『ラ・ラ・ランド』に秘められたメッセージとは?そのあらすじと伏線を徹底解説!
2017年2月に公開された映画『ラ・ラ・ランド』は、色鮮やかで目を楽しませるミュージカルシーンや、切なくも美しいロマンティックなラストが話題となり、劇場に何度も足を運ぶリピーターが続出。
アカデミー賞では、監督賞や作品賞を含め13部門で14ノミネートされるなど、観客のみならず批評家からも高い評価を得た本作ですが、なぜそれほどまでに人々を惹き付けるのでしょうか?
この記事ではそんな『ラ・ラ・ランド』の隠された魅力や伏線などを、あらすじと共にご紹介します!
- 「若き天才」デミアン・チャゼル監督について
- 名作映画へのオマージュ
- 魅力的なキャストたち
- ラ・ラ・ランドのあらすじ(ネタバレ有り)
- ラ・ラ・ランドに隠された5つの秘密
目次
【ネタバレなし】ラ・ラ・ランドの簡単あらすじ
カフェのウエイトレスをしながら女優を目指すミア(エマ・ストーン)とジャズピアニストを目指すセバスチャン(ライアン・ゴズリング)は、出会い方こそ最悪だったものの、何回か偶然会う度に自然と恋に落ちる。
2人が住むのは、夢を追いかける若者が集まる街・ロサンゼルス。
ミアは一人芝居の準備をはじめ、セバスチャンは友人・キース(ジョン・レジェンド)のオファーを受けてバンドメンバーに加わることになった。しかしセバスチャンのバンドが人気になっていくうちに、2人の間にも溝ができてしまう。そしてやがて決断の時が来てーー。
ヒットの理由はここに有り⁉︎映画『ラ・ラ・ランド』について
興行収入450億円以上を叩き出し、2017年を象徴する大ヒット作となった『ラ・ラ・ランド』は、なぜこんなにも多くの人に愛されるのでしょうか?
その秘密は、本作に対するデミアン・チャゼル監督の思い、夢を追いかける華麗さ、そして所々現れる映画愛など、挙げるとキリがないほど。その理由とともに、説明していきます!
異色な経歴の持ち主!【若き天才】デミアン・チャゼル監督
本作『ラ・ラ・ランド』の監督、脚本を担当したのは、若き鬼才デミアン・チャゼル。前作の監督作品『セッション』では、異常なまでに完璧に固執するジャズドラマーとそのコーチのレッスンの日々を題材にし、賛否両論はあれど、大きな話題となりました。チャゼル自身も元々ドラマーであり、自分のドラマーとしての素質に限界を感じ、映画製作に転向したそうです。
2010年時点で『ラ・ラ・ランド』のシナリオを書き上げていたものの、ピーター・ボグダノヴィッチ監督の『アット・ロング・ラスト・ラブ』、フランシス・フォード・コッポラ監督の『ワン・フロム・ザ・ハート』など、名だたる名監督がハリウッド式ミュージカル映画に挑戦しては大コケするという過去があったため、どの製作会社も受け入れてはくれませんでした。
2.5億円という制作費ながら130億円という興行収入を叩き出した『セッション』は、アカデミー賞5部門ノミネート、3部門受賞という大成功を収めます。綺羅星のごとく現れ、業界にその才能を見せつけたチャゼル監督は、ついに『ラ・ラ・ランド』の製作を始め、完成に漕ぎ着けます。まさに『ラ・ラ・ランド』のようなサクセスストーリーですよね!
チャゼル監督の強すぎる映画愛!
『ラ・ラ・ランド』は、さまざまな名作古典映画を引用し、その素晴らしいエッセンスをふんだんに織り交ぜています。映画監督であれば、自分が影響を受けた映画はあまり言わないのが普通なのですが、チャゼル監督はその強すぎる映画愛から、数々のインタビューで「元ネタ」を公言しています。
例えば、映画の中でも印象的なLAの夜景が見える場所で二人が「A Lovely Night」に合わせて踊るシーンは、1953年の映画『バンド・ワゴン』や、1952年の映画『雨に唄えば』のワンシーンにそっくりです。ライアン・ゴズリングが街灯に手をかけるシーンなんかはまさにそれですね!
また、冒頭の「Another Day Of Sun」から始まる渋滞の中のミュージカルシーンは、1960年代のフランス映画『ロシュフォールの恋人たち』をオマージュしています。
さらに、終盤の「あったかもしれない二人の未来」の「Epilogue」で二人がワルツを踊るシーンは、1940年の映画『ブロードウェイ・メロディ』のタップダンスのシーンをオマージュしています。
他にも、『ロシュフォールの恋人』の前作となる『シェルブールの雨傘』や『Shall we dance』『ムーラン・ルージュ』などからさまざまなオマージュを散りばめており、それを探しながら見ると、より楽しめます!
