【ネタバレ】映画『るろうに剣心』のあらすじーシリーズ第1作の魅力に迫る!
『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚』は1994年から1999年までの間、週刊少年ジャンプで連載された漫画です。連載当初から人気を博し、アニメ化もされた作品ですが、作品が最も脚光を浴びたきっかけは2012年に公開された実写映画でした。
そんな「るろ剣」ですが、2021年4月23日にシリーズ第4作『るろうに剣心 最終章 The Final』、6月4日に第5作『るろうに剣心 最終章 The Beginning』が上映されました。
この記事では、原点となったシリーズ第1作『るろうに剣心』のネタバレ・解説をしていきたいと思います!
「1回見たけど内容を覚えていない」、「見たことはないけど最新作は見に行きたい」という方は必見です!
シリーズ第2作『るろうに剣心 京都大火編』のネタバレ記事はこちら
【ネタバレ】映画『るろうに剣心 京都大火編』のあらすじーシリーズ1番人気を誇る作品の魅力を徹底解説!目次
大ヒットのきっかけとなったシリーズ第1作『るろうに剣心』について
漫画作品の実写化といえば、あまり良い印象を持たない方も多いですが、本作はそんな原作ファンの心配をはねのけました。
圧倒的な再現度とキャラの作りこみに裏付けられた作品は原作ファンのみならず、大勢の観客を呼び込み、「るろ剣」の人気に再度火をつけることになります。
興行収入で見ても、「るろ剣」シリーズ(3作品)は、漫画実写化映画の中で『海猿』(4作品)、『デスノート』(4作品)に次ぐ3位につけています。また、「実写化に満足した映画アンケート」でも軒並みトップ3に入る人気を博しているのです。
原作ファンから再現度が高い評判を集めるシリーズですが、中でも圧倒的なクオリティーだと言われるのが、佐藤健さんの演じる主人公、緋村剣心(別名:人斬り抜刀斎)です。アクションシーンの多い本作で、次々と敵を斬り伏せる姿に虜になってしまった女性ファンも多いはず。
大ヒットの理由の1つは彼を起用したことにあるといっても過言ではありません。
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10秒でわかる映画『るろうに剣心』の簡単なあらすじ
舞台は明治11年の東京。幕末の動乱期に凄腕の暗殺者「人斬り抜刀斎」として名を轟かせた主人公・緋村剣心(佐藤健)は、以前とは一転、人の命を奪わない誓いを掲げながら、全国各地をさすらい、剣の力で人を助ける「流浪人」として生きていた。
一方その頃、東京では「人斬り抜刀斎」を名乗る剣客による辻斬り事件と、阿片の密売が世を騒がせていました。
物語は剣心が東京を訪れるところから始まります。神谷活心流という剣術の流派を守る神谷薫(武井咲)という少女をとある剣客から救い出したのが剣心でした。
この出会いが剣心を2つの事件に巻き込むことになりますーー。
映画『るろうに剣心』のネタバレあらすじ
ここからはストーリーのネタバレになります。これから見る予定でネタバレを飛ばしたい方はこちらをタップ
あらすじ①剣心と刃衛の繋がり
時は幕末。戊辰戦争の戦場の場面から映画は始まる。
討幕派の命により京都で暗殺業に身を投じていた緋村剣心(ひむら けんしん)はこの鳥羽伏見の戦場にも駆り出されていた。
それを追っていたのが新選組三番隊隊長・斎藤一(さいとう はじめ)である。
しかし戦いは「錦の御旗」を掲げた新政府軍が勝利に終わり、斎藤は宿敵である剣心と刃を交えることなく終わる。
立ち去る剣心に対し斎藤は声をかけるが、剣心は答えることなく剣を捨て立ち去るのだった。
剣心「来たかーー新しい時代がーーやっとーー。」
斎藤「たとえ世の中が変わろうとも、剣に生き、剣に死ぬ以外俺たちに道はない。」
宿敵同士であった2人を表す決定的なセリフである。
世の変化と共に剣を捨てた剣心と、剣にこだわり続ける斎藤。対照的な2人の運命はいかにーー。
一方、戦地となった鳥羽伏見の山中で死体の山からはい出てきた男がいた。この男が鵜堂刃衛(うどう じんえ)である。ぼろぼろになり「なぜ生きている」と自問自答する刃衛であったが、ある1本の剣が捨てられていることに気付き手に取る。
