新海誠監督の映画&短編8作を解説 | それぞれの作品を紐解くヒントは?
みなさんはもう新海誠監督の監督映画『天気の子』をご覧になりましたか?
『君の名は。』に続き大ヒット映画を連発する新海誠監督。最近になって突然知名度が上がりましたが、実は広く名が知られる以前からその鬼才ぶりは発揮されていたんです。『君の名は。』『天気の子』以外にもまだまだある新海誠監督作品。まだ見てないなんてもったいない!
今回は、新海監督の手掛けた作品全8作品のあらすじやみどころを公開年度順に解説してきます。気になる作品があれば是非チェックしてみてくださいね!
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目次
新海誠監督について
出典:『新海誠』公式サイト
新海誠監督は長野県南佐久郡小海町出身、1973年2月9日生まれの現在49歳。本名は『新津 誠(にいつ まこと)』です。長野県と言えば、映画『君の名は。』の聖地としても有名だよね。
編集長
そして2000年7月22日にデビュー作である『彼女と彼女の猫』を公開。のちに会社も辞めてしまったんだよ。
特に、背景描写に登場人物たちの感情をリンクさせる手法が巧みで、寄り添いあうようなシーンでは大量の鳥たちが飛び交い、雨の激しさで無言の登場人物たちの感情を表現するといった抽象的で丁寧な心理描写が本当にすごい!
新海誠監督のアニメ映画全7作品+短編おすすめ作品解説
新海誠監督がこれまでに手掛けたアニメ映画は全部で7作品。今回は、そこに処女作となる短編アニメーションを加えた全8作品を解説していきます。
彼は一体、作品にどんな思いを込めているのか。大ヒット作『君の名は。』が生まれるきっかけとなった要素は何なのか…徹底的に紐解いていきましょう!
2000年公開『彼女と彼女の猫』(興行収入:不明)
出典:Amazon.com
あらすじ
ある夏の日、彼女(篠原美香)と、彼女の飼い猫である “僕” (新海誠)の暮らしが始まった。
大学生の彼女は就職活動真っ只中。必死に頑張るが不採用の通知が募っていく。
彼女と “僕” にとって、互いに過ごす時間は安らぎを感じられるとても大切なものだった。しかし、家族のことや、友達のこと、将来のこと…色々なことがうまくいかず、彼女はしだいに疲れていく。
それでも彼女は、今日も扉を開けて外の世界へと踏み出していく。そんな大好きな彼女のことを、“僕”はいつまでも見守っていたいと思っていたーー。
新海誠監督のデビュー作『彼女と彼女の猫』トリビア
- 新海誠監督の処女作品です!
- 新海誠監督が日本ファルコムに勤めながら作った作品であり、完全に個人で制作しました!
- 猫好きな新海誠監督の猫作品。
新海誠監督『彼女と彼女の猫』のみどころ
この映画は「猫」が語り手なのが面白いところです。猫にさえ新海節炸裂の”クサい”セリフを吐かせてしまう新海監督はさすがといったところでしょう。
5分という短さの中に、日常生活での怒り、寂しさ、温かみが詰め込まれた作品。モノクロであるのに風景のリアル感が伝わってきて、初作品でありながら既に新海誠監督の卓一した風景描写を味わう事ができます。
飼い主が落ち込んでいたら、物言えぬ代わりに寄り添って「応援している」「よく頑張ってるね」の気持ちをを伝えてくれるペット。そんな何気ない日常の温かみに、動物を飼っている方ならきっと共感するのではないでしょうか。
ペットと人間は言葉こそ通じ合えない関係ですが、気持ちは互いにしっかり伝わっている。そんな事を感じさせてくれます。動物好きは号泣注意です。
ちなみに本作は2016年に『涼宮ハルヒの憂鬱』の演出を手掛ける坂本一也氏によって新作カットを加えた全4話のテレビシリーズとしてリメイクされています。
2002年公開『ほしのこえ』(興行収入:不明)
出典:Amazon.com
あらすじ
出典:映画『ほしのこえ』予告編
物語の舞台は近未来の日本。人類は火星でタルシス遺跡と呼ばれる謎の遺跡を発見するが、調査に行っていたNASAは謎の生命体に絶滅させられる。謎の生命体と対峙するために国際宇宙軍を組織するのであった。
一方、関東某県の中学に通う同級生の長峰美加子(篠原美香)と、寺尾昇(新海誠)。仲の良い二人であったが、ある日、ノボルはミカコが国際宇宙軍に選ばれたことを告げられる。
ミカコは宇宙に旅立ち、ノボルは高校に進学する。地上と宇宙。離れ離れになった二人は、携帯で連絡を取り合う。
しかし、地球からの距離が遠くなるにつれて電波の往復に要する時間はどんどん長くなり、二人のコミュニケーションは次第に疎遠になっていく
やがてミカコの乗る宇宙船がワープを行い、ミカコとノボルの時間のズレは決定的なものになる…。
新海誠監督がほとんど一人で手掛けた『ほしのこえ』トリビア
- 『ほしのこえ』は新海誠監督がほぼ一人で1台のパソコンから作りました!
