを引き起こしかけたシンジは生気を失い、Will-Eは所有していたEVAに大きなダメージを負ってしまう。
Will-Eは大破したEVAの修復をするべく、ニアサードインパクトによって荒廃してしまったユーロネルフに向かう。一方のシンジは、アスカに手を引かれ、人間が助けに来られる地域までひたすら歩き続けていた。そしてそこには、アヤナミレイ(仮称)の姿もあった。
そして、ついに、フォースインパクトを引き起こそうと動き出したNERV。それを感知したWilleはそれを阻止するべく、ヴンダーに乗ってついにNERVへの出撃する。
ついに、人類補完計画に乗り出したNERVとの最終決戦が始まるーー。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のネタバレあらすじ
あらすじ①ユーロネルフでの戦い
Will-Eのメンバーは、前回の戦いで大破してしまったEVAの機体を修復するべく、パリに降り立っていた。隊員たちがユーロネルフの復元システムの起動に取り組む中、NERVの複数のEVAがそれを阻止しようと襲い掛かる。
それを迎え撃つのが、応急処置が施されたEVA8号機に乗ったマリ。無数に襲いかかるNERVのEVAたちに苦戦しつつも、見事敵を殲滅するのだった。
Will-Eのメンバーも制限時間内に復元システムの起動に成功。パリの町は元の色を取り戻し、EVAの修復用のパーツの獲得にも成功した。マリは獲得した無数のパーツを眺めながら、シンジを迎えにいくことを一人呟くのだった。
その頃シンジは、アスカに手を引かれ、アヤナミレイ(仮称)と共に赤く染まった町を歩き続けていたーー。
あらすじ②第3村にやってきたシンジたち
シンジたちを迎えに来たのは、かつての友人・ケンスケだった。シンジが目覚めると、そこはケンスケだけでなくトウジやヒカリなどかつての同級生たちが暮らす第3村だったのだ。
しかし、温かく迎え入れてくれる村の人々をシンジは拒絶する。一方で、アヤナミレイ(仮称)は、村人の生活に馴染み、村での生活や人との触れ合いを学んでいくのだった。そして、頑なに歩み寄ろうとしてくれるアヤナミのおかげで、シンジはついに村でみんなと共生していくことを受け入れるようになる。
すっかりシンジも村の生活に馴染み出した矢先、NERVを離れて身体の限界を迎えたアヤナミは、シンジに別れを告げて、目の前で消えてしまうのだったーー。
あらすじ③NERVに挑むWill-E
ついにフォースインパクトに向けて、NERVが動き出したことを感知したWill-E。最終決戦に向けて動き出したWill-Eはアスカを迎えにやってくる。アヤナミとの別れを経て、シンジも再びヴンダーに乗ることを決意する。
シンジ・アスカを乗せてNERVへ向かうヴンダー。シンジは隔離されてしまうのだったが、戦いを前にマリとの再会、そして、アスカとの和解を果たすのだった。
無数のNERVのエヴァを退けながら、ヴンダーは中枢に到達。出撃したアスカは、フォースインパクトの引き金となるEVA13号機に到達する。自らを使徒と化して、13号機の停止に試みるアスカだったが、それこそゲンドウの目論見であり、13号機が動き出し、アスカの乗ったエントリープラグは奪われてしまうーー。
あらすじ④フォースインパクト決行
ついに姿を現したゲンドウ。ミサト達はゲンドウを殺そうとするも、すでにゲンドウは人ではなくなっていた。そこへ駆けつけたシンジは、ゲンドウを引き止めようとするのだが、ゲンドウは初号機を奪い、人類補完計画を遂行するべく裏宇宙へと向かう。
万事休すのWill-Eのメンバーだったが、シンジは再びエヴァに乗る決心する。
ついにフォースインパクトが始動。再びDSSチョーカーを付けたシンジはマリの助けを借り、ゲンドウを追って裏宇宙へと向かう。Will-Eのメンバーはシンジに希望を託し、NERVが黒い月から槍を生成したデータを元に、新たな槍をシンジに送り込むべく動き出すーー。
あらすじ⑤さらば、エヴァンゲリオン
裏宇宙でついに初号機の元へたどり着いたシンジはそこで、かつて救った綾波レイに出会う。
裏宇宙を舞台に、ゲンドウとの超次元的な戦いを経た後、ゲンドウとの対話を行うのだった。そこでシンジはゲンドウの過去、そして本心を知り、父を諭す。ついにゲンドウと和解に成功するのだった。
ミサトが自らの命を犠牲にして“ガイウスの槍”を受け取ったシンジ。ゲンドウを救った後、アスカ、そしてカヲルの救出に成功する。最後にシンジはガイウスの槍でエヴァを破壊し、ファイナルインパクトを起こそうとするが、母・ユイが現れてシンジを救うのだった。
裏宇宙に取り残されたシンジ。ここまでかと思われたその時、マリが救出に現れる。
気づくとそこは駅のホーム。いつの間にか大人になったシンジは、同じく成長したマリにDSSチョーカーを外され、彼女の手を引いて現実の世界へと駆け出していくのだった。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のキャラクター紹介
