映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』あらすじネタバレ&豪華なキャスト解説!
2017年に公開された『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』。本作は、島田典道と及川なずながある夏に経験する不思議な出来事を描いた青春映画となっています。
映画の中では十分な説明もない場面や不思議な演出も多く、鑑賞後には内容に疑問を持つ人も多かったんだとか。
この記事では、アニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』をネタバレアリで詳しく紹介していきます!!
目次
映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』について
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映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は2017年8月に、全国300館以上の規模で公開されました。
本作はもともと実写作品として制作した作品が元となっています。1993年にフジテレビで放送されたオムニバスドラマ『if もしも』の一編を想定して同名の作品が制作され、1995年には内容を長編に再構成した映画版が公開されました!
本作の制作の総監督には『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズの監督や、『<物語>シリーズ』の監督・シリーズ構成などを担当した新房昭之さん。
監督には『少女革命ウテナ』の作画監督などを務めた、武内宣之さん。そして、脚本には『モテキ』や『バクマン。』といった実写映画にて監督・脚本などを担当してきた大根仁さんがクレジットされています。
また、制作総指揮には、前年の夏休み映画として社会現象を巻き起こした『君の名は。』で企画・プロデュースにクレジットされている川村元気さんまでもが参加している、超豪華な製作陣なのです!
さらに本作は声優も豪華で、様々なメディアで大活躍中の広瀬すずさんや菅田将暉さんといった人気俳優が名を連ねています。
ネタバレなし!『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の簡単なあらすじ
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海岸沿いにある茂下(もしも)町。そこに住む典道は夏休みの登校日に、親友の祐介とプール掃除の為にプールサイドへやって来ます。しかし、誰もいないはずのプールサイドに、密かに典道と祐介が思いを寄せるクラスメイトのなずなが水着で寝そべっていました。
水泳の勝負で賭けをする三人。勝負に勝った祐介は、なずなにその晩行われる花火大会に誘われます。
しかし放課後、祐介は花火大会に行かないことをなずなに伝言するよう典道にお願いします。典道は言われた通り伝言を伝えるのですが、その結果、なずなは家出に失敗して親に捕まってしまいます。
「もし、あの時、水泳で俺が勝っていたら……。」
そう考える典道はなずなの持っていた謎の玉を投げたことをきっかけに、水泳の勝負をしていた時間へと戻っていくのでしたーー。
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のネタバレあらすじ
ここからはより詳しい内容を書いています。
ネタバレになりますので未鑑賞の方は注意してください!
【あらすじ①】水泳勝負に負ける典道
出典:映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』公式Twitter
夏休みの登校日、典道と祐介はプール掃除の為にプールサイドへ行くと、二人が密かに思いを寄せるクラスメイトのなずなに出くわす。水泳の勝負で賭けをする三人。勝負に勝った祐介は、なずなにその晩行われる花火大会に誘われたのだった。
しかし放課後、祐介は花火大会に行かないことをなずなに伝言するよう典道にお願いする。典道は言われた通り伝言を伝えたものの、なずなは家出に失敗して親に捕まった
後悔する典道。
「もし、あの時、水泳で俺が勝っていたら……。」
そう思って、なずなの持っていた小さな玉をふり投げる。その時、玉は発光し出すのだった。
【あらすじ②】水泳勝負に勝つ典道の世界
出典:映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』公式Twitter
気がつくと典道は水泳の勝負に勝っており、なずなから花火大会に誘われた。
状況に違和感を感じる典道だったが、約束通りなずなは家へやってくる。祐介から逃げるように、なずなを自転車の後ろに乗せて駆け出す典道。二人は花火大会ではなく、いつしか電車の駅に来ていた。
そこでなずなは典道に駆け落ちを持ちかける。遠くの町で暮らす生活を思い描くなずなだが、駅へ電車が来たのも束の間、なずなの両親が駅までやって来てしまった。
助けを求めるなずなだったが典道は引き止めることができず、二人は離ればなれになってしまう。
