『ハリーポッターと呪いの子』ネタバレあらすじ解説|ハリーたちの将来を描いた続編
「ハリー・ポッターと呪いの子」はハリー・ポッターシリーズの作者であるJ・K・ローリングの原作をもとに作られたイギリスの2部作劇です。2016年にロンドンでワールド・プレミアが行われ、同年に書籍版も発売されました。
2007年に出版された前作の「ハリー・ポッターと死の秘宝」の19年後を描いており、多くのファンが待ち侘びていた大人になったハリー達の物語が楽しめます。さらに本作メインとなるのはハリーの息子であるアルバス・セブルス・ポッター。偉大なるダンブルドア校長とスネイプ先生の名前を受け継いだ彼が、人生に苦悩しながらも自分の運命と向き合って成長を遂げていきます。
本記事ではそんな「ハリー・ポッターと呪いの子」を時代やアイテムの解説を含めながらご紹介!ネタバレを多く含みますので、まだ本編をご覧になっていない方はご注意ください!
目次
「シリーズ8作目の物語」ハリーポッターと呪いの子とは
出典:『Harry Potter and the Cursed Child NYC』公式Twitter
「ハリー・ポッターと呪いの子」は「ハリー・ポッターと死の秘宝」で完結したハリー・ポッターシリーズの19年後を描いた作品。もともとは舞台として制作され、ロンドンやニューヨークをはじめとする世界5都市で上演されました。
2022年の春にはトロントと東京でも上演される予定です。そんな「ハリー・ポッターと呪いの子」の舞台は、これまでにイギリスのローレンス・オリヴィエ賞、アメリカのトニー賞などの演劇賞も獲得。世界中で高く評価されています。
そして舞台の脚本はハリー・ポッターシリーズの第8巻として2016年に書籍化されました。書籍版は販売決定後に予約が殺到し、米国メディアのCNNは「ハリー・ポッターと呪いの子」を2016年に最も予約された書籍としてを発表。舞台と共に書籍も大変な人気を集めています。
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出典:『舞台 ハリー・ポッターと呪いの子』公式Twitter
物語の舞台はヴォルデモートとの戦いから19年を経た2017年の魔法界。ハリーの息子・アルバスがホグワーツ魔法魔術学校に入学する年で、ハリー達が自分の子供をそれぞれキングス・クロス駅から見送る「ハリー・ポッターと死の秘宝」のラストシーンから始まります。
出典:『HarryPotter and the Cursed Child SF』公式Twitter
そしてアルバスはホグワーツ入学にあたり、スリザリンに組み分けさるのではないかという心配を抱えていました。そんな中アルバスが汽車で出会うのはドラコ・マルフォイの息子・スコーピウス。スコーピウスは実はヴォルデモートの息子ではないかと噂され、孤立していました。そんな2人は意気投合し、友情を育んでいきます。
その後アルバスの不安は的中し、アルバスはスリザリンに組み分けられますが、同じくスリザリンに組み分けられたスコーピウスとの関係は深まり、2人は唯一無二の親友となりました。そんな時、アルバスは父親のハリーがヴォルデモートの陰謀に巻き込まれて死亡したセドリックの父親であるエイモス・ディゴリーと揉めているところを目撃。
エイモスは神秘部の戦いで破壊されたはずの「逆転時計」が見つかったことを聞き、ハリーにセドリックを生き返らせてほしいと頼んでいたのです。しかしリスクを考えたハリーはその頼みを断りました。一部始終を見ていたアルバスは、セドリックの死の責任はハリーにあると考え始めます。
そしてアルバスはスコーピウスとエイモスの姪のデルフィーニ・ディゴリーと共に魔法省に保管された逆転時計を盗み出すことに成功。ハリーに代わって自らが過去に戻り、セドリックを救おうと奮闘するのです。
「19年後のハリー達の生活」息子達が活躍する物語
出典:『Harry Potter and the Cursed Child SF』公式Twitter
「ハリー・ポッターと呪いの子」ではハリー達の子供の活躍がメインで描かれてますが、19年の時を経て成長したハリー達も見所です。魔法省の重役という立派な役職についたハリーや、闇払い・いたずら道具専門店オーナーとしてユニークに活躍するロン、そして魔法大臣として活動するハーマイオニー。ハリー・ポッターシリーズで活躍して頃とは一味違った3人の魅力を知ることができます。
