【ネタバレ解説】サイコホラー『エスター』は実際に存在した…!?究極のサイコホラー映画
公開から10年以上の時が経っていながら、圧倒的な支持率を誇るホラー映画『エスター』。どこか様子のおかしな少女が展開する、予想の付かないストーリーは観る人を惹きつけ、忘れられないものとなるでしょう!
ホラーが苦手な人も観られる「心霊が出てこない」タイプの作品ですので、サスペンスやスリラーが好きな人にもおすすめです。「怖いのは結局人間なのか…」と改めて感じる作品でもありますよ。
見ごたえたっぷりの123分をぜひお楽しみください!この記事はネタバレを含みますので、未鑑賞の場合はご注意を!
目次
この娘、どこかが変だ……奇妙なホラー『エスター』について
衝撃的なキャッチコピーで人々の話題を誘った『エスター』。監督はジャウム・コレット=セラ。
主にホラーやスリラーを得意としていますが、『トレイン・ミッション』や2020年公開予定の『ジャングルクルーズ』といったアクションも手掛け、幅広いジャンルの映画を製作しています
デビュー作は2005年公開の『蝋人形の館』というホラー。ヴィジュアル・ポスターからおぞましい恐怖を感じ、ちょっぴりトラウマになった人もいるのでは?人々の息を詰まらせるような恐怖や緊迫感を描くのが上手く、観ているとついつい画面にのめり込んでしまうハズ。
もちろん『エスター』もその一つで、心霊こそ出てこないものの「心理的に怖い」という緊張感で溢れた作品となっています。
「低予算のホラー」にこだわりを見せるジャウム氏は現在、自身の制作会社「オンブラ・フィルムズ」を設立。次はどんな映画を見せてくるのか、楽しみでなりませんね!
『エスター』の続編『Orphan: First Kill』が公開決定!
公開から10年以上が経過した本作の続編となる『Orphan: First Kill』を制作中とのことが、エスターを演じたイザベル・ファーマンの公式Instagramで発表されています!
当時見た目は9歳を演じた彼女は2020年現在、すでに23歳。まさかイザベルが続行するとは思いませんでしたが、特殊メイクなどで再び9歳を演じるそうですよ。監督を務めるのはウィリアム・ブレント・ベル。今までに監督した映画は4作のみなので、どのような仕上がりになるか未知数ではありますが、その分期待が高まりますね。
『Orphan: Frst Kill』で描かれるのは『エスター』より前の話で、リーナ・クラマー(エスターの本名)がエストニアにある孤児院「サールンインスティチュート」から抜け出す物語。一体彼女の人格を作った原因は何だったのかが語られるのでしょう。
イザベルは自身のInstagramでは血だらけのセルフィーを公開していたりと、本人も胸が躍っているのが伝わってきますね!
この投稿をInstagramで見る
10秒で分かる『エスター』の簡単なあらすじ
3人目の子供を死産してしまったケイト。落ち込み、ふさぎこんでいる彼女の姿を見て、夫のジョンは養子を迎え入れることを提案した。二人の間には元からダニエルとコールマンという子供がいるものの、三人目が産めなかった衝撃はひどく大きいものだったのだ。
ケイトとジョンが向かった先は孤児院。そこで一人だけ大人びた少女、エスターと出会い彼女を迎え入れることを決意する。
首と両手首にはリボンを巻き、上品な雰囲気を醸し出すエスター。とても子供とは思えぬほどの落ち着きで、マックスとは本当の姉妹のように親しくなった。
しかし共に時間を過ごすうちにエスターの素性が明らかになり、幸せな家族の生活は徐々に崩壊していく……。
『エスター』のネタバレあらすじ
以下、ネタバレとなりますのでご注意下さい!
