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【超厳選】胸アツヤクザ映画15選!その極道魂を目に焼き付けろ!

アルファ

ヤクザ・任侠映画は、日本映画の代表的なジャンルのひとつです。今も脈々と受け継がれていて、最近ヒットしている作品にも、ヤクザ・任侠映画をルーツに持つ作品がたくさんあります。

ヤクザ・任侠映画には、思わず胸がアツくなる見どころがたくさんありますが、「任侠の世界は男だけのもの」と思っていませんか?実は、ちゃんと「女の世界」もあるんです!老若男女問わず楽しめる任侠の世界。さあ、厳選したヤクザ映画たちの胸アツシーンを目に焼き付けましょう!!

おすすめのヤクザ映画15選!

それでは、早速おすすめのヤクザ映画をご紹介いたします!コテコテの昭和ヤクザ映画から最新映画まで、さまざまなヤクザ映画を15作品集めました。

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1.昭和残侠伝

「背中で泣いてる唐獅子牡丹」

やくざ映画
出典:Amazon.com

あらすじ

高倉健主演、1965年〜1972年に、東映で全9作が製作された。任侠映画最盛期、東映ヤクザ映画のスタンダードとなった作品。

戦争から復員してきた清次(高倉健)は、浅草で露天商を組織する神津組の5代目を継ぐ。しかし、対抗する新興ヤクザの新誠会は、卑劣な手段で、次々と神津組の邪魔をするのだった。

組員の五郎(梅宮辰夫)はそんな新誠会に腹を立て、単身で乗り込んだ果てに殺されてしまう。みんなの力を合わせて復興させた浅草マーケットも、新誠会の手によって放火されてしまう。

—―ついに、清次が立ち上がる。

ヤクザ映画としてのみどころ

組を背負って身を捨てようとする清次に、何も言わず呼応し同行するのが組の客分の風間(池部良)です。このシリーズで高倉健と池部良が演じる義理と人情の物語は、東映ヤクザ映画の基準になりました。

憤る若い組員に組の将来を託し、自ら新誠会に殴り込む組長清次(高倉健)がアツイ。また、勝ち目のない殴り込みに同行する客分の風間(池部良)もアツイ。
ひくにひけない男の意地に、気持ちで呼応する2人がかっこいい!

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 損得よりも立場(義理)と友情(人情)を優先する、男どうしの姿に涙したい人
  • 脈々と続く、日本のヤクザ・任侠映画の原点を確認したい人
  • 健さん(故・高倉健)が好きな人

このヤクザ映画はこんな人には向かないかも

  • 切った張ったに、どうしても抵抗がある人
  • 男同士の友情にはどうも関心が持てそうにない人
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2.網走番外地

「どうせ死ぬなら娑婆(しゃば)で死ぬ」

やくざ映画
出典:Amazon.com

あらすじ

高倉健初期の代表作。1965年に第1作が封切られ大ヒットし、全10作が製作された。その後も、「新網走番外地」として8作が製作されている。

主人公の橘真一(高倉健)は、渡世の義理で人を斬り、網走刑務所に送られてきた囚人。刑務所内でも、喧嘩の責任を取って自ら懲罰房(ちょうばつぼう)に入るなど、曲がったことの嫌いな男気を発揮する。
そんな真一のもとに、故郷の妹から母が危篤(きとく)との手紙が届く。

従来の任侠映画と一線を画し、北の果てを舞台にした大逃亡アクション映画として封切られ、高倉健をスターダムに押し上げた。

ヤクザ映画としてのみどころ

高倉健が、ヤクザ者として、囚人として、脱獄者として、そして1人の息子として、流転する主人公「橘真一」を演じきりました。

俳優としての高倉健の高い演技力に、まず胸がアツくなります。真一が脱獄を結構したのは、もう刑期も終わる直前でした。母の元に帰るために仮釈放の手続きが進んでいたにも関わらず、脱走に巻き込まれてしまいます。高倉健の初レコード「網走番外地」は200万枚を越す大ヒットになりました。「春に追われし花も散る」胸アツです。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 俳優高倉健の演技力に酔いしれたい人
  • 最果て網走を舞台にした、脱獄・逃亡アクションにわくわくしたい人

このヤクザ映画はこんな人には向かないかも

  • 義理と人情に涙することを期待している人
  • 着流しヤクザの世界を期待している人

網走番外地』の詳細を見る▷▷▷

3.人生劇場 飛車角

「着流しヤクザ」鶴田浩二登場!

