モダンホラーの傑作『シャイニング』ネタバレ | 謎と魅力を徹底解剖

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かつて完璧な恐怖映画と賞賛されたこともある『シャイニング』。本作はなぜここまで話題を呼び、多くの人に賞賛される映画になったのでしょうか?

この記事では難解なシーンも多い『シャイニング』の謎をネタバレ解説しながら、その魅力についてあらためてご紹介します。

『シャイニング』のあらすじ

ジャック(ジャック・ニコルソン)は、冬期には雪で覆われ営業停止となるオーバールックホテルの管理人の仕事を引き受ける。以前は教師の仕事に就いていたジャックであるが、現在は失業中の身。元々小説家志望であった彼は、誰もいない閉鎖されたホテルという環境が、執筆をするのに最適だと考えていた。ジャックには、妻と幼少の息子ダニー(ダニー・ロイド)がいる。
妻のウェンディ(シェリー・デュヴァル)は、子供が雪山で過ごすことを嫌がっているようすに気付き心配していた。その上このホテルは過去に管理人を務めていたグレイディ(フィリップ・ストーン)という男が、自身の家族を惨殺し自殺した事件があったのだ。ジャックは契約時にこのホテルがいわくつきであることを知らされるが、自分は平気だと答える。彼は妻やダニーに、この話をしていない。

ホテル営業の最終日、ジャックは家族を連れ展望ホテルを訪ねる。従業員らはおおむね帰宅しており、一家はホテル界隈を案内された。料理長であるハロラン(スキャットマン・クローザース)はダニーと話をする内に、彼に「シャイニング」という特殊な霊能力があることに気が付く。なぜならこの料理長もまた、シャイニングの持ち主であったからだ。彼はダニーに237号室に近づいてはいけないよ、とアドバイスし去った。

その日から隔離されたホテルでの、家族3人暮らしが始まった。充実したキッチン、美しい装飾、広々した空間で何の申し分もない環境である。しかししばらく月日が経つと、ジャックは執筆が進まない事にイライラし、ウェンディに辛く当たるようになった。また幼いダニーは双子の亡霊(リサ&ルイーズ・バーンズ)などを、以前よりも頻繁に見るようになる。そして遂にダニーは、237号室に足を踏み入れてしまうのだ。
ちょうど同じ日ジャックは悪夢にうなされ、目を覚ます。次第に様子がおかしくなっていく彼を妻のウェンディは警戒するが、気付いた時はもう手遅れであった。ウェンディはダニーを連れこの建物から出る事を決意するが、何者かに憑依されたジャックがそれを許さない。ウェンディはバスルームへ逃げ込むが、ジャックは斧で扉をたたき割り、中へ侵入しようとする。

通信手段が途絶えジャック一家と連絡が付かなくなった事に気付いたハロランは、大雪の中ホテルへと向かうが、到着後すぐさまジャックによって惨殺された。ダニーは屋外の庭に用意されたアミューズメント用巨大迷路に逃げ込むが、それを逃がすまいとジャックが後を追う。賢い彼は雪の上の自分の足跡を消し、ジャックを錯乱させた。
一方ウェンディは雪上車を見つけ、ダニーと共に脱出した。残されたジャックは、迷路の中で凍死する。奇妙な事に1921年に撮影されたはずのホテルの写真には、笑顔のジャックが写り込んでいた。

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2つの映画とドラマ版『シャイニング』の違い

Stephen King 公式facebook

『シャイニング』の原作を手掛けたのは、『キャリー』や『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』などの原作者としても知られる、モダン・ホラーの巨匠スティーブン・キングです。モダン・ホラーとは現代社会のダークな部分をテーマとして扱い、その不条理が描かれたホラーの事を指します。モダンホラーは、城などを舞台としドラキュラが登場するような、古くからあるゴシックホラーと対照的に認識されてきました。

監督が『シャイニング』の映画化を志望した動機は、商業的に成功するような作品を撮る必要があったからだと言われています。しかし「キングが原作に忠実にこの映画を作らなかったキューブリックに対して激怒した」という話は有名です。キングは『シャイニング』で、建物自体に宿る狂気を表現したかったようですが、この映画ではジャックの狂気の理由がはっきりとしませんでした。

また映画では息子ダニーや料理長の持っている超能力「シャイニング」の存在感が薄く、充分に表現されていません。キングは本作品を「モーターのないキャデラックのようだ」と批判しています。

