『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』【ネタバレ徹底解説・トリビアも】
『スパイダーマン』の実写映画は、本作で第7作目!トム・ホランドが主演を務めるスパイダーマンとしては、『スパイダーマン:ホームカミング』につづき第2作目となります。
アベンジャーズのシリーズファンには衝撃的だった『アベンジャーズ/エンドゲーム』の後の世界を描いた作品だけあって、アベンジャーズファン必見の本作!そんな『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のあらすじをネタバレ有でご紹介します!
目次
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』って?
トビくまくん
だからサム・ライミ監督による3部作やマーク・ウェブ監督による『アメイジング・スパイダーマン』シリーズとも設定が異なることもしばしばみられるんだ。
更にアベンジャーズ「インフィニティ・サーガ」に属してて、時系列的には『アベンジャーズ/エンドゲーム』が前作にあたるんだ。
『エンドゲーム』後の作品というだけあって、アベンジャーズファンからは大注目の作品!全世界での興行収入は11億ド(約1,166億円)超という大ヒットを記録したんだよ。これはすごい快挙だ。
だが残念なことに、スパイダーマンのキャラクター権を所有しているソニー・ピクチャーズとディズニーの契約交渉が決裂してしまってスパイダーマンのMCU離脱が決定したんだ。もしかすると、トム・ホランド演じるスパイダーマンが観られるのは本作が最後かもしれないね。
早速あらすじを見てみよう。
10秒でわかる!『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のざっくりあらすじ
あのあと、世界の安全は守られたかに思われたんだが…メキシコに土でできた怪物が出現したんだ。そこに「ミステリオ」というニューヒーローが現れ、怪物を超人的な力で倒してしまったんだよ。
でもなんとそのヴェネツィアでも怪物が出現しピーターたちに襲いかかり、そしてまたしてもミステリオが登場し怪物を撃退したんだ!!
でも、いったいこの「ミステリオ」は何者なのかな?もっと詳しく本編の内容を知りたい!
【あらすじ①】『エンドゲーム』のその後の世界
出典:映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式Twitter
サノスの指パッチンで世界の半分の人が消え、その5年後に消された人々が戻ってきたのが『アベンジャーズ/エンドゲーム』。本作はその直後の話。
世界は安全を取り戻したかのように思えたが、メキシコで土でできた怪物が突如現れる。その窮地を救ったのはスパイダーマン(トム・ホランド)でもドクター・ストレンジでもなく、丸いボールのような被り物をし、マイティ・ソーのようなマントと鎧を身につけた「ミステリオ」(ジェイク・ギレンホール)という男だった。
ピーターが通っている学校の校内放送では、アイアンマンをはじめとして今は亡きアベンジャーズの面々を追悼する映像が流れる。トニー・スタークの死を乗り越えられていないピーターは、残されたアベンジャーズとして強いプレッシャーを感じていた。
ニック・フューリーからの連絡もピーターは無視し続け、しまいには「夏休みを満喫したい!2週間のヨーロッパ研修旅行でMJ(ゼンデイヤ)に告白するぞ!」と息巻くのだった。
そしてそのままスパイダーマンのスーツを家に置いてヴェネツィアへ出発。ところがそのヴェネツィアで、水でできた怪物に襲われてしまう。スーツがない上友達と行動していたため、全力では闘えないピーター。そこへまたミステリオが現れ、怪物を倒してしまう。
【あらすじ②】ニック・フューリーに夏休みが乗っ取られる
出典:映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式Twitter
その晩、ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)がピーターの部屋を訪ねてくる。基地に連れ去られたピーターが紹介されたのは、昼間に会ったミステリオことクエンティン・ベックだった。
ベックは、自身は別の宇宙にある地球から来たと説明。その別次元の地球は、土や水など基本元素からできた怪物たち「エレメンタルズ」によって破壊されてしまい、今度はこの次元の地球を破壊する気であり、ベックはそれを止めにきたという。普通の高校生らしい充実した夏休みを計画していたピーターだったが、肝心の旅行はニックの監視下におかれてしまう。