また、19年という長い月日が経ってもヴォルデモートの呪縛に苦しむハリーと家族の苦悩、そしてアルバスとの微妙な関係性が描かれているのも大きなポイント。ヴォルデモートがどのような爪痕を残したのかが繊細に描かれています。
出典:『Harry Potter and the Cursed Child SF』公式Twitter
ハリー・ポッター | 魔法省の魔法法執行部部長 ロンの妹のジニーと結婚 長男:ジェームズ・シリウス・ポッター 次男:アルバス・セブルス・ポッター長女:リリー・ルーナ・ポッター |
ロン・ウィーズリー | 兄のフレッド・ジョージが開いたいたずら道具専門店「ウィースリー・ウィザード・ウィーズ」の経営・闇払い ハーマイオニーと結婚 長女:ローズ・グレンジャー・ウィーズリー 長男:ヒューゴ・グレンジャー・ウィーズリー |
ハーマイオニー・グレンジャー | 魔法省の魔法大臣 しもべ妖精の地位向上に尽力 |
ドラコ・マルフォイ | アステリア・グリーングラスと結婚 長男:スコーピウス・ヒュペリオン・マルフォイ |
ハリーの息子である「アルバス・セブルス・ポッター」が主人公
出典:『Harry Potter and the Cursed Child SF』 公式Twitter
「ハリー・ポッターと呪いの子」の主人公となるのは、ポッター家の次男であるアルバス・セブルス・ポッター。偉大なるダンブルドア校長とスネイプ先生から名前を引き継いでいます。
性格は少々心配性で、兄弟の中で1番ハリーに近いのが特徴。スリザリンへの組み分けの恐怖もハリーからそのまま引き継がれているのです。
出典:『Harry Potter and the Cursed Child SF』公式Twitter
そして組み分け帽子によると、アルバスはハリーと同じくスリザリンとグリフィンドールの両方の素質を持っていたそう。
しかしスリザリンに組み分けられ、スコーピウスと深い友情を築きました。さらにアルバスはホグワーツ在学中は常にハリーと比べられ、いじめられることもあったようです。父の名声によるプレッシャーはアルバスの魔法に取り組む意欲を低下させました。
そんな繊細なアルバスは、実はユーモアがあり、親友であるスコーピウスと過ごす時にはとても朗らかな一面を見せます。物語では自分をポッター家のダメな息子だと思い込み、ハリーに反発して確執に悩んだりしますが、実は心優しく明るい人物。また魔法に関しても、才能がないのではなくプレッシャーで力を発揮できなかったと言われています。
ハリーに匹敵するような秘めた力を持っていますが、周囲の目線や期待で封じられていたのです。
出典:『Harry Potter and the Cursed Child SF』 公式Twitter
逆転時計(タイム・ターナー)で発生するパラレルワールド
「ハリー・ポッターと呪いの子」には、「逆転時計(タイムターナー)」という過去へ移動できる魔法道具が登場します。逆転時計は時間逆転呪文が施された砂時計のネックレスで、砂時計を回すことで過去へ戻ることができる優れもの。1回回すと1時間過去へ戻れ、最長5時間前まで戻れます。
一方「ハリー・ポッターと呪いの子」に登場する逆転時計は、マルフォイの友人であるセオドール・ノットが制作した違法品のため、時間の制約がなく過去へ戻ることが可能。自由な年月で過去へ戻れる大傑作の逆転時計ですが、危険性が高く魔法省で認められていないため、製作者のセオドールは逮捕されました。
逆転時計のルール
- 未来を大きく変えることをしてはいけない
- 過去の自分と会ってはいけない
1つ目のパラレルワールド
まずダームストラング専門学校の生徒に扮したスコーピウスに話しかけられたハーマイオニーは、アルバスとスコーピウスがセドリックの妨害をしたことに気付き、ダームストラング専門学校に不信感を抱いてビクトール・クラムのパーティーの誘いを断ってしまいました。
そしてロンはハーマイオニーの気持ちに気付くタイミングを失い、2人は結婚せず。さらにハーマイオニーは魔法省ではなくホグワーツに就職し、闇の魔術に対する防衛術の教師となっていました。
