クリスマスの王道『ホーム・アローン』の簡単あらすじ~ネタバレ解説!
「クリスマスの定番映画と言えば?」と質問をすれば、多くの人が『ホーム・アローン』と答えることでしょう。心温まる家族愛を描いた物語で、老若男女問わず愛され続けているアメリカ映画を代表すべき名作です。コメディタッチながらメッセージ性が強く、大人になってから見るとついついホロリときてしまいますね。
有名な作品ながら、意外と観たことがない人も多いのでは?ネタバレありで解説していくので、クリスマスがやってくる前にぜひご覧下さいね!!
目次
『ホーム・アローン』とは?
本作は1990年にアメリカで公開されたコメディ映画で、日本に上陸したのは一年後の1991年。母国ではクリスマスの約一か月前くらいから公開されていたものの、日本では6月に上映されるという季節外れっぷり(笑)しかし高い人気を博し、国内でも興行収入は34億円と素晴らしい数字を記録しました。
103分という時間の中で家族愛を丁寧に描き、コメディ要素もたっぷりと含んだ明るいストーリーが人気の秘訣です。題材が「クリスマス」だとファンタジーな物語を想像しがちですが、あえてリアルな路線を責めたのも話題となった理由の一つかもしれませんね!
監督は『グレムリン』、『グーニーズ』、『ハリーポッターと賢者の石』などでお馴染みのクリス・コロンバス!ホームコメディやファンタジーをメインに撮っている有名な映画監督ですね。「アメリカならでは」の可愛らしい描写や、印象に残るカットには定評があります。あまり映画好きでなくとも、彼の作品は観たことがある人はかなり多いはずですよ。
『ホーム・アローン』シリーズは全部で5作品!
『ホーム・アローン』はシリーズになっていて、全部で5作品も存在していることを知らない人はきっと多いはず!1と2は観ていても、3以降はチェックしたことがない……といった声もよく耳にします。
初代作品は本記事にて解説するため割愛しますが、2以降のご紹介をいたします!
『ホーム・アローン2』(1992)
監督は初代と同じく、クリス・コロンバスが担当しています。『ホーム・アローン1』の騒動から1年後、またまたケビンが怒られ、屋根裏部屋に閉じ込められてしまいます。今回の旅行では忘れられなかったものの、家族と空港ではぐれ……。その頃、かつてケビンと戦った泥棒二人組が刑務所より脱獄していたのです!
前回に引き続き同じキャラクターが登場しているため、完全なる1の続編として楽しみたい方におすすめですね!
『ホーム・アローン3』(1997)
出典:Amazon.com
主人公のアレックスは病気のため、一人で留守番をすることに。その最中、近所の家に空き巣が入ってくのを目撃してしまいます。確たる証拠がなかったため信じてはもらえないアレックスですが、彼が目にした空き巣はとんでもない凶悪犯であり……。少年VS泥棒の戦いが始まるのでした。
監督がラジャ・ゴスネルへと変更し、1&2とは関連性のないストーリー。登場キャラクターも変わり、一風違った『ホーム・アローン』が楽しめますよ!
『ホーム・アローン4』(2002)
出典:Amazon.com
なんと3にて別の物語になったと思えば、4はあのケビン、そしてマカリスター家が帰ってきます!しかし父と母は離婚しており、相変わらず兄と姉にいじめられるというちょっぴりシビアな展開に。今までで一番ヒドいクリスマスだと悟ったケビンは、父・ピーターの元へと向かってしまうのでした。
1、2が好きだった方にとってはややショッキングな設定かと思いますが、ラストはしっかりと『ホーム・アローン』らしいのでご安心を!劇場公開ではなく、テレビ映画となっています。
『ホーム・アローン5』(2012)
出典:Amazon.com
今までの1~4とは関係のないストーリーであり、シリーズの完結編となる5。舞台がクリスマスであることは変わりませんが、主人公のフィンが留守番をし、泥棒を撃退するという物語。泥棒の数が増え、家中に仕掛けるトラップもパワーアップしています!
クリスマス・お留守番・泥棒と3つの重要な要素を守りながら、新たな『ホーム・アローン』を楽しめる作品となっていますよ。
10秒でわかる『ホーム・アローン』の簡単なあらすじ
出典:20世紀スタジオ ホーム エンターテイメント公式YouTubeチャンネル
シカゴある大家族のマカリスター家は、クリスマス休暇にパリへ旅行に行く予定を立てています。。前日は家の中が激しくバタついており、一人のんびりとしているケビンにみんながイライラ。ディナーの時に兄と揉めてしまい、怒られた彼は屋根裏部屋に閉じ込められてしまいました。その時に怒ったケビンは「家族なんか消えちまえ!」と、母・ケイトの前で怒りを露わにします
翌日、旅行を目前にして一家全員は寝坊!急いで空港へと向かうのですが、搭乗にはギリギリのところで間に合いました。しかしケビンを屋根裏部屋に置いてきてしまい……気づいた頃には空の旅の途中。当の本人は家族がいなくなったことを喜ぶものの、両親や兄弟はとにかく大慌て!