【あらすじ①】苦しみの中でもがくケイトの元に……
看護師と会話をしながら車椅子で院内を歩くケイト(ヴェラ・ファーミガ)。「もう三人目よ」と陣痛に耐えながら、生まれてくる子供の名前を口にしていた。痛みに耐える中、彼女の通った床には血液がべっとりと落ちてゆく……。
陣痛が激しさを増す中、いざ手術室へ。麻酔をせずオペを始める医者たちに、彼女は大混乱してしまう。そしてとりあげられた赤ん坊は真っ赤な血に塗れていて、ケイトは大絶叫するのだった――。
この一部始終は全て、夢である。ケイトはダニエル(ジミー・ベネット)とマックス(アリアーナ・エンジニア)という可愛い子供がいて、かつては三人目の子供を産む予定だった。
しかしながら結果は死産。そのことに立ち直れずふさぎこんでいたため、悪夢を見てしまっていたのだ。
過去にケイトはアルコール依存症を患っており、現在もカウンセリングを受けている。その症状に加えて死産という悲しい現実に直面し、ますますぐらつきは悪化していた。
彼女の苦しみを傍で見ていた夫・ジョン(ピーター・サースガード)は、孤児院へ行くことを提案。自分の持つ病気や精神が不安定な面など気がかりなことが多く、養子についてケイトは少し悩んでいる。
しかし「こんな自分はもうイヤ」と漏らす彼女は、最終的にジョンと孤児院で養子を迎え入れことを決意したのだ。
いざ孤児院へ行くとたくさんの子供たちが遊んでいる。産むはずだった三人目の子供は女の子の予定だったので、彼らは女児を受け入れる姿勢だ。
するとジョンは大勢で遊んでいるのではなく、一人で淡々と絵を書く大人びた少女と出会う。とても品があって、他の子供とは一味違う女の子・エスター(イザベル・ファーマン)。
ロシア出身で、ここ数年で英語を身に着けたそう。過去の家族は火事で死に、唯一の生き残りという少々“ワケあり”だが、孤児院のシスターは「上品でお姫様のような子。賢いのよ」と太鼓判を押していた。常に首と手首にはリボンを巻いているそうで、彼女なりのこだわりがあるらしい。
二人はエスターを気に入り、早速彼女を家へと迎え入れるのだった。
【あらすじ②】新たな家族は変わり者?
その日にコールマン家でエスターを迎え入れたケイトは、彼女に娘・マックスが難聴であり、手話で会話をする旨を伝える。エスターはマックスと顔を合わせると、すんなりと手話を披露して見せた。
すぐに家庭内の注目の的となるエスター。それをおもしろくないと感じる息子のダニエルは、初日から彼女に近づこうとしなかった。
早々に溶け込む彼女へ、元々ピアノの先生をしていたケイトは弾き方を教える。家にピアノがあることを喜ぶエスターと、教えるケイト……一見して幸せな家族といった雰囲気だ。
しかし翌朝の登校前、ドレスを着ながら家の階段を降りてくる少女の姿があった。注意するも首元や手首のリボン同様、引く姿勢を見せない。ケイトは折れてそのまま学校へ行かすも、結局同級生たちにからかわれてしまうのだった。
個性的ではあるものの、マックスとすぐに打ち解けるなどエスターは面倒見が良い。夫婦はすっかり安心していたが、唯一ダニエルだけが嫌悪感を抱いていた。朝のドレスの件から、どこか彼女を理解できないのである。
ある時庭で遊んでいたダニエルはエアガンを使い、遊び心で鳥を撃ってしまう。案の定鳥は撃ち落され、雪の上でぐったりと動けなくなっていた。そこへ一緒に遊んでいたエスターとマックスが現れ、エスターは鳥にトドメを刺すようダニエルへ促す。
怖くてできないダニエルをよそ目に、彼女は何の迷いもなく石を鳥へ振り下ろしたのだ!
