【ネタバレ】映画『ドクター・スリープ』のあらすじを徹底解説|原作ではハッピーエンドだったが…?
80年代ホラーを代表する有名作品『シャイニング』の続編『ドクター・スリープ』が2019年に待望の映画化を果たしました。大人になったダニーがトラウマを抱えながらも生きる様子や、同じ能力を持つ少女との出会いが細やかに描かれています。
数十年ぶりの映像化に、ファンは胸が躍ったことでしょう。かつて登場したいわくつきホテルの幽霊たちにも要注目です!本記事はネタバレを含みますので、未鑑賞の方はご注意ください。また『シャイニング』を観てからこちらの作品を鑑賞することを強くおすすめしますよ!
モダンホラーの傑作『シャイニング』ネタバレ | 謎と魅力を徹底解剖目次
映画『ドクター・スリープ』について
本作は1980年に公開された『シャイニング』の続編にあたる物語です。完全オリジナル作品ではなく、『ドクター・スリープ』自体は2013年に小説が発刊されているため、そちらを基に制作を行いました。配給会社のワーナーブラザーズは小説発売後に実写化の計画を進めていたのですが、2017年公開の『It/イット “それ”が見えたら、終わり。』が成功を納めるまで、まだまだ保留の状態が続いていたそう。念願の映画化には、ファンも大喜び!SNSでも話題になりました。
原作者は『it』や『ペットセメタリー』などでお馴染み、スティーヴン・キング。ホラー作品で知られていますが、『グリーンマイル』など、他ジャンルの執筆も得意とする天才作家です。『シャイニング』を担当した監督・スタンリーキューブリックはこの世を去っているため、『ドクター・スリープ』はマイク・フラナガンが監督を務めています。
まだ40代前半と若く、ホラー映画をメインに手掛けています。長編映画のリメイクも行っているため、まさに本作を担当するにふさわしい人物と言えるでしょう。
待望の映画化となったのですが、興行収入は思いのほか伸び悩み、『It』や『ペットセメタリー』に比べるとやや期待外れであったとか。初公開週の成績もこの二作品に比べると苦戦気味で、最終的に7230万ドルへ落ち着きました。特に『It』は初公開週から約9000万ドルの成績を叩き出していたため、それに比べるとかなり厳しい状況であったことが分かりますね。
映画『ドクター・スリープ』の登場人物
『シャイニング』から引き続き登場するキャラもいれば、新たなキャラクターも加わりました。どんな人物達がいるのか、一緒に見ていきましょう。
ダニー・トランス(ダン):ユアン・マクレガー
前作では子供だったダニーも40年の時を超え、すっかりと大人に。しかしあのオーバールック・ホテルで父親に襲われたトラウマを抱え続けているのです。更に「シャイニング」の能力も健在。彼はその能力を自身の中に抑え込むべく酒に逃げ、アルコール中毒の患者となっていました。
大人になった彼はどんどん悪い方向へ進み、自分でも悪い道を辿っていることに気づいています。そしてひょんなことから、自分よりもさらに強い「シャイニング」を持つ、アブラと出会うことになりました。
ダニーを演じるのはアメリカ人俳優のユアン・マクレガー。『トレインスポッティング』や『ゴースタライター』、『プーと大人になった僕』など、数々の作品へ出演。エンパイア賞やゴールデングローブ賞など、多くの賞を受賞する実力派俳優です。
アブラ・ストーン:カイリー・カラン
本作初登場となるアブラは、ダニーよりもはるかに強い能力を持つ一人の少女です。5歳の頃からシャイニングの力を発揮し、とあるきっかけから彼と出会います。お互いテレパシーで会話し合うシーンは、オーバールック・ホテルでハロランと顔を合わせた時を思い出しますね!
