ナギニの正体は人間?ファンタビシリーズで明かされた生い立ちやヴォルデモートとの関係を解説
ヴォルデモート卿の最も近しい存在だったナギニは、高い知能と能力を持った大蛇。原作では優に4メートル超えとの記述もあり、非常に巨大なことがわかります。
初登場は4作目と遅かったものの、ナギニの登場シーンは常に恐ろしい死がつきまとっていて、その中でスネイプやバチルダ・バグショットのエピソードは強烈すぎて忘れられないシーンのひとつですよね。
セリフこそないもののヴォルデモートの指示を的確に理解して実行する能力だけでなく、絶対的魔法耐性を持っていたりと、他のキャラクターと遜色ない存在感を放っています!
ここでは、そんなナギニについてヴォルデモートとの関係性や強さの秘密・最期の瞬間などを掘り下げながら解説。『ファンタスティック・ビースト』で明かされた生い立ちについても触れていきます!
目次
映画『ハリー・ポッター』での大蛇・ナギニとは?
ナギニはヴォルデモート卿の指示だけに忠実に従う大蛇で、見た目の恐ろしさに引けを取らない高い知能と能力を持っています。
ここではナギニについて、どんどん深掘りしていきたいと思います。
初登場したのは4作目『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
ナギニが初めて姿をあらわしたのは、シリーズ第4作目にあたる『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の冒頭部分で描かれた「リドルの館」にて。
屋敷に悪ガキが忍びこんだと思って様子を見に行ったマグルのフランク・ブライスがナギニに見つかってしまい、「アバタ・ケタブラ」でヴォルデモート卿に殺害される……というショッキングなシーンでした。
高い知能と絶対的魔法耐性を持つ最恐の大蛇
ナギニは蛇でありながら優れた知能と絶対的魔法耐性を持っています。
魔法耐性に関しては分霊箱化の恩恵であり、ナギニ本来の能力ではないですがヴォルデモートの言葉にのみ従い、忠実に命令をこなす姿はただの蛇と割りきれない存在です。
ヴォルデモート卿を最も近くで支えた存在
ヴォルデモートには複数の部下(死喰い人)がいましたが、その中でもナギニはヴォルデモート卿の右腕という言葉がぴったり当てはまります。
ヴォルデモートが力を失い死の瀬戸際にいた時期はナギニのエキスを吸って生き繋ぎ、力を取り戻す際も毒を材料にしたりと切っても切り離せない重要な役割を果たしました。
最後の分霊箱としても選ばれた
ナギニはヴォルデモートが意図的に作った分霊箱(別名ホークラックス)の最期のひとつでもありました。
分霊箱を作るには生贄が必要とされており、作者のJ.K.ローリングは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で殺されたバーサ・ジョーキンズがその役割を果たしたと明かしています。
ネビル・ロングボトムによって、グリフィンドールの剣で破壊された最期
分霊箱は原作によると「分霊箱が自力で回復できないほど強力な破壊力を持ったもの」でのみ破壊できる超強力な魔法がかかっています。そのため分霊箱となったナギニに絶対的魔法耐性が備わっていたということです。
おまけに第二次魔法大戦が起きた頃は、分霊箱を狙われていると気付いたヴォルデモートがナギニを防御魔法で守っていたため、ほぼ無双状態に。
しかしハリーを仕留めたと勘違いして高ぶったヴォルデモートはナギニへの防御魔法を解除し、その隙にグリフィンドールの剣を手に入れたネビルに破壊されました。
本来グリフィンドールの剣には、分霊箱を壊すほどの威力はありません。
しかし剣には「強い魔力を吸収する」能力が備わっており、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でバジリスクと戦った際、その猛毒を吸収したことによって同等の効果が得られました。
『ファンタスティック・ビースト』シリーズで明かされた、ナギニの意外な生い立ち
『ファンタスティック・ビースト』は『ハリー・ポッター』シリーズのスピンオフ作品として描かれた物語。舞台となるのは1920年代で、ハリーたちはまだ生まれてすらいない時代の話ですが、若かりし頃のアルバス・ダンブルドア(ジュード・ロウ)らが登場するなど多々繋がりが感じられるシーンも。
シリーズ2作目の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』では、衝撃的なナギニの出生の秘密が明かされました。ここでは、映画で明かされたナギニの生い立ちについて紹介していきます。
ナギニの正体は血の呪いにかかった元人間(マレディクタス)
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で明かされたのは、ナギニが血の呪いにかかった人間の女性(マレディクタス)だったという驚きの新事実。
マレディクタスとは呪いによって特定の動物に変身する人間のことで、ナギニの場合は蛇に変身する呪いを受けています。マレディクタスは最終的には完全に動物へ変身してしまう運命を背負っており、血の呪いは親から子へ、女性にのみ遺伝するという特徴も。
変身すること以外は普通の人間ですが、呪いを受けているという観点から下等生物として蔑まれ、ナギニもサーカス団の見世物として扱われていました。
マレディクタスとアニメーガス(動物もどき)の違い
『ハリー・ポッター』シリーズではマクゴナガル先生は猫に、シリウスは黒犬に呪文なしで変身していました。彼らはアニメーガス(動物もどき)であり、マレディクタスとは異なる存在です。
マレディクタスとアニメーガスの大きな違いは「自由意志で変身したり、元に戻ることが出来るかどうか」というところ。マレディクタスも本人の意思で変身できますが、最後はその動物へと完全に変貌し人間に戻れなくなる運命です。
ちなみに狼人間のルーピンは、強制的に変身してしまうものの満月が終われば元に戻ることからマレディクタスとは異なります。
クリーデンスと心を通わせる描写も
『ハリー・ポッター』シリーズではヴォルデモート卿に指示されるがまま、残虐の限りを尽くしてきたナギニ。人間だった頃もさぞかし悪に染まっていたのだろうと思いきや、本当の親を探そうとするクリーデンスに寄り添ったりと人情味あふれる性格をしています。
心優しき女性がなぜ、ヴォルデモートに付き従う悪者になってしまったのか。益々気になりますね!