エレメンタルズは全部で4体。次に現れるのは火の怪物で、場所はプラハと予想されていたため、ピーターたちの研修旅行グループはフューリーの手配でプラハへ移動することになる。MJや友人たちがオペラ鑑賞している間にピーターだけこっそり抜け出し、ベックとともにエレメンタルズと戦う算段だった。だが、ピーターを不審に思ったMJも劇場を抜け出してしまう。
さらに、そのMJの姿を見たネッド(ジェイコブ・バタロン)とベティ(アンガーリー・ライス)も抜け出してしまうのだった。そして案の定、ネッドとベティは事態に巻き込まれて危険な目にあってしまう。
ミステリオが命がけで全力を尽くしエレメンタルズに勝利するも、ピーターは真のヒーローになりきれない中途半端な自分に落ち込んでしまうのだった。
【あらすじ③】明かされるミステリオの正体
出典:映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式Twitter
エレメンタルズとの戦いを終え、ピーターとベックは2人でBARに入り祝杯をあげる。自信を失くしたピーターは、ヒーローの辛さをわかってくれるベックに心を許していく。
さらに、イーディスのサングラスを試しにかけたベックの姿が、亡くなったトニー・スタークの姿に重なって見える。そして、イーディスの使用権限をベックにも授け、サングラスを託してその場を立ち去る。トニー・スタークの跡を継ぐのは自分ではなく、ミステリオだと思い込んでしまったのだ。
ピーターがBARを出たその瞬間、BARの内装が一気に変化していき、実はホログラムだったことが判明する。ベックは表情を変え、「ついにやった」と歓喜。実は、ベックとその場にいたBARの客たちはすべてスターク・インダストリー社の元社員だった。
高度なホログラム技術は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でトニーが発表していたBARFシステムによるもので、エレメンタルズもミステリオの超人的なパワーも、全てホログラムが作り出したまやかしだったのだ。
ベックはピーターを騙して脅威であるイーディスの権限を奪い、最後のヒーローとして世界を騙そうと計画。4体目のエレメンタルズとの決戦を演出する仕上げに精を出す。
【あらすじ④】親愛なる隣人から真のヒーローへ
出典:映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式Twitter
行く先々で怪物に襲われて大波乱だったため、ピーターたちの旅行は中止に。帰る前の晩、ピーターは思い切ってMJを誘い、ふたりだけでホテルを抜け出す。ついに愛の告白をしようと「僕は……」と切り出すピーターだったが、MJは「スパイダーマンなんでしょ?」と被せてくる。慌てながらも、何とかはぐらかすピーター。
しかし、MJがスパイダーマンの証拠にと差し出した機械が突然ホログラムを映し出し、状況は一変する。すべてはホログラムであったことを把握し、自身の過ちに気づいたピーターは、誤魔化すどころではなくなってあっさりスパイダーマンであることを明かしてしまう。
慌てて、事態をフューリーに報告するためベルリンへ向かったピーター。しかし、たどり着いたシールズの基地も合流したフューリーも実はホログラムで、投影機が1つないことに気づいたベックの罠だった。
目の前の映像に翻弄され、ピーターは鉄道にはねられてしまい、オランダの片田舎の町へ辿り着く。そこでピーターが電話で助けを求めたのは、トニー・スタークの運転手ハッピー(ジョン・ファブロー)だった。
ジェット機で駆けつけたハッピーは、身も心もボロボロのピーターを励まし、鼓舞する。ピーターはもう1度戦いを挑む決意を固め、スパイダースーツを作り直し始める。その姿は、さながらトニー・スタークのようだった。
【あらすじ⑤】ロンドンでの決戦
ロンドンでは、4体目となる風のエレメンタルズが襲来。ベックとその仲間らが複数の銃を搭載したドローンを使用し、街を破壊しながらのホログラムを投影していた。そしてまた、ミステリオが戦っている映像が流れる。
しかし、そこにピーターが現れてホログラムでできたエレメンタルズに飛びかかり、投影機を破壊。ベックの計画を邪魔する。ピーターに邪魔されるのを防ぐため、ベックはイーディスを使って集中攻撃を仕掛ける。さらには、ホログラムを使ってまた翻弄するのだった。またもやホログラムによるイリュージョンにピーターは戸惑うが、目を閉じてスパイダーセンスを頼りに戦う。ホログラムを克服したピーターは、ベックに勝利。すべての戦いが終わり、MJとも両想いになりハッピーエンドに!
と、思いきや!!!