実はこんな人まで!魅力たっぷりのキャラクターと配役
ハリウッドを追い続けるミア(エマ・ストーン)
本作のヒロインである、ミアことミア・ドーラン。ロサンゼルスでルームシェア暮らしをしながら女優として活躍することを夢見る彼女はは、オーディションを何度も受けては落とされます。ワーナー・ブラザーズの撮影所のカフェで働いており、そこにくる女優を羨望の眼差しで見る日々です。勤務態度が悪いのが玉に瑕。
演じるのは、『アメイジング・スパイダーマン』などで一躍有名となったエマ・ストーン。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』では不良少女役を演じ、アカデミー賞助演女優賞にもノミネートされた実力派女優です。ガリガリの薬物中毒患者から、夢見る女優の卵まで演じきる幅の広さに驚きますよね!
エマ・ストーン出演のおすすめ映画10選|高い演技力と唯一無二のルックスで人気!ジャズを愛してやまないセブ(ライアン・ゴズリング)
本作のもうひとりの主人公、セブことセバスチャン・ワルダー。売れないピアニストで、レストランやパーティで演奏して日銭を稼いでいます。ミアと同じく、勤務態度が悪く、よく注意を受けます。ジャズが時代遅れとされ、衰退する昨今の状況を嘆いており、古き良きジャズを演奏するレストランを経営するのが夢ですが、うまくいかず、姉のローラから定職に付くように言われる日々にうんざりしている様子。
演じるのはライアン・ゴズリング。子役の頃から活躍しており、ゴールデングローブ賞では常連という実力派俳優です。『ブレード・ランナー2049』で主人公のレプリカント役を演じたことでも話題となりました。
オーナーのビルは『セッション』のJ・K・シモンズ
『セッション』でアカデミー賞助演男優賞を受賞した実力派俳優のJ・K・シモンズ。『ラ・ラ・ランド』にも出演しています。今回はセブが演奏するバーのオーナー役。『セッション』では鬼教官役として怪演を見せたためか、役柄こそ頑固オヤジなものの、ミュージカルシーンでノリノリなところを見ると思わず笑ってしまいます。
ミアのルームメイト役に日本人!?ソノヤ・ミズノ
本作に唯一日本人キャストが出演していたことをご存知でしょうか?ミアのルームメイトのアジア系女子、ケイトリンを演じたのは日英ハーフのソノヤ・ミズノです。(画像では一番右端の黄色のドレスを召した方です!)
本作の他には『エクス・マキナ』でアジア人の召使いロボット役を演じていました。今後の活躍が楽しみですね!
『ラ・ラ・ランド』のあらすじ
【冬】ミアとセブの最悪な出会い
舞台はロサンゼルス。高速道路は大渋滞でクラクションが鳴り響く。この物語の主人公であるミアもその渋滞につかまっている一人だ。彼女はオーディション会場に向かう途中で、台本を暗唱している。その時、後ろの車のセブからクラクションを鳴らされ、さらにイライラが募る。
ある日、オーディションに落ちたミアは家に帰ると、ルームメイト達がクリスマスパーティーに行く準備をしていた。最初は乗り気でなかったミアも誘われるまま付いていく。セレブたちに顔を売るために参加したはずが、ここでもうまく行かず、車もレッカーされてしまうという散々な目にあう。
沈んだ気分で帰路につくミアは、あるバーからジャズピアノが流れてくるのを聞く。その音楽に惹かれるようにバーに入るミア。ピアノを弾いていたのは渋滞でクラクションを鳴らしてきたセブだった。セブはクリスマスソングを弾くことに嫌気がさし、契約を無視し、勝手にジャズ(Mia & Sebastian’s Theme)を演奏していたのである。曲に惚れ込んだミアは彼に話しかけようとするが、曲目通りに演奏しなかったことで解雇されたセブは、彼女を無視して店を出る。
【春】実は運命!?惹かれあって行く2人
ミアのオーディション三昧の日々は続く。ある日、パーティーに参加したミアは、そこで生バンドでキーボードを弾いているセブを見つける。フロック・オブ・シーガルズの”I Ran”をリクエストし、彼をからかったミアは、ナンパしてきた脚本家を振り切るために、セブとそのパーティを抜け出す。夜景の見える丘に着いた二人は、ロマンチックなひと時をともに過ごす。
数日後、セブとミアは、二人でお互いの夢を語り合う。ジャズについて熱く語るセブにミアはジャズが嫌いと主張する。セブは本物のジャズを見せるためにミアをクラブに連れて行く。そして、ミアの女優への道のために映画『理由なき反抗』を観に行く約束をして別れる。