【親子?恋人?】ヴォルデモートとナギニの関係
かつてアルバス・ダンブルドアが『ヴォルデモートが好きになれる何かがあるとするならば、おそらくそれはナギニじゃと思う(ハリー・ポッターと謎のプリンス) 』と言ったように、ナギニに全幅の信頼を寄せていたヴォルデモート。
自身に傾倒している死喰い人にさえ一線を引いていたヴォルデモートが、あれほどまでにナギニを特別扱いしていた理由は何なのでしょうか。
ここでは、ヴォルデモートとナギニの関係性について掘り下げていきたいと思います。
ヴォルデモートとナギニの出会いはいつ?
ヴォルデモートとナギニが出会った時期については、現時点ではっきり言及されていません。しかし『ファンタスティック・ビースト』シリーズでナギニが再登場したこと、トム・リドル誕生の年が舞台になっていることから、今後シリーズ内で明かされるのではないかと期待されています。
現時点で最も有力な説は、力を失ったヴォルデモートがアルバニアの森で身を隠していたときに出会ったというもの。
そのときナギニは人間の姿を保っていたのか、既に完全な蛇になってしまっていたのかファンの間で注目を集めています。
ナギニはトム・リドルの母親なのか
結論から言うと、ナギニはトム・リドル(ヴォルデモートの本名)の母親ではありません。トム・リドルの母親はスリザリンの直系の子孫である純血の魔女メローピー・ゴーントで、マグルのトム・リドル・シニアに惚れた彼女は「愛の妙薬」を使って彼を騙し、結婚しました。
その後メローピーは妊娠をきっかけに愛の妙薬の使用をやめるのですが、その結果、我にかえった父親は妊娠中のメローピーを捨て、家を出ていきます。残されたメローピーは孤児院でトム・リドルを出産したあと、まもなく死亡してしまいました。
こういった事実からナギニ=母親という説は完全に否定できるのですが、『ハリー・ポッター映画大全』のナギニのページには、衰弱しきったヴォルデモートがナギニの乳を吸っている挿絵が挿入されています。血を分けた親子ではないにしろ、ヴォルデモートにとってナギニは母のような存在であったのかもしれません。
ナギニによって殺された・襲われた登場人物たち
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で登場して以来、ナギニは多くの死に関わってきました。ここでは、ナギニによって殺された・襲われた魔法使いを一覧で紹介します。
セブルス・スネイプ
セブルス・スネイプはホグワーツで魔法薬学を担当していた教授です。かつてはヴォルデモートに仕える死喰い人のひとりでしたがリリー(ハリーの母)が殺される直前に寝返り、不死鳥の騎士団の一員になりました。
ハリーが入学して以来、まるで監視するようにつきまとい、因縁をつけていたことからハリーは「憎まれている」と思い込んでいましたが、実は愛するリリーの息子として護ろうとしていた……という不器用な性格の持ち主です。
第二次世界大戦ではダンブルドアの二重スパイとして活躍。ヴォルデモートは最後までスネイプの裏切りに気付きませんでしたが、スネイプがニワトコの杖の新たな所有者になったと勘違いし、ナギニに絞殺させました。
バチルダ・バグショット
ゲラート・グリンデルバルドの大おばにあたる人物。ハリーたちが学校で使っている「魔法史」の著者で、ダンブルドアの古い友人です。
『ハリー・ポッターと死の秘宝PART1』にて分霊箱について尋ねるため、バチルダの棲むゴドリックの谷を訪れたハリーとハーマイオニー。しかし到着した頃には、既にバチルダは殺害され操られている状態でした。
映画ではナギニが魔法でバチルダの姿に化けていた、という比較的マイルドな表現になっていましたが原作ではバチルダの死体にナギニが入って操っていたという、ちょっとトラウマになりそうなワンシーンです。
チャリティ・バーベッジ
ホグワーツでマグル学を教えていた教授。魔法使いとマグルを対等な関係だと教鞭していたことがヴォルデモートの逆鱗に触れ、『ハリー・ポッターと死の秘宝PART1』冒頭にて殺害されました。遺体はナギニに丸呑みされています。
アーサー・ウィーズリー
魔法省に勤めるロンの父親。不死鳥の騎士団の一員でもあり、交代で神秘部の見張りをしているときナギニに襲われ重傷を負いました。