それらも要因となり、『シャイニング』は実はドラマ版を含めると3つのバージョンが存在するんです。それぞれ詳しく解説していきます。

ラストが異なる119分版と143分版『シャイニング』

まず、映画としてキューブリックが監督したものに、119分版と143分版の2つのバージョンが存在します。

143分版は当時アメリカで公開された「北米版」です。実はプレミア上映時にはこれよりも2分程長いオリジナル版が上映されましたが、キューブリックはその後、約2分間のエピローグをカットしたと言われています。

日本をはじめとする世界各国で公開されたコンチネンタル版は、それよりも更に24分程のシーンがカットされています。現在日本の動画配信サービスでは、大抵119分のコンチネンタル版も、143分の北米版も鑑賞が可能です。
キューブリックが北米版を20分以上も短くした理由は、アメリカ人にしか分からないカットや会話などを省き、作品をより分かりやすくしたかったのではないかと言われていました。またそれ以外の理由としては、1日に上映できる映画の回数を増やしたかったことなどが挙げられています。

▼119分の北米版(プライムビデオで視聴できます)

▼143分のコンチネンタル版(DVD)

原作者自ら製作しなおした1997年版『シャイニング』

テレビドラマ版 シャイニング

ワーナー・ブラザース公式サイト

キューブリック版『シャイニング』に納得しなかった原作者キングは、1997年にテレビドラマ版の『シャイニング』を製作します。ミック・ギャリス監督によって制作されたこのドラマ版は、アメリカのテレビ局により3回にわたり放送されました。キングはジャック・ニコルソンの演じるジャック・トランスが、原作イメージとかけ離れた存在である事にも不満を抱いていたようで、主演にはスティーヴン・ウェバーが選ばれています。

ジャック・ニコルソンの演じるジャックは、冒頭から何をやらかすか分からない危うい人物として描かれているのに対し、ドラマ版ではどこにでもいそうな父親が、建築物そのものの持つ祟りに浸食されていくさまが描かれています。よってキング版『シャイニング』の方が、主人公の父親に感情移入しやすい作品に仕上がっている、と言えるでしょう。
更にこのドラマ版の『シャイニング』は、物語性重視のファンから特に支持されていたようです。またこの映画のタイトルになっているダニーの特殊能力「シャイニング」も、映画版より強調された表現となっています。

『シャイニング』ネタバレ | ストーリーに散りばめられた5つの謎

Stanley Kubrick 公式facebook

「シャイニング」の意味とは

ジャックの幼い息子であるダニーは、「シャイニング」と呼ばれる、特殊な能力を持ち合わせています。それは口を動かさず意思の疎通ができる才能で、即ちテレパシーの様なもので会話ができる能力です。ダニーがシャイニングの持ち主である事に気付いた、展望ホテルの料理長もまた、この能力を持ち合わせていました。ダニーは料理長に、自分の口の中に住んでいるトニーの話をします。
彼の話によると、トニーはダニーのイマジナリーフレンドであり、未来に起こる事を夢で知らせてくれるのだと言いました。またダニーは、この事は両親にも秘密だと言います。コック長はシャイニングを持つ者は、未来のみならず過去を見る事も出来るとダニーに教えました。すなわちダニーとこのコック長はこの建物の、暗くて恐ろしい過去を見る事が出来るのです。

ダニーがホテルで双子の姉妹に遭遇したり、血の津波のイメージを見たりするのは、彼がある特殊能力の持ち主で、身の危険をトニーが知らせているからと言えるでしょう。しかし原作に比べれば、映画作品の方はこの特殊能力がさほど重要視されておらず、この能力がこれ以上に強調された描写はさほどありません。またハロランの活躍するシーンが少ないのも、本作品の大きな特徴です。

原作者スティーブン・キングは「シャイニング」という呼び名に関して、ジョン・レノンの曲である『インスタント・カーマ』の歌詞から、インスピレーションを得たと言っています。

ジャックはホテル管理人として輪廻を繰り返す存在

Stanley Kubrick 公式facebook

ストーリーのラストではジャックと思われる人物が、1921年という遠い昔の記念写真に、映り込んでいる描写があります。ラストシーンに、この様な意味不明なショットが挿し込まれた理由として考えられるのは、ジャックの前世もまた、ホテルの管理人を務めていたのではないか?ということです。これについて監督は、「ラストでの記念写真は、ジャックの生まれ変わりを示唆している」と公言しています。