一人になった典道は、花火を観に行こうとする友人達に合流する。灯台に登って花火を観たその時、花火の違和感に気づいた典道は、再び時間をやり直す事を決心する。
祐介になずなを取り戻す事を告げた典道は、なずなと一緒に電車に乗れたらと叫び、なずなが残した玉を投げるのだった。
【あらすじ③】なずなと典道が電車に乗った世界
出典:映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』公式Twitter
駅でなずなを親に引き止められる時間にまで戻って来た典道。とっさになずなの手を取り、典道はなずなと一緒に電車に乗り込むことに成功する。
再び二人きりになった典道となずな。なずなはなぜ駆け落ちを思い立ったのか、過去の話や両親の話を語り出す。そして駆け落ちした先でアイドルになる自分を想像しながら、なずなは幼い頃に聞いた歌を歌うのだった。
その時電車の窓から、祐介を含む友人たちや、電車を車で追いかけるなずなの両親たちに見つかってしまう。
次の駅で降りた2人は追いかけてくる友人達や両親達を間一髪で振り切り、灯台まで逃げてきた。灯台の最上部に上がって来たその時、花火が打ち上がるのだが、なぜかその花火は花弁のような形をしていた。違和感を感じる典道だったが、なずなはそれでも良いと言う。
しかし、そんな二人を追って、祐介や両親が灯台まで追いかけて来てしまう。
もし、みんなに見つからずに入られたら、二人きりで入られるのに、と願う典道。そこへ祐介が飛び込んできて、二人は灯台から突き落とされてしまう。
とっさに典道は玉を海へ投げ込み、それに続いて二人は海へ沈んでいくのだった。
【あらすじ④】祐介やなずなの母に見つからなかった世界
出典:映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』公式Twitter
気づくと典道となずなは、二人きりで電車の中で会話をしていた時間に戻っていた。うっかり電車の窓から祐介やなずなの両親に見つかる直前、典道はなずなに覆いかぶさるように窓から避けることで、みんなに追われてしまう事態の回避に成功する。
しかしその直後、電車は海の上を走り出す。状況の異変を感じるなずなに、典道はなずなに貰った玉を使って何度も時間をやり直している事を打ち明けるのだった。
全てを話しながらも、こんな話信じるわけないと述べる典道。しかしなずなは、典道の言う事であれば信じる、と応えるのだった。
【あらすじ⑤】二人きりで海で泳ぐ二人
出典:映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』公式Twitter
駅を降りる二人。街にはさらに異変が起こっていた。
異変が起こって知る街を前に、元に戻すように玉に願えば、元の世界に戻れるのではないかと思いつめる典道。しかし、元の世界に戻るとなずなと離ればなれになると思ったら、典道はおかしな世界のままで良いと叫ぶのだった。
そんな典道に、泳ぎたくなったと海へ誘うなずな。先に海に飛び込んだなずなは典道に、次会えるのはいつなのか問いかける。
その頃、典道が投げたであろう玉は大型になり、浜辺に打ち上がっていた。そこへ通りかかった花火師によって玉は打ち上げられてしまうのだった。空中で弾けてバラバラになる玉。その破片には、典道やなずなが思い描く、もしもの世界が映っていた。
それを眺めた典道は、なずなの居る海へ飛び込む。水中で口付けをする二人は、抱き合う。
「次会えるの?どんな世界かな?楽しみだね。」
そういって、海上へと一人泳いでいくなずな。
場面は変わり、典道の学校。典道のクラスで順に点呼を取っていく先生だったが、先生が呼びかけても、それに応える返事はなかったのだった。
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のボイスキャスト
島田典道 / 菅田将暉
出典:映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』公式Twitter
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の主人公・島田典道。祐介がなずなとの約束を破った事をきっかけに、不思議な世界へと迷い込んでいってしまう男の子です。
性格はどちらかというと、一歩引いてしまいがち。そのせいで、何度も後手にまわってトラブルに出くわしてしまいます。なかなか自分の気持ちにも正直になれずにいるのですが、物語を経て、思いを伝えるようになっていきます。
そんな典道役を演じるのは、俳優活動だけでなく歌手としても大活躍している菅田将暉さん。『仮面ライダーW』に出演しブレイクした菅田将暉さんは、本作の公開前にもドラマ『民王』や映画『溺れるナイフ』などに出演しており、また歌手活動もスタートし注目を集め人気急上昇の最中でした。
本作の出演の後、映画『帝一の國』や『銀魂』、『となりの怪物くん』などで立ち続けに主要キャラクターを務め、「さよならエレジー」や「まちがいさがし」といったヒットソングなども歌い、2019年にはついに紅白歌合戦に出演されるほどの実力派。『打ち上げ花火〜』への出演はまさに今ほどのブレイクに至る過渡期の出演だったと言えますね!
