【厳選】”世界の”黒澤明監督おすすめ映画特集!
「世界のクロサワ」の名称で有名な黒澤明監督。
彼は、幼いころいじめられっ子の泣き虫だったといいます。小学校の図画の授業中に書いていた絵を先生に褒められたことをきっかけに絵の道に進みましたが、1936年(昭和11年)に画業をやめ、新聞広告で見たP.C.L.映画製作所(後に東宝と合併)の助監督募集に応募し、映画監督としての道を歩み始めたのです。
1960年には、独立プロダクション「黒澤プロダクション」を設立し、生涯では30本を超える映画作品を生み出し、北野武監督やジョージ・ルーカス監督、スティーブン・スピルバーグ監督など多くの映画人たちに影響を与えてきました。
映画監督としては初の文化勲章を受章されたり、1990年には日本人で初のアカデミー名誉賞を受賞するなど、多くの偉業を成し遂げてきたのです。
彼の作品へのこだわりは凄く、紅葉を表現するために木の葉っぱを全て赤く塗らせたり、撮影の邪魔だった民家の2階部分を壊したことがあるといった逸話も多く存在します!
今回は、そんな黒澤明監督の映画作品の中でおススメ7作品をご紹介していきます!
目次
1.姿三四郎
出典:Amazon.com
あらすじ
会津から柔術家を目指し上京してきた姿三四郎( 藤田進)は、門馬三郎(小杉義男)率いる神明活殺流に入門した。しかし、門馬らはちょうど、当時めきめきと頭角を現し警視庁の武術指南役の座を争っていた修道館柔道の矢野五郎(大河内傳次郎)の闇討ちを計画していたのだった。
ところが、門馬らが大人数で闇討ちはにかかっても、たったひとりで受けて立つ矢野五郎を倒すことさえもできなかった。
その様子を見ていた三四郎は、矢野の力に魅了され矢野への弟子入りを決意し、力をめきめきとつけていき様々なライバルたちと対決していくことになるのだった…。
「姿三四郎」黒澤明監督の撮影裏話
- 本作のクライマックスシーンの撮影時に薄野原のセットに不満があった黒澤監督は、新人監督にもかかわらず会社にクレームを出し、箱根仙石原でロケを行った。
- ラストシーンにスタッフをエキストラ出演させる。
「姿三四郎」のみどころはココ!
黒澤明監督の記念すべきデビュー作品。柔術を志した三四郎が一人前になっていく様を繊細かつダイナミックに描いた痛快さ、試合の描写や決闘のシーンは豪快で見ごたえ満載です!
2.羅生門
出典:Amazon.com
あらすじ
時は平安時代。戦乱や疫病、天災によって荒廃した羅生門の下で、樵(きこり/志村喬)と僧侶(千秋実)が雨宿りをしているところに、下人(上田吉次郎)が雨宿りに来る。
樵は、下人にせがまれて今日起きた事件を話し始める。
話は京都の山奥で樵が薪を取りに行った時のこと。
山奥で侍(森雅之)の死体を発見するのだった。死体を発見した樵は検非違使庁に届けを出しに行ったのだが、それが思わぬ事件へと巻き込まれていくのであった。
「羅生門」黒澤明監督の撮影裏話
冒頭の雨のシーンを撮影する際に、ホースの水に炭を混ぜることでモノクロカメラでも迫力のある雨を演出したと言います。また、当時はタブーとなっていた太陽にカメラを向けるという技法もこの作品から生まれたようです。
「羅生門」のみどころはココ!
- 出演者の顔つきが現代の俳優と全然違うのがおもしろい!
- モノクロによる映像の美しさがスゴい!
- とてつもない迫力感!
- 事実と真実はいつも一緒とは限らないという教訓を感じることのできるストーリー!
3.七人の侍
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あらすじ
時は戦国時代末期。とある農村の村人たちは盗賊と化した野武士たちの襲撃におびえて暮らしていた。ある日、村人が山へと出かけた際に「麦の実る頃に、40騎を引き連れて略奪に行こう」という野武士の会話を耳にしてしまう。その話を聞いた村人たちは絶望していた。そんな中、若い百姓であった利吉は、野武士と戦おうという提案をする。村人たちは反対したが、長老の儀作は戦うことを決断し、「腹を空かせた侍」を雇うことになるのだった。
しかし簡単に侍は集まらず、途方に暮れていた時、町で盗賊が子供を人質にとっ
て立てこもる事件が起きる。そこを通りかかった初老の侍官兵衛が、坊主に変装して子供をあっという間に救い出してしまったのだ。それに魅了された利吉は野武士の退治をお願いするが、「飯を食わす」という条件では割に合わないので無理だと断られる。「ただし、屈強な侍を7人集められるのなら考えてやらないこともない」という官兵衛の言葉から、利吉たちは侍集めに奔走し、7人の侍が結集したのだが……。
「七人の侍」黒澤明監督の撮影裏話
ただ歩くだけのシーンを朝の9時から午後の3時まで納得のいくまで撮りなおした。
しかも、そのシーンで使われたのはたったの4秒だったという。
「七人の侍」のみどころはココ!