本作のもう一人の主人公であり、非常に行動的で勇敢な性格が魅力的なアブラ。ですが能力の高さが謎の集団”トゥルー・ノット”に知られてしまい、目をつけられるのですが……。
アブラを演じるのは14歳の女優、カイリー・カラン。9歳の時から活動を始め、本作に出演したことをきっかけに名を広めました。ユアン・マクレガーもカイリーの演技を称賛しており、今後が楽しみな女優さんです。
ローズ・ザ・ハット:レベッカ・ファーガソン
物語のカギとなるのが「トゥルー・ノット」と呼ばれる謎の集団。彼らの正体はヴァンパイアであり、シャイニングの力を持った子供達を襲い、その時に漏れ出る生気を食して生きているのです。集団のリーダーであるローズは子供を容赦なく殺害するのですが、ある日拷問した子供が脂へSOSのテレパシーを送りました。これをきっかけにアブラはトゥルー・ノットの存在へ辿り着くも、同時に彼女の存在もローズに知られてしまい……!メンバーも失い、ピンチに陥ったことから、集団はアブラを必死に探すこととなるのです。
美しきヴァンパイアを演じるのはレベッカ・ファーガソン。黒のシルクハットがとてもよく似合いますね。『ミッション・イン・ポッシブル』シリーズや『グレイテストショーマン』にも出演しており、現在も積極的な女優活動を続けています。
ビリー・フリーマン:クリス・カーティス
ダンが自分自身の行いに気づいた後、別の土地へ移住します。その時に彼の助けとなってくれる存在が、ビリー・フリーマンです。何かしらとダンへ協力し、トゥルー・ノットがアブラを狙っている件も相談するほどの間柄となりました。
集団の計画を止めるべくビリーも協力してくれるのですが、彼らの力には抗えず、命を落としてしまいます。ビリーが亡くなった瞬間、すごく残念に思った人も多いことでしょう。最後の最後まで、ダンにとってはかけがえのない友人だったのです。
ビリーを演じるのはクリス・カーティス。ニュージーランド出身であり、コロンビア人、アラブ人など様々な国籍の役を演じています。『MEG ザ・モンスター』や『ワイルドスピード/スーパーコンボ』にも出演していましたね!
ディック・ハロラン:カール・ランブリー
『シャイニング』にて唯一ダンと同じ能力を持っていた人物であり、オーバールック・ホテルでは料理長を務めていました。すぐに彼の能力を見抜き、テレパシーで会話をしていたシーンが印象に残っている人も多いのでは?すでにハロランはオーバールック・ホテルにて亡くなっているのですが、亡霊の姿でダンの前に現れるのです。
彼を演じるのはカール・ランブリー。前作のハロラン役・スキャットマン・クローザースと非常によく似ている俳優さんですが、もちろん別人ですよ!カールも1979年から活動しており、キャリアはかなり長いようです。
『ドクター・スリープ』のネタバレあらすじ
【その①】植え付けられたトラウマ
オーバールック・ホテルでの騒動後、ダン(ユアン・マクレガー)は母親と二人で暮らしていた。父親から襲われたトラウマは消えず、「シャイニング」の能力により、度々彼の周りには心霊が出現。それも悩みのタネとなっている。そしてあのホテルで死んだはずのハロラン(カール・ランブリー)の亡霊まで登場し、様々なことに怯えて暮らす彼へ、ちょっとしたアドバイスを送るのだった。
そこから時が経ち、大人になったダンはトラウマを克服できずにいた。アルコール依存症に陥り、ずさんな人間関係だけを紡いで、堕ちていく一方。そんな自分の危なさに気づき、彼は移住地を変えることを決めた。