やくざ映画
出典:Amazon.com

あらすじ

高倉健と並ぶ、東映任侠シリーズ最盛期のスター鶴田浩二の出世作。
1963年の第1作から、全3作が製作された。高倉健が硬派の二枚目スターであれば、鶴田浩二は色気のある二枚目スター。

主人公の飛車角(鶴田浩二)は、遊女のおとよと駆け落ちし、小金一家に客分としてかくまわれていたが、一宿一飯の義理でけんか相手を刺し殺してしまう。
その罪で刑務所に入っている間に、おとよは宮川(高倉健)と結ばれる。出所した飛車角は、黙って2人を許す。

しかし、それから宮川は殺された小金親分の敵(かたき)討ちに行き、返り討ちに遭い殺されてしまう。それを知った飛車角は、おとよの必死の制止を振り切り、1人宮川の仇討ちに向かう。

ヤクザ映画としてのみどころ

色気のある任侠スター鶴田浩二の主演らしく、任侠に色恋沙汰が絡みます。高倉健は男気と呼応しますが、鶴田浩二は泣きながら止めようとする女心を振り切って、1人修羅場に向かいます。鶴田浩二の胸アツポイントがここにあります。宮川の敵討ちに1人で大勢の敵が待ち受ける場に向かう飛車角。かつての連れ合いおとよに向けた一言が「あの世で会おうぜ」。鶴田浩二らしいせりふに、胸がアツくなります。飛車角は、小説家尾崎士郎作「人生劇場」の登場人物。あわせて読めば、ますます胸アツです。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 着流しで色気たっぷりの鶴田浩二に酔いたい人
  • 色恋沙汰が絡む色気のあるヤクザ映画を見たい人

このヤクザ映画はこんな人には向かないかも

  • 任侠に色恋沙汰は禁物だと信じている人
  • 長い刃物に恐怖を感じてしまう人
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4.緋牡丹博徒

お待たせしました!「緋牡丹博徒」お竜参上!

やくざ映画
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あらすじ

高倉健・鶴田浩二とならぶ、60年代任侠スター藤純子主演。
1968年の第1作から1972年にかけて、全8作が製作された。女任侠のフィールドを切り開き、東映任侠映画はこの時期最盛期を迎える。

背中に緋牡丹の刺青を背負った女博徒「緋牡丹のお竜(藤純子)」が主人公。お竜は九州の博徒矢野組長の一人娘。不意を襲われ殺された父の仇討ちのため、全国の賭場(とば)をめぐる旅に出る。

女だてらに曲がったことが大嫌い、賭場でいかさまを見抜いて窮地(きゅうち)に立たされるも、流れ者・一匹狼の博徒片桐(高倉健)に助けられる。

お竜の仇討ちを手助けしよとする片桐、隠されたその理由が明かされる。

ヤクザ映画としてのみどころ

なんと言っても、女博徒お竜演じる藤純子が、きりっとした端正な美しさ全開です。すさんだ男たちばかりの賭場を舞台にした立ち回り、曲がったことが嫌いなセリフが、最大の胸アツポイントです。そして、お竜の仇討ちを手助けする片桐こと高倉健の、黙した一匹オオカミの姿にも心が震えます。
「あんたを人殺しにしたくなかった」最後の一言がアツすぎます!

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 女任侠というジャンルを切り開いた記念碑的作品を見たい人
  • 藤純子のきりっとした美しい和服姿を見たい人

このヤクザ映画はこんな人には向いてないかも

  • 硬派なハードボイルドな任侠の世界を期待している人
  • 博打の世界にはどうもなじめそうにない人
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5.無頼人斬り五郎

