奇妙で重厚な雰囲気にハマる、ダークファンタジーのおすすめ映画15選!
幻想的で摩訶不思議な「ファンタジー」は、私たちをワクワク、そしてハラハラドキドキする非現実の世界へ導いてくれます。
そして、そんな「ファンタジー」はいくつかのジャンルに細分化する事が出来るのですが、その中でも陰鬱とした重々しい雰囲気が印象的な「ダークファンタジー」というジャンルをご存知でしょうか?言葉の意味は知らないという方でも、前述のとおり陰鬱とした雰囲気や必ずしもハッピーエンドではない展開、ホラー要素の強い作品がお好きなら、間違いなくあなたも「ダークファンタジー」ファンの一人。
今回は、そんなダークファンタジーな世界に浸れるおすすめの映画をご紹介していきます!
ダークながらも美しい映像の世界から、大人のおとぎ話のような作品まで、どんより素晴らしいダークファンタジーの世界に浸りましょう!
目次
そもそもダークファンタジーとは?
あらゆる作品のジャンルとして君臨する「ファンタジー」。元々は文学の世界において中世ヨーロッパ的な超自然的、幻想的でメルヘンチックな作品に対しそう呼ばれるようになったことが始まりです。そこから派生して、現在では魔法や異世界、異生物との交流を描いた作品なども総じて、幻想的で超自然的という区分として「ファンタジー」が使われるようになりました。
そもそもファンタジーというその大きなジャンル自体、細分化するとかなり細かく分けられます。
異世界が舞台のものは「ハイ・ファンタジー」と呼ばれていたり、その逆で現実の世界線に非現実的な要素が組み込まれた作品を「ロー・ファンタジー」と呼び、おとぎ話のような幻想的な雰囲気のものは「メルヘン・ファンタジー」というように、本当に細かく細分化する事が出来ます。
前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、「ダークファンタジー」とは、そんな「ファンタジー」で数あるサブジャンルの中の1つです。ファンタジー作品が「夢と希望に満ちた子供向け」であるという解釈でいくと、その逆としてアダルト要素やホラー要素の強い作品は「大人向け」という意味を込め「アダルト・ファンタジー」とも呼ばれています。
ホラーやサスペンス要素の強いグロテスクな重々しい作品から、そういった要素はなくとも非現実的な世界線で、理不尽な展開やバッドエンドな展開に追い詰められるような陰鬱とした暗い作品もダークファンタジーと呼ばれます。
映画で言うと、ティム・バートン監督やギレルモ・デル・トロ監督の作品に多く見受けられるジャンルです。
その特徴から、ダークファンタジーはホラーとの線引きが難しく、イチオシのダークファンタジーを問われ『パンズ・ラビリンス』を勧めたところ「ダークファンタジーは好き!だけどホラーは苦手」という苦情を受けてしまい頭を抱えたという経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
1つ、基準として挙げるならば「視聴者を怖がらせる事が目的であり、そういった演出がメインである作品」はホラーに位置づけられ、「視聴者としても怖いと感じる演出はあれど、あくまでも”視聴者を驚かせる”事が目的ではなく作中の登場人物に降りかかる邪悪な災難として描かれているにすぎない作品はダークファンタジーとして位置づける事が出来ます。
「ダークファンタジーのおすすめ」を問われた際は、どういった系統が好きなのか、ホラー要素はあっても大丈夫かどうかなど少し踏み込んで確認する必要がありそうです。ジャンル分けって本当に難しいですね。
おすすめダークファンタジー映画15選
それでは、早速おすすめのダークファンタジー映画をご紹介していきます!