そこで知り合ったビリー(クリス・カーティス)という男性に、仕事や住処まで紹介してもらい、二人はよき友人となる。ダンはホスピスで働くようになり、能力を使って死ぬ前の患者を次々と癒した。次第にそれは「ドクター・スリープ」と呼ばれるように。
【その②】トゥルー・ノットの襲来
ローズ(レベッカ・ファーガソン)を中心として動く謎の集団「トゥルー・ノット」は、能力を持つ子供の生気を食事としている。あちこちで子供を誘拐しては拷問・殺害し、生き永らえていた。
自堕落な生活から抜け出すべく奮闘するダンの部屋に、ある日子供の文字で「Hi(こんにちは)」と書かれていた。これが同じシャイニングの能力を持つアブラ(カイリー・カラン)との出会いになるが、まだダンは彼女の存在に気付いていない。
そこからしばらく時が過ぎ、ローズらは変わらず誘拐を続けていた。ある夜、野球少年を拷問したところそのテレパシーがアブラへと届き、能力の強まった彼女はすぐに危険と苦しみを察知する。そしてダンと遂に顔を合わせ、メッセージを送っていたのは自分だということ、子供達が次々と殺害されていることを明かした。
一方でトゥルー・ノットもアブラの存在に勘づき、目を付け始める……。ダンは彼女に協力するか悩み、「キミも危ないかもしれない。関わらない方がいい」と警告を促すのだった。
【その③】狙われるアブラ
アブラの心に入り込んだローズだが、彼女の力は想像以上に強く、歯が立たなかった。そのためトゥルー・ノットは本格的にアブラを捕えようと計画することに。
ダンは顔をの件について悩み続けていたが、再び現れたハロランの亡霊が「彼女を守るんだ。自分が君を守ったように」と助言。そしてビリーを巻き込み、トゥルー・ノットが子供達の遺体を埋める場所へ三人で向かう。そして殺された子供が身に着けていたアイテムを持ち帰り、その子の父親にも彼らを突き詰める協力をしてもらえるよう、懇願した。遂に集団VSダンらの戦いが始まる。ある程度のメンバーは始末できたものの、ビリーは命を落としてしまう。
そしてアブラも誘拐されてしまうが、なんとかダンが彼女の意識に入り込み、メンバーを抹殺。残る面子はローズ一人。そこで二人はトドメを刺すべく、例のオーバールック・ホテルへ向かった。たくさんの霊がはびこるホテルはダンらにとっても危険だが、ローズにとってもそれは同じなのだ。
【その④】オーバールック・ホテルの対決、遂に……
ダンはボイラー室を動かし、霊を目覚めさせるように動いた。ローズもホテルへ到着し、二人は揉み合いとなる。追い込まれるダンだが、その時ハロランに言われたアドバイスが良い方向へ動く。
「再び幽霊が出たら、頭の中で箱を浮かべてみて」――これが幼き頃に教わったこと。彼は脳内の箱に封じていた心霊を放出させると、奴らはローズへ襲い掛かった。彼女は絶命したものの、霊は当然ダンのことも襲う。取り憑かれ、まるで父と同じようなことを繰り返しそうになっていた。
しかし取り憑かれたことに気づいたアブラは意識が戻るよう手助けをする。彼女はダンに言われ、燃えるホテルから去って行った。手遅れになった彼は炎に包まれ、亡くなってしまったーー。
そして後日、アブラは亡霊になったダンと再会。自身の能力を家族に話せるようになっていた。だがシャイニングを持った彼女は、家の中で霊を発見してしまう。見てみぬふりはせず、アブラはまっすぐと立ち向かっていった。
映画『ドクター・スリープ』解説|もっと面白くなるポイント
そもそも、「シャイニング」とは?