やくざ映画
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あらすじ

主演は渡哲也。日活ニューアクション映画の原点と言われる作品。
日活「無頼シリーズ」の第4作として、1968年に製作された。

ヤクザ映画として実録もののブームを起こした「仁義なき戦い」に先立つこと5年前、実在する暴力団幹部、藤田五郎の自伝「無頼」を映画化した作品として話題になった。

ホテルに勤める五郎(渡哲也)は元ヤクザで、刑務所の前科もある。ヤクザ組織名振会に父親を殺された由紀と出会うが、争いに巻き込まれ、ホテルをクビになる。


五郎をおびきだして殺そうとたくらむ名振会。五郎は名振会が放った刺客を逆にさとし、逃すのだが、刺客とその恋人は裏切り者として殺されてしまう。

次々と心を通わせた友人を失っていく五郎は、ついに単身名振会に殴り込む。

30年後の1999年、東映Vシネマでリメイクされている(北村一輝主演)。

ヤクザ映画としてのみどころ

「人斬り」と呼ばれた無頼五郎が、生きているだけでさまざまな争いに巻き込まれていく姿に心が痛みます。心が通じあった人たちが次々に殺されていく中で、隠そうとしていた牙をむく五郎の姿が胸アツポイントです。

実録もの、ドキュメンタリーとして淡々と描かれる物語が胸に迫ります!

北村一輝主演のリメイクも胸アツポイントは同じ。当時の渡哲也も、北村一輝も、ヤクザにしては甘いマスクで、凄惨ではありますが、ひとつの青春物語として、自分を重ねて見ることもできるでしょう。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 着流しではなく、若者中心のアクションヤクザ映画を見たい人
  • ヤクザの世界をドキュメンタリーで知りたい人

このヤクザ映画はこんな人には向かないかも

  • 心を通じ合った人が次々と死んでいく、そんなつらい物語は見たくない人
  • 切ったり刺したりするシーンが恐怖な人
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6.仁義なき戦い(1973年)

実録ヤクザ映画の記念碑的作品。菅原文太登場!

やくざ映画
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あらすじ

実録ヤクザ映画の原点と言われ、日本映画の金字塔とも呼ばれる、実録小説の映画化作品(原作飯干晃一)。広島のヤクザ戦争を、ドキュメンタリータッチのアクティブな映像手法で描いた全5作。

戦争から帰ってきた若者・広能昌三(菅原文太)は、敗戦直後の広島県呉市で、偶然暴漢を射殺する。その縁で呉で対抗する山守組と土居組の抗争に関与するようになり、刑務所に収監されることを繰り返す。

敗戦直後から、朝鮮戦争景気、講和条約と時代が変わる中で、何度も新たな抗争が繰り返され、昌三は再びその渦中に巻き込まれていく。

ヤクザ映画としてのみどころ

「仁義なき戦い」から、ヤクザ映画は時代劇のような任侠映画を脱したと言われます。この作品は、戦後史・現代史であり、若者の青春物語であり、アクション映画でもあります。
ドキュメンタリータッチで進行するリアルな物語であると同時に、若者の群像物語でもあるのです。次々と命を失っていく、若者の生き様が胸に迫ります。

ヤクザを暴力と捉え、任侠映画のような様式美を捨て、ただリアルに暴力の行使と死を淡々と描くスタイルに、それまで無かった新しさと迫力を感じる作品です。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 「日本映画の金字塔」といわれるヤクザ映画を見てみたい人
  • 戦後から脈々と続く暴力団の歴史をリアルに理解したい人
  • 菅原文太が好きな人

このヤクザ映画はこんな人には向かないかも

  • 暴力・殺害シーンの連続に抵抗がある人
  • 次々と人が死んでいくシーンは見たくない人
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7.冬の華(1978年)

人間ドラマを描いた、異色のヤクザ映画

やくざ映画
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あらすじ

1978年に公開された、高倉健主演の東映ヤクザ映画。脚本、倉本聰。

1人の暴力団幹部の男をめぐる人間ドラマが描かれており、シャガールの絵画やチャイコフスキーの楽曲がモチーフに使われるなど、異色のヤクザ映画として知られる。組に対する意見の違いから、兄弟分を殺害して刑務所に服役していた、主人公加納秀次(高倉健)が出所する。秀次が刑務所にいる間に、組の幹部は贅沢な暮らしにうつつを抜かす、金満ヤクザになり果ててしまっていた。秀次は刑務所にいる間も、名前を隠して一人娘である洋子を援助し続けていた。高校生になった娘を陰からそっと見守る秀次。そんな時、組長が抗争で殺される。復讐心を燃やす組長の息子に代わり敵討ちをすることを決意した秀次は、そっと娘に別れを告げる。