ホラー要素の強いものからコメディ調の作品まで、幅広くご紹介しますので、ぜひあなたに合ったお気に入りの作品を探してみてくださいね。
1.パンズ・ラビリンス
「だから少女は幻想の国で永遠の幸せを探した。」
あらすじ
内戦時代のスペイン。少女オフェリア(イバナ・バケロ)は出産を控えた母カルメン(アリアドナ・ヒル)とともに、母の再婚相手で独裁政権陸軍のビダル大尉(セルジ・ロペス)の家へ移り住む。生まれてくる子供だけが大切なビダル大尉や臨月で容体がよくない母は、オフェリアのことを気遣うこともない。
しかしオフェリアには辛い生活の中でも、ひとつの希望があった。森の中で出会った不思議な妖精に導かれた迷宮で、自分がかつて地底の王国の姫君だったと告げられたからだ。人間から王国の姫に戻るため、オフェリアは3つの試練を乗り越えることとなる…。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
ギレルモ・デル・トロ監督が実際に子供のころに見たというものからインスピレーションを受けて作ったと言われている作品です。ギルトロ監督の中で最も有名な作品のうちの1つだと言われています!
オフェリアの目の前に現れるクリーチャーたちの姿もトラウマ級のインパクトですが、少女がおとぎ話の世界に引き込まれる背景にはとても悲しい現実があります。オフェリアの想像の世界と現実が重なりあうラストシーンにあるのは、果たして永遠の幸せなのでしょうか。
こんな人におすすめ
- グロテスクで不思議な生き物をたくさん見たい方
- おとぎ話の世界に入り込む不思議な感覚を味わいたい方
こんな人には向かないかも
- 子供のころの辛い経験がトラウマとなっていて、映画からフラッシュバックしてしまいそうな方
- 少女が困難を明るく乗り越えていくという展開を期待している方
2.Dr.パルナサスの鏡
「鏡の中はクセになる」
出典:Amazon.com
あらすじ
2007年のロンドンの街にて、1000年以上生きているというパルナサス博士(クリストファー・プラマー)は、イマジナリウムという怪しい鏡を出し物にして旅芸人の一座を率いていた。
イマジナリウムとは、鏡の中に入った者自身の欲望が形になって現れるという不思議な装置。博士は永遠の命を手に入れることと引き換えに、娘ヴァレンティナ(リリー・コール)が16歳になったら悪魔のMr.ニック(トム・ウェイツ)に差し出す、という契約を交わしていた。
ある日ヴァレンティナは、橋で首つりをしていたトニー(ヒース・レジャー)という青年を助ける。トニーは一座に加わり、巧みな話術を生かしてつぎつぎとイマジナリウムにお客を呼んだ。そしてついにヴァレンティナの16歳の誕生日が目前に迫ったとき、Mr.ニックは博士に一つの賭けを提案する。
賭けに勝てば、ヴァレンティナを差し出さなくても良いというものだった。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
トニーを演じたヒース・レジャーが撮影の最中に亡くなってしまい完成があやぶまれましたが、ヒースの代役としてジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルといった面々が鏡の中のトニー役を代わる代わる務めているところが話題となった作品です。
鏡の中のトニーが場面によって違うことで、返って夢の中のようなつじつまのあわなさを演出する結果となっています。テーマパークのアトラクションのような鏡の中の世界で、自分の欲望はどんな風に具現化されるのだろう…と想像しながら観るのも楽しいかもしれません。
こんな人におすすめ
- ひとつのキャラクターを4人の役者が演じることで結果的に不思議な演出となったシーンを観てみたい方
- 鏡の世界を具現化した映像に興味がある方
こんな人には向かないかも
- 異形や独特なキャラクターが出てくるものが好きじゃない方
- 悪魔と取引するというストーリーが好きじゃない方
3.アザーズ
その存在が見えた時、全てが変わる
あらすじ
第二次世界大戦が終結した直後、イギリスのチャネル諸島のジャージャー島に建つ広大な屋敷に住むグレース(ニコール・キッドマン)は、娘のアンと息子のニコラスと3人で、戦地に赴いている夫の帰りを待っていた。
子どもたちは光アレルギーだったため、屋敷の窓には分厚いカーテンがかけられ、昼間でも閉め切った薄暗い部屋に暮らしていた。ある日、3人の訪問者が現れ、新しく使用人として働き始めた。
しかしその頃から、屋敷の中で不思議な物音がしたり、いないはずの子どもの声が聞こえたりといった不思議な現象が起こり始める。グレースは神父に相談しようと教会へ向かうが——。
編集部おすすめ!ダークファンタジーとしての見どころポイント!