- そしてなんと、新海監督自身が声優も務めています!
- 下北沢にある小さな映画館「トリウッド」で公開されたんですが、反響が凄まじく、46席のキャパシティしかない映画館に早朝からすごい数の観客が殺到し、近隣の商店街から苦情が出ました。そして「トリウッド」開設以来の最多動員記録を叩き出したんです。
- 初日のチケットはすぐに完売し、上映回数が増やされましたがそちらも瞬時に完売しました。
新海誠監督『ほしのこえ』のみどころ
簡単に言ってしまうと遠距離恋愛をテーマにしたSFの「セカイ系」映画です。10代の男女の青臭くてまっすぐな青春の甘酸っぱさがふんだんに詰まっており、SF作品でありながら作品の肝となるのは登場人物たちの「感情描写」。
『エヴァンゲリオン』や『インターステラー』を思わせる作風としても話題を呼んでいます。
一人で自宅PCにて制作したという事もあり作画等かなり粗がありますが、キャラクターの声も新海監督自身で吹き込むなど、アニメ愛がとてつもなく詰まった作品。
2004年公開『雲のむこう、約束の場所』(興行収入:0.5億円)
あらすじ
日本が津軽海峡を挟んで南北に分断された、もうひとつの戦後の世界。世界の謎を背負った1人の少女を救うため葛藤する少年たちの姿を描く。
米軍統治下の日本。青森に暮らす中学生の藤沢浩紀(吉岡秀隆)と白川 拓也(萩原聖人)は、同級生の沢渡 佐由理(南里侑香)に憧れていた。彼らの瞳が見つめる先は彼女と、津軽海峡を挟んだ北海道に立つ謎の巨大な「塔」。2人は、いつか自分たちの力であの「塔」まで飛ぼうと、廃駅跡でひそかに小型飛行機を組み立てていた。
ある夏休み、2人はサユリに飛行機のことを打ち明ける。3人は目標を共有し、同じ道を進んでいくのだが、中学3年の夏、サユリは理由を告げずに突然、東京に転校してしまう。飛行機作りも投げ出され、それぞれ別の道を歩き始めるのだがーー。
新海誠監督作『雲の向こう、約束の場所』撮影裏話
- この作品に登場する猫の「チョビ」は『彼女と彼女の猫』や『秒速5センチメートル』といったほかの新海作品にもたびたび登場しているんです!