ヤクザ映画としてのみどころ

「仁義なき戦い」が暴力の実録ドキュメンタリーを描き続ける一方で、高倉健主演の「冬の華」は、後に「北の国から」で知られるようになる脚本家倉本聰を迎え、ヤクザの父娘の詩情あふれる物語として描かれました。
姿を見せることなく、娘を想う父親の姿に胸を打たれます。

恩義のある組長も、自分の息子をヤクザの世界に巻き込むことを避けようとしていました。その事情をよく知る秀次は、息子の代わりとなって自ら復讐に向かいます。
秀次は、自分が身代わりになることで、もう一人の若者も救ったのです。感動します。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 人間ドラマとしてヤクザを描いた映画に涙したい人
  • 任侠や囚人でない、新しい境地を開いた高倉健を見たい人

このヤクザ映画はこんな人には向かないかも

  • 昔ながらの義理人情の世界を期待している人
  • ヤクザ映画に絵や音楽などの芸術は似合わないと思う人
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8.夜叉(1985年)

やくざ映画
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あらすじ

1985年に公開された、高倉健主演の東宝作品。監督は「冬の華」の降旗康男。降旗監督らしい、人間ドラマになっている。

かつて「夜叉(やしゃ)の修治」と怖れられた元ヤクザが、主人公の北原修治(高倉健)である。背中一面に、夜叉の刺青がおどる。時は流れ、修治はヤクザの世界から足を洗い、漁師となって妻子と暮らしていた。螢子は大阪から流れてきた小料理屋「螢(ほたる)」の女主人。螢子のヒモの矢島は、修治の漁師仲間に覚せい剤を売っている。そんなしのぎをやめさせようとする蛍子。覚せい剤を始末した螢子を矢島が追い詰める。修治に助けを求める螢子。矢島に立ち向かう修治は、着ている服を矢島に切り裂かれ、背中の「夜叉」を見せてしまう。

ヤクザ映画としてのみどころ

異色のヤクザ映画「冬の華」を監督した降旗康男らしい、人間ドラマに仕上がっています。
覚せい剤を失った矢島を、元締の組長は監禁します。螢子のために組長に戦いを挑み、単身乗り込む修治。螢子のために、恋敵を救おうとする修治に胸がアツくなります。結局、矢島は殺されてしまいます。
家族のもとに戻る修治。一方螢子は、なにもかも失い、幼い子供を連れて漁師の村を去るのでした。本当の「夜叉」はいったい誰だったのか—。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 無口で耐え忍ぶ高倉健を見たい人
  • 魔性のような色香漂う田中裕子を見たい人

このヤクザ映画はこんな人には向いてないかも

  • 男同士の任侠の世界を期待している人
  • 硬派のヤクザ映画を期待している人
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9.鬼龍院花子の生涯(1982年)

「なめたらいかんぜよ!」夏目雅子が演じた大輪の花!

やくざ映画
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あらすじ

1982年に東映が製作し公開。土佐の侠客、鬼龍院政五郎(通称鬼政)と周辺の女たちが織りなすドラマを描いた、直木賞作家宮尾登美子の小説の映画化。

12才で鬼政の養女となった松恵(夏目雅子)は、鬼政一家と妾たちの問答無用の暮らしの中で、信念を持った強い娘に育つ。
一方、鬼政には妾の間にできた実の娘花子がいた。鬼政は花子を可愛がる。

やがて鬼政が見込んだ若い男をめぐって、争いになる松恵と花子。最後に男と一緒になったのは、芯の強さを持つ松恵だった。

幸せな生活もつかの間、男は鬼政と対立する組との抗争に巻き込まれて死んでしまう。花子は誘拐される。鬼龍院一家は組をあげて、花子を取り戻すために殴り込みをかける。

ヤクザ映画としてのみどころ

仲代達矢が、鬼気迫る怖ろしい鬼政を演じます。それに呼応するかのように、夏目雅子が芯の強い女、松恵を演じきるところが見どころです。松恵の「なめたらいかんぜよ」の一言は流行語にもなりました。殴り込みをかける政五郎と、それを見送る松恵のやりとりも胸にしみます。政五郎を見送る松恵の一言。「あて、お父さんに会えて、ホントによかった思うちょります」。実の娘である花子よりも、自分の持つ芯の強さを受け継いだ松恵にかける政五郎の一言。
「わしゃ日本一の娘を持ったがぜよ。おまんだけは、わしの自慢じゃ」