彼が一人を満喫する中、二人の悪い泥棒がマカリスター宅に近づいており……。果たしてケビンの運命やいかに!
『ホーム・アローン』のネタバレあらすじ
【その①】家族なんか要らない
出典:IMDb
シカゴニあるマカリスター家はクリスマス休暇に向けてパリ旅行を控えていた。叔父の家族も来ており、家の中はとても賑やかな状態に。それぞれがバタつく中、一人の警官がずっと玄関で待たされている。クリスマスで留守にする家を前もって調査し、防犯設備を確認するべく一軒一軒回っているのだと言う。警官の光る金歯を見てケビン(マコーレー・カルキン)は少し怪しく思っていた。
騒ぎはひと段落し、全員は急いでディナーのピザにありつく。ケビンの好物・プレーンチーズピザが兄のバズ(デヴィン・ラトレイ)に食べられてしまった。とことん弟に意地悪を繰り返すバズ、そんな態度に怒ったケビンは兄へタックルをしてしまう。するとミルクがこぼれ、食卓は大騒ぎに。ケビンは母のケイト(キャサリン・オハラ)に叱られてしまい、屋根裏部屋行きを余儀なくされた。
末っ子というだけで分かって貰えないことに怒るケビン、「家族なんか要らないよ!こんな最低な家族」と口にしてしまう。そのまま屋根裏部屋で夜を過ごし、悶々とした気分を抱えたまま眠りについた。
【その②】マカリスター家最大の忘れ物
翌朝一家全員で寝坊してしまい、大慌てで空港へ向かうマカリスター家。なんとか間に合い登場するもののケイトは“何か”を忘れていることに気づく。そう、屋根裏部屋にケビンを置いてきたままだったのだ!出発前に点呼を取ったはずなのだが、その時は子供の数が多すぎて彼がいないことに気付かなかったのである。ケビンの件が発覚した頃、すでに飛行機は雲の上だった。
ようやく空港に到着するとケイトは大慌てで自宅に電話をかける。しかし強風の影響で電柱が倒れており、電話線が繋がらない状態だ。
一方で忘れ去られたケビンは家族がいなくなったことに大喜び。前日の「家族なんかいらない」が叶ったことにはしゃぎ、家族の心配もつゆ知らず一人を満喫する。だがマカリスター宅には二人の泥棒が近づいていた……。その中の一人・ハリー(ジョー・ペシ)は前日、警官の格好をして一家の前に姿を現し、不在の確認を取っていたと言う。早速家に近づくもこの時は失敗。一時的に二人は退散した。
空港ではひっきりなしに家族が電話をかけるも、近所の家も皆揃って留守。両親はアメリカ行きのチケットを取ってシカゴに戻ることを考えるが、クリスマス休暇のために座席は空いていない。結局ケイトは一人空港で待ち、他の家族は予定とは違うホテルへ泊まることに。
【その③】家族がいない寂しさ
変わらず一人を満喫するケビン。その頃にもハリーとマーヴ(ダニエル・スターン)の泥棒コンビは近所の家に侵入していた。この時マカリスター一家がかけた留守番電話を聞かれてしまい、「あの家も留守にしているぞ」と誰もいないことを知られてしまう。
その後街へ買い物に行ったケビンは帰り道、二人の運転する車に轢かれそうになった。光る金歯に見覚えがあり、ハリーもまた彼の顔を覚えていた。つまりマカリスター宅には子供一人しかいないことが見事にバレてしまったのである。その日の夜家を狙う二人だが、またもケビンの知恵により空き巣は失敗に終わった。
たくましくなった彼も、だんだんと一人でいることに寂しさを覚え始めていた。眠る前に家族写真を見つめ、一人でベッドに入る――。苦手な洗濯もできるようになったのだが、家族の大切さをいなくなったことによって知ったのだ。
そして翌日。泥棒コンビはまだ諦めておらず「この家はガキ一人しかいない。今夜9時に作戦を決行するぞ」と家の前で話し合っている……。それを聞いたケビンは、ある覚悟を決めた。
【その④】教会での出会い
出典:IMDb
ケイトは空席が見つからず困り果てていた。それを見かねた売れない音楽集団の一人、ガス(ジョン・キャンディ)が「僕らも空席が出なくて困っているから、車でミルウォーキーまで行く予定なんだ。シカゴまで乗せていくよ」と声を掛ける。彼の親切心に乗っかり、彼女は車で自宅まで向かうことになった。
夜9時の戦いを控えたケビンは、一人で教会に来ていた。そこで近所では”人殺し”と良くない噂の立つマーリー(ロバーツ・ブロッサム)と出会い、緊張が走る。けれども彼は悪人ではなく普通の人で、ケビンは今の家族に対する考えを語った。ようやく家族の大切さに気付いたのだ。
そしてマーリーの身の丈話を始める。息子に酷い言葉を浴びせてから絶縁状態であり、クリスマスはいつも一緒に過ごせないとのこと。だからこの教会へ孫娘が歌う姿をこっそり見に来ていたそうだ。そこでケビンは「息子さんと一回ちゃんと話し合った方がいいよ」とアドバイス。拒否されることを怖がっていたマーリーは少し穏やかな顔で「メリークリスマス」と告げた。
【その⑤】ケビンVS泥棒コンビ!