そしてスリザリンに組み分けられたはずのアルバスはなぜかグリフィンドールの生徒となっており、セドリックの死も回避できていません。混乱したアルバスとスコーピウスはもう1度過去に戻ってセドリックを救うことを決意するのです。
2つ目のパラレルワールド
出典:『Harry Potter and the Cursed Child SF』 公式Twitter
アルバスとスコーピウスは再び三大魔法学校対抗試合の最中のホグワーツに戻り、湖の底に沈んだ大切な人を救う課題に挑戦中のセドリックを妨害。セドリックの体を肥らせ魔法で膨らませ、湖の上へ浮上させて失格させたのです。
そして2人はもとの時代に戻りますが、アルバスは姿を消し、ドローレス・アンブリッジがホグワーツの校長の座についていました。
なんと三大魔法学校対抗試合中に肥らせ魔法をかけられたセドリックは嘲笑の的にされ、その怒りで死喰い人になっていたのです。セドリックの死は回避できましたが、ホグワーツの戦いでセドリックはネビル・ロングボトムを殺害。ネビルが組分け帽子の中からグリフィンドールの剣を取り出してナギニを殺す結末がなくなったため、ヴォルデモートはハリーに勝利しました。
ハリーは死亡し、魔法界はヴォルデモートの支配する暗黒時代に突入していたのです。
そして1人取り残されたスコーピウスは、魔法法執行部長のマルフォイの息子として純潔ではない魔法使いを弾圧する絶対的な存在となっていました。校長であるアンブリッジからも「将来はヴォルデモートの片腕になることが期待されている」と言われる始末。後悔したスコーピウスはこの世界では生きている、スネイプ先生に全てを話して助けを求めます。
話を聞いたスネイプ先生は最初は半信半疑でしたが、スコーピウスがスネイプ先生が本当はダンブルドアの味方であったことや、リリーを愛していたことを言い当てたことで話を信じ、スコーピウスに協力してくれることに。この世界でスネイプ先生とヴォルデモートを倒す術を模索していたロンとハーマイオニーも合流し、4人は三大魔法学校対抗試合に戻ってセドリックの妨害を阻止することに成功します。
しかしもとの時間へ戻ると、4人はヴォルデモートを倒す計画に感付いたアンブリッジと手下の襲撃を受け、スコーピウスを庇ったスネイプ先生とロン、ハーマイオニーは死亡。しかし、1つの時間軸のずれは解決されました。
そして再び1人になったスコーピウスは、1番最初に自分とアルバスがセドリックを妨害した時間軸へ移動し、過去の自分達を阻止。全ての時間軸のずれを解決したスコーピウスがもとの時代に戻ると世界は元に戻っており、アルバスも復活していました。
1回目の時間移動 | アルバスとスコーピウスは、3校対抗試合の第1試合に出場しているセドリックの邪魔をして失格にさせる。 |
2回目の時間移動 | アルバスとスコーピウスは、3校対抗試合の第2試合に出場するセドリックに再度邪魔をして失格にさせる。 |
物語を大きく動かすヴォルデモートの娘
「ハリー・ポッターと呪いの子」には、ヴォルデモートの娘も黒幕として登場しています。逆転時計を使うアルバスとスコーピウスを利用し、ヴォルデモートを復活させようと考えていたのです。
その人物はアルバスとスコーピウスが逆転時計を盗む際に協力したエイモスの姪のデルフィーニ・ディゴリー。彼女は父・ヴォルデモート譲りの強力な魔力と、パーセルタングや浮遊術など様々な能力を持った優秀な魔女でヴォルデモートを敬愛し、ヴォルデモートの復活を心から望んでいたのです。
そしてアルバスとスコーピウスが時間軸を変えずに無事戻り、逆転時計も破壊するという話を聞くと2人を別の時間軸に連れ去ります。再びセドリックが死喰い人となり、ヴォルデモートが復活する未来が訪れるように過去を変えるため、アルバスとスコーピウスに協力させようとしますが2人は拒否。
デルフィーニは2人を殺そうとしますがセドリックが阻止しました。そしてデルフィーニは再び2人を連れて別の時間軸に移動し、2人がもとの時間に戻れないように逆転時計を破壊。帰る術を失った2人は、やがてハリーの両親がヴォルデモートに殺された1981年10月30日に自分達がいることを知ります。デルフィーニはヴォルデモートに加勢し、ハリーを殺害しようと考えたのです。