光アレルギーのある子どもたちのために絶対にカーテンを開けないグレース。そこには何か深い理由があるはず…という期待を裏切らない展開です。ちょっと切なくなる結末は、まさにファンタジーの世界にいざなわれる終わり方。
そして何より、ラストのどんでん返しが凄い!是非ネタバレを一切見ずに見て頂きたい作品です。
こんな人におすすめ
- 最後に意外な結果が待っている話を観たい方
- レトロな雰囲気の映画が好きな方
こんな人には向かないかも
- シックスセンスオチのような流れが嫌いな方
- 子どもが犠牲になる話は好きじゃない方
4.永遠のこどもたち
愛を信じたら、本物の光が見える。
出典:Amazon.com
あらすじ
ラウラ(ベレン・ルエダ)は、30年前に自分が育った孤児院を買い取り、夫のカルロス(フェルナンド・カヨ)と養子のシモン(ロジェール・プリンセプ)とともに移り住んだ。ラウラは、閉鎖されていた孤児院で新たに障害児を受け入れる施設を開こうとしていた。
ラウラ達夫婦が施設の開設準備で忙しくしている間、シモンは見えない「友達」と遊んでいた。夫妻はそれを、子供によくある「想像上の友達」だと思っていた。しかし、施設の開園パーティーの日、シモンが忽然と消えてしまった。ラウラは必死にシモンを探すうちに、30年前の孤児院の秘密を知ることとなる…。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
こちらはサスペンスホラー要素の強いダークファンタジー映画です。
30年前の孤児院での秘密が明かされていくうちに、なんでそんなことに…と、やりきれない気持ちになります。ラウラの家に訪ねてくるベニグナ(モンセラート・カルーヤ)という謎の老婆も気になります。
結末はハッピーと言えるのかどうか、観る方によってとらえ方が違うかもしれないところも、ダークファンタジーというジャンルならではなのかもしれませんね。
こんな人におすすめ
- 謎解きの要素がはいっているストーリーが好きな方
- 孤児院、奇形児などのモチーフが好きな方
- 母と子の絆を感じたい方
- メリーバッドエンドな展開が好きな方
こんな人には向かないかも
- ややグロい描写があるので、そういうものが苦手な方
- 子どもが悲しい目に遭うのを見たくない方
- ホラー映画が苦手な方
5.MAMA
彷徨う母性霊の悲しい狂気
あらすじ
妻を殺し、二人の娘を連れて逃亡したジェフリー(ニコライ・コスター=ワルドー)は森の中に建つ小屋にたどり着く。そこで娘たちも殺害しようとするジェフリーだったが、何者かに襲われ死んでしまう。
ジェフリーの弟ルーカス(ニコライ・コスター=ワールド・二役)は失踪した兄と娘たちを探していた。そしてついに森の中の小屋を見つけ出す。そこには5年間子供たちだけで奇跡的に生き延びきたヴィクトリア(メーガン・シャルパンティエ)とリリー(イザベル・ネリッセ)の姿があった。
恋人のアナベル(ジェシカ・チャステイン)と二人で子供たちを引き取り育てるルーカス。しかし森の小屋で子供たちを育てていた“何か”が一緒について来ていたのだった。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
妻を殺してしまい、子供たちにまで手を掛けようとする父親から子供たちを守った”何か“に育てられ、5年間も森の中で野生児のように生きてきた子供たち。
その”何か“の正体が分かるにつれ、凶暴であるだけでなく背負っていたものの哀しさが明らかになります。歪んでしまった母性と、母を求める子供たちの暗く悲しい物語にやりきれない気持ちになること間違いなしです。
こんな人におすすめ
- ホラー要素の強いダークファンタジーを求めている方
- 不気味な雰囲気のなかにも、子供の可愛らしさを感じたい方
- 異種愛というキーワードにワクワクする方
こんな人には向かないかも
- 突然の音や映像で驚かされる”心臓に悪い”作品が苦手な方
- 伏線チックな演出は全て回収されないとモヤモヤする!という方
6.スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪店
いらっしゃいませ。そして、永遠にさようなら。
出典:Amazon.com
あらすじ
19世紀ロンドン。ベンジャミン・パーカー(ジョニー・デップ)は船乗りのアンソニー(ジェイミー・キャンベル・バウアー)とともにロンドンに到着する。