来たる午後9時、泥棒は本当にやってきた。ケビンは彼らに対抗すべく様々なワナを仕掛けており、二人組はまんまと彼の思惑にハマっていく。ギリギリまで追い詰めたものの、ひょんなことから泥棒に捕まってしまった!間一髪のところでマーリーが現れ、ケビンを救出。二人は逮捕されることに。
ようやく車がシカゴに到着し、ケイトは自宅でケビンと再会。家族も「空きの便が出た」と急いで帰宅し、やっと全員が揃ったのだ。いじわるばかりのバズも「留守番ご苦労」とケビンを少しだけ褒める。
家族愛をたっぷりと受け取ったケビン、窓の向こうには息子夫婦と和解するマーリーの姿も。嬉しい気持ちで彼に手を振ると、二階から「ケビン!オレの部屋に入ったな!」と怒る兄の声が聞こえた……。
『ホーム・アローン』の登場人物
ケビン・マカリスター/マコーレー・カルキン
家族なんていらない!と言った矢先に、置いて行かれるというある意味不憫な立場のケビン。一人になったことにはしゃぐも、段々と寂しくなってしまう様子が子供らしくて可愛いですね。この出来事をきっかけに成長し、家族の大切さを学びました。本作は彼の成長を見届ける物語でもありますね!
ケビン役は子役として活躍していたマコーレー・カルキン。子役の引退やギャラを巡ったトラブルなど色々ありましたが、2003年に俳優業を復帰。現在もバンドと俳優業を兼業しているようです。
ケイト・マカリスター/キャサリン・オハラ
ケビンに厳しく指導しつつも、彼を思うしっかりとした母・ケイト。うっかり彼を置いてきてしまうミスを冒しましたが、シカゴに戻るべく精いっぱいの手を尽くします。ラストシーンのケビンとの抱擁を観ているだけで、目頭が熱くなってしまいますね。
ケイト役はコメディ映画を中心に活躍する女優、キャサリン・オハラ。『フランケンウィニー』や『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』など声優としても有名です。
ハリー・ライム/ジョー・ペシ
執念深い泥棒のハリー。計画実行の前に入念な下調べをするなど、かなり手慣れた様子を見せていますね。けれどもプロの腕と知恵はケビンのトラップにあっさりと負けてしまい……悲惨な姿のまま逮捕されることとなりました。
ハリーを演じるのは俳優のジョー・ペシ。かなり小柄な体型をしていますが、それが彼の特徴となっていますね。現在は77歳となり、今でも俳優業を積極的に続けていますよ。
マーヴ・マーチャント/ダニエル・スターン
ハリーの相棒・マーヴは着実にマカリスター宅を責めますが、こちらもケビンのトラップに敗れ去りました。タランチュラが顔に乗っかったシーンには思わず同情してしまいますよね……(笑)
マーヴ役はダニエル・スターン映画だけでなくテレビドラマにも出演する人気俳優です。193センチというスタイルの良さ、ハリー役のジョー・ペシとぴったりの凸凹コンビだと思いませんか?