「大丈夫、これで天国に言ったから」と冷たく言い放つエスターを見て、思わず彼は逃げ出してしまった……。
エスターの不思議な行動はこれ以外にも起こり、入浴中も頑なに鍵を閉めたがった。学校で再びからかわれた際に、首のリボンを触られると気が狂ったように叫びだす。まるでその姿は「発狂」という言葉がよく似合った。真っ先に変だと気づくダニエルだが、まだ夫婦はその実態に気づいていない。
エスターのタンスには常に聖書が入っているものの、ケイトは特に気に留めていない。発狂事件を耳にしても、まだ来たばかりの彼女を咎めることなどしない。三人目の子供を死産した話をすると、涙を目に溜めるエスター。疑うことなど一切せず、むしろ心優しき少女だと思っているのだ。
【あらすじ③】徐々に滲み出る少女の本性
しかし裏で鳥を殺したように、少女の恐ろしき本性はじわじわと滲み出てくる。
夜にケイトとジョンはキッチンにて、熱く愛し合っているところをエスターに見られてしまう。これをきっかけに性教育を……と思ったケイトだが、彼女は冷ややかな目で「ファック」という単語を口にした。
若干9歳の女の子がその言葉や行為について知っている事実に驚いたケイト。彼女の過去や人間性に問題を感じ、カウンセリングを受けさせることをジョンへ提案するも、その案は通らなかった。
エスターはジョンの前では完璧なまでの「9歳の少女」であったため、心配は無用だと思ったのである。
ある時、子供たちが公園で遊んでいると遊具にはエスターをいじめる女の子が一人。誰も見ていない隙に、彼女は遊具の上からいじめっ子をを突き落としてしまった。マックスだけがその光景を目にしているが、本当のことは言えずに黙るばかり。向こうの親から苦情が入るも、エスターは最後まで「滑っただけ」と主張し続ける。
この件に関してもジョンは疑いもせず、彼女をかばい続けた。疑うケイトは、どうも信用できずモヤモヤとしてしまう。
息子のダニエルはとうの前にエスターを気味悪がっていたために、夕食時に自分の気持ちを爆発させてしまった。するとジョンが激怒し、ダニエルが気に入っていたツリーハウスを封鎖することとなる。「エスターに謝るまで鍵は返さないから」と。
あまりにもエスターの行動が気になるケイトに、かつての孤児院のシスターから電話が入る。エスターは頑なに歯医者へ行きたがらず、シスターの電話にも出ようとしない。おまけに突き落とし事件も起こしているのだ。以上の点を相談するも、電話の後もモヤモヤはおさまらず……ケイトの不安は拭い去れなかった。
そこへ追い打ちをかけるように、エスターが完璧にピアノを演奏する姿を目撃する。その件について言及すると彼女は「あなたが教えたがっていたから」と高圧的な態度に出始めたのだ。純粋な子供イメージから、逆転した瞬間である。
ジョンは一向にエスターの問題に取り合ってくれず、彼女を過信するばかり。非常にギスギスしていくケイトとジョン。その様子を感じ取りながら、ほほ笑むエスターの姿があった。
後日孤児院のシスターがコールマン家を伺うと、エスターに関する調査についての話を始めた。どうやら過去にも彼女の周りでは、ケガやトラブルが頻発していたと言う。実際にいくつかの事件現場にはエスターの姿があって、火事の件にも彼女が関与している可能性が高いのだとか……。
シスターが訪れたことを良く思わないエスターはマックスを連れて、ジョンの金庫を漁った。目的は一本の拳銃。二度とシスターが訪れないように、脅すと言うのだ。