ベンジャミンは15年前にここロンドンで美しい妻と理髪店を経営していたが、妻を狙った治安判事のターピン(アラン・リックマン)に無実の罪を着せられて流刑に処されていた。
妻はターピンにいたぶられて自殺したと聞かされたパーカーは、スウィーニー・トッドと名乗り、かつての自分の店の跡でラヴェット夫人(ヘレナ・ボナム=カーター)が営んでいるミートパイ屋の2階で床屋を開きながら、ターピンへの復讐の機会を狙っていた。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
出典:Amazon.com
ティム・バートン監督が映し出すダークな色調の映像は、ストーリー以前に不気味な世界観を醸し出していて、出てくるキャラクターの異常さを際立たせています。
妻を殺されたパーカーが鋭い切れ味のカミソリで喉元を切り裂くだけでも恐ろしいのに、そのあとのラヴェット夫人の”所業”には鳥肌がたちます。ラヴェット夫人のたった一つの嘘から、まさかの結末へ。こんなお店には行きたくありません…
こんな人におすすめ
- ティム・バートンの独特の世界観にどっぷりとはまりたい方
- 中世のロンドンのゴシックな雰囲気が好きな方
- 残忍だけれど、どこかコミカルな作品が好きな方
こんな人には向かないかも
- グロい映像、ストーリーが苦手な方
- ミュージカルが好きじゃない方
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7.シザーハンズ
「汚れを知らない優しいエドワード」
あらすじ
雪が降る寒い夜のこと、雪はどうして降るの?と孫娘に聞かれた祖母が昔話を語り始めた。
昔々、町はずれの山の上の館に両手がハサミになっている人造人間のエドワード(ジョニー・デップ)が一人で住んでいた。エドワードを造った老発明家(ヴィンセント・プライス)は、エドワードの手を人間の手にして完成させる前に死んでしまったのだ。
エドワードを見つけたのは町で化粧品のセールスレディをしていたペグ(ダイアン・ウィースト)という優しい女性だった。ペグはエドワードを自分の家に連れて帰り、一緒に暮らし始めた。
両手がハサミだったエドワードは、ナイフやフォークを使うことは苦手だったが、その代わりに庭の植木を上手に切ったり、ペットや人間の髪を上手にカットできたので、町の人気者になった。
エドワードはペグの娘のキム(ウィノナ・ライダー)に恋をする。キムも少しずつエドワードの優しさに惹かれていくが、色々な人々に利用されたり陥れられたりして、ペグの家を追われてしまうのだった。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
とにかくピュアなエドワードに心を打たれます。両手がハサミになっている姿は、一見人々を傷つけてしまいそうですが、実は誰よりも孤独で傷つきやすい青年なのです。
そんなエドワードを利用したり陥れたりしようとする人間のエゴや邪な気持ちすら許しているようなエドワードのいたいけな姿を見ると、思わず守ってあげたくなってしまうでしょう。
ダークなメイクとは裏腹なエドワードのピュアな心に癒されてください。雪が降る理由も最後に明かされます。
こんな人におすすめ
- ダークファンタジーといえどもキュンキュンしたい方
- 日頃の疲れをピュアなもので心を癒されたい方
- 本当の優しさに触れたい方
こんな人には向かないかも
- 人造人間というありえない設定は苦手な方
- ラブストーリーは求めていない方
8.ティム・バートンのコープスブライド
「ホネまで愛してくれますか」
出典:Amazon.com
あらすじ
舞台は19世紀のヨーロッパ。成金で品格のないトート夫妻の息子ヴィクター(ジョニー・デップ)は由緒正しい家のヴィクトリア(エミリー・ワトソン)と結婚することになった。
ある夜ヴィクターは結婚式の練習をしようと、土から突き出ていた枝をヴィクトリアの指に見立て、指輪をはめた。しかしそれは木の枝ではなく、墓から突き出たコープス・ブライド、エミリー(ヘレナ・ボナム・カーター)の指だった。
エミリーは、ヴィクターが自分と結婚してくれるのだと信じ込み、死者の世界に連れて行ってしまう。想像していたよりも楽しそうな死者の世界でヴィクターはエミリーの不憫な身の上を知ることになる。