セブとの約束の日、ミアは彼氏との夕食の約束をすっかり忘れていた。セブの約束に未練を感じながら彼氏との食事会に向かう。乗り気のしない夕食の最中、ミアの耳にしたのは、セブと出会った日に彼が弾いていた曲だった。運命を感じたミアは彼氏に別れを告げ、セブのもとへ向かう。機材トラブルから上映中止となった映画館をあとにし、二人はグリフィス天文台を訪れる。二人はプラネタリウムの星空に見守られながらワルツを踊る。こうして、二人の交際が始まる。
【夏】”成功”と”夢”の間に揺れる関係
2人はめくるめく日々の中でデートを重ね、愛を育んでいく。しかし、2人とも夢へはまだ遠い。セブは開業資金を貯められずにおり、ミアは相変わらずオーディションに落ちる日々だ。彼女はセブの助言で、一人芝居の脚本を書き始める。ミアはセブの店の名前を”Seb’s”にしようと提案するが、チャーリー・パーカーを尊敬するセブは、彼がチキン好きなことからとった”Chicken On A Stick”という店名を譲らない。
同じ頃、セブは旧友キース(ジョン・レジェンド)と再会し、バンドに入らないかと誘いを受ける。しかし、それはセブのやりたい音楽ではなかった。キースはチャーリー・パーカーやマイルズ・デイビスを引き合いに出し、ジャズという革命を起こした先人達も新しいことに挑戦したはずだと説得する。彼の力説に折れたセブは、店の資金集めという名目でバンドに加入することになる。
彼らのバンドの初披露を見に行ったミアは、これはセブのやりたかった音楽ではないと感じ、自分の夢に向かって突き進んでいたあの頃のセブと重ね合わせ、落胆してしまう。奇しくもバンドは大成功するが、2人の距離は開くばかりであった。
【秋】別れとそれぞれの道
セブはバンドのツアーで世界を飛び回り、忙しい日々を送る。一方ミアは部屋で一人、芝居の脚本を執筆する日々。しかしある日ミアが家に帰ると、サプライズでセブが部屋に来ていた。セブは自分のツアーに同行しないかと誘うが、自分の公演の準備で忙しいため、これを断る。さらに、ミアはセブの自分の現状に甘んじている事を指摘し、自分の店を持つ夢はどうしたのかと問いただす。セブのサプライズは最悪の結果に終わり、ミアは家を出るのだった。
そして迎えた公演当日。客席はほぼ空席だった。さらに観客が終演後に自分の芝居をバカにしているのを聞いてしまう。雑誌の撮影があり、ミアの公演を気にしていたセブも急いで駆けつけたが、公演には間に合わなかった。ミアはすっかり自信をなくし、セブに夢の終わりと別れを告げ、故郷に帰る。
数日後、ミアの実家にセブがやってくる。たまたまミアの舞台を観た配役ディレクターが絶賛しており、ぜひオーディションに来てほしいというのだ。ミアは再びオーディションを受ける。オーディション後、二人はグリフィス天文台で夢を語り、再びお互いの愛を確認し合う。
【数年後】運命的な再会と、お互いの人生
それから数年後、ミアは大女優になっており、セブは自分の店を持っていた。あの頃の夢だった古き良きジャズが流れる店だ。ミアが家に帰ると愛する夫と娘が待っていた。しかしその夫はセブではなかった。
ミア夫妻は夜のデートに出かける。しかし、高速道路は相変わらず渋滞しており、予定に間に合いそうにない。高速を降りてディナーにすることにした二人は夜の街を歩く。たまたま二人が入った店には”Seb’s”という看板が掲げてあった。そう、あの時ミアがセブに提案した店名である。店にはジャズが流れており、客がひしめき合っている。
ステージ上でバンドを紹介したセブは、ミアが来ていることに気づく。そしてセブは自らピアノの前に座り、二人が出会ったときに彼が弾いていた曲(Mia & Sebastian’s Theme)を演奏し始める。「あったかもしれない二人の理想と未来」が走馬灯のように流れる。曲が終わると、ミアの夫は「もっと聴くかい?」と尋ねるが、ミアはそのまま店を出ていく。
最後に二人は目を合わせ、お互いの気持ちを理解し合うように頷き、笑みを浮かべるのだった。
これを知らずに観るなんてもったいない!『ラ・ラ・ランド』5つの秘密
ライアン・ゴズリングのピアノは本人が演奏
チャゼル監督は、前作『セッション』でもリアルな演奏シーンを撮るために、役者本人に演奏させたことは有名な話です。『ラ・ラ・ランド』でも、劇中で演奏されるセブのピアノは、ライアン・ゴズリング本人が弾いています。彼はセブの役を演じるために、忙しいスケジュールの合間をぬって1日2時間3ヶ月もの間、猛特訓したそうです。その特訓の成果であるピアノシーンは、本作でも共演を果たしたジョン・レジェンドが嫉妬するほどの実力でした。
本来、映画の中の演奏シーンでは、プロの演奏家の手元だけをクローズアップして撮影したものを編集するのが一般的ですが、『ラ・ラ・ランド』では、俳優本人に演奏させることによって、重要な演奏シーンをよりリアルに演出しました。
衣装にも注目!衣装チェンジはまさかの○○回!?
