映画『亜人』のあらすじネタバレ解説|徹底的な役作りが光るアクションシーンが魅力!
佐藤健さん、綾野剛さんというアクション俳優と言っても過言ではない身体作りからストイックに行うことで有名なお二人の激しいアクションのぶつかり合いで話題になった映画『亜人』。興行収入14.4億円を記録して大ヒットとなりました。
映画『亜人』の原作は、桜井画門さんが講談社の『good!アフタヌーン』にて連載されていた漫画作品です。
亜人という人間の亜種がいる世界。亜人は、どんなに急所を狙われて生命を落としそうになっても自己回復し、死を迎えることがありません。だからこそ、亜人を恐れた人間は亜人をコントロールすることに躍起になっています。
亜人と人間は相容れぬ生物ですが、そんな中、亜人でありながらも人間の世界で生きていきたいと思っている青年と、亜人が支配する世界を望む青年の、それぞれの正義のぶつかり合いがこの物語の軸となっています。
この記事では、そんな映画『亜人』の魅力やネタバレ考察、演じられた俳優さんたちの情報、映画の見どころなどを紹介していきます!!
目次
映画『亜人』について
映画『亜人』は桜井画門さん原作の同名漫画です。主演は映画『るろうに剣心』シリーズで緋村剣心役として複雑且つ激しいアクションを見事に演じきった佐藤健さんとその肉体美とストイックな役作りで有名な綾野剛さん。
佐藤健さんは元々、仮面ライダー電王で主役を演じ、故・三浦春馬さん主演のアクションミステリー『ブラッディ・マンデイ』でも、三浦春馬さん演じる主人公の親友として、要所要所で主人公を助ける重要な人物を演じています。
若い頃からアクション関係の作品の出演が多かった佐藤健さんでしたが、満を持して出演したのが映画『るろうに剣心』でした。剣技のアクションで非常に難しく、原作ファンも多い漫画作品だったので、公開前は不安の声も聞かれましたが、蓋を開けてみたら佐藤健さんの見事なアクションに原作ファンも大満足でした。
映画『亜人』でも綾野剛さんとの一騎打ちの際、その見事な反射神経と身のこなしで美しいアクションを見ることができます。
今回共演している綾野剛さんは映画『るろうに剣心』でも、佐藤健さんの敵役でした。
綾野剛さんもまた役作りのストイックさで有名であり、映画『亜人』の佐藤役でも、食事はタンパク質中心で、筋力を増強したのだとか。
映画の中で上半身の裸体のシーンが出てきますが、美しいくらいの筋肉を見ることができます。
10秒で分かる!映画『亜人』の簡単なあらすじ
ある日、交通事故で生命を失った研修医の永井圭は、自己再生していく身体を持つ亜人であることを知る。
そのまま研究施設に運ばれた永井圭は、政府機関によって研究対象として過酷な虐待を受けることになった。
このまま死んでしまいたいと思うような日々の中、同じ亜人である佐藤という人物によって助け出され、仲間になるよう促されるがそれを拒否して逃走。
政府機関に佐藤に追われることになるが、佐藤の凶悪な行動に対して自身が止めることを決意し佐藤と戦うために再び舞い戻るのだが……。
映画『亜人』のネタバレあらすじ
【あらすじ①】佐藤との出会い
研修医として充実した日々を送っていた永井圭(佐藤健)はある日、トラックに轢かれて重体となり病院に搬送される。緊急の処置も虚しく、永井は手の施しようがなく亡くなってしまった。
ところが時間が経つにつれて永井の身体は自己回復していき、ついに蘇るーー。
自分の身に起こったことに戸惑う永井。永井は、永遠の生命を持つ新人類『亜人』だったのだ。
永井は研究施設へと運ばれ、実験体として凄惨な人体実験を施される。それは死んだほうがマシだと思われるような苦痛を伴う実験だった。
そんな実験が繰り返されていたある日、佐藤(綾野剛)が研究施設に現れ、永井を助け出すが、それは自分たちの仲間に永井を引き入れたいからであった。永井は佐藤の誘いを断ったが、そんな永井に佐藤は戦いを挑む。
佐藤の圧倒的な戦闘力の前に、永井は逃げることしかできなかった。しかし、逃げている時に亜人の本当の力を知ることになった。
それは、亜人にはIBMと呼ばれる分身を出す能力があり、永井もまた無意識にIBMを出現させ戦闘させることができるというもの。永井は自身のIBMに戦闘に参加させながら命からがら研究施設から逃げ出し、どこかの村へとたどり着いた。
その頃、佐藤は亜人自治区の成立を目指してマスコミを集めて、人間たちの極悪非道を訴えるのだった。
【あらすじ②】佐藤の暴走と永井の決意
その頃、入院していた永井の妹の病室に政府機関の下村泉(川栄李奈)が訪れる。下村は永井の妹に永井の居場所を教えるよう説していたが、妹は応じない。