マックスは怯えているものの、エスターには逆らえない。結果的にシスターへの脅しに、強制的に参加することとなってしまう。
エスターはシスターが通る車道にマックスを突き飛ばし、まずは車をスリップさせた。そして車から出てくるシスターを後ろからハンマーで殴り、数度か暴行を加えて死亡させてしまったのだ……。
死体は隠蔽するために例のツリーハウスへ。その間マックスは恐怖で泣いてしまうが、エスターは鬼のように「泣くな」と一喝。自分と共犯であることを彼女に理解させ、逆らわないように飴と鞭を見事に使い分けた。
しかしツリーハウスから出てくる二人を目撃したダニエルは、エスターに気づかれまいと身をひそめる。だがあっさりと彼女にバレてしまい、彼もまた脅されてしまうのだった。
カウンセリングの医者でさえ見事に欺き、大人の前では純粋な子供演じ続けることをやめない。
医者はケイトが歩み寄ろうとしていないのでは?とさえ言い放ち、彼女の立場も非常に辛いものとなっていく。そして相変わらず疑うことを知らないジョン、夫婦仲は以前より溝が深まっているようだ。
一方でカウンセリングを受けたエスターは挙動不審な言動をし、トイレの個室で暴れまわっていた……。
相変わらず心のざらつきが取れないケイト。そして孤児院から再び電話があり、シスターが戻っていない事実を告げられる。シスターが死亡していたことが発覚し、警察が家に押し寄せる事態に。ケイトはそこでまた、エスターに疑いをかけるのだった。
【あらすじ④】エスターのヒミツ
エスターは部屋で一人、おぞましい絵を書いていた。ブラックライトを照らすと浮かび上がる、過去の事件をほのめかすような絵……。
子供二人は脅されているため、ケイトがいくら「エスターに何かされなかったか?」と尋ねても到底口を割るはずがない。ジョンも問題をまともに取り合おうとしない。だがエスターの行動は更にエスカレートし、ケイトは遂にアルコールに手を出す一歩手前までいってしまう。
そんな彼女を更に追い詰めるがごとく、エスターは登校時の車に細工し、マックスを殺そうとする。幸い大事には至らなかったものの、あと一歩間違えれば命を失っていた大事件だ。
この件に関して祖母とジョンはケイトに対して失望、先日アルコールに手を出そうとしたことについて厳しく追及される。「飲酒運転でもしたんじゃないのか」と詰め寄られ、ケイトの味方にさえなってくれないのだった。エスターにとっては、都合の良い展開である。
その頃エスターに対して恐怖心を抱いていたダニエルも動き始め、マックスに彼女のことを質問し始めた。マックスは彼女の行いをイラストにして示し、ダニエルに伝えることに成功するも、全てエスターに聞かれてしまっていたのだ!
一番の味方に責め立てられたケイトの元へ、エスターが訪れた。慰めるわけでもなく、エスターはケイトの日記を盗み見していて、「母親失格」とけなす。ケイトはエスターの身元調査により熱をいれるも、なかなか手がかりが見つからないのだ。
しかし例の聖書に全てのヒントが隠されていた。「サールン・インスティチュート」……なんとエストニアにある精神病院の名前である。
一方でダニエルはマックスから聞いた話により、ツリーハウスへと向かっていた。だがそこでエスターが現れ、ツリーハウスに火をつけて証拠を隠滅し始める。焼き殺されそうになるダニエルだが、庭が燃えていることに気づいたケイトにより、命だけは助かった。
その後ダニエルは病院へ運ばれてしまい、家族も駆けつけることとなる。ケイトは精神病院の名前をジョンに告げ、確信へと迫るのだった――。
【あらすじ⑤】恐ろしき少女の正体とは?
