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マルチな才能を持つ大森立嗣監督のおすすめ映画特集!

ひとっとび編集長

「映画作りを仕事だとは一度も思ったことはない。人生で一番ドキドキできるスリリングな遊び。だからこそルーティーンにはしたくない。飽きちゃうから」とインタビューで答えた大森立嗣監督はハードな作風も手掛ける一方で娯楽映画も撮り、マルチな才能を持つ監督です!

今回は、そんな大森立嗣監督のおすすめ映画をご紹介いたします。

大森立嗣監督のおすすめ映画

おすすめ映画をご紹介する前に、少し彼についてご説明いたします。

大森立嗣監督は1970年9月4日の東京都生まれで、2005年に「ゲルマニウムの夜」でデビューしました。

高校生まで映画に興味がなかった大森立嗣監督は、大学時代に偶然入った映画サークルで興味を持ち始めます。その頃に自主映画を作り、卒業後には俳優活動と助監督という立場を繰り返しながら映画業界に関わっていました。

監督としての大森立嗣さんは説明をあまりせず、「俳優に勝手に解釈してほしい」と言っていました。自身も俳優としての経歴があり、俳優の個性を引き出す方法を理解している大森立嗣監督は「演技のふり幅を狭くしたくないので、俳優に勝手に解釈してほしい」と言い、俳優自身に考えさせるスタイルで数多くの映画を撮ってきました。

そんな大森立嗣監督は2019年9月に新作「タロウのバカ」が公開されました。なので今回は大森立嗣監督の選りすぐりの映画を7選紹介します‼

1.ゲルマニウムの夜


出典:Amazon.com

あらすじ

唯一の趣味がゲルマニウムラジオを聴くことだけの青年・朧(ろう)(新井浩文)は暴力の衝動に身を任せて、本能のままに生きている。そんな彼は透明なイヤホンから流れるゲルマニウムラジオに対して「神の声」に等しい感覚を持っていた。しかし、同時に神について考えるほど冷静で分析思考な朧は自身が育った教会で神を試すのだが…。

ココが凄い‼「ゲルマニウムの夜」・大森立嗣監督の撮影裏話

・上野にある東京国立博物館の敷地内のみで単館上映されていました

・その敷地内にある「一角座」という小屋は本作品のためだけに建てられました

「ゲルマニウムの夜」のみどころポイント!

透明感のある色使い、客観的な構図で美しくも冷たい演出と衝動的な本能に身を任せる時の朧は対照的でお互いを引き立たせています。しかし、朧は時には冷静沈着で、イヤホンに耳を傾けているシーンからは暴力的な一面が想像できないほどです。

この映画「ゲルマニウムの夜」はそういった表裏一体なコントラストで楽しませてくれる作品です。教会で神に身を捧げ、清貧を重んじる一方で生徒たちに性の奉仕を強要する修道士、神の教えを授け、懺悔を促しながらも少年に自分の快楽を手助けさせる院長、など表と裏が入り乱れる世界で生きる朧は一体何を考えてるのか、思わず主人公目線になってしまう演出は大森立嗣監督のさすがの手腕です。

2.ケンタとジュンとカヨちゃんの国


出典:Amazon.com

あらすじ

工事現場で解体をしているケンタ(松田翔太)は先輩からいじめられていた。加えて低賃金で働かさられ生活に絶望していた。そんな自分を「自分で決めることのできない人間」と決めつけ、養護施設で一緒に育ったジュン(高良健吾)と途中で出会ったカヨ(安藤サクラ)とともに逃げ出すのであったが…。

大森立嗣監督が魅せる‼「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」の撮影裏話!

・関西限定企画で名前に「ケンタ」「ジュン」「カヨ」の名前が付く来場者を割引するキャンペーンが企画されました

・監督もケンタ役の松田翔太も役柄について殆ど話し合わずにお互いの思う役柄で自然に演技していました

ココが見逃せない‼「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」のみどころ

暗く重い雰囲気がこの映画に終始漂っていることに驚きます。

さらにその描写が生々しく、ケンタが鉄板で手を焼かれるシーンは目を背けてしまうようなリアリティがあります。暗くて重い描写はそれだけで留まらず、兄弟のように仲がいいジュンがケンタをかばうような行動が一切なかったり、途中で出会うカヨちゃん(安藤サクラ)はブサイクであることを自覚しているがゆえに誰にでも体を許してしまうような女性だったりと、その具体的すぎる生々しさに同情を覚えてしまう演出がたくさん見られます。

そこもみどころのひとつですが、低賃金で働かされ、いじめを受け、友人にはかばわれなくとも感情の爆発がなかったケンタがラストでは一体どうなってしまうのかにも注目です!