一作目のタイトルになるほど、物語のメインとなる能力「シャイニング」。一体これは何なのか?と疑問に思った人も多いのでは?作中では”特別な力”と現わしていますが、つまり限られた人間にしか持たない超能力のことを指しています。幽霊が見えたり、予知能力だったり、力を持つもの同士がテレパシーで会話できる、そんな力なのですね。
前作『シャイニング』から思い出してほしいのですが、ハロランはダニーの身に降りかかる危険を察して、すぐにホテルへ向かっていました。これも「シャイニング」による予知能力ということです。
今回登場するアブラはその中でも最も強い能力を持っていたので、拷問された野球少年からのSOSがより深く届いてしまったのでしょう。ただし物語ではシャイニングを持つ人間の基準や、なぜそのような力を持っているのか?また、存在しているのか?という理由が一切明かされていません。持ち主によって力の強い・弱いや能力の内容に違いがあるようです。
また「シャイニングとはこういうものだ!」という詳しい説明がないのも、観賞者が不思議に思う部分なのかも……。ダニー、ハロラン、そしてアブラは限られた、本当に特別な存在なんです。
恐怖のオーバールック・ホテルの存在
シリーズを通じて最も欠かせないのが、オーバルック・ホテルの存在。前作のおさらいとなりますが、このホテルは冬季、豪雪によって閉鎖することになっています。その間の管理人を務めていたのが、父のジャック。冬季限定のアルバイトのため、ジャック、ウェンディ、ダニーと三人で一時的に住み込んでいた場所です。しかし過去の管理人は途中で孤独に耐えられず、共に過ごしていた家族を惨殺、そして自分自身も自殺をしてしまったそう。
ホテルへ足を踏み入れると、シャイニングを持つダニーは早々に奇妙な現象に遭っていました。そして父は案の定、心を蝕まれて豹変し、家族を襲うことに……。ダニーにとってオーバールック・ホテルとは、恐ろしい経験をした場所でしかないのです。彼のトラウマを見事に象徴する、大きな存在とも言えますね。『ドクター・スリープ』のラストでは見事にホテルは燃え、なくなっていきます。つまりホテルが無くなる=彼のトラウマも克服できたのでは……という推測もできるでしょう。
ちなみに「オーバールック」とは「展望」と表現しますが、「見下す」や「監視する」などと少々悪い意味も含むのだとか。建物自体の不穏なイメージには、後者の意味がよ~く似合いますね……。
40年越しの「REDRUM」
鑑に書かれた「REDRUM(レッドラム)」。前作を観ていれば気づく方も多いと思いますが、幼き頃のダニーはドアに赤い口紅で同じ言葉を書いていましたね。それを逆に読むと……「MURDER(マーダー)」、つまり殺人という意味になります。『シャイニング』ではこの文字を鏡に反転させ、母・ウェンディへメッセージを送っていたのです。
本作ではこのメッセージを送ったのはアブラですが、40年前にダニーがしたことと、全く同じ方法でピンチを伝えているのです。同じ能力を持つ同士、行動がリンクするのも非常に面白いポイントでしょう。鏡に反転させるという演出も同じであるため、『シャイニング』ファンにはたまらない描写ですね!
謎の集団「トゥルー・ノット」とは何だったのか
本作から現れる、ローズ率いる集団トゥルー・ノット。彼らはシャイニングの能力を持った子供を殺し、その生気を食して生きているのですが、作中ではハッキリと「この人たちはヴァンパイアだ!」となどと明確に表されるシーンはありません。そのため「この人たち、何なんだろう」と思ってしまった人も多いはず。
正確に言えば超能力を持つヴァンパイアのような存在で、彼らは生気を口にしながら生き永らえていた、いわばカルト集団のようなもの。ローズはアブラを察知したことから、ダニーなどと同じ「シャイニング」を持っていたということですね。能力があるからこそ、アブラの心に入り込もうと企んでいたわけです。
ただしローズよりもアブラの力は強かったようで、見事に心から追い出されてしまいましたね。そのくらいの「シャイニング」を持っているために、集団が彼女を狙ったのです。
スティーヴン・キングの人生が反映された作品
スティーヴン・キングはアルコールと薬物依存症を患っており、その姿をジャックというキャラクターに投影しているのだとか。つまり自分自身がジャックのモデルとなっているのです。彼は酷い依存症だったようで、それにより家族と別れを告げている……。全くジャックと同じ道を歩んでいたのです。
そして『ドクター・スリープ』では病と戦うダニーの姿が。これもまた、スティーヴン・キングが自分の人生を反映させている部分ですね。小説のあとがきにも自明する文章が執筆されています。
原作小説と映画『ドクター・スリープ』3つの相違点
前作『シャイニング』も原作との相違点がいくつか見られましたが、『ドクター・スリープ』に関しても設定や結末に変更が加えられています。原作と映画、どちらも見比べてみるとより楽しさが倍増するかもしれませんよ!
【違いその①】オーバールック・ホテルはもう消えている!?