やがてエミリーの哀しみを知ったヴィクターは自らも死者になってエミリーの哀しみを受け入れようとする…。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
ストップモーションアニメで作られた作品ですが、アニメであることが気にならないほどストーリーに引き込まれてしまいます。
エミリーのために死者になろうとするヴィクターと、ヴィクターの幸せを思うエミリーの優しさに心を打たれること間違いなしでしょう。
こんな人におすすめ
- 人間と死者のラブストーリーを見てみたい方
- 不気味な雰囲気のアニメを見たい方
- 自分より愛する人の幸せを選ぶというストーリーに弱い方
こんな人には向かないかも
- アニメーションより実写版が観たい方
- 好きな人とはハッピーエンドになってほしいと思う方
- 可愛らしいアニメを観たい方
9.ローズ・イン・タイドランド
「うさぎの穴の彼方へ」
出典:映画『ローズ・イン・タイドランド』公式Facebook
あらすじ
ジャンキーの両親と3人で暮らすジェライザ=ローズ(ジョデル・フェルランド)。ある日ドラッグのオーバードーズで母親(ジェニファー・テイリー)が死んでしまう。父(ジェフ・ブリッジス)と二人で父の故郷に向かうが、そこで父もドラッグ中毒で死んでしまう。
独りぼっちになったローズは、指にはめた人形の頭と会話をする空想の世界に身を置いて暮らしていたが、ある日近所に住んでいる奇妙な姉弟に出会う。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
出典:映画『ローズ・イン・タイドランド』公式Facebook
テリー・ギリアム監督が作りだす「不思議の国のアリス」の世界です。両親が死んだローズが知り合ったのは、剥製が生き返ると信じている姉とロボトミー手術のあとがある弟なのです。
一番の魅力は、何が起きてもすべて受け入れ、小悪魔ぽいのに子供らしいところもあるローズの存在感ですが、首だけのバービー人形や徐々に腐っていく父親の死体など、摩訶不思議な世界観もたっぷり楽しめます。
こんな人におすすめ
- 非日常的な世界をたっぷり楽しみたい方
- 不思議な国のアリスのような世界観が好きな方
こんな人には向かないかも
- シンボリック(象徴的)なものが出てきたり感覚的に観る作品が苦手な人
- 10歳の少女が男の子を誘うようなシーンもあるので、そういうものに抵抗を感じる方
10.ダーク・シャドウ
「200年ぶりに甦ってしまいました」
あらすじ
18世紀、イギリスからアメリカへ移り住んだコリンズ一家は水産業で成功していた。息子のバーナバス(ジョニー・デップ)は傲慢なプレイボーイで女遊びにいとまがなかった。
遊び相手として付き合っていたアンジェリーク(エヴァ・グリーン)が、実は魔女だとは知らないバーナバスは、アンジェリークを冷たく突き放したためにヴァンパイアに代えられて生き埋めにされてしまった。
それから200年後、偶然掘り起こされて甦ったバーナバスは、かつて栄華を誇っていたコリンズ家が落ちぶれていいるのを見て落胆し、ふたたび一家を再建しようとする。
そこにやってきた不動産会社の社長は、実は200年前から生き続きているアンジェリークだった…
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
コミカルなヴァンパイア映画です。不死身ゆえ「生き埋め」にされて200年、やっと掘り起こされたヴァンパイアが水産業とは…。
魔女に愛されてしまったことがすべての災厄の始まりでしょうか。可愛さ余って憎さ100倍のごとく、壮絶な戦いが繰り広げられます。人間も魔女も女は恐ろしい、というところでしょうか。
こんな人におすすめ
- 一風変わったヴァンパイア映画を観たい方
- コメディが好きな方
こんな人には向かないかも
- 正統派ドラキュラ映画を期待する方
- ジョニー・デップとティム・バートンの組み合わせに飽きてる方
11.アダムス・ファミリー
「わたしたちのどこがヘンですか?」
あらすじ
怪奇屋敷に住むゴメズ(ラウル・ジュリア)の家に、25年前に失踪した兄のフェスター(クリストファー・ロイド)が突然帰ってきた。ところが彼はフェスターではなく、アダムス家の顧問弁護士の息子のゴードンだった。
高利貸しへの返済に困った顧問弁護士のアルフォード(ダン・ヘダヤ)は、アダムス家の財産を強奪するためにフェスターにそっくりなゴードンを一家に送りこんだのだ。
編集部おすすめ!見どころポイント!