そんな菅田さんの吹き替えは、実写映画の『シャザム!』でシャザム役こそ務めたものの、実は2020年現在、アニメーションとしては本作が唯一の出演作。菅田さんのキャリアにおいても実は貴重な作品と言っても過言ではありません。
【2023版】演技派俳優・菅田将暉のおすすめ映画20選!及川なずな / 広瀬すず
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『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のもう一人の主人公が及川なずな。典道と同じクラスメイトで、大人びた容姿の女の子です。
両親は二度の離婚を経ており、ちょうど三度目の再婚をきっかけに、転校しなければいけないという境遇に立たされています。そんな経緯もあって典道に駆け落ちを持ちかけるなど、まだまだ子供っぽい行動に出てしまうこともあるのですが、内心はそんなうまくいくことはないということも悟っているところが、典道よりも少し大人と言えるかもしれません。当初は祐介を花火大会に誘ったりと、その内心は人を翻弄するような一面もあります。
典道が何度も時間をやり直すきっかけとなる不思議な玉を見つけるのも実は彼女。もしかするとこの物語は全てなずなの思惑の内だったのかもしれません。
そんななずなを演じるのは、映画にCMにと活躍の場を広げる広瀬すずさん。公開当時も『海街diary』や『ちはやふる』、『四月は君の嘘』などの映画に出演し、本作の公開後には『三度目の殺人』、『ラストレター』、『一度死んでみた』など、コンスタントに邦画の話題作で主演やキーキャラクターを務めて来ています。
アニメーション映画の吹き替えは『バケモノの子』のヒロインである楓役を担当していたり、後年には『ルパン三世 THE FIRST』のヒロインのレティシア役に抜擢されたりと本作だけに収まらない活躍を見せています。
ただ、本作唯一と言ってもいい特徴に歌唱シーンがあります。劇中曲である松田聖子さんの「瑠璃色の地球」を、なずなとなって広瀬すずさんが歌っています。歌手活動をしていない広瀬さんの歌が聞けるという意味でも、非常に貴重な映画となっています。
人気と実力を兼ね備えた女優「広瀬すず」出演おすすめ映画 10選【厳選】安曇祐介 / 宮野真守
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典道の親友として登場するのが安曇祐介。典道との水泳勝負に勝って、最初になずなに花火大会に誘われるのは彼なのになぜか強がってしまい、約束を破ってしまいます。とはいえ、内心はなずなに好意を持っており、いざ典道がなずなと駆け落ちをすると、激怒したりと素直じゃない性格。そう言った自分勝手なところや、下ネタをすぐ口にしたりするところなどは、典道よりも子供っぽいと言えるかもしれません。
そんな祐介役を演じるのは、人気実力派声優の宮野真守さん。『DEATH NOTE』の夜神月役や『文豪ストレイドッグス』の太宰治役、『炎炎ノ消防隊』の新門紅丸など長期シリーズの主役やメインキャラクターなどを務めてきている方です。また舞台や歌手活動、さらにはバラエティ番組にも出演するなどマルチな才能を発揮しています。
なずなの母 / 松たか子
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なずなが家を飛び出してきてしまう一番のきっかけを作ってしまうのが、なずなの母。子供に引越しのための手紙を一方的に渡したりと言うように自分勝手な一面が垣間見れますが、なずなを追いかけるそぶりから、彼女なりになずなの事を大事に思っているようです。
過去には二度の離婚を経験しているようで、駆け落ちをしたという過去も持っています。その際の相手との間にできた子供がなずなであり、直接は明言されていないものの、その際の相手と思われる男性とは死別していると思わせる場面も映画では登場します。
そんななずなの母役を演じるのは、女優や歌手として活躍している松たか子さん。登場場面こそ限られてはいるので、贅沢な使い方をしていますが、随所で聞き覚えのある松たか子さんの声を聞くことができます!
松たか子さんといえばドラマ『HERO』や『マスカレード・ホテル』、吹替では『アナと雪の女王』のエルサ役など大活躍をしています。最近では今作で共演している広瀬すずさんとは『ラストレター』でも共演。時代設定こそ違いますが、広瀬すずさんとの姉妹役として出演していたりします。
映画『打ち上げ花火〜?』に関する3つの疑問
SFの要素も盛り込まれているということで、映画を観ていると多くの疑問が湧いてくると思います。
今回はこの映画に関する代表的な謎について、解説していきますよ!