- 新海誠監督はTwitterで「何度か学生の時にひとり旅をしていて、東北は静かで美しい場所だと思っていた。」「ヒロキたちが使う津軽線沿いの駅は実在のもの」といっています。
新海誠監督『雲の向こう、約束の場所』のみどころ
戦争によって分断された日本を救う為、「世界」か「少女」のどちらかを選ばなければならないという選択に迫られる、『天気の子』とよく似た構造の映画です。しかしながら、ストーリー自体は『君の名は。』を彷彿とさせる展開。「こうであったかもしれない」世界を夢に見た主人公が、その夢を頼りに行方不明になっていた少女を探すきっかけとなるという要素はまさに『君の名は。』に影響を与えた構成と言えるでしょう。
こちらも『ほしのこえ』同様に『エヴァンゲリオン』を意識した演出や構図、シーンが度々登場しますので、エヴァ好きなら思わずニヤッとしてしまうかもしれません。
映画のタイトルにもなっている「空」の作画、細部まで丁寧に作り込まれていて、新海誠監督の気合いとこだわりの強さが感じれます。そして、この作品の見どころは現実の厳しさを巧みに描いているところです。ご都合主義の幸せな展開は一切なく、想いを告げても届かないもどかしさや、憧れや想いを告げる難しさを再現しています。
ヒロキは一度、サユリと空の2つの憧れを失います。そんな彼は惰性的な日々を過ごし、毎日を「深く冷たい水の中で、息を止め続けているような毎日」と語っていました。この言葉は、目標がなかったり、生きがいを見失いかけていたりする人は共感できると思います。ここから彼がどのようにして再び憧れを追い始めるのかに是非注目してください。きっとこの作品を見た後、人生を能動的に楽しむためには「憧れ」が必要だと思えるはずです。
2007年公開『秒速5センチメートル』(興行収入:1億円)
あらすじ
秒速5センチメートルは「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の3章に別れてストーリーが展開されていく。
「桜花抄」
遠野貴樹(水野研二)と篠原明里(近藤好美)の出会いは、東京の小学校。転校生同士の2人は、すぐに仲良くなる。
しかし、小学校卒業と同時に明里が栃木県に転校してしまう。 明里からの手紙をきっかけに連絡を取り合っていた2人だが、今度は貴樹が鹿児島県に引っ越すことに。さらに遠く離れてしまう前に、貴樹は意を決して明里のもとへ向かう。
ところが、約束の当日は大雪になり、貴樹の乗る電車は大幅に遅れてしまい——。
「コスモナウト」
舞台は、鹿児島県の種子島。高校の同級生・澄田花苗(花村怜美)は、中学2年で貴樹が転校してきた時から貴樹に恋をしていた。ある日、花苗は貴樹が東京の大学へ進学することを知り、告白を決心するが……。
「秒速5センチメートル」
東京に戻り社会人になった貴樹の話。
彼女ができ3年間交際する貴樹であったが、心のなかでは明里のことを思い続けるのであったーー。
新海誠監督『秒速5センチメートル』撮影裏話
- “秒速5センチメートル” は桜の花びらが落ちる速度のこと。
- 新海誠監督が中学・高校と片思いしていた女の子がいたのですが、友達と付き合っていることを知り、人1人好きになりダメになっても大したことないと知ったそうです。この考えは秒速5センチメートルに表れています!
- 打ち上げられる人工衛星を2人が見つめるシーンは、『君の名は。』で彗星を見上げるシーンに酷似しているので注目してみてください!
- 本作のタイトルカットのシーンは、『君の名は。』のラストで風景を俯瞰で映し出すシーンに似ています!こちらも是非注目を!
新海誠監督『秒速5センチメートル』のみどころ
恋愛は「ボタンの掛け違い」次第で簡単に揺れ動いてしまう淡く儚いもの。そんなことをしんみりと考えさせてくれる切ない青春映画です。これまでの新海作品とは打って変わり、SFやファンタジー要素は一切ありません。ただただリアルな「青春」をまっすぐに描いています。
幼い頃好きだった女の子と離れ離れになってしまう経験は多くの方が持っていると思います。そのような方は感情移入しやすい物語でしょう。明里と別れてから5年間想い続けているけど、連絡が途切れてしまい、送る先もないメールを書き続けているシーンは貴樹の心情を上手に表現しています。
これは大人になってしまう前に観ておきたかったと後悔させられるほど、多感な10代のリアルで繊細な恋愛を描いています。関連作品として、ライトノベル作家の加納新太が描く「秒速5センチメートル one more side」があります。
貴樹視点の場面が花苗視点になっていたり映画とは別の視点で描かれていたりするので、映画を見た方も楽しめる作品となっています!