ホンダのオデッセイのCMで彼らをお目にかかった事があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ホラー要素のなかにもコミカルな展開で、不気味なのにどこか間抜けなキャラクターがこの作品の魅力のすべてでしょう。とにかく世界観が鮮やかで、見ているだけでワクワクしてしまいます。ゴシック好きにはたまりません!
どうしようもなくくだらない、シュールな一族の姿には大人も子どもも引き込まれてしまいます。
こんな人におすすめ
- ダークな雰囲気でもコミカルな作品が観たい方
- ゴシックな雰囲気が好きな方
- ダークながらも家族愛が描かれている作品が好きな方
- シュールで笑える要素が好きな方
こんな人には向かないかも
- あまりふざけた展開は好きじゃない方
- 漫画チックなキャラクターは好きじゃない方
12.赤ずきん
「恋をした、大人になった」
あらすじ
出典:映画『赤ずきん』予告編
ヴァレリー(アマンダ・サイフリッド)が住んでいる村は、昔から満月の夜になると狼が人を襲う脅威に悩まされていた。恋人で木こりのピーター(シャイロ・フェルナンデス)がいたが、母は鍛冶屋のヘンリー(マックス・アイアンズ)と結婚させようと決めていた。
ヴァレリーがピーターと駆け落ちをしようと決めた夜、ヴァレリーの姉が狼に襲われて死んでしまう。狼を退治しようと村の男たちは集まるが、村を襲っているのは実は人狼だということが分かる。一体誰が人狼なのか、皆が疑心暗鬼になっていく。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
グリム童話の赤ずきんちゃんの話を、大人のストーリーとして描いている作品です。狼とおばあさんのストーリーも映画の中に織り込まれ、赤ずきん役でもあるヴァレリーのラブストーリーにもなっています。
私たちの知るグリム童話の赤ずきんとはかけ離れており、ホラー要素が強くなっている本作。まさに大人のおとぎ話として楽しめますよ!
こんな人におすすめ
- 子供向けのおとぎ話となっているグリム童話の残酷な一面に興味がある方
- 狼男の強さにちょっと憧れてしまう女性
こんな人には向かないかも
- グリム童話を進化させているのがあまり好きじゃない方
- 赤ずきんを大人の女性にしてしまうのが気に入らない方
13.ドラキュラZERO
「愛する者のため、悪にこの身を捧げよう」
出典:Amazon.com
あらすじ
15世紀、トランシルヴァニアのワラキア公国君主のヴラド(ルーク・エヴァンス)は、美しい妻のミレナ(サラ・ガドン)と息子と平和に暮らしていた。あるときオスマン帝国皇帝のメフメト2世(ドニミク・クーパー)からオスマンの兵力増強のために少年を1000人差し出すように言われる。
オスマンでは支配下にある国々に奴隷として少年を差し出す掟があり、ヴラドも幼少のころにオスマン帝国に差し出されていたのだった。
息子を守りたいヴラドは、メフメトに背き帝国の軍勢に対抗するため、牙の山に住む魔物に助けを求める。しかし魔物の答えはヴラドにとって過酷な代償を払わなければならないものだった。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
ブラムストーカーのドラキュラのモデルとなっているヴラド・ドラキュラの話です。ZEROというタイトルは、ヴラドがドラキュラになってしまった成り行きを描いているためです。
ホラー映画では恐ろしいモンスターとして描かれているドラキュラですが、この作品を見ると、恐ろしさよりドラキュラに哀しさや愛を感じてしまうでしょう。
こんな人におすすめ
- ドラキュラ、ヴァンパイアものに目がない人
- ドラキュラ映画を違う目線で見たい方
- ダークヒーローが好きな方
こんな人には向かないかも