手にした瞬間、刃衛は剣士の直感でその剣が「人斬り抜刀斎」のものであると気付くのであったーー。
あらすじ②薫との出会い
時は過ぎて明治11年。東京では「人斬り抜刀斎」を名乗る剣客による辻斬りが相次いでいた。さすらいの旅がてら東京を訪れた剣心はそこで抜刀斎の人相書きを目にして足を止める。
そんな剣心に木刀を持って襲い掛かってきたのが神谷薫(かみや かおる)という少女だった。
薫は剣心のことを世を騒がす抜刀斎だと勘違いし、襲い掛かったが、剣心は自身の携帯している刀が「逆刃刀」であるのを見せることでこの誤解を解く。
一旦は別れた剣心と薫であったが、薫が師範を務める神谷道場に乱入してきたならず者たちをどこからともなく現れた剣心が一掃したことで再会を果すのだった。
しかしこの騒ぎを聞きつけてやってきた警官たちによって、1人で罪をかぶった剣心は連行されてしまうーー。
あらすじ③武田観柳の陰謀
留置所に連行された剣心の前に、新政府のもとで警官となった斎藤一が現れる。斎藤は新政府の高官となった山形有朋(やまがた ありとも)のもとへ剣心を連れていく。
昔からの顔なじみであり、その強さを知る山県は、剣心に東京の町に流通する新型阿片、通称「蜘蛛の巣」を取り締まる捜査の協力を仰ぐ。しかし剣心はそれが人斬稼業であるのを嫌い、この申し出を断るのだった。
一方貿易商・武田観柳(たけだ かんりゅう)の屋敷は「蜘蛛の巣」の製法を知るただ1人の存在である高荷恵(たかに めぐみ)が逃亡したことで大騒ぎになっていた。武田は自身が雇う偽抜刀斎・刃衛に恵の確保を命じるが、間一髪のところで取り逃がしてしまう。
明らかになる武田の目論見は阿片での利益を元に武器を仕入れ、クーデターを起こすというものであった。「偽抜刀斎」と「新型阿片」、東京を騒がす2つの問題はどちらも武田が裏で糸を引いているのであるーー。
あらすじ④喧嘩屋・相楽左之助登場
薫は留置所の前で剣心が釈放されるのを待っていた。そのまま別れようとする剣心を薫は引き留める。こうして剣心は神谷道場に居候することになった。
時を同じくして神谷道場唯一の門下生、明神弥彦(みょうじん やひこ)は武田の追手から逃れる恵に出会っていた。助けを請われた弥彦は道場へ恵を連れ帰る。そうして道場には剣心と恵、2人の居候が増えることになった。
その晩、助けてもらったお礼にと牛鍋を囲む剣心たちの前に武田が現れる。カバン一杯の札束を見せ、剣心を金の力で雇おうとする武田であったが、剣心はこれを一蹴する。そんな最中にやって来たのが喧嘩屋・相楽左之助(さがら さのすけ)であった。
左之助は剣心との喧嘩に勝ったら自分を雇わないかと提案し、武田はこれを受け入れる。町中を舞台に派手な喧嘩を繰り広げた彼らであったが、剣心が刀を抜くことはなく、剣心の言葉に説得される形で喧嘩は収束した。
あらすじ⑤武田観柳の屋敷へ
数日後、町の住民たちが続々と苦しみだす事態が発生した。これは井戸の水に毒物が混ぜられたからであり、武田の仕業だと勘付いた恵はある決断をする。それはこれ以上人々の命を危険に晒さないために屋敷に戻り、武田観柳を殺害するというものであった。
恵が残していった手紙を見て、剣心と左之助は急ぎ後を追う。恵の計画は未遂に終わったが、そこに剣心と左之助が殴りこむ。武田の手下を次々に倒していく2人。ついに武田のもとまでたどり着くも、そこに待ち構えていたものは巨大な回転式機関銃であった。
回転式機関銃を前に手も足も出ない剣心と左之助。そんな2人の前に現れたのが斎藤であった。剣心と左之助が囮になることで死角から迫る斎藤。ついに武田は降参することになる。
勢いそのままに急ぎ恵を助け出した剣心。しかし、恵の口から告げられたのは思いもよらぬことだったーー。
あらすじ⑥怒る剣心ーVS鵜堂刃衛
恵から薫が危ないと聞いた剣心は急ぎ約束の場所に駆けつける。そこで待っていたのはもちろん、鵜堂刃衛である。
刃衛は薫を使って、剣心を「人斬り抜刀斎」に戻そうとする。刃衛の望みは「抜刀斎」と刃を交えることであった。次第に追い詰められていく剣心。刃衛は薫に「心の一方」をかける。これは肺までをも麻痺させる術であり、薫の命はもって2分。術を解くには「自力で解くか」、「術者を殺すか」のふたつにひとつ。