そんな中、佐藤の仲間である田中(城田優)のIBMが病室に現れ下村を串刺しにしてしまう……。
目の前で起きている光景が信じられない永井の妹。更に信じられない光景を目の当たりにした。死んだと思われた下村が蘇り、下村のIBMである『クロちゃん』と田中のIBMが死闘を繰り広げのだ始めた。
IBM同士が死闘を繰り広げている間に、下村と永井の妹は病室から逃げ出した。
妹は、何とか永井と合流し、永井が保護してもらっている老婆の元で永井とともに生活を始める。
永井は、村で老婆と妹とともに生活しながら、自身のIBMである『ユーレイ』を躾けようと試みた。
永井と『ユーレイ』は、初めは全く噛み合わなかったが、少しずつ連携が取れるようになっていったーー。
そんな中、佐藤は亜人自治区の成立に応じない政府に業を煮やし、マスコミを通じて全国の亜人に声をかけ国を奪うことを呼びかけた。佐藤のその様子をPCで複雑な思いで観ている永井。そして、佐藤はついにクーデターを始めたのだ。
それは、厚生労働省に飛行機を追突させるという恐ろしい行動から始まっていった。
永井はそれを見て佐藤を止めなければならない時が来たことを悟り、妹を連れてお世話になった老婆の元から東京に戻った。佐藤との決着をつけるためにーー。
【あらすじ③】佐藤との決着
東京に戻ってきた永井は、政府機関の戸崎(玉山鉄二)と接触し、佐藤を倒すために取引をする。自分と妹が生きていくための保証と佐藤の抹殺。それが取引材料だったのだ。
その頃、佐藤は厚生労働省に飛行機を追突させた上に警視庁のSAT隊を全滅させる。そして、佐藤の元に集まった亜人とともに、最終決戦に向けた準備を始めた。佐藤の目的はフォージ重工業が密かに作成していた毒ガス。
それを東京で散布して、東京を人間の住めない街にし亜人しか生きられない地区にしようというのが目的だったのだ…。
永井もまた政府機関とともに佐藤一派との最終決戦に向けて作戦を練り、双方が双方の正義のために動く中、ついに最終決戦の火蓋がおろされた。田中と佐藤が集めた仲間たちが毒ガスを奪取すべくフォージ重工業の本社に攻撃をしかけるが、肝心の佐藤の姿がない……。
なぜ佐藤が現れないのか。永井と政府機関は疑念に思いながらも永井の作戦を開始する。
それは永井のIBMを送風口を通じて送り込み、目くらましに使い侵入した亜人たちを麻酔薬で眠らせて捕獲するというものだった。
永井のこの作戦は成功したのだが、そこには佐藤の罠が待ち受けていた。
佐藤はフォージ重工業に侵入した仲間に自身の切り落とした左手を渡していたのだ。なぜなら、再生した佐藤が難なくフォージ重工業に侵入するために必要なことだったから。
亜人は、その死を迎える時に最も大きな肉塊を元に生まれ変わるためであり、そのために先に侵入した仲間たちに持たせていたのだった。
佐藤はある廃品工場で自身の肉体をバラバラにし、フォージ重工業に先に入っていた左手を元に再生を果たした。彼が現れたことで、優勢だった永井や政府機関側はあっという間に形成を逆転されピンチにーー。
ついに、永井と佐藤は対峙し一騎打ちとなった。
最後の死闘を繰り広げるのだが、佐藤はまさに不死身。どうあがいても佐藤を倒すことができず、ついには永井の命運も尽きたかと思ったその時ーー。
映画『亜人』のキャストを紹介
永井圭/佐藤健
本作の主人公。ある日、交通事故に遭って一度生命を失い、再生したことで、自身が亜人であることを知り、それによって、政府や同じ亜人である佐藤の陰謀に巻き込まれていくが、自分の意志で佐藤と戦うことを決意します。
亜人でありながら自らを犠牲にして佐藤を倒した後、自身は蘇りどうなっていくのか分からないラストは何とも言い難い気持ちになりましたね。
演じるのは佐藤健さん。佐藤健さんと言えば、映画『るろうに剣心』シリーズのアクションが印象的ですね。
今回の『亜人』についても、スタントマンを使わず自分でアクションシーンを演じており、アクションを演じることができる俳優の代表の一人です。
高学歴アクション俳優佐藤健出演おすすめ映画7選!!佐藤/綾野剛
神出鬼没で無敵な亜人である佐藤。その人物像は謎に包まれたままですが、政府に対する深い恨みがありそうです。
ただ、それも本当に佐藤の行動概念になっているかはよく分からない人物でした。
劇中、永井と出会ってからは永井への執着を見せて、とにかく仲間に引き入れたい様子でしたが、永井と戦うこと自体も楽しんでいるような不気味な存在でしたね。
演じたのは綾野剛さん。佐藤健さん同様、アクションが演じられる俳優さんの一人です。佐藤健さんもそうですが綾野剛さんもそのストイックさで有名で、この撮影時も身体を絞るために食事制限をしていたのは有名な話です!