彼は何らかの因果で管理人として輪廻を繰り返していますが、過去に一家を惨殺し自殺した人物が彼なのか?もしくはグレイディなのか?は不明です。またこの事は、劇中のセリフからもやんわりとほのめかされています。物語のずいぶん早い段階から彼は、「以前からこのホテルの事を、知っている気がする」と妻に話していました。またバーテンダー(ジョー・ターケル)や、パーティーで知り合ったグレイディは、ジャックの事をトランス様と苗字で呼び、以前から彼の名前を知っています。
ジャックにとっては初めてきたはずの場所ですが、ホテルの亡霊達は彼が以前からずっとこの建物の管理人であると、認識します。この様なシーンが随所に見受けられるのは、監督がスティーブン・キングの小説から、輪廻という隠されたテーマを読み取り、それを間接的に表現したからだと言えるでしょう。原作者キングは『インスタント・カーマ』の「カーマ」という言葉を、因果という意味で受け止めていたようです。

鏡というキーアイテム

『シャイニング』の劇中では、鏡というアイテムが度々現れ、効果的に使われています。物語の中では、鏡の向こう側とこちら側の異なった世界が対照的に描かれており、向う側の世界は非現実的世界が表されているという解釈が一般的です。
対して鏡のこちら側の世界は、超現実的な世界となります。ジャックは237号室のバスルームで美女(リア・ベルダム)と抱き合いますが、彼女が鏡に映った姿を見てはじめて、そのおぞましさに気が付きました。

ジャックがホテルのゴールドボールルームに足を踏み入れるシーンでは、カウンターの向こうには誰もおらず、正面は鏡張りになっていました。しかし禁酒中のジャックが「ビールを飲みたい」というと、バーテンダーのロイドが現れ、鏡のみであったはずの棚には並んだアルコール瓶が現れます。この様に本作品では、鏡を挟んで非現実世界と現実世界が入り混じる描写がなされているのです。


ダニーがドアに書いた文字「REDRUM」は直訳すれば「赤い羊」ですが、鏡に映し出された「MURDER」は「殺人」という意味になります。現実世界では何も起こっていないように見えますが、霊的な世界は決してそうではありません。超能力を持ち合わせているダニーは、これを早い段階で感じ取ります。

また観客は次第に現実世界が鏡の中の世界にのまれていくさまを、ジャックの言動を通じて感じ取ることが出来ます。冒頭でダニーが鏡を覗き込みながら、口の中のイマジナリーフレンド「トニー」と会話をするシーンが不気味であるのは、これらの事を暗喩しているからだと言えるでしょう。

輪廻はインディアンの呪いか

Stanley Kubrick 公式facebook

『シャイニング』の劇中では様々な場面でインディアンにまつわる会話や、映像表現がなされています。オーバールックホテルは先住民の墓地であった場所に建設されていますし、ホテル内の装飾も、ナバホ族やアパッチ族のモチーフが使用されていました。またこのホテルに漂う不穏な空気。これこそがこの映画の恐怖の肝、と言っても過言では無いでしょう。
インディアン、即ちネイティブ・アメリカンの呪いを感じずにはいられない演出。キューブリックはこれを直接的にセリフでは言い表さず、視覚的イメージなどを用いて暗喩しています。
例えばジャックがシャワールームのドアを 打ち割る時の凶器は、インディアンが使用していた斧と同じものです。ジャックは建物の呪いをもろに受けている存在ですから、その怨念や狂気が彼に乗り移り、斧を使用したのだと考えられます。

またラストシーンに現れる写真は独立記念日、即ちインディアンにとっては最も無念な記念日です。これによりジャックが管理人として輪廻を繰り返すのは、白人が先住民であるインディアンを追放した事が祟りとなったからなのでは?と何となく感じ取ることが出来ます。監督はこのようにアイテムの使用やちょっとしたビジュアル表現で、ネイティブ・アメリカンの呪いを示唆したのでしょう。
更にはネイティブ・アメリカンにはもともと輪廻、転生という考え方があったからだ、という受け止め方も出来ます。更に監督がコンチネンタル版(日本やヨーロッパなどの劇場で公開されたバージョン)でインディアンに関する描写や会話を大幅にカットしたのは、これらの事情は、アメリカ以外の国では理解されにくいと予想したからかも知れません。