あらすじだけでは追いきれない、それぞれのキャラクターの情報、そして顛末も合わせて紹介していきます。今回の劇場版で新たな事実も多く判明しました。
碇シンジ / 緒方恵美
エヴァンゲリオンシリーズの主人公。EVA初号機のパイロットでしたが、前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』でシンクロ率が0%となってしまっていたことが語られていました。再びフォースインパクトを起こしかねない状況を引き起こし、友人であった渚カヲルを目の前で失い、失語症の状態に陥ってしまいました。
長らく他者を拒絶していたシンジでしたが、アヤナミレイ(仮称)とのふれあいを経て、心を受け入れられるようになり、再びエヴァに乗る決心を固めました。
改心後は、アスカやミサトとも和解に成功。命をかけてガイウスの槍を送り届けてくれたミサトの死も受け入れられるようになり、父ゲンドウですら驚くほどの心の成長を果たします。
実は、シンクロ率が0%だと思われていたことも、本当は限りなく0に近いシンクロ率無限大の状態であったことが判明。最終作にて再び、EVA初号機に乗り込んだシンジの姿がお披露目されることとなりました。
アヤナミレイ(仮称)/林原めぐみ
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』にて初登場となった見た目は綾波レイの姿でありながら、別の人物とされていた存在がアヤナミレイ(仮称)です。
周囲に興味津々な彼女は、第3村での生活にすっかり馴染み、挨拶や仕事など村人から多くのことを学びます。しかし、NERVを離れての活動には限界があったらしく、シンジに最後の別れを告げ、シンジの目の前で消えてしまうのでした。
彼女はやはり、複数個体居る綾波シリーズの一人でしかなかったことや、アスカのセリフから、潜在的にシンジのことを好意的に思うように生み出されていたことなどが明らかになりました。また、公式で仮称扱いだった彼女は、作中でシンジに名前を付けてくれるようお願いし、改めて“綾波”という名前を受け取ることになります。
式波・アスカ・ラングレー / 宮村優子
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』にて初登場となったEVA弐号機のパイロット。使徒に侵食されてしまったEVA3号機のテストパイロットに志願してしまったが為に、シンジの乗る初号機によって徹底的に破壊されてしまいます。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』ではその影響か、左目に眼帯をしていました。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』では、シンジを第3村まで連れてきたりと、導き手の一人として活躍。ただし自身はケンスケの家に篭っており、理由は語られないものの村人との交流を避けていました。
クライマックスでは左目に隠していた封印柱を解き放ち、使徒となったものの、それもゲンドウの策略の内であり、EVA13号機に取り込まれてしまいます。終盤では綾波と同じく自身も多くのクローンの存在であったことや、自分を受け入れてくれる存在を求めていたことが示唆され、シンジによって裏宇宙からケンスケの元に送り届けられることとなります。
真希波・マリ・イラストリアス / 坂本真綾
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』にて本格的に登場した新劇場版シリーズ以降に投入された新たなEVAのパイロット。元々は日本以外の支部で活動していたようですが、第3の使徒との戦いをきっかけに、第3新東京へ潜入。第10の使徒との戦いで無断でEVA弐号機に搭乗し戦い、ミサトらも知らない裏コード“ザ・ビースト”を披露しました。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』以降は、Willeの一員となりNERVと戦います。
ゲンドウやコウゾウとは知り合いであるかのような発言をしているものの、作中では具体的な素性は明らかにされませんでした。ただし、ゲンドウが自身の若い頃を回想する場面には、マリの姿も存在しており、やはり旧知の中であったことを思わせます。
クライマックスでは、シンジを裏宇宙へ送りこみ、そして救出する役割を担いました。最後にはシンジとともに成長した姿で登場。シンジに手を引かれ、共に現実の世界へ飛び出していきます。
碇ゲンドウ / 立木文彦
碇シンジの父親であり、NERVの総司令。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』以降は、メガネではなくサングラスをしていましたが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』ではネブカドネザルの鍵を身体に取り込んでおり、すでに目と言えるものを失い、人間ではなくなっていたことが明らかになりました。そのため、リツコに銃で頭を撃ち抜かれた際も、脳が飛散した状態でも平然と生き続けています。