- ドラキュラをヒーローとして見たくない方
- 美女を襲うドラキュラを期待している方
14.チャーリーとチョコレート工場
「さあ、世界一オカシな工場見学へ」
出典:映画『チャーリーとチョコレート工場』公式Facebook
あらすじ
両親と二組の祖父母と一緒に暮らすチャーリー(フレディ・ハイモア)は、貧乏ながらも幸せに暮らしていた。チャーリーは年に一度誕生日の日にもらえるウォンカチョコレートをとても楽しみにしていた。
ウォンカチョコレートは世界中で大ヒットしているチョコレートだが、工場には誰も入ったことがなかった。チョコレート工場を経営しているウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ)は工場見学ができるゴールドチケットを入れたチョコを5枚だけ売り、当たった子供たちを工場に招待した。
チャーリーもゴールドチケットを当て、昔チョコレート工場で働いていたジョーおじちゃん(デヴィッド・ケリー)と一緒に工場へ行くことになったのだが…。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
出典:映画『チャーリーとチョコレート工場』公式Facebook
奇想天外な仕掛けがいっぱいのチョコレート工場はアミューズメントパークのようですが、ちょっと毒のあるブラックジョークで、イラっとするモンスター親子につぎつぎとお仕置をしていきます。
極彩色な映像ばかりでなく、チャーリー少年の純粋な気持ちがウィリー・ウォンカの拗ねた子供のような心をほどいていく心温まるお話でもあるのです。
こんな人におすすめ
- ピタゴラスイッチみたいな装置が好きな方
- モンスター親子がとっちめられるのを見たい方
- 甘いチョコレートが好きな方
こんな人には向かないかも
- 甘いものは見るのも苦手な方
- たとえジョークでも子供がひどい目に遭うのを見たくない方
15.ヘンゼル&グレーテル
「森に捨てられた兄妹は、最強の魔女ハンターになった」
あらすじ
子供のころに両親に森に捨てられたヘンゼル(ジェレミー・レナー)とグレーテル(ジェマ・アタートン)兄妹は、お菓子の家で魔女につかまったものの魔女を倒して逃げ出した。
そしてそれから15年、二人は魔女ハンターとして賞金稼ぎをしていた。村で子供の誘拐事件が続いていたある日、子供を助けるために追っていた黒魔女のミュリエル(ファムケ・ヤンセン)と激しい戦いになり、両親と自分たちの秘密を知らされる。
編集部おすすめ!ダークファンタジー映画としての見どころポイント!
誰もが幼い頃に一度は観たであろう、あのグリム童話ヘンゼルとグレーテルの後日談という設定です。大人になった二人が魔女ハンターになっているという展開だけでも既にワクワクさせられます!
しかも中世とは思えないほどの重装備。魔女との戦いもド派手です。森にすむトロールのエドが意外に優しくて和みますよ。
こんな人におすすめ
- アクションが派手なものが観たい方
- グリム童話の「その後」のお話が観たい方
こんな人には向かないかも
- 描写的にちょっと残酷なグロテスクな場面があるのでそういう映像が苦手な方
- 寓話的な内容を期待している方
- この時代にこんなものが?と、細かいところが気になってしまう方
まとめ
ダークファンタジーのおすすめ作品を紹介してきました。ホラーのような作品もありますが、ダークファンタジーはただ怖いだけでなく、そこに独特の世界観や雰囲気が醸し出されています。
日頃の生活では味わえないような、不思議な世界に浸れるのが映画の醍醐味でもあります。そんな醍醐味を味わえるお気に入りのダークファンタジー映画を見つけて、不思議な世界を楽しんでくださいね。
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