2011年公開『星を追う子供』(興行収入:0.2億円)
あらすじ
舞台は、1970年代の大自然あふれる田舎町。周囲には古民家や田畑、山が広がっている。
そんな田舎町に暮らしていた小学生の渡瀬明日菜(金子寿子)は、幼い頃に父親を亡くしていた。アスナはまだ小学生だが、看護師として働く母の代わりに家事をしながら、自分で作った山の秘密基地で父の形見である石を使った鉱石ラジオを聴いていた。ラジオからは時折、誰かの歌声が聞こえる。
ある日、見た事もない怪物に襲われるアスナであったが、地下世界「アガルタ」からきた少年シュン(入野自由)に助けられる。翌日、秘密基地で再会して仲良くなった二人はまた会う約束をするが、後日シュンが遺体で発見される。
そんな時、新任教師の森崎竜司が授業で話す「死後の世界」に興味をもち、その日の帰りに死んだシュンにそっくりの少年シン(入野自由)に出会う。彼もまた、地下世界から来たのであった。アスナはシンのことを自分との記憶を失ったシュンなのかもしれないと思い、地下世界アガルタへ向かうーー。
新海誠監督『星を追う子ども』撮影裏話
- 新海誠監督は「もう少し低い年齢の人にも楽しんでもらえるような作品にしたい!という気持ちがあって、主人公をアスナという小学生の女の子にした」といいます。
- 難しいことを考えなくても、2時間席に座って映像と音楽と物語に身を浸していれば、それだけで楽しめるものにしたいという新海誠監督思いが込められています!
新海誠監督『星を追う子ども』のみどころ
新海監督はジブリ映画に大きく影響されたと語るほどジブリ好きな方なんですが、この作品では「ジブリ」的な要素がふんだんに織り込まれています!「ハウル」や「ナウシカ」といったキャラクターに酷似した登場人物や、ラピュタや千と千尋、もののけ姫といった名作を思わせる展開の数々に、ジブリ好きなら引き込まれてしまうでしょう。
よく、「人は死んだら星になる」といいますよね。本作のタイトルである “星” は死者を指しています。アスナが星になったシュンを追いかけるという意味です。
前作の『秒速5センチメートル』のような「日常を美しく描く」スタイルとは打って変わり、「ファンタジーやアクション要素」が強い作品で、”死んだ人を想うか、今生きている事を大事に思うか”というテーマをじっくりと描いています。
2013年公開『言の葉の庭』(興行収入:1億5千万円)
あらすじ
出典:映画『言の葉の庭』予告編
靴職人を目指す秋月孝雄(入野自由/関根航・子供時代)は、雨の日は学校を1限だけサボると決めていた。ある雨の日、新宿御苑の日本庭園で、昼間からチョコレートを食べ、ビールを飲む雪野百香里(花澤香奈)に出会う。
雨の日だけ会えるという少し変わった関係。季節もちょうど6月の梅雨にさしかかり、2人が会う頻度も増える。そして、心を通わせるうちに、「明日雨が降らないかな」とお互い意識するようになっていくのであったーー。
新海誠監督『言の葉の庭』撮影裏話
- 約8割が雨のシーンで構成されおり、現実では煙たがられがちな「雨」が美しい描写で描かれています。
- 新海誠監督は『言の葉の庭』は2つの意味で ”雨宿り” を表現しているといいます。ひとつは直喩の雨宿り。もうひとつは人生の中での雨宿りという意味だそうです。
- ユキノは新宿御苑でビールを飲んでいますが、実際は飲酒禁止なんです…
- 本作に登場するユキノは、『君の名は。』に登場する「ユキちゃん先生」と同一人物です!新海監督はユキノの声優を担当した花澤香菜さんが大好きで、なんとしても再登場させたかったんだそう!また、新海作品を追いかけてくれるファンへのサービスとも語っています。時間軸などは謎に包まれていますが、ファンにしてみれば嬉しいクロスオーバーですよね!