フォースインパクトを引き起こし、人類補完計画を遂行しようとしたものの、シンジと対話し、S-DATを受け取ったことをきっかけに和解に成功します。ゲンドウの独白が作中で描かれ、知識とピアノのみに生きがいを見出せていなかった自身を受け入れてくれたユイにいつしか惹かれ、彼女の喪失を受け入れきれず、シンジとどう関わればいいか分からなくなってしまったことを語っています。
最後は裏宇宙でユイと共に、ガイウスの槍でエヴァンゲリオンの消滅を行います。
葛城ミサト / 三石琴乃
かつてはNERVの一員として活躍していたものの、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』以降は、反NERVの組織Will-Eの幹部として、ヴンダーの機長を務めています。
かつて保護者のようにシンジたちを見守っていたものの、冷たい司令官のような態度に変貌しており驚かされましたが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』では、実はサードインパクトをきっかけに加持を失い、当時は彼の子供を身篭っていたことが明らかになりました。出産後は子供とは離れて生活し、世界を救うべく加持の意思を継ぐことに心血を注ぐことになったようです。
実はサードインパクトの際も、シンジを送り出してしまったことを後悔しており、シンジと和解後はかつての笑顔も取り戻し、隊員たちを脱出させた後に、自らの命を犠牲にして、ヴンダーと共に自爆。これによりシンジへガイウスの槍を送り届ける役目を担いました。
渚カヲル / 石田彰
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』にて登場し、NERVで孤独を感じていたシンジに手を差し伸べる存在として登場しました。
EVA13号機に刺さっていた槍を抜くことをシンジに提言するものの、ゲンドウの策略により槍がどちらもロンギヌスの槍に差し替えられ、フォースインパクトのトリガーとなってしまいます。フォースインパクトを止めるべく、自死してしまったのですが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』では、裏宇宙にて突如登場。
シンジを救おうとしていたはずが、実は自分自身を救おうとしていたことを自覚し、加持リョウジと共にどこかへ歩み始めるのでした。実は月面には、複数の棺が立ち並び、カヲルがなんどもエヴァンゲリオンの世界を繰り返す存在であったことが示唆されます。
しかし、シンジによって救済された側の存在になったようで、最後にはレイやアスカたちと共に、成長したシンジやマリとは反対側のプラットホームに、カヲルらしき姿を見ることができます。
加持リョウジ / 山寺宏一
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で登場したNERVの諜報員で、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』では一切行方が分からなかったのですが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』で彼がすでに亡くなっていたことが判明します。
シンジの引き起こしたサードインパクトを止めるべく、自らの命を犠牲にしたことが語られており、人類補完計画からあらゆる生命の種子を守ろうと準備をしていたり、Will-Eにも所属していたことなども語られるなど、今回の結末に至るまでの立役者であったことがわかります。
裏宇宙では、今まで一切関わりのなかったカヲルを“司令”と呼び、親しく会話をする場面が登場。実はカヲルと共に反ネルフの活動を行なっていたことを予感させる展開となっていましたが、具体的なその関係性は作中ではっきりと明言されることはありませんでした。
成長した碇シンジ/神木隆之介
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』で全てのEVAを消滅した後に、シンジは成長した姿で登場します。本来、EVAのパイロットは見た目の老化をしないことが語られているので、シンジがEVAの呪縛から解き放たれたことがこの場面からわかります。
マリによって首元のDSSチョーカーを外されたシンジは、笑顔でマリの手を引いて駅の外へと飛び出します。ここで登場する駅は実写が使われており、庵野秀明総監督の故郷でもある山口県の宇部新川駅ということからも、どこかシンジと庵野氏を重ねて見せるような演出にも思わせます。
そんな成長したシンジを演じているのは、俳優の神木隆之介。『千と千尋の神隠し』や『サマーウォーズ』、『君の名は。』など数々の大ヒットアニメーション映画に声の出演を果たしてきた彼が、ついにエヴァンゲリオンシリーズにも参加することにもなりました。
『シン・エヴァンゲリオン:||』で明らかになった!驚きの事実!