ここまできてもエスターの異常な行動はおさまらず、入院するダニエルの呼吸器を外して殺しにかかる。
医師たちが一斉に駆けつけ、大慌てとなっても彼女は知らんぷり。しかしケイトは我慢の限界で、院内でエスターを平手打ちした。子供のようにわざとらしい態度を取るエスター。パニック状態になったケイトは鎮静剤が打たれ、そのまま入院を強制されてしまう。
あれだけエスターを信じていたジョンも、子供や妻が入院したことにやりきれない様子。病院から帰宅後、酒を片手に一人リビングで悩んでいた。
ケイトがいないのをいいことに、エスターは濃いメイクにセクシーなランジェリーを纏い、酔っぱらうジョンを誘惑し始める。しかし彼には相手にされるはずがない。思い通りにいかないと発狂するエスターは、自室に戻った後大暴れをしていた。
そして入院中のケイトに、ある一件の着信が入る。例の精神病院の医師からの電話で、彼はエスターに関する全てを語り始めたのである。
エスターの本名はリーナ。9歳の少女ではなく、ホルモン異常の病気のため実際は33歳。精神病院に拘束されていた過去があり、火事も全て彼女がやったこと……。殺害履歴さえあるそうで、医師は今すぐ家族を安全な場所へ移動させろとまで言った。ケイトは急いで病院を抜け出し、家族を守るべく自宅へと車を走らせる。
酔いも冷めた頃、エスターの部屋に入ったジョンは衝撃的なものを目にしてしまう。彼女の部屋一面には、男女が交わる卑猥な絵が貼られていたのだ。彼もやっとこの時点で異常な事態に気づいたのである。しかし時既に遅し、とはこのことで外部との連絡が取れないように、家の中の電話の線などは全てめちゃくちゃに荒らされていた。
エスターは遂にジョンを刃物で刺し、死亡させてしまう。ジョンを殺したのなら次のターゲットはマックスだが、そうこうしているうちにケイトが到着。マックスにはこれ以上動かないよう指示をした。
銃で襲い掛かってくるエスターだが、ケイトとの揉み合いで大きなダメージを受けてしまう。その間マックスとケイトは全力で逃げ、途中で通報した警察も突入してくるのだった。
だがエスターはしぶとく、刃物を持ちながら二人を追いかけていた。
場所は室内では外であり、湖が氷を張った上である。ケイトは銃で応戦しようと試みるも落としてしまい、マックスは手助けをするにも二人に近づくことはできなかった。このままではママか殺されてしまう――。そう思ったマックスは銃を手に取り発砲すると、氷は割れて二人は湖に落ちてしまったのだ。
最後の最後までケイトを「ママ」と呼んで惑わせるエスター。しかしケイトを一喝して、最終的に湖にエスターを蹴り落とす。無事にケイトとマックスは助かり、辺り一面はパトカーのサイレンが響き渡っていた。
『エスター』のキャスト
エスター役:イザベル・ファーマン
9歳の少女の正体は、33歳の精神疾患を持つ女性だった……。衝撃的な設定で度肝を抜かれた人も多いはず。無邪気な子供の顔と、恐ろしき女性の顔をうまく使い分ける姿に、心霊以上の恐怖を感じてしまいますよね。
そんな難しい役どころを完璧に演じたのはイザベル・ファーマン。当時の彼女は12歳でしたが、それでも33歳を演じるのはなかなかハードですよね。
本作で一気に注目を集めた彼女は現在も女優として活動しています。
ケイト役:ヴェラ・ファーミガ
苦しみと戦いながらエスターの正体を暴くべく奮闘するケイト。ジョンにも祖母にも理解してもらえず、追い込まれている様子は胸が痛くなるものがありました。
ケイトを演じたのはベテラン女優のヴェラ・ファーミガ。「死霊館」シリーズのウォーレン夫妻の奥様を演じ、ご存じの方も多いのでは?
数々の賞を受賞し、実は監督デビューも果たしているのです。今後の活動にも要注目ですね!
ジョン役:ピーター・サースガード
序盤はいいお父さん、中盤から鑑賞者を微妙にイライラさせる(笑)ジョン。しかし彼はケイトや子供を大切に思う気持ちは変わらず、お酒片手に涙するシーンはホロリとくるものがありましたね。
悲惨なエンディングを迎えるジョンを演じるのはピーター・サースガード。1995年に俳優デビューしてから多くの作品に出演しています。
マックス役:アリアーナ・エンジニア
エスターに脅されながらも最後は大活躍を果たすマックス。幼い彼女には、エスターの存在がより恐ろしく思えたことでしょう。
マックスを演じたのは実際に難聴を抱えるアリアーナ。プロデューサーの推薦を受けた上での女優デビューだったそうで、手話や補聴器をつけた生活は日頃からだったそう。
非常に愛らしいルックスで見ているだけでメロメロになってしまいますよね!現在女優業はされていないようなので、残念に思えますね。
ダニエル役:ジミー・ベネット
エスターを快く思っていない少年のダニエルは、最初から彼女の不穏な雰囲気に気づいていたのかもしれません。
ダニエルを演じたジミー・ベネットはハードな役どころが多いことで有名です。本作もエスターに脅され、ケガをさせられるというなかなか激しい役でしたよね。
現在も俳優業を続けているそうですが、2017年で出演がストップしてしまっているのだとか……。またジミーを見られる日が来るよう、期待して待っていましょう!