そんな中アルバスは、毎年10月30日の両親の命日にハリーが両親の形見であるブランケットを眺めることを思い出します。そしてこの時間軸のハリーのブランケットを見つけ出し、メッセージを残し、もとの時間に存在するハリーに助けを求めました。ハリーは無事そのメッセージを受け取り、マルフォイが所蔵していた逆転時計を使用して2人を救出。デルフィーニも捕らえられ、アズカバンに送られました。
デルフィーニのプロフィール
名前 | デルフィーニ |
両親 | 父親:ヴォルデモート 母親:ベラトリックス・レストレンジ |
血筋 | 半純血 サラザール・スリザリンの最後の後継者 |
特徴 | 美しい容姿を持つアルバスの初恋相手 アイルランドの不死鳥であるオーグリーをシンボルとしており、首と背中にオーグリーのタトゥーを入れている |
性格 | ヴォルデモートのように冷たく残酷 一方で人を操る魅力も兼ね備えている |
逆転時計は「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」にも登場
逆転時計はハリー・ポッターシリーズの第3作目「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」にも登場。この作品でハーマイオニーは、ホグワーツの全ての授業を履修したいという理由で逆転時計を貸りていました。
通常このような魔法道具は簡単に貸してもらえるものではありませんが、ハーマイオニーはとても優秀で信頼できる生徒であったため、寮監のマクゴナガル先生が魔法省にかけ合い、特例として貸りてきてくれたのです。
そして「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」では、シリウス・ブラックが無実の罪によって処刑されてしまうシリウス・ブラックの救出で逆転時計が大活躍。ダンブルドア校長の助言を受けたハーマイオニーは、未来を変えるためにハリーと過去に戻ります。
「ルールは分かっておろうな。見られてはならん。この鐘が鳴り終わるまでに戻るのじゃ。もし間違えば、恐ろしい結末が待っておる。首尾良く運べば、罪なき命を1つならず救える。3回ひっくり返せば良いじゃろう。」
-ダンブルドア校長のセリフ-「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」より
処刑寸前のバックビークを救出
ダンブルドアの助言通り3時間前に遡ったハーマイオニーとハリーはまず、ハグリットの授業でマルフォイに怪我を負わせ、処刑されることになったバックビークを救出。2人は死刑執行人と魔法省大臣がバックビークのもとにやってくる前に、バックビークを逃がすことに成功します。
ディメンターに魂を吸い取られる寸前のハリーを救出
そしてハリーは、先刻ディメンターに襲われた際に助けてくれた魔法使いに会おうと、自分とシリウスがディメンターに追い詰められた湖の岸辺へ向かいます。しかし待てども過去のハリーを救ってくれた魔法使い現れず。ディメンターに殺されかけてる自分を見かねたハリーは咄嗟に凄まじい力のエクスペクトパトローナムでディメンターを追い払い、過去の自分とシリウスを救いました。過去の自分が感謝した謎の魔法使いは未来から来た自分だったのです。
塔に捉えられて死刑の執行を待つシリウスを救出
続いてハーマイオニーとハリーは、ディメンターの襲撃で気を失い、捉えられてしまったシリウスの救出を試みます。先程救ったバックビークの背中に乗り、2人はシリウスが幽閉された塔へ向かい、見事処刑前に逃げ出すことに成功。シリウスはハーマイオニーとハリーに感謝し、バックビークに乗ってホグワーツを離れました。
まとめ「ハリーの達は過去と戦いながらも幸せな未来を勝ち取る」
今回はハリー・ポッターシリーズのその後を描いた「ハリー・ポッターと呪いの子」を紹介しました。
気になるハリー達の未来や、子供達の活躍が楽しめるハリー・ポッターファンにはたまらない作品となっています。舞台も書籍も世界中で人気を博し、ファンタスティック・ビーストと合わせてウィザーディングワールドシリーズの飛躍は留まるところを知りません。ぜひハリー・ポッターシリーズを見終えた方は、チェックしてみてください。登場キャラクターや魔法界の魅力をもっと楽しめるはずです。
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