そのほかにも、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』ではこれまで明らかにされていなかった驚きの事実が続々と描かれることになります。そんな事実の数々のトピックを抜粋して紹介していきます。
トウジやコウスケが生きていた!
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』では一切生死が描かれず、荒廃した町の描写から、同級生のトウジやコウスケは死んでしまったのではないかと思われていました。しかし、実はWill-Eの助けによって、第3村で生きていたことが明らかになります。
この第3村は、静岡県の湖西市・新所原がモデルとなっており、実際の建造物などが作中に登場しています。第3の村の人々はWill-Eの支援を得ながら、農業などを行なって生き延びており、人間だけでなく犬や猫などの動物も僅かながら生き延びていました。
なぜサードインパクトで生き延びることができたのかは具体的には描かれていませんが、第3村の周囲にはWill-Eによって建造された封印柱が建てられており、この空間内では、緑の自然や澄んだ川などかつての綺麗な環境が残っていました。どうやらこの封印柱には、サードインパクトなどの影響から守ってくれるバリアのような存在となっているようです。
『破』で救出したはずのレイはここに居た!
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』ではアヤナミレイ(仮称)が登場し、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で救出したとされた綾波レイは、行方が分からないままでした。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』では、そんな綾波レイがシンジを二度とエヴァに乗せまいと初号機の中に残っていたことも明らかになります。
初号機に残っていた綾波は、容姿こそかつての若いままだったのですが、髪の毛が膨大な量にまで伸びていました。これについては、別の場面でアスカの口から語られており、EVAのパイロットは、容姿の老化はしないものの、髪の毛のみは人間と同じように伸びるようです。このことから、ここで登場した綾波レイが膨大な時間が経過している存在であることが分かります。
そんな綾波も裏宇宙でシンジに諭され、EVAの宿命から救われることとなりました。
希望の槍と絶望の槍、そして新たな槍!
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長らく詳しいことが作中で語られることのなかった“槍”。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』では、ゲンドウの口から新たな情報が語られることになります。これまでのシリーズでも、サードインパクトやフォースインパクトなどを引き起こすためのアイテムとして登場してきましたが、ロンギヌスの槍とカシウスの槍の二種類の槍が存在することが明らかになっていました。
ゲンドウはロンギヌスの槍を“絶望の槍”、カシウスの槍を“希望の槍”と称しており、この二種類が対照的な存在を思わせることや、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』でシンジの抜いた槍が二本ともロンギヌスの槍だったことは、絶望的な状況を示唆していたことを思わせます。
そして、今作では三種類目の槍“ガイウスの槍”が初めて登場。NERVが黒い月から新たな槍を生成したデータから、ヴンダーの脊髄を元に人間が新たに生成した槍です。この槍によって、シンジ達はついにEVAのない世界へ到達するのでした。
過去シリーズを踏襲した内容だった!
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当初はTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの内容を踏襲していくかのような始まりをした新劇場版シリーズでしたが、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』以降、大きくそのストーリーを変容させていきました。
しかし、改めて振り返ると、第10の使徒の戦いでEVAが覚醒したり、カヲルがシンジの手によって死んでしまうなど部分的に過去のTVアニメシリーズをなぞるような演出となっていました。そしてこの『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』も、実は旧シリーズを思わせる演出が登場しています。
終盤の裏宇宙でのゲンドウの独白シーンや、取り残されたシンジの描写はTVアニメ25話「終わる世界」や最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」の演出を思わせます。また、アスカを迎えにいく場面では、劇場版『新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを、君に』のラストシーンでシンジとアスカが行き着いた海岸と思わしき場面が登場します。
展開こそまったく違う新劇場版シリーズでしたが、実はこの『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』も、かつてのエヴァンゲリオンシリーズの終盤をリメイクしたかのような見方ができる映画となっていたのです。
唯一の違いはやはりエヴァとの決別。『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』では徹底的にエヴァとさよならをするための物語であったことが分かります。
まとめ
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』で迎えた驚きの展開の数々を紹介していきました。
多くの謎が明らかになった最終章にふさわしい内容となっていましたが、そのディテールの一つ一つを追っていくと、語られきれていない要素が実はまだまだ無数に存在します。
そんな内容を思わせる細かな演出やセリフも今回紹介しきれないほど、作中に多数登場しますので、すでに『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』を観た人も、これから観る人も、なんども繰り返し観ることで新たな発見ができるでしょう!
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