ホテルの過去の亡霊たち

オーバールックホテルの過去の惨劇の被害者が、亡霊となってジャック一家の目の前に表れます。これらの人物は鑑賞する側によって、妄想とも、超常現象とも捉える事が可能です。

惨殺された双子

ダニーが三輪車で廊下を走っている時にしばし遭遇する双子の亡霊で、水色のお揃いのワンピースを着ています。トイレでのグレイディのセリフから、この双子はホテルで過去にあった一家惨殺事件の被害者であると察する事が出来るでしょう。
ダニーはオーバールックホテルに着いた当日に、この双子の姿を見ますが、このことについて誰にも話しません。また時に彼女らが惨殺された姿を見る事もあり、イマジナリーフレンドのトニーがジャックにこのビジョンを見せる事で、警戒信号を送っているのだとも解釈出来ます。

237号室の女性

ジャックが237号室に足を踏み入れた時に遭遇する亡霊です。ジャックはこの美しい女性に惹きつけられ、歩み寄り抱きしめますが、鏡に映った姿はおぞましい老女でした。ジャックは血相を変えて逃げ出しますが、妻のウェンディには「何もなかった」と嘘をつきます。
この女性の亡霊がどの様な人物であるかは、劇中で具体的に説明はされません。しかし過去に237号室で自殺したか?何らかの事件に巻き込まれた人物である、とは考えられます。この部屋で目撃されたということは、一家惨殺事件の関係者ではない可能性が高いでしょう。

クマの着ぐるみと男

ストーリー終盤にはクマの着ぐるみと、タキシードを着た男が現れました。ウェンディはこの亡霊を目撃して仰天しますが、これはパーティーを抜け出した同性愛者のカップルの亡霊だと考えられます。
元々キングの原作では、クマの着ぐるみがダニーを脅かすという描写でした。一説にはキューブリックが、子役のダニー・ロイドのトラウマにならない様に配慮した変更だとも言われています。表現が奇抜であるだけに、何かと話題になりやすい亡霊です。

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名匠キューブリックこだわりの演出

Stanley Kubrick 公式facebook

スタンリー・キューブリックとは

スタンリー・キューブリックはアメリカの映画監督、脚本家、プロデューサーです。彼は映画史において、最も偉大で後世に影響を与えた監督の1人として讃えられています。キューブリックは1928年7月26日に、アメリカ合衆国ニューヨーク州マンハッタンに生まれました。13歳になった時父親からカメラをもらい、以後写真を撮る事に没頭します。
ティーンエイジャーの頃からカメラ、チェス、ジャズ、小説や映画などあらゆるジャンルに好奇心旺盛で、映画の制作方法や演出に関しても独学で学びました。1956年に製作された『現金に体を張れ』が好評で、その後反戦映画『突撃』で更に注目を浴びます。しかしハリウッドの商業主義に嫌悪感を抱いた彼は、イギリスに移住し『ロリータ』を撮影しました。

その後『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』、をはじめとするSF三部作を製作し、映画監督としての才能を評価されます。リアリズムを追求した作風や、ブラックユーモアに満ちたセリフ、完璧を目指した映像表現、新しい撮影技術の探求など、映画製作に対しての姿勢は常に意欲的であり、後の映画関係者や映画ファンに大きな影響を与えた人物です。

当時最先端「ステディカム」が活躍

『シャイニング』には当時最先端であった「ステディカム」という、カメラ安定機材が使用されました。カメラマンはこれによりクレーンや台車を使用せずに、ブレのないスムーズな映像を表現出来る様になったのです。ダニーがホテル内の廊下を三輪車で走り回るあの印象的なシーンは、一点透視図法が用いられていますが、その撮影にも「ステディカム」が使用されました。
一点透視図法とは映画や絵画の表現に用いられるテクニックで、キューブリック作品には度々このアングルの描写が登場します。『シャイニング』では、それにギャレット・ブラウンが開発したステディカムの技術が加わり、特に効果的な演出となりました。

ステディカムという名前は、ステディー(安定した)とカメラとを組み合わせて作られた言葉です。この機材のおかげで、カメラマンが“これまでには不可能であったシーン”を撮る事が出来る様になりました。尚「ステディカム」は当時、『ロッキー』や『マラソンマン』などの映画の撮影にも使用されています。