数奇な運命の中で、一本筋を通した生き様の松恵に、胸がアツくなります

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 激動の侠客の世界を、一人の女性の目から見つめた作品を見たい人。
  • 侠客の世界を生き通した松恵、松恵を演じた夏目雅子の迫力の演技を見たい人。

このヤクザ映画はこんな人には向かないかも

  • 鬼政一家の任侠物語を期待している人
  • 女性が主人公の任侠物語が好きではない人
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10.修羅の群れ(1984年)

いま、男たちの時代が始まる。松方弘樹登場!

やくざ映画
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あらすじ

東映が、大下英治原作の「修羅の群れ-稲川聖城伝」を、松方弘樹主演で映画化した作品。
「修羅の群れ」は、後の稲川会総裁、稲川聖城の人生を描いたドキュメンタリー。

昭和初期、道場で柔道の稽古に励む青年稲原龍二(松方弘樹)が、やがて関東随一の巨大暴力団、稲川会の会長にのぼりつめていく物語。

川崎に縄張りを持つ加藤伝三郎親分に見込まれたのをきっかけに、出会いや抗争の中で、めきめきと頭角を表していく龍二を、松方弘樹が好演する。やや下火になりつつあった東映のヤクザ映画が、その熱気を取り戻した作品。

ヤクザ映画としてのみどころ

稲川会という大組織を起こした主人公の一代記です。鶴田浩二や菅原文太らの東映のスターが総出演して、松方弘樹を盛り上げました。スター松方弘樹の代表作です。東映ファミリーの絆、もうひとつの物語に胸がアツくなります。60年代のヤクザ映画は着流しの任侠路線、それに対して70年代は実録路線といえますがこの作品は任侠・実録両方のいいところが出会った作品として楽しめます。鶴田浩二と菅原文太が、スターとして独り立ちするのを支えているかのような演技が、グッときます。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 任侠路線にも、実録路線にも、満足できなかった人
  • 東映を支えてきたヤクザ映画のオールスターが見たい人
  • 新しいスター松方弘樹誕生の瞬間が見たい人

このヤクザ映画はこんな人には向いてないかも

  • 昔ながらの任侠路線の映画を期待している人
  • 実録ものはリアルすぎて好きでない人
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11.極道の妻たち(1986年)

「あんたら、覚悟しいや!」岩下志麻の銃声が80年代に響く!

やくざ映画
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あらすじ

抗争に明け暮れる男たちのヤクザ社会の裏で繰り広げられる、女たちのもうひとつのヤクザ社会の物語。
1986年の第1作から、1998年の第10作まで、10作品が東映によってシリーズで製作された。

第1作の主演は岩下志麻。「極妻の岩下」と呼ばれるほど、岩下志麻のあたり役になった。
以後、十朱幸代・三田佳子・高島礼子らも主演した。
物語は、愛する夫や恋人を殺されてしまった極道の妻たちが、自らの手で仇討ち・復讐を遂げる物語。それぞれが愛した男のために、火花を散らす。

家田荘子のルポルタージュが原作になっている。

ヤクザ映画としてのみどころ

女性に大きな支持を集めました。
それまで男の観客に占められていたヤクザ映画の劇場に女性たちが集まります。
意地を貫く「極妻」たちを応援します。このシリーズでは女たちがかっこよく描かれており、それが胸アツポイントになっています。

逆に男たちはそれほどでもありません。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 意地を貫く女性に熱くなりたい人(特に女性)
  • ひとりひとり個性的な女性たちが戦う姿を応援したい人

このヤクザ映画はこんな人には向かないかも

  • 男のためのコアな任侠映画やヤクザ映画を期待している人
  • 怖そうな女の人たちの物語に抵抗がある人
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12.ブラックレイン

松田優作の遺作。キレッキレの役者魂を見届けろ!