マーリー/ロバーツ・ブロッサム
出典:IMDb
近所では良くない噂が流れているマーリーですが、実際は悪人でないことが分かりました。息子夫婦とうまくいっていない件を明かしていましたが、ケビンの後押しもあり和解をしたご様子。窓の外から手を振るマーリーを観ていると、心がじんわりと温まりますね。
脇役ながら重要なキャラクターである彼を演じるのはロバーツ・ブロッサム。ブロードウェイデビューも果たしており、役者として大きく輝いた人物です。残念ながら2011年に他界してしまいましたが、本作の活躍は多くの人の心に強いインパクトを残しています。
『ホーム・アローン』にまつわる5つのウラ話
ウラ話①顔に乗ったタランチュラ、CGではなかった!
マーヴの顔に乗ったタランチュラ、観て分かるとは思いますがもちろん本物だったようで……。クモ嫌いにはかなりキツいシーンですよね。筆者もクモが大嫌いなので、さすがにマーヴには同情してしまいました(笑)
ですがタランチュラ本体には軽度の毒があるため、刺激を与えるわけにはいきません。そのため撮影回数は必ず1回のみ、そして彼の絶叫は後撮りだったとのこと。ダニエル・スターンはそのことを分かったうえで撮影に臨んだようですが、スタッフ・キャスト共々緊張が走るカットだったのでしょう。それにしてもダニエルのプロ根性には驚くものがありますね。
ウラ話②劇中の映画は存在しない?
ケビンが一人になった時に観ていた暴力映画『Angels with Filthy Souls』は、実在していない作品だったのです!白黒ですし、よくありそうな雰囲気がするので「昔の作品かな?」と思ってしまいますよね。わざわざ本作を撮るためだけに作られた作品で、完全オリジナル。こういった細かい部分もこだわりを発揮していますね~。
ウラ話③ケビン役はマコーレー・カルキンありきで進めていたが……
元々ケビン役は子役だったマコーレー・カルキンをベースに物語を考えていました。しかし裏では一応オーディションも行い、100人の子供を集めたうえでじっくりと考えていたそう。それでも彼に匹敵する子役は見つからなかったために、そのまま最終決定をなされたようです。
100人の少年と顔を合わせても、超えられる人物が現れなかったのはスゴイ話ですよね。本作の公開後はマコーレーの知名度もさらに上がり、有名子役俳優としての座を手に入れました、
ウラ話④マカリスター宅は実在していた!
豪邸であるマカリスター家の自宅ですが、実際にはウィネトカのリンカーン通り671に実在しています。残念ながらシカゴにはないのですが、実在していることから観光名所として非常に有名なスポット。三階建ての豪華なお家で、現在もひっきりなしにファンが訪れていますよ。
ただし庭に立っているツリーハウスは撮影のためにセットされたため、こちらは壊されているとのこと。こちらも実物を見てみかったですね……。
ウラ話⑤ノーギャラで24時間撮影に及んだ人物とは!?
チョイ役でありながら強いインパクトを残した、、ガス役のジョン・キャンディは友情出演だったため、ギャラを一切受け取らなかったのだとか。出演シーンはかなり短いものの撮影にはほぼ丸一日かかってしまい……。それでも元気いっぱい、テンションが高い状態で撮影に参加していたそう。
あの強烈な「子供を葬儀場に置いてきたエピソード」はなんとジョンのアドリブ!咄嗟のアドリブにしてはリアルすぎて笑えません(笑)
大人になったケビンがパロディ出演!『ホーム・アローン』の約30年後
『ホーム・アローン』公開から30年が経とうとした2018年、本作のパロディらしき動画がGoogleによって制作され、話題になりました。「ママ?パパ?」という掛け声から始まり、ケビンの面影がある中年男性が登場します。そう、彼は正真正銘、ケビンを演じてから約30年が経過したマコーレー・カルキンなんです!
ピザを宅配して「釣りはとっとけ」と映画の声に合わせて流したり、ベッドの上で大はしゃぎしたりと、『ホーム・アローン』を彷彿とさせる(というか丸パクリ)シーンばかり。特にベッドでジャンプして腰を抑えるシーンは爆笑してしまいました!
これはGoogleが発売している「Chrome Cast」のCMの一貫で、クリスマスプレゼントの促進のために制作したもの。これがきっかけでかなりChrome Castも売れたことでしょう、、。テレビとスマホをミラーリングしたり、テレビやエアコンなどを自分の声で操作できたりと非常に便利なので、この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
『ホーム・アローン』のネタバレまとめ
クリスマスを代表する映画『ホーム・アローン』。コメディタッチで軽快に描いているので、一人でも、友達や家族、恋人とも一緒に観られる素敵な作品です。身近な人たちの大切さを味わえる映画って何歳になっても楽しめますよね。
ケビンを見て大人になって忘れてしまった無邪気さ、そして根本にある大事な気持ちをぜひ思い出してはいかがでしょうか?