街角の大型スクリーンで「スパイダーマンがヒーローだったミステリオを殺した」という偽の衝撃映像が流れる。
さらには、スパイダーマンの正体がピーターであることまでバラされてしまう……という驚きのラスト。次回作への伏線で、本作はエンドロールとなる。
今作に登場する豪華キャストを紹介!驚きの逸話も…
ピーター・パーカー(スパイダーマン):トム・ホランド
1996年6月1日生まれのイギリスの俳優。『インポッシブル』(2012年)、『白鯨との闘い』(2015年)などの出演経歴がある。
映画作品の一部を公開前に外部に漏らしてしまった過去があり、ジョー・ルッソ監督は『アベンジャーズ/エンドゲーム』の撮影時にはトム自身のセリフ以外、台本を渡さずに撮影したという逸話がある。
ミシェル・ジョーンズ(MJ):ゼンデイヤ
1996年9月1日生まれのアメリカの女優でありシンガーソングライター、ダンサー。2010年、ディズニー・チャンネルで放送されたコメディドラマ『シェキラ!』で名が知られるようになった。スパイダーマンシリーズの他にも、昨年大ヒットした『グレイテスト・ショーマン』にアン・ウィーラー役で出演している。
ネッド・リーズ:ジェイコブ・バタロン
1996年6月6日生まれのアメリカの俳優。2016年、『North Woods』という映画で俳優デビューした後、このスパイダーマンシリーズで有名に。ピーターの正体を知る親友として、シリーズ第1作目から登場している。
ニック・フューリー:サミュエル・L・ジャクソン
1948年12月21日生まれのアメリカの俳優。『パルプ・フィクション』(1994年)や『ジュラシック・パーク』(1993年)などの大作に出演。ベルリン国際映画祭やカンヌ国際映画祭での受賞経験を持つ大ベテラン。
千葉真一の熱狂的なファンで、ニック・フューリーを演じる際にも千葉真一の演技を意識しているという。
ハロルド・ハリー・ホーガン(ハッピー・ホーガン):ジョン・ファブロー
1966年10月19日生まれのアメリカの俳優であり映画監督、映画プロデューサー。『アイアンマン』(2008年)と『アイアンマン2』(2010年)では、監督を務めつつ自身もアイアンマンの運転手ハッピー・ホーガン役で出演している。
クエンティン・ベック(ミステリオ):ジェイク・ギレンホール
1980年12月19日生まれのアメリカの俳優。『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年)や『ミッション:8ミニッツ』(2011年)、『ナイトクローラー』(2014年)などの出演歴がある。
自慢できちゃう驚きのトリビア!
【トリビア①】JKシモンズが登場!
ラスト、街角のスクリーン映像にサム・ライミ監督のスパイダーマンシリーズで新聞社編集長を演じていたJ.K.シモンズが登場!しかも、ちゃんと新聞社デイリー・ビューグルのJ・ジョナ・ジェイムソンとして。スパイダーマン好きにはたまらない演出でした!
【トリビア②】ピーターの旅行鞄のイニシャルはベン叔父さん!?
ピーターの旅行鞄の持ち手近くにある「BFP」の文字。これは亡きベン叔父さん(ベンジャミン・フランクリン・パーカー)のイニシャル。もしかしたら、ベン叔父さんが使っていた旅行鞄をメイ叔母さんからもらったのかも?
【トリビア③】キャプテンアメリカは結局死んだの!?
キャプテン・アメリカは死んだのか……?エンドゲームで老人となったキャプテンですが、サノスの指パッチンから5年後、ピーターの校内放送で亡くなったアベンジャーズの姿が映し出されます。その中にはキャプテンの姿が。キャプテンは『エンドゲーム』と『ファー・フロム・ホーム』の間のわずかな期間に亡くなってしまったのかもしれません。あるいはもしかして、キャプテンの意思で亡くなったことにしたのかも。
【トリビア④】アース833の秘密
ミステリオが別次元の地球から来たと説明する時、自分の次元にある地球のことを「アース833」だと言っていました。これは、原作に登場する「マルチバース」という設定で、マーベル・コミックの各ヒーローは別次元で活躍し、「アース833」はスパイダーUKというスパイダーマンが存在する宇宙とされています。映画の方ではベックの嘘だったことになっているので、この設定は原作の世界のみのものです。
【トリビア⑤】ネッドのセリフはほぼアドリブ!?
ネッドを演じるジェイコブ・バタロンがイベントで「ほとんどアドリブだった」と明かしています。プラハでシークレットスーツを着て戦うスパイダーマンを「ナイト・モンキーだ!」と言うシーンがありますが、それもジェイコブ・バタロンがいくつか出したネーミング案の1つだといいます。
まとめ
本作では、亡きアイアンマンの意思を継ぐ者として、今まで少し頼り甲斐のなかったピーターが真のヒーローへと成長する姿を見ることができます。他にも、過去のスパイダーマンシリーズやマーベル作品へのオマージュも散りばめられており、純粋なスパイダーマンファンにとっても、『エンドゲーム』でアベンジャーズロスを経験したファンにとっても、嬉しい演出だったのではないでしょうか。
『エンドゲーム』を観ていればより楽しめますが、観ていなくても充分楽しめる内容だと思います。