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3.まほろ駅前多田便利軒


出典:Amazon.com

あらすじ

東京郊外の”まほろ市”で便利屋を営む多田啓介(瑛太)はバツイチだった。いつもと変わらぬ日を過ごしている最中、突然に同じバツイチ仲間である元同級生・行天春彦(松田龍平)がやって来た。

以前と変わった性格に驚きながらも二人で便利屋を運営していくのであったが…。

大森立嗣監督・「まほろ駅前多田便利軒」の撮影裏話!

・まほろ市のモデルとなった東京町田市では期間限定で作中に出てきたまほろ横丁を再現し、実際に住人がショッピングを楽しんでいました

・町田市全面協力の市内ロケではエキストラが200人以上も使われていて、中には住人も含まれていました

「まほろ駅前多田便利軒」の必見!みどころ集

まず、大森立嗣監督の得意とするハードな作風とはかけ離れた日常映画で驚いた方もいるのではないでしょうか。ですが、その完成度の高さはさすがの大森立嗣監督です。こういった日常コメディに近い映画も作れるのが、この監督の凄いところですね。

この作品は温かい物語です。主人公である啓介と春彦の正反対っぷりについ笑ってしまいます。常識を持ち合わせ、客に深く立ち入らない啓介と客も啓介もお構いなしにズカズカ、自分勝手に行動する春彦の違いはこの映画のみどころの一つです。

そんな二人の性格は反対であるが、過去にあった不幸な経験が元に今の性格が築け上げられた点では一緒です。そして、その二人の過去に絡んだ依頼が舞い込んできてシリアスなシーンに移りますが、その過程を違和感なく描き出しているため自然と涙を誘われてしまう場面もあります。

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4.さよなら渓谷


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あらすじ

閑静な渓谷がある近くで、息子を殺害した母が犯人として逮捕される。そして、その隣人夫婦の夫である尾崎俊介(大西信満)は、その母親と不倫関係にあったことが後に発覚し取り調べられてしまう。そのことを通報したのは俊介の妻・かなこ(真木よう子)であったことが気になった記者は二人の過去を調べるのだが…。

「さよなら渓谷」の監督、大森立嗣の撮影裏話!

・過去と現在で役柄が異なる役を演じた、真木よう子さんはそのハードぶりに役のように精神的に辛い中で撮影してました

・夫のDVシーンでは叩くふりでなく、実際に叩いて映画に臨場感を演出していました

大森立嗣監督・「さよなら渓谷」のみどころ!

本作品の注目ポイントは役者の演技の凄さで、かなこ役の真木よう子の悲壮感漂う演技に圧倒されて、まるで実際にその物語があったかのように感じてしまいます。

かなこの持つ辛い過去はかなこの人生に重くのしかかり、決して幸せになれないものでした。そんな人生に絶望している中で、辛い過去を引き起こした張本人である俊介と出会い、変化が訪れます。過去の罪を許してほしい俊介と俊介に惹かれ、許してしまいそうになるかなこの二人の関係性は特別で、そんな演出に予測がつかない気分にさせられる映画です。

そして、かなこと俊介の過去を踏まえた上でかなこの「通報」を受け入れて、罪をつぐなう俊介のシーンは本作品の最大のみどころと言ってもいいくらいです。

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5.光


出典:Amazon.com

あらすじ

東京の離島で暮らしていた少年・信之(井浦新)とその恋人・美花(長谷川京子)、信之と仲が良い輔(たすく)(瑛太)は天災の被害者だった。天災によって故郷に帰れなくなった三人は離ればなれになり25年後、偶然に再会してしまう。その時の恋人である美花を犯した男を殺したことのある信之は輔から「その時の写真がある」と言われ…。

知られざる撮影裏話‼大森立嗣監督の「光」!

・撮影時、この映画について問われた時に「見る人たちに答えを渡すのではなく、あなたはどうなんですかと挑発するように」と役者に返答していました

・そんな大森立嗣のキャスティングは役に合うかどうかではなく、「この人と仕事がしたいかどうか」を重要視していることをインタビューで話していました。

みどころ満載!大森立嗣監督の「光」

この映画に出てくる信之は人を殺した経験があり、普通に見えて冷酷な感情があります。無表情に人を殺す、その姿は見る人に恐怖与えてくれます。その光景も本作品のみどころの一つと言えますが、実は狂っているのは信之だけではなく、輔も恋人の美花も狂っていて、さらに4人目の”バケモノ”も出てきます。”人間のふりをした”バケモノたちをお見せしようと謳うキャッチコピーの通り、4人のバケモノが縦横無尽に行動していく人間の姿に驚き、身近にいるのではと思わせられる作品です。