ヤクザ映画⑫
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あらすじ

パラマウント(米)製作。アメリカ側の主演はマイケル・ダグラス、日本側は高倉健。ヤクザ役の松田優作の、主演を喰ってしまうほどのキレた演技が大きな話題になった。松田優作の遺作である。

ニューヨーク市警の刑事ニック(マイケル・ダグラス)は、逮捕しのヤクザを日本に護送する任務を命じられる。ところが大阪空港で、誤ってヤクザの仲間佐藤(松田優作)に犯人を渡してしまった上に、目の前で相棒のチャーリーを殺害されてしまう。復讐を誓うニックを支援する日本の刑事松本(高倉健)。ニックと松本は、協力して佐藤を追い詰めていく。

ヤクザ映画としてのみどころ

物語は、相棒を殺されたニックを、堅物の松本が職務を超えて応援する、2人の友情と犯人を追い詰めるアクションが胸アツポイントです。
マイケル・ダグラスと高倉健の、お互いのギャップを超えた絆が見どころです。
もうひとつの見どころは、この作品が遺作となった佐藤こと松田優作の、キレッキレの演技です。松田優作のバイオレンスに徹した演技は、90年代のヤクザ映画に大きな影響を与えました。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • ”ちゃんと日本を描いた”アメリカ映画がない…と嘆いていた人
  • 松田優作、最後の勇姿を見届けたい人

このヤクザ映画はこんな人には向いてないかも

  • ニックの相棒チャーリーが日本刀で首をはねられるシーンがあります。
    ショッキングなシーンが苦手な人。
  • ヤクザ映画は日本だけの文化だと信じている人
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13.ソナチネ(1993年)

90年代日本のヤクザ映画は「世界のキタノ」の時代を迎える

ヤクザ映画⑬
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あらすじ

主人公の村川組の組長村川(北野武)は、上部組織から沖縄で抗争する中松組の応援のため、現地に飛ばされる。現地に到着早々、対抗組織からの攻撃を受け、多くの仲間を失った村川は、中松組の隠れ家に避難する。

一瞬の平和な時間を過ごした直後、中松組は攻撃を受け壊滅し、村川たちも襲撃を受ける。不審に思った村川は、上部組織から来ていた高橋を捕獲(ほかく)、拷問(ごうもん)によって真実を聞き出す。上部組織はもともと沖縄の対抗組織と手を組みたがっていた。それには対抗する傘下の中松組が邪魔だ。村川たちは、中松組をおびき出すおとりだったのだ。ついでに村川たちも消してしまい、村川組の縄張りを横取りするたくらみもあった。真実を知った村上は、沖縄にやってくる上部組織の組長を待ち伏せる。

ヤクザ映画としてのみどころ

暴力そのものを描いた、北野武初期の代表作です。
1994年にカンヌ映画祭で上映され、世界に高く評価されました。突然訪れる、圧倒的な暴力シーンが見どころです!バイオレンスを追求する北野映画を熱狂的に評価する「キタノニスト」が世界中に誕生しました。
イギリスのBBC放送が選ぶ「21世紀に残したい100本の映画」にも選ばれており、この作品で北野武は「世界のキタノ」になりました。

北野監督の作品はこの後にももう1作品ご紹介しますが、もっと北野監督作品に触れたい!という方はこちらの北野監督おすすめ映画記事もチェックしてみてくださいね!

北野武出演・監督映画一覧と代表作&おすすめ作品まとめ

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 圧倒的なバイオレンスシーンにひたりたい人
  • 「世界のキタノ」ワールドをまだ知らない人

このヤクザ映画はこんな人には向いてないかも

  • 暴力シーンの連続があまり好きではない人
  • 拷問シーンが苦手な人

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14.アウトレイジ

「世界のキタノ」究極のバイオレンス・エンターテイメント

ヤクザ映画⑭
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あらすじ

2010年に北野武脚本・監督で製作され、ワーナー・ブラザース映画で配給された作品。

アウトレイジシリーズの第1作。続いて2012年に「アウトレイジ・ビヨンド」、2017年に「アウトレイジ 最終章」が公開されている。

北野武が演じる主人公は、上部組織傘下の大友組組長大友。
上部組織の命令で、麻薬のしのぎに関与する村瀬組を締めに行く。大友の襲撃で村瀬組は解散する。

ところが村瀬は、再び麻薬に手を染める。大友は無慈悲に村瀬を射殺する。
上部組織はこれを機会に、大友組の破門を宣告、怒れる大友は、上部組織の手先を射殺。
傘下の組同士の抗争は激しくなり、大友は組員を皆殺しにされてしまい、刑務所に逃亡する。