剣心は自身の誓いを破り、もう一度「人斬り」に戻る決心をする。しかし刀を振り下ろそうとしたその時、自力で術を解いた薫が剣心を止めた。
なおも剣心に挑もうとする刃衛。しかし剣心に戦う意思がないのを悟ると自らの手で腹を切るのであった。
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映画『るろうに剣心』のキャスト
緋村剣心(人斬り抜刀斎) / 佐藤健
本作主人公。穏やかな風貌で、少し間の抜けた話し方、争いを好まぬ性格であるが、かつては「人斬り抜刀斎」として京都中を震撼させた伝説の剣客。
維新後の現在は「不殺(ころさず)の誓い」をたて、人を斬れない剣・逆刃刀を腰に携ながら困っている人を助けて各地をさすらう「るろうに」をしている。
14歳の時から暗殺稼業に手を染めたその過去は壮絶なもので、くぐってきた修羅場の分だけ器も大きいので慕う者も多い。
モデルは幕末の剣客・河上彦斎。
そんな緋村剣心を演じたのは俳優の佐藤健さん。本作でジャパンアクションアワードのベストスタント賞、ベストアクション男優に選ばれていることからもハマり役であったことが伺えます。
普段は間の抜けたキャラですが、大切な人が危険に晒された時には本気で怒り、剣をふるう。そんなギャップがたまらなくかっこいいです!
神谷薫 / 武井咲
本作ヒロイン。「神谷活心流」の師範を担い、父から受け継いだ道場を守り抜く気の強い少女。活発で正義感が強く、思ったことは口に出すタイプのため危険に晒されることも多い。本作では剣心が「人斬り抜刀斎」だと知った後も、快く家に迎え入れた。
モデルは坂本龍馬の恋人・千葉佐那。
剣心にとって大切な人物となるヒロイン・神谷薫を演じたのは女優の武井咲さん。この作品で第36回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞しています。
自らの正義を貫く芯の強さは作品随一。時には周囲に呆れさせるほど頑固ですが、剣心を支える1番の存在です。
高荷恵 / 蒼井優
本作のキーとなる人物でこの時代には珍しい女医。先祖代々が医者の名家の生まれだが、家族は会津戦争で幕府側についたために死別してしまった。
行く当てもなく上京してきたところを武田観柳に拾われ、新たな阿片の製造を強要されていた。罪悪感に耐えられなくなり、武田観柳の屋敷から逃げ出した先で剣心たちに出会う。
作品のカギを握る「蜘蛛の巣」を作り出した女医・高荷恵を演じたのが蒼井優さんです。「生きるために観柳の女」になったと語るように、思いとは反することをしなければいけない中で葛藤する役を見事演じ切っています。
中でも人々の命を危険に晒すまいとたった1人武田観柳に挑むシーンは必見です!
武田観柳 / 香川照之
明治時代の到来とともに成りあがり、成功を収めた悪徳貿易商。「阿片の密売」の元凶であり、「偽抜刀斎」の鵜堂刃衛の雇い主でもある。
全てを金で解決できると考えており、自分の思い通りにならないことがあると非常に感情的になる。
そんな悪役を演じたのが歌舞伎役者であり俳優の香川照之さん。代表作は数知れず、演技力にも定評のある香川さんですが、本作でもクセのある武田観柳というキャラを見事に怪演しています。
七三のおかっぱ頭のエクステと差し歯。さらには15cmのシークレットブーツまで履く徹底ぶり。
主演の佐藤健さんもリスペクトしっぱなしだったそうです。
鵜堂刃衛 / 吉川晃司
強い殺人欲のみで己の思うがままに人を斬ってまわる危険人物。金で殺人稼業を請け負いながらも雇い主には興味を持たない不気味な男。本作では剣心への興味のみで「人斬り抜刀斎」を騙り、薫をさらった。
モデルは岡田以蔵。
本作での剣心の最後の敵・鵜堂刃衛を演じたのは吉川晃司さん。剣心の剣を手にし、損得勘定もなしに己の欲望がままに動く剣客はひどく不気味です。
またセリフの少なさも刃衛の特徴のひとつです。吉川さんはその立ち居振る舞いで刃衛の持つ独特なオーラを醸し出しています。
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映画『るろうに剣心』のここを見よ!