【疑問①】二人は最後どこへ行ってしまったの?
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この映画の最大の謎とも言って良いのが、映画の結末です。ラストシーンでは、典道たちのクラスで点呼が行われるのですが、そこには典道の姿はなく、何度も先生が呼びかけて物語が終わってしまいます。なずなは引っ越してしまったとしても、果たして、典道はどこへ行ってしまったのでしょうか?
映画ではその結末について想像の余地を残すように終わらせているのですが、実は物語の展開から、その行方がある程度示唆されています。
映画の最後、次会えるのはいつなのかと問いかけるなずなに、典道はなずなと一緒に居たいと望み、海へ飛び込みます。このシーンから、典道は最後にはなずなと共に人生を歩んでいく決心を決めたことがわかります。
そしてそのシーンの後、次の世界での巡り合わせを暗示するセリフを残してなずなは去って行きます。こういったセリフからも、典道がこれから別の世界へと移っていくことを暗示しています。
そしてその直後、水面に波紋が広がるアニメーションが流れ、場面が移り変わります。あの波紋はまさに典道が次の世界へと移ったことを示しているのではないでしょうか。どういった世界が待っているのか……その明確な答えは映画では描かれていませんが、典道は自身が望む世界へと飛び込んでいったのだと思われます。
【疑問②】そもそも花火は丸いの?平べったいの?
出典:映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』公式Twitter
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』で何度も出てくる疑問の一つが、打ち上げ花火を横から見ると、平べったく見えるのか、丸く見えるのか、ということ。映画ではその結論は出てこないので、本当はどっちなの?という人も居るかもしれませんが、実際の答えを述べておくと、現実では丸く見えるのが正解!
花火は球体状の火薬が球状に爆発するので、360度どこから見ても丸く見えます。花火の種類によっては、平面に爆発するものも存在はするのですが、映画で登場しているような花火は、横から見ても下から見ても丸く見えます。だからこそ、もしもの世界で平面に爆発する花火に典道は違和感を感じたわけですね!
ただ、この映画では決してそれが正解とは明言しません。花火が平べったい世界であろうと、花弁のような花火であろうと、それが間違いではないということを示唆していると言えるのかもしれないですね。
映画の最後に、典道は花火が球状に爆発する世界とは別の世界へと旅立っていってしまったとも考えられます。ですが、それをこの映画では間違ったことではないと、後押ししてくれていると言って良いのではないでしょうか。
【疑問③】なんだか登場人物が子供っぽい?
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この映画の違和感に、中学生であるはずの典道や祐介、さらにはその同級生が子供っぽく見える瞬間が多々あると思います。
すぐに下ネタを言ったり、女性の胸の話ばかりしていたり、そもそも花火がどう見えるかという疑問も中学生らしくない疑問と言えるかもしれません。ですが、その秘密は本作の元となる実写版に隠されています。
もともと実写で制作された際には、典道や祐介、なずなたちは小学生として描かれていました。『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』はもともと、小学生の一夏の物語だったのです。
このアニメ映画では、そんな主人公たちを中学生へとアレンジしていながら実写版のシーンを多く引用していることもあり、登場人物の幼稚な言動に違和感が生まれているのかもしれません。
ちなみに実写版の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』で及川なずな役を演じていたのは、当時まだ子役として活躍していた奥菜恵さん。その大人びた少女の姿が、多くの人の印象に残りました!
まさにそんな奥菜恵さんを現代版にしたのがこのアニメ版のなずななわけですが、今回の映画でキャラクターデザインを務めたのは『<物語>シリーズ』のアニメでもキャラクターデザインを務めていた渡辺明夫さん。同シリーズも艶かしい女性キャラクターの人気が高かった作品ですが、当時の奥菜恵さんの姿の衝撃を現代に描き直すと、渡辺さんのイラストになると思うと面白いですよね。
まとめ
不思議な内容が詰まった『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』について、あらすじやキャスト、秘められた内容まで一挙に紹介してみました。
一度観ただけでは疑問も残ることが多い映画だとは思います。それだけに、このまとめをお供にもう一度映画を観てみると、より腑に落ちるのではないでしょうか!
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