ヤクザ映画としてのみどころ

キタノ流の圧倒的なバイオレンス・シーンが健在です。
北野武自身が「どうやって人を殺そうかというプロセスを先に考え出し、それに対してストーリーを後付けした」とインタビューに答えています。
純粋なバイオレンス・シーンをお楽しみください。

映画「アウトレイジ」には、北野武以外にも、椎名桔平・三浦友和・石橋蓮司・小日向文世らの芸達者な役者陣が登場します。
彼らが純粋なバイオレンス・シーンをどう演じるかも見どころです。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 純粋にバイオレンス・シーンを見たい人
  • 芸他者な役者陣がどうバイオレンス・シーンを演じるか見たい人

このヤクザ映画はこんな人には向かないかも

  • 不条理な暴力シーンに納得できない人
  • 残酷なシーンの連続に耐えられない人

 

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15.孤狼の血(2018年)

「魂に焼きつく、暴力とカタルシス」これが2010年代東映ヤクザ映画だ!

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あらすじ

出典:映画『孤狼の血』予告編

柚月裕子の小説「孤狼の血」を東映が映画化。

暴力団対策法成立以前の昭和初期の広島、架空の暴力都市「呉原」を舞台に、警察×ヤクザがプライドをかけて繰り広げる、激烈な抗争を描く。
主人公の刑事二課主任・大上章吾に役所広司、部下の日岡に松坂桃李、大暴力団広島仁成会に対立する尾谷組若頭・一之瀬に江口洋介を配して描かれるバイオレンス巨編。

発端は、暴力団系列の金融会社社員の失踪事件。事件を追うのは手段を選ばない捜査で知られる異端刑事の大上と新米の日岡。
警察と暴力団、暴力団どうしの抗争が、凄絶に繰り広げられる先に、あっと驚く結末が伏せられている。

原作の柚月裕子は、無類の「仁義なき戦い」ファン。撮影はオール広島ロケで行われた。

ヤクザ映画としてのみどころ

警察小説×ヤクザ小説、ダブルの面白さを、役所広司・松坂桃李・江口洋介、そしてヒロインの真木よう子が演じます。
オール広島ロケであり、芸達者な役者陣の広島弁・呉弁も物語に迫力を与えています。

黒刑事として、強引な違法捜査を繰り返す大上に、新米刑事として懸命に巨悪に挑んでいく日岡に気持ちを重ねれば、胸アツになれるでしょう。

このヤクザ映画はこんな人におすすめ

  • 新しいタイプのヤクザ映画を見たい人
  • 警察映画×ヤクザ映画を2倍面白いと思える人

このヤクザ映画はこんな人には向かないかも

  • 広島弁がまったくわからない人
  • 血を見たくない人
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まとめ

日本のヤクザ・任侠映画は、時代とともにそのスタイルを変えてきました。
初期の任侠ものから、若いヤクザの青春を描いたもの、さらに暴力団の実録シリーズから、小説の映画化まで。
現在では、暴力そのもに焦点をあてたものが主流です。

スタイルは変わりましたが、登場するヤクザの「極道魂」は不変です。
義理人情に厚く、まっすぐに生きようとするために、さまざまな争いに巻き込まれます。争いのなかでも、
彼らは熱い生き方を変えようとしません。
それが彼らの「極道魂」だからです。

時代のなかで、まっすぐで熱い魂を貫こうとする姿に感動します。
ヤクザ・任侠映画に描かれた「極道魂」が時代を越えてきらめく瞬間を、目に焼き付けておきませんか。

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この記事を書いた人
アルファ
アルファ

滋賀県在住、高卒から映画ひとっとび専属ライターになりました。 親の影響で映画が好きになり、特にアクション系が大好き。 特にトム・クルーズとキアヌ・リーブスは私のマイヒーローです!