『ラ・ラ・ランド』の特徴といえば、めくるめく鮮やかな衣装。ミュージカルシーンはもちろん、ストーリーにおける登場人物の心情の変化や、展開に合わせて変化します。主演のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングは本作でそれぞれ50着もの衣装を着用したそうです。本作で衣装デザイナーを担当したメアリー・ゾフレスは、インタビューで「感情を伝える手段として色を重視した」と答えています。
ミュージカル映画全盛期は、カラー映画の黎明期でもあります。メアリーとチャゼル監督は『シェルブールの雨傘』『バンドワゴン』『有頂天時代』といったその頃の名作ミュージカル映画をリスペクトし、現代版にアップデートさせたのです。
夕焼けのシーンはこだわりすぎ!?
本作での名シーンといえば、ミアとセブがパーティを抜け出し、ハリウッドの街に沈みゆく夕焼けが見える丘でタップダンスを踊るシーンですよね。この非常にロマンチックなシーンは、並々ならぬ俳優たちと撮影班のこだわりと努力がありました。
文字通り幻想的で美しいあの夕焼けは、一見するとCGに見えますが、本物の夕焼けで撮りたいというチャゼル監督たっての希望で、CGを使わずあのシーンを撮ったのです。夕焼けが最も美しい時間は2日で30分ほどしかなかったそうです。その時間内にダンスシーンをすべて撮らないといけないので、主演のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングは、1日にたった5回しか撮れないという緊迫感のある撮影だったそうです。
賛否両論!切ないエンディングに込められたメッセージとは?
チャゼル監督は本作のテーマを、「叶う夢もあれば、叶わない夢もある」としたと語っています。題名である『ラ・ラ・ランド』は、『La La Land』と書きます。それはロサンゼルスの別名であり、あちらでは「彼女はラ・ラ・ランドに住んでいる」というと「彼女は夢見がちで現実を見ていない」という意味になるのです。
ミアが働くワーナー・ブラザースのカフェへセブが忍び込むシーンで、映画『カサブランカ』で実際に使われたセットを説明する場面があります。『カサブランカ』といえば、ロマンチックな恋愛の中に現実が顔を見せるような作品で、劇中には「いい思い出だけにしておきましょう」というセリフもあります。まさに『ラ・ラ・ランド』のラストシーンですよね。チャゼル監督は本作を単純なラブストーリーにせずに、愛と夢を天秤にかけた二人の物語として落としこんだのです。
前代未聞の快挙!【アカデミー賞14部門ノミネート】
『ラ・ラ・ランド』は、前哨戦であるゴールデングローブ賞で、作品賞、主演女優賞、主演男優賞、監督賞などを見事すべて受賞するという快進撃を見せました。
続く第89回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞、主演男優賞、脚本賞、撮影賞、作曲賞、歌曲賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、音響編集賞、録音賞と、最多14部門にノミネートされました。これは、『イヴの総て』(1950)、『タイタニック』(1997)に並ぶ快挙です。ノミネートされたうちの6部門で受賞しましたが、惜しくも作品賞は逃してしまいました。
式当日では、発表の際に作品賞のプレゼンターであるウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイが誤って「作品賞は…ラ・ラ・ランド」と言ってしまう珍しいハプニングもありました(実際は『ムーンライト』が受賞)。
その際、ラ・ラ・ランドのプロデューサーが「一度手にしたオスカー像を自分の手で、ムーンライトに渡したい」とお互いの作品を称え合ったのは印象深いシーンでした。
(会場の一同が驚く中、なぜかライアン・ゴズリングだけはニヤニヤしていました(笑)。)
まとめ
『ラ・ラ・ランド』をあらすじや小ネタ等を交えて徹底解説しました。完璧なハッピーエンドとは言い難いラストで賛否の議論を呼びましたが、間違いなく後世に残る名作として語り継がれるでしょう。一度観たよ、という方も、今回ご紹介させて頂いた、監督がインスピレーションを受けた作品を参考にしてもう一度観ると、監督がこの作品に込めたメッセージをより深く理解することができるはず。
また、『ラ・ラ・ランド』の公式サウンド・トラックは劇中で流れる”Mia & Sebastian’s Theme”など、印象的な音楽が多数収録されており、映画を観た後は欲しくなること間違いなしです。