新海誠監督『言の葉の庭』のみどころ
一言で言ってしまえば、青臭い高校生男子と年上の女教師とのひそかな恋の物語。
新宿御苑を舞台に繰り広げられるこの作品は「雨」がとても印象的な映画です。「雨の日にしか会うことができない。だから雨が降るのを楽しみにしてしまう」。このフレーズが本作を表すキーワードとなっています。
他にも、『言の葉の庭』のみどころとして押さえておきたいものとして「和歌」が挙げられます。ユキノがタカオと初めて会った時に投げかけた歌、「鳴る神の 少し響みてさし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」。こちらの和歌は「雷が鳴り響いて雨が降ってくれたら、あなたを引き留められるのに」という意味。
そして、タカオとユキノが久しぶりに再会する場面、タカオがユキノへ返した「雷神の 少し響みて 降らずとも 我は留らむ 妹し留めば」という和歌は「雨が降らなくても、私は留まるよ。あなたが引きとめてくれたら。」という意味になります。万葉集の歌を組み込んでくる表現がオシャレですよね!普通なら憂鬱な出来事も、考え方1つで楽しみに変わる。この考えは普段の生活にも活かしていきたいものです。
2016年公開『君の名は。』(興行収入:250.3億円)
出典:Amazon.com
あらすじ
出典:映画『君の名は。』予告編
舞台は、千年以来の彗星の到来を一か月後に控えた日本。田舎町に暮らす女子高校生の宮水三葉(上白石萌音)は憂鬱な毎日を過ごしている。父が町長であるがゆえの周囲の冷たい目や、家系の古い風習。三葉は、大きな世界が広がっている都会に強くあこがれを抱いていた。
そんなある日、自分が男の子として東京で生活している夢を見る。夢の中で、憧れであった都会での生活を楽しむ三葉。
一方、東京で暮らす男子高校生・立花瀧(神木隆之介)も奇妙な夢を見ていた。自分が田舎町に暮らす女子高校生になっているのだ。繰り返される不思議な夢。次第に二人は、それが現実に起こっている出来事である事、互いが入れ替わっている事実を知る。
前置きなく入れ替わる生活に戸惑いながらも、現実を受け止めていく瀧と三葉。入れ替わりの最中に残し合ったお互いのメモを通して仲を深めていく。しかし、ある日突然入れ替わりが途切れてしまう。いつの間にか三葉に抱いていた感情に気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと試みるが——。
新海誠監督『君の名は。』撮影裏話
- 『君の名は。』の着想は、新海誠監督が東日本大震災で被災した宮城県名取市閖上に訪れた時に得ました。「もしも自分がこの街の住人だったら」という思いから、立場が入れ替わる作品にしようと考えたそうです。
- 新海誠監督が「観客を励まし、観終わったあとに気持の良い気分になるような映画を作りたい」と思っていた時に、東宝との話が決まったそうです。「絶妙なタイミング」だったといいます。
- 商業デビュー作である『ほしのこえ』の時は、一人か二人の具体的な人に観てほしかったそうですが、『君の名は。』は、自分のことを知らない人にも観て欲しいと思っていたそうです。実際に本作は異例の大ヒット。監督の思いは見事届きましたね!