映画『エスター』にまつわる5つの謎
『エスター』という作品にはいくつかの謎が存在します。その秘密をじっくりと解説していきましょう。
①エスターが歯医者へ行きたがらない理由
エスターは頑なに歯医者を拒否し、それがケイトにも「変だ」と思わせる要因となっていました。彼女の正体は33歳の立派な成人女性、歯医者に行けば永久歯ですから、子供でないことがバレてしまいます。
また作中では入れ歯を使用していましたが、本来のボロボロな歯を隠すためだったのでしょう。少女とは思えぬほど、歯がキレイではありませんでしたからね……。
②エスターの手や首のリボン。そして、傷
孤児院にいる時から手や首のリボンにこだわりを見せていました。それを周りの大人たちは個性やエスターなりのこだわりと思っていましたが、そこには重大な秘密が隠されていたのです。
重度の精神疾患で精神病を患っていたという彼女。傷は病院にて拘束されていた際についた傷で、リボンはそれを誤魔化すためだったのです。
リボンで可愛らしさを演出すれば子供らしいですし、上品な雰囲気も出る……という、頭の切れるエスターなりの策だったと推測されます。
③エスターの病気は実在するか?
エスターの体はホルモン異常の病気、とのことでしたが、実在する病気かつい気になってしまいますよね。
実のところ、エスターのような知能だけが発達して体は未発達……という病気はごくごくわずかに存在するようです。見た目が子供のまま年だけ重ねていく、小人症や発育不全といったケースは世界中で見られる症例なのです。
④リアル・エスター事件が起こっている!?
エスターの病気が存在する、それを決定づけるような出来事が発生しました。なんと養子として引き取った8歳の少女が、実は成人済みだった!という事件がアメリカで起きてしまったのです。
少女は当時22歳でしたが、見た目は少女。なんの疑いもなく引き取った夫婦でしたが、徐々に攻撃的な一面や精神疾患の兆候を見せ始め、発覚に至ったと言います。
「リアル・エスター事件が起こった」と多くの人は驚き、この一件は瞬く間に世界中で話題となりました。
⑤アナザーエンディングも要注目!
映画『エスター』にはDVDの特典にて、アナザーエンディングが収録されています。
内容は鏡の前でメイクをしたエスターがドレスを纏い、家を包囲する警察の前に優雅に現れる……といったもの。エスターの顔は傷だらけで、様々な考察ができるエンディングですね。
味方によってはこの終わり方がバッドエンドと感じる人もいると思いますので、メインエンディングとぜひ観比べてみましょう。
まとめ
衝撃的な内容、大きなどんでん返しで想像の斜め上をいく作品『エスター』。今までのホラー・サスペンスとはまた違った面白みがあるのも魅力の一つなのかもしれません。
ハードな描写も多いため、心霊とは別の意味で怖い本作ですが、鑑賞後の満足度はきっと高いはず!エスターの前日談を描く続編の制作も発表されましたので、こちらも楽しみに待ちたいですね。
【閲覧注意】 実話を基にした戦慄のホラー映画特集|サイコキラーや呪いの館は実在した! 人間の狂気を描いたサイコホラー映画15選!「一番怖いのは、人…」 【2023年最新版】海外の絶叫ホラー映画名作30本厳選!「めちゃくちゃ怖い…」