田中/城田優
国内2例目の亜人という田中。佐藤と最初から行動を共にしている人物です。研究対象として人間から虐待を受け、それによって人間に激しい憎悪を抱いているという人物です。
佐藤はその行動概念などが謎めいていて掴みどころのない人物でしたが、この田中に関しては、初めから人間に対する恨みという明確な行動概念があるのだな、と分かりやすく表現されていたように思います。
演じるのは城田優さん。城田さんは演技の振り幅が広く、こういったヒール役もできれば、いじめられっ子の役があるなど、その演技力の高さが素晴らしいですね。
奥山/千葉雄大
佐藤一派の一人で頭脳派の奥山。パソコンを駆使してハッキングを行い、佐藤を支援する人物ですが、実は完全に佐藤にも与しているわけではない人物です。
一見優しそうに見えますが、実は佐藤並みに冷酷な一面を持っています。おそらく佐藤も含めて仲間だとは思っていない、そんな人物です。
演じるのは千葉雄大さん。『あざとかわいい』の代名詞のような俳優さんですが、こういった役柄が非常に似合いますね。昨年放送された日本テレビ系列のドラマ『ダブルブッキング』でも、実は殺人犯だったという非常に難しい役を演じていました。
映画『亜人』の小ネタを深堀り!
映画『亜人』の小ネタ①
映画『亜人』の監督はフジテレビ系ドラマ『踊る大捜査線』や、映画『踊る大捜査線』シリーズの監督の本広克行さんです。
本広監督はドラマや映画の『踊る大捜査線』でも、ドラマや映画の中に小ネタを仕込むことで有名。『踊る大捜査線』でも、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』や『機動警察パトレイバー』のネタが仕込まれており、それを見つけることが本広監督の映画の楽しみ方の一つです。
実は、映画『亜人』にもそんな小ネタがあるのですが、映画をご覧になって気づかれた方はいますか。
映画『亜人』の中では、厚生労働省に飛行機を追突させた佐藤が警視庁のSAT隊と戦う場面があります。
このSAT隊の隊長は長く『踊る大捜査線』でもSAT隊を率いた隊長なのです。隊長は草壁中と言い、俳優の高杉亘さんが演じてこられた役柄です。いつも大きな無線で、あのワイルドな声で部下に指示を出すのが特徴でした。
それがそのまま今回の映画『亜人』でも小ネタとして仕込まれていて、『踊る大捜査線』ファンもとても嬉しくなりますよね。
映画『亜人』の小ネタ②
映画『亜人』は山田裕貴さんや浜辺美波さんなど、今や観ない日はない俳優さんたちが出演しています。山田裕貴さんは佐藤一派側の亜人でしたが、その中に千葉雄大さんもいます。千葉雄大さんと言えば、『あざとかわいい』の代名詞と言っても過言ではない俳優さんです。今年で言えば、NHKの『いいね!光源氏くん し〜ずん2』で光源氏役を天然でちょっと憎めない可愛らしい光源氏として演じていましたね。
千葉さんはそもそも顔立ちがとても可愛らしいのですが、その可愛らしい顔立ちそのままの役柄もあれば、その顔立ちとのギャップがありすぎる癖のある役や闇を抱えた役も結構あります。
この映画『亜人』でも、かなり癖のあるクラッカーの役でした。そんな千葉さん演じる奥山は、漫画原作ではでっぷりと太った役柄なのですが、実写映画ではすっきりとしたイケメンとして表現することで、実写ならではの奥山が生まれました。
その奥山演じる千葉さんと佐藤を演じる綾野剛さんとの演技の逸話があるのです。
佐藤が亜人たちを集め、フォージ重工業から毒ガスを奪い、東京を亜人の自治区にしようと仲間たちに伝えたところ、数人の仲間が怖気づくというシーンがあります。
佐藤が怖気づいた仲間を銃で即座に射殺していくのですが、その死体の処理をどうしようか、と仲間たちに相談しました。
相談された仲間の一人、奥山がその綺麗な顔に少しも動揺を見せず、抑揚のない声で「首切って、ドラム缶に封印。」と言います。
これに対し、佐藤が「可愛い顔して言うねえ。」と返すシーンなのですが、実はこのシーンは綾野剛さんのアドリブだそうです!