- 役者たちの個性が上手く描かれている
- 久蔵のモデルは宮本武蔵
- ラストの土砂降りの中でのド迫力の戦いのシーン
4.どですかでん
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あらすじ
電車バカと呼ばれている六ちゃん(頭師佳考)は、部屋に自分の書いた電車の絵をいたるところに貼り付けている。彼は毎日架空の電車を運転していた。「どですかでん、どですかでん」と…。
六ちゃんは変わり者として扱われるが、この村の住人は変わり者だらけ。姪を働かせ一日中飲んだくれている男性や何人もの養子を育てる父親、誰とも口をきこうとしない男、旦那を取り替えてしまった2組の夫婦や廃車を住処にしている乞食の父子など…。
そんな村人たちの日常を淡々と描いている群像劇。
「どですかでん」黒澤明監督の撮影裏話
- 「どですかでん」に登場する酒脱に生きる老人は、黒澤監督をモデルにしているという。
「どですかでん」のみどころはココ!
- 黒澤明監督 初のカラー作品
- 山本周五郎「季節のない町」が原作
- 色彩感覚が魅力的な映画
- オムニバス風で、様々な人間模様が描かれている
5.影武者
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あらすじ
舞台は16世紀後半、戦国時代。各地に割拠した群雄は京都へ上がろうとお互いにその情勢をうかがっていた。京都を制したものが真の支配者となる。その支配者に最も近かったのが武田信玄、織田信長、徳川家康の三名。なかでも戦上手だとして一目置かれていたのが信玄であった。
信長と家康は同盟を結び信玄を討つことにした。野田城での攻防の際、銃弾が信玄に直撃し死んでしまう。戦況の緊迫した中、以前より捉えていた信玄にそっくりの盗人を影武者として人前に出すことになる。信玄の身内からは疑いをかけられるが、何とか誤魔化しながら話は進んでいく…。
「影武者」黒澤明監督の撮影裏話
- 長篠の戦いのシーンでは、北海道中の獣医さんに頼んで、馬に睡眠剤を注射して撮影。
- 黒澤監督の無理な要望に役者たちが撮影を3日間ストライキ。
「影武者」のみどころはココ!
- 衣装や武具、景色など美術面の凝り方。
- 女性の化粧にみる時代考察。
- あらゆる視覚効果に対する拘り。
6.夢
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あらすじ
黒澤明監督が幼いころに見た夢をもとに描いた映画。「日照り雨」「桃畑」「雪あらし」「トンネル」「鴉」「赤冨士」「鬼哭」「水車のある村」の8話から構成されている
「夢」黒澤明監督の撮影裏話
- 黒澤を崇拝するスティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが援助に乗り出し、撮影に漕ぎつけた。
「夢」のみどころはココ!
- 日照り雨…少年が最後にどうなったのかを想像しながら考え込んでしまう終わり方。
- 鴉…日本語を使わずに、英語とフランス語で演じた夢。
- 鬼哭…将来の地獄絵図。放射能の影響で世の中が破壊された後。
7.まあだだよ
出典:Amazon.com
あらすじ
大学のドイツ語教師だった内田百閒(松村達雄)は、執筆家になるために大学を去った。しかし、もともと慕われていた百閒の家には彼を慕う生徒たちが集まり、これから穏やかな文土生活が始まるのだろうと誰もが思っていた。しかし、時代は太平洋戦争の真っ只中、内田は東京空襲で家を失ってしまう。
「まあだだよ」黒澤明監督の撮影裏話
- 3時間近い作品になる予定だったが、リハーサルを重ねた結果2時間14分になった。
- 百閒役をやった松村さんだが、配役が決まったときは疑問視をするスタッフもいたらしい。松村さんは黒澤監督と二人きりで稽古を積み、スタッフの前で演技を披露。演技のすばらしさにスタッフも納得するようになったと言います。
- 周りのひとに「これが最後の作品ですか?」と、「まあだだよ」などと冗談をいっていたという
「まあだだよ」のみどころはココ!
- 黒澤明監督の最後の作品
- 物語の半分以上が同窓会・飲み会シーン
- 人の宴会に連れ回されている気分を味わえる
まとめ
黒澤明監督のおすすめの映画作品をご紹介いたしました!映画のスケールもさることながら、その裏側にある裏話も驚きの情報ばかりでしたね。
今後新たな黒澤映画を観られないのが残念ですが、まだまだ多くの作品がありますので是非色々な作品を御覧になってみてください。