大森立嗣監督も映画を「スリリングな遊び」と言い、この映画でこれまでの映画の作り方を一新して望んでいて、監督も映画も役者も「本能のまま」に動いた、「光」からは目が離せません。

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6.日日是好日


出典:映画『日日是好日』公式Twitter

出典:映画『日日是好日』予告編

あらすじ

母親から突然、茶道を勧められた大学生の典子(黒木華)は、当惑しながらも従姉の美智子(多部未華子)と一緒に嫌々通い始める。茶道の厳しいルールにうんざりしていた典子は、巷で「タダモノじゃない」と噂になっている先生、武田(樹木希林)と出会うのだが…。

映画「日日是好日」の大森立嗣監督・撮影裏話!

・故・樹木希林の演技を見てほしい制作側と早く鑑賞したい視聴者の多くの要望から、先行上映が急遽決定しました

・「お茶」がテーマである理由から、茶道にゆかりがある京都の建仁寺の献茶式で完成披露イベントをしていました

「日日是好日」・大森立嗣監督が魅せる、みどころ!

繰り返しの毎日にうんざりしていた典子が茶道に出会ったことで生きがいに溢れる物語ですが、その途中で出てくる武田先生役の樹木希林さんの言葉がどれも深く胸に染み込んできます。

「毎日同じ事が出来るって事は実は幸せなこと」と言っていた樹木希林さんの言葉の素晴らしさに感動してしまう人もいるはずです。樹木希林さんの演じる武田先生は典子にとっての人生を導いてくれる先生であり、まるで自分の身近にいるように思わされるその演技力は、本作品のみどころであると言えます。

そしてそれだけに留まらず、心象的な「風景」や「音」にも注目してしまいます。特に茶道は、周りが静かであるがゆえに茶道によって奏でられる、その音色には心を奪われてしまうほどのリアリティがあります。

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7.母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った

 母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った
出典:Amazon.com

出典:映画『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った』予告編

あらすじ

子どもの頃はお調子者でありながら病気がちなサトシ(安田顕)はいつも母・明子(倍賞美津子)に救われてきた。そんな優しい母親の元で育ったサトシは大人に成長した。しかし、その最中で母が突然、胃がんと診断されてしまう。そんなサトシは立場が代わり、次は自分が母に優しい言葉を投げかけ始めた…。

大森立嗣監督の「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った」撮影裏話!

・琵琶湖で絶叫シーンする際にヨットが横切ってしまったが、監督は撮り直しせず「画面に奥行きを与えてくれる」といい、そのまま使用していました

・この奇抜なタイトルが出来た理由は主人公が母の葬儀で、遺骨を見た時に思った感情から由来しています

「母をなくした時、僕は遺骨を食べたいと思った」の監督によるみどころ!

「死」という重いテーマであるはずなのに、クスクス笑えるシーンもあり、明るい印象に驚いてしまう。この映画はとても感情移入しやすい演出になっています。そして、大人になったはずのサトシが「母のがん」という事実に戸惑って声を荒げたりと子ども時代の「弱さ」を見せるシーンは、自分の立場だったらどうかと見る人が思わず考えてしまう場面になっています。

そんなサトシは母の葬儀では不思議と涙が出ず、常に冷静でいました。さらに母の遺骨を見て食べたいと思いう衝動に駆られます。その衝動は不謹慎とも言えますが、究極の愛情とも捉えることができ、大人でありつつも「子ども」の一面を見せるサトシから目が離せません。

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まとめ

大森立嗣監督の映画を7つご紹介しましたが、どれも映画の雰囲気が異なっていて、冷酷でハードな世界観のものから不意に笑ってしまうような映画、人間の繊細さ優しさを描いた映画もあります。

どんな映画も完成度高く演出してくれる大森立嗣監督には非凡な才能があり、どの映画からもそれを感じ取ることができます。そして、2019年に公開予定の映画「タロウのバカ」があり、また観客を沸かせてくれます。

なので、気になる大森立嗣映画を事前にチェックしてみてください。

この記事を書いた人
ひとっとび編集長
ひとっとび編集長

映画の情報サイト『映画ひとっとび』の編集長。 映画を「なんとな〜く」探している方から、「この映画の考察が知りたい!」というマニアな方まで楽しめるサイトを目指しています! 皆さんの映画ライフがもっと充実するお手伝いができますように。