J.Kローリングによると物語の構想段階では、このときアーサーは死ぬことになっていたのだとか。ナギニの毒で回復が遅れ、クリスマスを聖マンゴ病院で過ごすハメになってしまいましたが、作者の気まぐれに乾杯です。
『ハリー・ポッター』シリーズで”蛇”が表すものとは
『ハリー・ポッター 』シリーズでは、物語の至るところに蛇が登場します。ここでは蛇が表す代表的なシンボルについて紹介します。
スリザリンの象徴
出典:『Warner bros. Studio Tour London』公式Twitter
スリザリン寮のシンボルは、西欧の伝説で海や入り江に棲むと言われている大蛇(サーペント)をモチーフにしたものが使用されています。
寮生は野心・狡猾さ・機智に重きを置いており、純血主義者が多いのも特徴。ヴォルデモートもスリザリン出身者のひとりです。
貧欲なエリートが集う寮「スリザリン」を徹底解説!特徴や創設秘話まで【ハリー・ポッター】蛇語を操るパーセルタング
呪詛返しにあったヴォルデモートの魂の一部がハリーに宿ったことで、ハリーはパーセルタング(蛇語)を理解できる能力が備わりました。
この能力は非常に稀有な能力で、基本は遺伝によって受け継がれます。ヴォルデモートがその能力を持っていることは周知の事実だったことから、発覚した当初はハリーに好奇の目が寄せられました。
秘密の部屋の入り口
蛇のシンボルはスリザリンの創設者サラザール・スリザリンがホグワーツの地下深くに作ったとされる「秘密の部屋」の入口にもあしらわれています。
パーセルタングを使用できる者だけが入り口を開けることができる仕組みになっていて、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』ではハリーが蛇語で「開け」と号令を出したのを合図に扉が開かれました。
闇の印
死喰い人の印である「闇の印」も蛇が使用されたもののひとつ。
髑髏から蛇が這い出るような物々しい印が空に打ち上げられると、人々は恐怖に慄き逃げまどいました。
ナギニを演じた韓国人女優クローディア・キムの経歴と炎上騒ぎの真相
『ファンタスティック・ビースト黒い魔法使いの誕生』でまだ人間だった頃のナギニを演じたのは、韓国人女優のクローディア・キム。ここでは彼女の経歴と、ナギニを演じるにあたって生じた炎上騒ぎについて解説します。
クローディア・キムの生い立ち・代表作
クローディア・キムは1985年生まれの韓国人女優。生まれはソウルですが父親の仕事の都合で5歳から6年間をアメリカ・ニュージャージー州で過ごしており、高校生時代にTOEICで満点を獲得するほど英語が堪能です。
芸能界入りした当時は同姓同名が多かったため、ユリエルという芸名で活動していましたがドラマ『ブレイン』への出演をきっかけに、本名のキム・スヒョン(김수현)に名前を改めました。(英名はクローディア・キム)
2019年には、交際の噂があった共有オフィスサービス企業「WeWork」韓国代表のチャ・ミングンと結婚。2020年4月に自身のInstagramで第一子出産を発表しています。
<過去の代表作>
- 『ゲームの女王』パク・ジュウォン役(2006)
- ドラマ『ブレイン』チャン・ユジン役(2011)
- 映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』ヘレン・チョ役(2015)
人種差別と批判が殺到!J.K.ローリングの回答は?
ナギニ役でのキャスティング報告にファンから応援の声が飛びかうなか、一部ではアジア人が見世物役を演じること・白人のペット役を演じることに「人種差別ではないか」との強い非難の声が殺到。
この炎上騒ぎを受けてJ.K.ローリングはナギニの由来がインドネシア神話に登場するナーガ神であることを明かし、その上でインドネシアが様々な人種で成り立っていること・差別の意図がないことを表明しました。
まとめ
『ハリー・ポッター』シリーズでは、心躍る魔法の世界でヴォルデモートと暗躍していたナギニ。しかし『ファンタスティック・ビースト』では心優しき一面を見せたりと非常に興味深いキャラクターです。
まだまだ謎に包まれた存在ですが、今後の作品でヴォルデモートとの出会いや悪の道を進んだ経緯が明かされることを期待して楽しみましょう。
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