新海誠監督『君の名は。』のみどころ
新海誠という映画監督の名を日本中に、そして世界に広める事となった空前の大ヒット作。日本では異例の長期間上映が続き、神奈川県川崎市にある劇場チネチッタでは、2016年8月26日の公開日から通算して351日間にも及ぶロングランを記録した。
世界への影響も計り知れず、それまで日本のアニメ映画として世界の興行収入ランキング1位に君臨していた『千と千尋の神隠し』を追い抜く結果に。
本作は、「コメディ」と「恋愛」と「ミステリアス」と「シリアス」が合わさった究極の一本です。
新海監督が「1分たりとも飽きさせない」と言っていたように、テンポの良い前半のコミカルな展開から一変してゾクっとさせられる中盤のシリアスシーン、そしてラストのドラマチックで壮大な展開へと移り変わるめまぐるしい展開の連続には思わず息を飲む事でしょう。
これまでの新海作品にはコミカルな描写が一切無かったので、第1作目から新海作品を追ってきたファンからしてみれば本作はとても新鮮なものとなっています。
日本での興行収入はなんと異例の250億超え!これは『千と千尋の神隠し』『タイタニック』『アナと雪の女王』に次ぐ日本歴代興行収入第4位に位置付けられる快挙です。
本作は若者でも大人でも楽しめる作品となっていますので、是非恋人と、家族と、友人と一緒に鑑賞してみてください!鑑賞後には、声にならない感動や考察が飛び交う事でしょう。
本作をきっかけに新海監督にハマった方は、是非過去作も御覧になってみてくださいね!
2019年公開『天気の子』(興行収入:135億円)
あらすじ
出典:映画『天気の子』予告編
高校1年の夏、帆高(醍醐虎汰朗)は離島にある実家を家出して東京にやってくる。しかし、生活はすぐに苦しくなる。家出した高校生を雇ってくれるところなどほとんどなかった。
孤独な日々の果てに見つけた仕事は、オカルト雑誌のライター業。彼のこれからを表現するように、連日降り止まない雨。そんなある日、帆高は一人の少女に出会う。
ある事情から弟と二人でたくましく暮らす少女の名前は陽菜(森七菜)。陽菜は、ある不思議な能力をもっていたーー。
新海誠監督作『天気の子』撮影裏話
- 『君の名は。』のヒットでプレッシャーは上がったものの、自由に制作できたそうです!100パーセント自分の思い描いていた作品が完成したと言っています。
- 新海誠監督はRADWIMPSからもらった歌詞を見て「自分以上に映画の大事なところをわかっている」と思ったそうです。
- 新海誠監督は『天気の子』を制作する上で、オリンピック前の東京をアニメーションとして残したいという思いもあったといいます。
今までにも新宿が舞台となる作品はありましたが、『天気の子』では新宿以外の街も登場するので、「東京観光ムービ」という楽しみ方もできます。 - 本作には『君の名は。』の瀧と三葉、そしてテッシー、早耶香が大人になった姿で登場します!ここでも嬉しいクロスオーバーですね!
- 『君の名は。』の大ヒットで経済的効果は莫大なものだったのでしょう。本作には数々のスポンサー商品が登場しますので、そんな”大人の事情”も楽しみながら鑑賞してみてくださいね。
新海誠監督『天気の子』のみどころ
前作の大ヒットを経て、新作では大衆ウケする商業目的の作品に振り切ってしまうのではないかと不安になった新海ファンもいらっしゃるでしょうが、安心してください。むしろ本作は、『君の名は。』以前の新海作品に良く見られていた「主人公が愛する少女と世界を天秤にかけられ、世界よりも彼女一人を守る選択をする」という、まさにボーイ・ミーツ・ガールな新海節全開のストーリーに仕上がっています。
彼の中にある軸は、映画を作り始めた当初から何ひとつ変わっていないのだという事に安心させられますね。
本作では、それぞれのキャラクターが抱える過去が物語に深みを持たせています。さらに、遊び心が溢れるたくさんの隠し要素も見どころです。前作『君の名は。』の瀧と三葉が登場するほか、『ふたりはプリキュア』やソフトバンクのお父さんなども登場。猫好きな新海誠監督らしく「猫」も登場しますので注目してみてくださいね!
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まとめ
以上、新海誠監督の手掛けた映画をご紹介しました!
様々な作品をご紹介いたしましたが、様大学時代から自分の作品を作ることを希望していた新海誠監督だからこそ、こんなに素晴らしい作品を作り続けることが可能なのでしょう。次に公開される映画が待ち遠しいですね!