①圧巻のアクションシーン
先述した通り、映画は戦闘シーンから始まります。雪降る山の中、旧幕府軍と新政府軍の軍勢が行き交う中で黙々と人を切り続ける剣心。
時間にしてわずか5分程。しかしそこに映るのは紛れもなく「戦場」であり、視聴者に本格的な時代劇であることを意識づけます。
加えて、剣心が剣をふるうシーン。僅か2分足らずのシーンですが、その2分はこの映画が並みのアクション映画ではないと気付かせるのに十分です。
「るろうに剣心」といえば壁を駆けるアクションシーンのイメージを持っている方も多いでしょう。実際、本作では壁走りや跳躍の動作が頻繁に使われますが。これは「時代劇」というジャンルの中では新しい試みでした。
従来の時代劇のアクションは、対峙した相手と向かい合い、一瞬にして勝負を決める「居合」のような動きが多く、これは相手との一対一の対面を前提とするします。
しかし、剣心が使うのは、一対多数を前提とした剣術「飛天御剣流」。
そこで使われたのが派手な動きを演出するワイヤーアクションであり、ワイヤーアクションの導入は同時に剣心のもつスピード感を表現するのにも役立ちました。
また主演の佐藤健さんや敵役・吉川晃司さんの努力も大きな要因です。「自分で演技する」という信念のもと、佐藤さんは剣術の身体の動かし方を一から勉強し、撮影にのぞんだといいます。
吉川さんも刃衛が剣心との戦いの中で見せる「背車刀」という高度な剣さばきを見事再現しています。
②剣心のギャップ
圧倒的な強さを誇り、人々に恐れられた「人斬り抜刀斎」ですが、その正体は小柄で瘦身の優男です。そして彼の最大の特徴はその話し方。語尾に「ござる」とつける話し方は、どこか間抜けで、それでいてとてもかわいらしいです。
しかしかわいいだけじゃないのが剣心。心が「抜刀斎」に戻るにつれて口調も変わり、一人称も「拙者」から「俺」へと変化します。剣心が「抜刀斎」に戻るのはいつだって大切な人が傷つけられた時。そんな剣心のギャップも見どころのひとつです!
③ヒロイン・薫の信念
薫が剣心に木刀で襲いかかるという最悪な出会い方をする2人ですが、次第にお互いを大切な存在だと認識していくようになります。
特に印象的なのが警察から釈放された剣心を迎えに行くシーンの2人のやり取り。
「うちに来て。助けてくれたから。」
「分かったでござろう。拙者が人斬りだったと…。」
「そんなの知らないわ」。
「私が出会ったのは、剣心っていう“るろうに”よ。」
剣術の何たるかを分かっていないとそれまで薫を相手にしなかった剣心でしたが、この言葉によって薫と心を通わせるのでした。
一方薫にとってもそれは同じであり、剣心の「不殺」の考えに同調し、次第に剣心という1人の男にも惹かれていくようになります。
こうして信頼関係を築き上げた2人。剣心を救うのはいつも薫の言葉です。
もうひとつの見どころがクライマックスシーン。薫を救うべく「人斬り」に戻る決断をした剣心を呼び戻すシーン。
自分の命よりも剣心のことを思い、自力で術を解く薫。その鬼気迫る演技は必見です!
まとめ
本作はここで終わりますが、迫力満点の「るろ剣」シリーズは第4作・第5作と続いていきます。そこで明らかになるのは剣心の過去であり、宿命です。
まだまだ謎の多い「るろ剣」シリーズ、是非続きも鑑賞してみて下さい!
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