左右対称構図や空間の歪みがもたらす不気味さ


Stanley Kubrick 公式facebook

シンメトリー、即ち左右対称のデザインは、一般的に好感が持たれやすいと言われています。映画『シャイニング』の中でも、度々この左右対称の構図が見受けられました。例えばハロランが自宅でテレビを見ているシーンでは、中央のテレビを挟んで左右に同じ照明器具が配置されています。この違和感たっぷりの構図により、観客はよからぬ出来事が起こるのでは?と察知する事が出来るでしょう。

またオーバールックホテル内の描写にも、この様な左右対称構図は度々登場します。一般的には美しいと言われるシンメトリーですが、この様に意図的に作られた左右対称の構図は返って不自然であり、冷め切った不穏な空気を感じさせられるものです。
例えば双子の女の子が、廊下に立っているシーンなどは、典型的です。この場面は双子が美しく、またホテルの装飾も完璧である事から、逆に不気味で不快感を与えるシーンとも言えます。美しさとぞっとするような醜さが共存するシーンとして、『シャイニング』の中でも特に印象的シーンと言えるでしょう。

リテイクの連続が生んだ極限の名演

映画 シャイニング

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完璧主義者として知られるキューブリックは、撮影現場でも妥協がありません。ロケ中は何十テイクも繰り返し、納得のいく演技を俳優に注文する為、ある意味俳優やスタッフには過酷な労働であったようです。
例えばジャックがバスルームの扉を斧で叩き割る、たった2秒のシーンに190テイク以上も繰り返したと言われています。撮影に2週間も費やされたこのシーンは、シャイニングの中でも1番のみどころとなりました。ジャック・ニコルソンのあの狂気じみた名演技は、リテイクを繰り返したことによる疲労から引き出されたものだとも言われています。

またウェンディを演じたシェリー・デュヴァルは、撮影中監督が怒ったり皮肉を言ってきたたりして、随分プレッシャーをかけられたようです。しかし彼女は監督に対して本当に怒るから、いつもとは違う演技が引き出せたと語っています。心身ともに疲れ果てたあのウェンディの表情は、特に印象的です。当時69歳であったハロラン役のスキャットマンは、リテイクの連続のダメージから、撮影終了後リハビリの為病院に通っています。

キューブリックの何事にも妥協しない態度は、俳優陣だけでなくセットにも表れています。ラスト間際の屋外の迷路のシーンで降り積もった雪には、約900トンもの塩が使用されました。監督だけではなく、俳優やスタッフの涙ぐましい努力や苦労があってこそ、『シャイニング』は後世に残る名作になったと言えるでしょう。

なぜ名作サスペンスになったのか

最近ではホラー映画のランキング上位に、必ずランクインしている『シャイニング』ですが、公開当時は賛否が分かれる評であったようです。しかし『シャイニング』は緻密に計算された映像表現や、新しい撮影技術の導入、個性的なキャラクターなど様々な要素がバランス良く配合された美しいホラー映画として、次第に多くの人から賞賛される作品となりました。

キューブリックは映画でしか味わえないホラー体験を、観客に提供する事が出来た監督と言えるでしょう。また近年公開されたスティーブン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』で、『シャイニング』へのオマージュシーンがあった事から、本作品は再び注目を浴びはじめています。よく分からない部分があるから何度も観たくなる作品でもあり、コアなファンも後を絶ちません。

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『シャイニング』続編は2020年公開予定!

1980年の前作から40年ぶりに、『シャイニング』の続編の公開が予定されています。これはスティーブン・キングが2013年に出版した小説『ドクター・スリープ』を元に製作されるもので、この小説では前作の30年後の世界が描かれているのです。物語はトラウマを抱えたまま中年になったダニーが、父親ジャックと同じくアルコール中毒である所から始まります。

映画がどのぐらい原作に忠実に作られるかは不明ですが、30年後のダニーを観る事が出来ることは確かでしょう。主演のダニー役を務めるのはユアン・マクレガー、監督は『オキュラス/怨霊鏡』などのホラー映画監督であるマイク・フラナガンです。全米では2020年1月に公開予定、日本での公開日は未定です。前作の評判が良かった為、次作も見逃せない1作になることでしょう。

まとめ

以上、シャイニングのネタバレ解説でした!多くの人を魅了した『シャイニング』。新作にも期待ですね!

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