千葉さんがその可愛らしい顔で毒のあるセリフを何の淀みもなく言ったことから、思わず出てしまったアドリブだとか。確かに、『亜人』の千葉さんも確かに美しく可愛らしい顔でしたからね。綾野剛さんが思わず、そんなセリフが出てしまうのも納得です。
ちなみ、千葉さんと綾野さんは、この10月から始まるフジテレビ系ドラマ『アバランチ』で再共演を果たしています。
映画『亜人』の3つのオススメポイント
①パワフルなアクションシーン
その緻密でパワフルなアクションシーンです。佐藤健さん、綾野剛さんという自身でアクションシーンを演じることで有名なお二人の激しいアクションシーンを全編を通して堪能できます!
また、お二人が終盤に見せる鍛え抜かれた肉体美も必見です。
終盤の永井と佐藤の対決シーンにおけるアクションは、映画『るろうに剣心』を彷彿とさせるようなアクションシーンが満載。
映画『るろうに剣心』でも終盤に、佐藤健さん演じる剣心と綾野剛さん演じる外印の戦いは、まるでこの『亜人』の前哨戦かのようです。
②監督が本広克行さん
小ネタを仕込むことで有名な本広監督なので、小ネタ探しも楽しみ方の一つではないでしょうか。
前述したSAT隊の隊長だけでなく本広監督は、ご自身が好きだった映画やアニメのオマージュを映画の中に仕込むことでも有名です。
例えば、映画『交渉人 真下正義』の中には、映画『機動警察パトレイバー2 the Movie』のネタが随所に使われていると言われています。
確かに、建設途中で中止となった地下鉄が使われるといったシーンなど、見る人が見れば分かるネタが多分に仕込まれています。映画『亜人』にも、そんなネタが使われているかもしれません。そんな小ネタを探しながら鑑賞するのも楽しそうですね!
③映像表現が素晴らしい
映画『亜人』は、制作会社にProduction I.Gが入っています。
このProduction I.Gは、押井守監督の『攻殻機動隊』を制作した会社で有名です。『攻殻機動隊』は海外の様々なクリエイターにも大きな影響を残し、今年新作が発表された『マトリックス』シリーズのウォウシャウスキー監督も影響を受けて、『マトリックス』シリーズを制作したと言われています。
その『攻殻機動隊』を制作した会社なので、CG表現やVFXの素晴らしさが映画の随所に見られています。
例えば、IBMの表現です。不気味で何者なのか分からないIBMはCGで描かれていますが、その美しさには思わず息を飲んでしまうほど。
また、私が素晴らしいと感じたのはそのPC画面です。終盤に奥山が政府機関を撹乱するためにPCを操作する場面があり、かなり緻密に作られていて細かいシーンで手を抜かないところがさすがだなと感じます。
また、ラストシーンでビルの窓を破って永井が逃げ出すシーンもまたとても美しかったですね。
永井はIBMの影をまとわせながらビルの下に落下していくのですが、あれこそ佐藤健さんの運動能力と映像表現が合わさったシーンです。その少し前、永井が再生を果たすシーンもそうですが、とにかくIBMのシーンは不気味ながら美しいですよね。
映画『亜人』、私なりのオススメポイントをまとめてみましたが、それ以外にも鑑賞して楽しいポイントはたくさんあります。
例えば、先日終了したTBS系『TOKYO MER〜走る緊急救命室』でもテロリスト役を好演していた城田優さんが、実はそれよりも前にこの映画『亜人』でヒール役を演じていたことや若い頃の浜辺美波さん、山田裕貴さんを観られるというのも楽しいポイントだと思います。
また、元AKBの川栄李奈さんの激しいアクションシーンも見どころの一つですね。終盤の城田優さんとの死闘は圧巻でした。
まとめ
今回は映画『亜人』のネタバレと小ネタやオススメポイントをまとめてみました。
佐藤健さんが好き、綾野剛さんが好き、といった視点で映画を観るのも良し、漫画のファンだから観るのも良し、アクション映画が好きだから観るのも良し、皆さんそれぞれのポイントで、ぜひ、この映画『亜人』を楽しんでいただきたいと思います。