本作でも大きな存在となるホテルですが、実は原作『シャイニング』のラストにて焼失していたのです!父・ジャックはラストで正気を取り戻し、ボイラー室へ。そこで機械の動きを止めようとしますが、あえなく失敗しホテルと共に命を落とすのでした。ですから既にオーバールック・ホテルはこの世から姿を消しているのです。原作ではローズとの最終決戦はホテル内ではなく、その跡地で行われるのでした。
もうこれを読んで分かるかと思いますが、原作『シャイニング』のラストはそのまま『ドクター・スリープ』のラストとなったのです!あえてオーバールック・ホテルを残しておくことで、原作とは違ったストーリー展開が楽しめるようになっていますよ!
【違いその②】ハロランは生きている!
『シャイニング』ではジャックに斧で殺されてしまったハロラン。本作では亡霊として登場し、シャイニングの力によってダニーと会話を交わしているシーンが描かれています。けれども原作で彼は死亡しておらず、ホテルの惨劇後もウェンディやダニーと交流を持っている設定となっているんだそう。当然、『ドクター・スリープ』にも生きた姿のまま登場します。
出会った時からダニーのことをずっと気にかけていたハロラン。心優しい彼のファンもきっと多いことでしょう。生きた姿をぜひ観たかったのですが、故人として登場することで、よりキャラクターの立ち位置が定まりやすいという利点も。そしてシャイニングの能力の強さや素晴らしさを、より強調できるのは彼の存在が大きいからなのかもしれません。
【違いその③】原作のラストはハッピーエンド
『シャイニング』の原作版ラスト展開が起用されたため、『ドクター・スリープ』では死亡してしまうダニー。ですが原作のラストで彼は生きており、アルコール依存症も見事に回復しています。そして15歳になったアブラの誕生日パーティーへ出席する、という夢のある終わり方をしているのだとか。
映画版も決して悲壮感溢れるラストではないのですが、原作はより幸福感に満ちた結末となっています。
映画『ドクター・スリープ』3つの魅力
【魅力①】ただのホラー作品ではない、ヒューマンドラマ要素もアリ!
『ドクター・スリープ』のジャンルはホラーにあたりますが、ただのホラー映画と称すには非常に勿体ない作品でしょう。確かに怖いシーンもありますが、アルコール依存症や自堕落な生活に終止符を打つべく奮闘する、ダニーの生き様も描かれているのです。そして人助けをすることで、彼の中には更生する心が芽生えていきます。
このようにヒューマンドラマのような要素が含まれているのも、評価されるべき部分でしょう。
【魅力②】あえて行った原作との変更
一部では批判の声も上がっていますが、多くの人はマイク・フラナガンの力量に拍手喝采だったとか。残したオーバールック・ホテルのうまい使い方や、原作『シャイニング』のラストを引用してくるなど、ちょっとした”小技”がまた観賞者の心をくすぐるのです。これにはスティーヴン・キングファンも「こういった構成も良いね」と思った人も多いそう。
前作の良さも取り入れつつ、新しい作品を作り出すのはそう簡単なことではありません。色々な要素をうまく織り交ぜながら完成させた作品となりました。
【魅力③】シャイニングを持つ3人の存在
ダニー、アブラ、ローズと同じ能力を持った三人がメインなのですが、それぞれの個性が出ているのも◎。トラウマを抱えつつも問題に立ち向かうダニー、子供を救うべく危険を冒しながらも奮闘するアブラ、そして目的のためには悪を貫くローズ……。
分かりやすく善悪が強調されて描かれているので、キャラクターが非常に魅力的に見えるのです。そして三人によって「シャイニング」の能力について、より興味が湧いてしまうはず。観賞者を惹きつける要素たっぷりに描いていますよ。
映画『ドクター・スリープ』まとめ
前作の『シャイニング』を観ていなくともある程度は楽しめますが、やはり深い部分まで理解を得るのは難しいもの。ぜひシリーズを通して観賞することをおすすめします。そうすることで「シャイニング」の能力や、オーバールック・ホテルの存在など、より味わい深く思えることでしょう。
ホラー映画ではあるものの、ビックリ系の怖さではありません。なので苦手な人でも挑戦できる範囲ですので、ぜひこの機会に観て頂きたく思います。マイク・フラナガンが創り上げた『ドクター・スリープ』の世界を、じっくりとお楽しみくださいね。